
総合評価
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powered by ブクログご縁で、横山秀夫さんを一通り読んでみようかな、と。 2003年に出た本のようです。連作短編集。 F県、という架空の県の、県警察の刑事部、捜査1課の三つの班の人たちがかわるがわる活躍します。 これが、エライコト面白かったです。 いつもながら、感心するくらいにそれぞれの話がエンターテイメント。 毎度のことで、開始すぐに、その短編の「謎」が刑事事件の形で現れます。 これだけでも面白いのですが、そこに必ず、「警察」という会社内の人間関係やしがらみ、あるいは特定の刑事さんの抱える個人的な事情が絡まってきます。 なので、どの話も基本は二つの興味で読み進めることが出来る。 …と、ここまでは、出来不出来はともかく横山さんの犯罪系の小説全般に共通しているところなんですが。 この「第三の時効」は、それに加えて三つの班のそれぞれの班長さんの個性が、とっても豊か。というか、ほとんどマンガすれすれというくらいにキャラ立ちしています。 1班班長…かつて交通事故で子供を死なせてしまった、という負い目から、決して笑うことのない男。正攻法で押していく、強面のドスの効く寡黙な叩き上げタイプ。 2班班長…一件怜悧な官僚タイプ。なんだけど、手掛けた事件の犯人を挙げるためには、奸智な罠も、警察内部の調略も辞さないという、マシーンのような暗めの男。 3班班長…人柄的にはいちばん普通。直観の天才、というのか、現場を見て第一声で事件の本質を言い当てる。ある種、芸術家肌を感じるタイプ。 作為的ともいえるその作り込み方は、読む人によっては興ざめなのかも知れませんが、僕はケッコウ楽しめました。 収録されているのは、 沈黙のアリバイ(1班)/ 第三の時効(2班) / 囚人のジレンマ(課長+3人の班長) / 密室の抜け穴(3班) / ペルソナの微笑(1班) / モノクロームの反転(1班と3班) という6個の作品。 個人的には2班と3班の班長さんの活躍をもっと見たかったな、と思いました。 やはり、普通で言うと面白いのは「第三の時効」だと思います。 加えて個人的には、「密室の抜け穴」のかなり好きでした。なにより3班の班長さんのキャラが良かったです。 次点として、「囚人のジレンマ」ですね。 よーく後から振り返ると、読後直後の興奮が持続しないのが、横山さんの短編の仇なんだろうなあ、と思います。 そういう意味では、同じようなことをしていても、やはり長編の方が、保温度、とでも言うべき味わいは深いですね。 ###########以下、備忘録########### 沈黙のアリバイ... 強盗殺人の犯人が、裁判で急転無罪を主張。 色々調べると、取り調べ中に、取調官を「逆落とし」していたことが判る。 班長さんが、推理に推理を重ねて、想像だけで犯人の死体遺棄現場を特定してしまって、落とす。 第三の時効... 「ある女性をレイプして、夫を殺した男」がいる。逃げていて、もうすぐ時効。 しかもそのレイプで女性は子供を産んでしまった。女の子。もう13歳とか。 時効になったら連絡してくるだろう、と、女と娘の家に張り込む。 実は時効が2段構え。犯人は1週間海外に逃げたため、その1週間分伸びているという、法律知識。 ところが、娘の幸せの事を考えると、捕まって公判になったら、あまり幸せではない。出生の秘密がばれてしまうかも。 犯人は時効の罠を知っているのか。 第1の時効、現れない。第2の時効、これも現れない。 刑事たちの間でも、良かった、その方がよかったね、と思いきや。 冷酷な班長が現れて、身柄無しで送検したから、あと1週間、時効が伸びた、と。 その第三の時効、に犯人は引っかかる…。 囚人のジレンマ... どれも個性的で、規律を守ることの薄い腕っこきの班長3人を抱える捜査一課。 その捜査一課長は、現場の腕で言うと、三人にかなわない、という微妙なコンプレックスを抱えたまま、その三人に乗っかっている。 三つの班の三つの事件、その取り調べを巡回しながら、 記者の夜回りに対して、「三人の班長を信じていいのか」というジレンマに陥る。 最後は、愚直ながらベテランの味の古参刑事の退職前の花道を、それぞれに考えていた、という落ち。 密室の抜け穴... 殺人事件の犯人のマンションを囲んで、朝方逮捕に行ったら、もぬけの殻だった。 犯人は別の場所で女を殴って逃走中、と情報が入る。 どの出口の見張り刑事が見逃したのか?わざとか?ミスか? 捜査担当者を詰問する警察内の会議室の密室劇。 脳梗塞で倒れていた三班班長が復帰し、ぶつぶつと真相へのヒントを呟く場面が印象的。 ペルソナの微笑… かつて子どもの頃、誘拐犯に利用された苦い過去のある、若い刑事。 そして、同じく子供の頃、大人に利用されて青酸カリを親に飲ませて殺してしまった青年。 そして、現在発生した、浮浪者のような男の青酸カリ毒殺事件。 若い刑事が真相を暴く。 青年が、かつて自分に青酸カリを渡した男を、同じように子供を使って毒殺した、という真相。 暗い過去を背負った刑事が、それを隠すように軽薄な冗談好きな軽口男、という姓格付けは面白かった。 モノクロームの反転... 同じ殺人事件に、珍しく1班と3班が共同捜査にあたる。 と、言っても、そこはライバル同士、ぜんぜん協力し合わない。 3班の班長がほぼ追い詰めた犯人。だが決め手がない。 葬式を見て何かしら改心した1班班長が、貴重な情報を3班班長に渡して、逮捕になる。 黒い車を節穴からのぞき見たら、光線の都合で白に見えた、というのが味噌。
0投稿日: 2014.11.03
powered by ブクログ第三の時効の「第三の時効」、まさかそんな結末が…! 衝撃の後にくる更なる衝撃…! 短編集のため、次の章があるけどあっけにとられて本を閉じ、驚きと余韻を味わってしまいました。 横山さんははずれないですね~(今のところ)。 感情の描画がホントにすばらしい。
0投稿日: 2014.10.23最高の人間物語
F県警の強行班を舞台とした連作短編です。 個性的な3人の班長とその上司である捜査1課長を軸にし、事件解決までの濃密な人間ドラマが描かれています。 3人の班長はそれぞれに優秀すぎるほど優秀であるが、それ故普段は自己があまりにも強すぎ、手を焼く課長。しかし最終的には犯罪を憎む刑事としての本能が自己を押さえこむシーンに、プロとしての男を感じます。 自分はこの作品に出てくる3人の上司に仕えたいと思うかどうかは正直自信はありません。それでも3人の班長は魅力的なプロであることを読者は感じずにはいられないはずです。そしてそれこそが作者の力量だと思います。 横山作品の中でも珠玉の一本だと思います。まずは読んでみてください!
0投稿日: 2014.10.13
powered by ブクログ表題作の他に五作品収録されていて、読み応えのある作品でした。とにかく警察内部の争いに中心が置かれていて、シビアな警察の内部事情に詳しくなった気になれました。
0投稿日: 2014.10.03短編だけど短編じゃない
各編での登場人物の個性が強烈で、引き付けられます。 人間の心理や駆け引きも読み応えありです。 横山作品で初めて読んだ警察ものでした。 おススメします!!
0投稿日: 2014.10.01
powered by ブクログこれまでに、刑事同士の張合いや成果の取り合いについて書かれている小説を何度か読んだ。正直言って、なんでそんな内部で足の引っ張り合いをするんだ。と不思議でならなかった。 でも、本作でその疑問も吹き飛んだ。 刑事課の中で繰り広げられる成果の取り合いを、時には神視点で、時には刑事自身の視点で書かれている。彼らの意地の張り合いが、実は捜査の進展に大きく貢献していることが良く分かった。 基本はミステリー小説で、これはもう素晴らしい落とし方なので、文句なし。その後ろで意地の張り合いをする刑事たちがきめ細かく描写されている。意地の張り合いは、彼らの捜査エネルギーの源であり、事件解決を早めているのが良く分かる。 名作ですよこれは。 続きがあるようなので、探して読んでみる。
0投稿日: 2014.09.22
powered by ブクログ警察モノ.全6編の連作短編集.刑事たちのプライドと執念.そして正義.とても生々しく臨場感満載で面白かった.しかし,あまりにも一途な想いは冤罪を連想してしまい.ちょっと怖かった.
0投稿日: 2014.09.11
powered by ブクログ64を読んでから、今更かもしれませんが、横山秀夫にはまってしまいました。一つ一つの話しが良く練られています。
0投稿日: 2014.09.08
powered by ブクログ半落ちと同じような感じのする短編集。強行犯捜査3班それぞれの個性ある感じが出てるし、加害者、被害者にも味がある感じ。 ただ、半落ちと連続で読んだので、またこれか感もあった。。
0投稿日: 2014.09.08
powered by ブクログ横山秀夫氏の短編集。刑事・警察ものだったら横山氏に限る。F県警強行犯罪担当の3班それぞれの事件の対応をあららしく描く。短編とはいえ、それぞれのストーリーに人情味や人間味そしてオチがあり面白い
0投稿日: 2014.08.26
powered by ブクログ硬派な短編集。 この本のなかには「奇跡」はない。 ストーリー上起きることは、現実味があり、犯罪以外に関して言えば理論的で、人々の関係性も一筋縄ではいかないパワーバランスや葛藤がある。 F県警強行犯係に関連を持つ人々の緊張感が全篇を通して貫かれているからか、短編集で感じがちな「中だるみ感」がほとんどなく、一度に読み進めたくなる。 個人的には表題作よりも「囚人のジレンマ」が好み。 短編集が苦手な人でも楽しめると思う。
1投稿日: 2014.08.07
powered by ブクログ短編集で今までで一番おもしろいです。 短いのに、世界観、登場人物の個性がどれも際立っていて、秀逸の作品です。 警察小説として、かなり素晴らしく、お薦めできる作品です
0投稿日: 2014.08.03
powered by ブクログF県警を舞台にした連作短編。このシリーズ、もっと読みたい! 新聞の隅にのって終わり、というようなありきたり風の事件3件を、スーパー管理職捜査一課長田畑さんの視点から、部下や記者たちとの確執を絡めて描かれた「囚人のジレンマ」はこの作者らしい、真骨頂といえる面白さです。 三人の変人班長を抱える田畑課長、胃が痛すぎですよね… それぞれのスタイルで事件を捜査する三人の変人班長達、もっと続きが読みたいですね。
0投稿日: 2014.08.03
powered by ブクログ非常に濃い内容で仕掛け方が大胆かつ繊細でした。 とても面白いです。 そのうえどの短編もかなりレベル高い。 ですので続編を読みたいと思いました。
0投稿日: 2014.07.24
powered by ブクログ横山秀夫さんの「第三の時効」読了。F県警捜査第1課の班長「朽木、楠見、村瀬」が競い合う強行犯シリーズ第1弾。全6編から成る連作短編集。同時期に発生した3件の殺人事件を性格異なる班長が捜査、犯人逮捕に繰り出す。。面白かった!3班の熱い手柄競争、部下の詳細な心理描写、時折みせる人情味など、短編だけど読み応えたっぷり。個人的には標題作の「第三の時効」「囚人のジレンマ」「ペルソナの微笑」が良かった。前評判通りの面白さ。最初の1行から引き込まれます。オススメ♪
1投稿日: 2014.07.19
powered by ブクログF県警を舞台とする6つの短編集。 色々な立場の刑事の話で視点や見方、手法が異なり、興味深くぐいぐい引き込まれた。 班長三者三様の捜査手腕で読み応えたっぷり。田畑課長の苦悩が伺える。 骨太な短編集でした。
0投稿日: 2014.06.27
powered by ブクログ青鬼と呼ばれる理詰め型の捜査を得意とする一班班長、朽木。冷血と称される、謀略型の二班班長、楠見。閃きと直感力で事件の本質を見極める三班班長、村瀬。彼らが所属するF県警強行犯捜査課の活躍を描いた連作短編集。 刑事は何のために事件を解決するか。もちろん正義のためなのでしょうが、この本の登場人物たちの事件に対する執念を読んでいると、それとは違う何かがあるような気がしてしまいます。事件を憎みつつも、それに憑りつかれてしまっているような、歪な共依存の関係のようなと言うか。 そういう感情って一般人からしたら理解しがたいものだと思いますが、それが自然と読者に受け入れさせるのが横山さんのすごいところ。 他にも『沈黙のアリバイ』で取り調べの重圧に押しつぶされそうなる刑事。『第三の時効』で上司に敵愾心を抱く刑事。『囚人のジレンマ』で、三人の班長の有能さを認めつつも、彼らを信じきることができない捜査指揮官、『ペルソナの微笑』で登場する過去に傷を残す刑事と色々な刑事たちが出てきます。 そして彼らそれぞれの描写や追い込まれていく雰囲気の描き方というものも抜群に上手く、マスコミ対策や警察や他の班との縄張り争いもかなりのリアリティがあります。そしてミステリとしてもオーソドックスな捜査ものから、犯人を罠にかけるものや証拠、証言が反転するものなどバラエティ豊かでそれぞれ完成度が高いです。 作品全体を通して硬質かつ重厚な雰囲気が続くのですが、それなのに読みやすいっていうのもすごいと思いました。 ミステリ部分も刑事の人格を描いた部分も完成度が高く、警察小説の最高峰と呼ばれるだけある傑作だったと思います。横山さんは最近まで体調を崩されていたそうなのですが『64』で見事に完全復活されましたね。またこのF県警強行犯シリーズも発表していってほしいです。 2004年版このミステリーがすごい!4位
0投稿日: 2014.06.07
powered by ブクログ5つぐらいの短編からなる刑事小説 実際の警察の捜査ってこんな感じなのかな 一つ一つの事件がしっかりと練られていて リアリティに富む作品でした
0投稿日: 2014.05.24
powered by ブクログ横山秀夫の小説を読むのは3作目で、これが1番面白かった。短編集で主人公が変わるが、舞台と登場人物は一緒で、前の主人公のその後が分かるのも面白い。シリーズの続編があるようなので読んでみたい。
0投稿日: 2014.05.16警察の特捜班の確執か
タイトルに魅せられ読んでみたが、項目毎のオムニバスになっており、特捜班の確執が テーマのようである。タイトルの第三の時効は2項目に書かれており犯人の決めてが 少々甘い設定のようである。特捜班の班長を頭に捜査のライバル意識、競争などが 面白かった。
0投稿日: 2014.05.15
powered by ブクログ横山秀夫の短編集。クライマーズハイくらいしか読んでいなかったけど、なかなか面白い。 警察小説を読み始めようと思いました。
1投稿日: 2014.05.01粒ぞろいの良作が凝縮された一冊
殺人事件の時効が迫る15年―-。しかし実際は、犯人が起こしたある行動のために、期間の延長された第二の時効が存在していた。 第一の時効から第二の時効までに狙いを定めて張り込む警察と犯人の駆け引きが繰り広げられるなか、現場の刑事も知らなかった「第三の時効」が浮上する。 表題作を始めとして、F県警を舞台に数々の事件や組織の対立を描いたこの本は、どれも粒ぞろいの良作。警察小説の長編『64(ロクヨン)』に手を出す前に、横山作品を味わいたいという人にもおススメです。
6投稿日: 2014.04.30
powered by ブクログ29 横山秀夫作品で、実はこれまでほとんど読みながら犯人が誰か、どんなトリックなのかを気にして読むことがない。いや、できない。 それほどまでに読ませる、そして読者の脇見も許さぬほどストーリーに引き込ませる力がある。 短編を重ねながら視点を変えることにより読者を飽きさせることなく、また伏線が張り巡らされており、警察ミステリーの珠玉の一冊である。
0投稿日: 2014.04.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編、それぞれ一気に読まずにいられない面白さ。 警察内部のリアルな渋さにはっとさせられる。 著者、2冊目だが 気づくまでの心理描写が秀逸だからはまるんだろうな。
0投稿日: 2014.03.18
powered by ブクログ横山秀夫の警察短編集には名作が多いが、その中で「代表作」を挙げるならば本書になるのではないか。ミステリーというジャンルを軽々と越え人間の深部を深くえぐる作者は、正に現代日本の財産といえるだろう。 『沈黙のアリバイ』に出てくる、取り調べている警官を手玉に取る湯本はどうだろう。ボス格の男にはいつもいいように使われ、取り調べにも脅え(100%演技だったとも言えないだろう)、それでいて演技の自白が「できてしまう」小悪党。ピースやレクター博士のような絵に描いたようなサイコパスよりも、よっぽど恐ろしく思える。
0投稿日: 2014.03.18
powered by ブクログさすが横山秀夫だなあと! F県警シリーズ第一弾、短編集です。 捜査一課強行犯係には一班から三班まであり、三人三様の班長が互いに意識し合い、競い合う。三様のやり方で、ホシを挙げる。落とす。 どの班長も、魅力ありすぎて違い過ぎて選べないけど、やっぱり1番は表題の第三の時効でしょか!どんでん返しを浴びたとき、もう、ぐわーっと暑くなりました。いやほんと、面白過ぎます‼︎続編読みたい。
0投稿日: 2014.03.01
powered by ブクログ短編なのに どっしり読み応えがある。 F県警を舞台に熱い男が出まくる。 トラウマあり、推理あり、隠れた信頼あり。 1話50Pなのだが、50Pの中にものすごい惹きつけられるドラマがある・・・ 上手すぎる。
0投稿日: 2014.03.01
powered by ブクログミステリーの短編は好きではない。謎解きクイズみたいだからだ。深みがない。短編はほとんど読まない。 この本は短編と知らずに買ってしまった。読んでびっくり。面白かった。連作でなくとも、いっぺんだけでも深い。緊張感もあり、人もいて、どんでん返しもすばらしい。短編が故の研ぎ澄まされた面白さがある。
0投稿日: 2014.01.24
powered by ブクログD県警の捜査一課の3つ班のストーリー。 それぞれの班長は変わり者だが検挙率はすごい。 その班長と班員、それぞれの班長同士の対立は後半でキャラが分かり出すと面白くなってくる。 だから続編が出ればここより面白くなるだろう。 それを期待しよう。
0投稿日: 2014.01.21
powered by ブクログ短編ながら良くできた警察小説だった。 単なる推理だけでなく、人間ドラマになってる。 もう一回読んでみようと思わせる内容。
0投稿日: 2014.01.18
powered by ブクログ【選んだ理由】 64を読んで面白かったから 【読んだ感想】 この著者の本は外れない。ロクヨンに続き楽しく読めた。ヒーローが出てこなくて、人間ドラマだけでここまで読ますのが凄い。
0投稿日: 2014.01.04警察小説はやはり現場モノがいい!
横山秀夫氏の警察小説は、最前線の刑事達の周辺の管理部門まで含んだ様々な関係者の心理描写を押さえたストーリーが秀逸で、短編の「D県警シリーズ」や「半落ち」などの中編、怒濤の最新長編の64まで、むさぼり読みましたが、その中でもやはりこの「第三の時効」はどんでん返しの意外性、感動、緊張感、全てにおいて最高だと思います。 特に、F県警強行班の精鋭3部隊を率いるそれぞれの個性的な班長の設定がすばらしく、各短編毎にその活躍が描かれる中、短編同士でストーリーが絡み合って、最終的には一冊の中編小説を読み終えた満足感を得ることができます。 管理部門に焦点を当てた心のせめぎ合い物も大好きですが、やはり捜査最前線の緊迫感や勢いはこの小説の醍醐味だと思います。 横山ファンのみならず、警察小説が好きな方は絶対に読むべき!おすすめです。
4投稿日: 2014.01.04
powered by ブクログ64と半落ちで好きになった作家の、次に選んだのが本作。まず短編集ってことにちょっとびっくり。経験値が低いせいだけど、警察小説で短編集ってのが初体験の気も。キャラも魅力的だし、このメンツで他の物語も見たいって気にはさせられたけど、やっぱり長編でこそ本領が発揮されるんじゃないか。もう一歩、感動的な流れが欲しい気がしました。
0投稿日: 2014.01.01惜しげもなく詰め込んでます!
再読。警察小説の名作です。 一言でいうと、「勿体ない」です。しかし、僕が通常レビューで使う、設定やらキャラクターの無駄遣いという意味ではありません。6篇の短編に、長編にしても充分な結末を惜しげもなく投下してくる恰幅の良さに唖然としてしまっている表現です。これだけの内容で、一冊分の代金しか貰わないなんて、勿体ないでしょ! 中でも、表題にもなっている「第三の時効」は、初読の時には独りで「うぉ!」とか思わず声を出してしまったのを憶えてますね・・。 近いうちに再々読してるかも。それくらいの一冊です。
0投稿日: 2013.12.30
powered by ブクログ知り合いの方から借りたので普段の好みとはちょっと違うのですが読了。 警察小説はあまり読まないのでドラマを見ている様な感覚でした。 短篇集ですが、同じ警察内での別部署だったり同僚だったりのお話。 刑事たちの熱いドラマ的な。 ひとつひとつの話は良く出来ていて、最後の盛り上がりも面白いです。 文章も読みやすく、さらっと読み終わりました。
0投稿日: 2013.12.24登場人物が個性豊かで面白い!
警察小説の連作短編集です。 F県警捜査一課の個性豊かな3班の班長さんを中心とした警察小説。その3人の班長さんのキャラが強烈なのですが、とても人間味があって、引き込まれます。展開もスピーディなので最後までスラスラ読めました。 面白かった!
2投稿日: 2013.12.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
横山作品の中で名作と称えられる『第三の時効』だが、私は少々込み入り過ぎていて解りにくかった。フィクションンなのだから、何でもあり、著者の思うがままであるが、読者が共感できる登場人物の心理や、読者が知らなかった知識などを盛り込むことでリアリティを出して行くのがミステリーだと思う。 『第三の時効』は、競い合う三班が、互いに絡み合う事件や、共同戦線を張る事件への対応を描きだすことで、人間模様をあぶりだすというテーマなので、犯行の動機や犯人のトリックなどのリアリティが若干弱くなってしまっているような気がした。 沈黙のアリバイ >> この作品も、ドラマ化されて時は、渡辺謙さんが主演なんですね。贅沢かもしれないけれども、渡辺謙さんでリメイクして欲しいなぁ~ 第三の時効 >> 表題作の『第三の時効』の主演は、緒方直人さんかぁ~最近あまり話題にならないけど、良い俳優さんですよねぇ~事件そのものの行方よりも、森の気持ちが揺れ動く様子が気になる作品。最後の「森は、肩に孝一を抱き上げて歩き出した。『なあ孝一、お前、中学生の姉ちゃん欲しくないか』」という台詞の余韻がたまらなく嬉しい。この余韻をあなたも味わって♪ 囚人のジレンマ >> 捜査第一課の中で成果を競い合う三つの班、全く人情味がなく、冷酷そのものに感じられる争いの砂漠に田端捜査一課長が見たものは… 密室の抜け穴 >> あの登場人物が、事件に絡んでいるというのは、反則だと思いますけど、相変わらず、電車を乗り過ごしてしまうほど引き込ました。 モノクロームの反転 >> 一家三人刺殺という重大事件が発生した。田端捜査一課長は、ローテーションを守ると三班の投入となる事件に、一班も投入した。捜査第一課の中で成果を競い合う一般の朽木と三班の村瀬、田端捜査一課長の判断はどのような結果に?
0投稿日: 2013.11.28
powered by ブクログ短編の名手といわれた、著者の代表作。 最後まで、手に汗握る内容。 第二時効までは理解できる。海外渡航で時効が伸びるらしい。 しかし、他に第三の時効があるのか? 犯人は誰か? 刑事の執念と時効という時間との闘い。 63ページという短い枚数で最後の最後まで楽しめた 警察小説らしい作品。
1投稿日: 2013.11.24
powered by ブクログ久々の刑事もの。有名なタイトルだけあって安定の面白さでした。表題作も良かったけどペルソナの仮面も好きでした。二課長視点の話が無かったのは意図的??
0投稿日: 2013.11.20
powered by ブクログ一つ一つの事件は短編だが、すべて同じ警察内での事件。派閥あらそいや、出世争いなど、様々な思いが交錯する中、憎むべき犯人をつきとめるという思いは皆同じ。そんな男たちの思いがじんとくる。
0投稿日: 2013.11.17そもそも「第二の時効」は何なんだ。
とタイトルが気になった方は、是非「第三の時効」本文へ。 F県警強行犯係を舞台にした連作短編集。刑事ドラマかつミステリとしての魅力が凝縮された、「沈黙のアリバイ」「第三の時効」「囚人のジレンマ」「密室の抜け穴」「ペルソナの微笑」「モノクロームの反転」の計6編。 どの作品も、テレビドラマではなかなか味わえない、「刑事」のリアリティにゾクゾクする。 表題作「第三の時効」も秀逸だが、少年時代に心に傷を追った刑事が毒物事件に対峙する「ペルソナの微笑」も人間臭くて良い。
0投稿日: 2013.11.09「半落ち」よりおもしろい
短編連作の警察小説。 同じ作者の「半落ち」よりずっとおもしろかったです。
0投稿日: 2013.10.28渋い、熱い、男の世界
この短編集は本当に面白い。事件そのものの展開と、登場する刑事同士のぶつかり合いと。ストイックです。 昨今流行のお茶らけたミステリー小説に飽き飽きしたら、横山さんを読んでお口直しを。特にこの作品は短編の中に渋さ熱さと臨場感が詰まっているのでオススメ。
0投稿日: 2013.10.21
powered by ブクログ捜査一課の内部で班長同士の手柄争いというのはありそうで、それがある意味捜査にプラスに働いているのはいいことだなぁと思うけど、今の日本の場合、足の引っ張り合いでマイナスにしか働かないような気がするのは、人間不信に陥ってるからなのかなぁ
0投稿日: 2013.10.14最悪にして最強の捜査官
傑作! 朽木、楠見、村瀬の三班長それぞれの個性と確執で読ませる構成が見事。で、公安出身の楠見のキャラ造形が、おそらくは前代未聞の素晴らしさ。冷血で協調性ゼロで性格歪みまくってて、同僚や上司としては最悪だが、捜査官としては最強。いわゆる「名探偵」が警察組織の中にいたら、こんな最悪野郎だろう、と。打ち上げも懇親会も欠席だし(笑)
3投稿日: 2013.09.26短編集の中では断トツ!
短編集の中では断トツに面白いです。 読んで後悔はしないと思います。
0投稿日: 2013.09.25設定の緻密さ
全て面白かったですが、特に「第三の時効」の冒頭からの引き込み方がすごい。 短編とは思えない物語の深さに脱帽です。
0投稿日: 2013.09.25横山秀夫のF県警強行犯を舞台とした連作短編警察小説
今までは、どちらかというと警察の捜査部門でない管理部門の人間を描いていたが、この小説はもろ刑事を主人公にしている。F県警強行犯の3班を舞台に物語りは展開する。捜査方法はそれぞれの班長のタイプによって違うが県下ではほぼ100%の検挙率を誇り、課内では互いの班が手柄を挙げるためなら相手を蹴落とす事など何とも思わないという凄まじさ。1班の朽木はスタンダードな「理詰め型」 2班は、公安出身の楠見で「搦め手型」もしくは「謀略型」 3班の村瀬は「閃き型」または「天才型」という性格も違えば捜査のやり方も違う。毎回、どこかの班が物語の中心となり事件の謎を追っていくという話である。とにかく各班長の個性が強力なのだが、そこはやはり横山作品。短編でも唸るようなトリックや事件の真相が隠されておりそれぞれのエピソード毎に濃い内容で、組織内でのそれぞれの登場人物の思惑が絡み緊張感のある話になっている。 F県警強行犯は、どうやらシリーズかするらしく現在、雑誌に連載中だとか、楽しみである。
0投稿日: 2013.09.24絶妙に絡み合う短編集
表題を含め、全六篇からなる短編集なのだが、それぞれの登場人物の背景や思惑が絶妙に絡み合う。 そこにいやらしさがなく、なるほどな!と感じてニヤリとさせられた。 F県警強行班の第一話なので、先入観なく読めるのでオススメです。
2投稿日: 2013.09.24
powered by ブクログ熾烈な人間関係と絶妙な謎解きがちりばめられた、警察小説の大作である。 主人公達は、とある県警の捜査第一課強行犯係に所属する。 同作品は、強行犯係に帰属する三班の各班が絡んだ事件ごと一篇、計六篇をまとめ編纂した短篇集。 各班の班長の人間性が、事件真相解明への変遷に大きく関わってくる。 この人間性こそが、この作品の最も大きな魅力なのだ。 冷静沈着で、部下から絶対の信頼を得ている一班班長の朽木か。 公安上がりで、心理作戦を得意とする二班の楠見か。 直感直情型で、経験則からの閃きから周りの信望が厚い村瀬か。 私自身は村瀬に近いタイプであるが、クールな朽木にとても魅力を感じる。 この極上の警察小説を未読であれば、是非ご賞味あれ。
1投稿日: 2013.09.18
powered by ブクログ盛り上がったところでアッという間に終わってしまうので、短編はあまり好きではない。 でも、個性的な刑事達が事件を解決していく様は爽快。 部署毎の競争に終始するかと思えば、多少の人情も垣間見られた。本当に「多少」だったので、もう少しそこを描いてもよかったようにも思う。
0投稿日: 2013.08.31
powered by ブクログ引き込まれるストーリーと人間ドラマで、とても面白いし、すごいとは思うけど趣味じゃない。リアル警察・刑事さんって本当にこんな感じなの?なんかすごく大変そう。
0投稿日: 2013.08.31
powered by ブクログ代表作はミステリー的な仕掛けがしっかりと施されていますし、質が高いです。それ以外の短編はオチや捻りが今一つという感じでした。 しかし、どの短編もアクの強い個性豊かな人物が目白押しです。特に第二班の班長・楠見は非常に人間臭くてリアリティーがありました。 事件の謎解きは勿論、警察内部の個性的な捜査官達の心理描写も綿密で、色んな意味で楽しめる小説だと思います。
1投稿日: 2013.08.30
powered by ブクログ「第三の時効」横山秀夫◆殺人事件の時効成立後に用意されていた「第三の時効」とは?表題作を含めた短編が6編。警察小説ですが一つ一つの作品どれを取ってもミステリーとしても本当に鮮やかで、短い中にも驚きが用意されていて、横山作品は初挑戦でしたが、ああこれがかの有名な横山さんかと納得。
0投稿日: 2013.08.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
F県警捜査一課の3チームそれぞれが事件にあたっていく短編集。 著者は人のことを知っていて人のことを描くのがうまいのだと思う。 1〜3班までの個性の強い班長たちがぶれることなく躍動し、絡みあう。 とんがった人間たちが、他人を思いやって動き始めたときのかっこよさは日常のかっこよさを凌駕するような気がした「囚人のジレンマ」と、意図的にはりつけた笑顔とそうでない笑顔のコントラストがきれいに描かれた「ペルソナの微笑」が個人的には好きだった。
0投稿日: 2013.08.24
powered by ブクログ2013第1冊目。基本刑事ものは嫌いだが、この人の「クライマーズハイ」や「半落ち」が面白かったので読んでみた。やっぱり面白い。解説にもあったが、囚人のジレンマは面白い。個性的な班長を束ねる課長の視点で3つの事件から課長を含め4人の人間性が出ている。
0投稿日: 2013.08.15
powered by ブクログ一見すると硬質ですが、読み進める程に芳醇で、終えた後に滋味が残るような短編ばかりでした。面白かったです。
0投稿日: 2013.08.12
powered by ブクログ特筆すべきは、この本をおススメしてくれた方が警察OBであるところ…。 警察小説はあまり読みませんが、最高に面白かったです。秀逸! 人物設定がしっかりしていて、落としどころを押さえている感じ。 続編の短編があると知り、図書館で予約しました~
0投稿日: 2013.07.28
powered by ブクログ痺れる。 硬質なエレガンスって言葉を この作家の本の批評で見かけたが、 まったくもってその通り。って、 既読の横山作品のレビューでも書いた気がする。 一貫して、ハードで緊張感ある物語。
0投稿日: 2013.07.24
powered by ブクログ久々の横山秀夫は連作短編集で、面白かった。表題作の「第三の時効」では、見事などんでん返しで騙され「ペルソナの微笑」の謎解きにはドキドキ・・・横山さん、未だハズレ無し!
1投稿日: 2013.06.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
以前読んだはずだったのに、ほとんど内容を忘れているので、再読です。こんなに面白い話ばかりだったのに、覚えてないとは、当時の私はいったいどんな読み方をしていたのでしょう・・・? ▼強行班係各班の競い合い、とても興味深かったです。同じ事件を追いながらも、手柄がどうのとか、先を越されたとか、どうやったら他の班を出し抜けるかとか、本当はそんなところで競ってほしくないと思いながらも、話の先が気になり、止まらなくなりました。犯人を追う作戦を練りながら、他の班を牽制しつつ・・・班長のお仕事ってストレスたまるなぁ。人間の腹黒い部分もちゃ〜んと読ませてもらえて、とても楽しめました。 ▼刑事だって人間。重圧に押しつぶされることもあれば、墓穴を掘ることもある・・・人間くささを感じました。 ▼スクープを狙う記者との心理戦も引き込まれました。マスコミ競争の熾烈さに警察も巻き込まれてしまっているのねぇ。 ▼「囚人のジレンマ」ラストは人情味深くて、ホロリときました。いいところ、あるじゃな〜い。
0投稿日: 2013.06.28
powered by ブクログう〜ん… どの班長も渋くてかっこいいんだけども… 推理小説を読み慣れている自分にとっては、刑事さんたちの閃きや勘に頼った感じの真実への持って行き方に納得がいきませんでした。突飛というか。ペルソナの微笑は良かったかな。
0投稿日: 2013.06.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久しぶりの横山秀夫でしたがうーん、相変わらず上手い。 最近期にしてラテ欄観てると特にTBSで横山秀夫サスペンスと銘打った2時間サスペンスがあって今作の中でも2編先にTVで見てました。 でもやっぱり映像と文章とではイメージの広がりが違う。 ドラマも悪くは無いですけど土俵が違うしまぁ勝てっこないですよね。 2編程警察組織内の政治力みたいなものが主軸になってる作品がちょっとダレて疲れましたが、その他はぐいぐい最後まで惹きつけておいて最後に衝撃の事実若しくはどんでん返し、更に見事な伏線の回収で面白かったです。
0投稿日: 2013.06.05
powered by ブクログちょっとした時間つぶしのために読み始めたら、止まらなかった。 短編それぞれについて3人の班長、課長を中心とした事件描写がされており、最後まで全く飽きなかった。 10年前のテレビシリーズを見れなかったことが、今ではとても残念。
0投稿日: 2013.04.30
powered by ブクログ表題作を含む6話の短編連作。 短編だと、中身が薄いなと感じることが多いなか、本作品はそんなことはなく、どれもトリックや、人間味などがぎっしりつまっていると感じた。
0投稿日: 2013.04.26
powered by ブクログ警察小説というジャンルでは、一級品なんだろうけど、純粋なミステリーというより、人間ドラマ的なところに重点を置いてある感じで、凄いスカッとする感じではなかった。でもきっと好きな人は大絶賛だと思う。
0投稿日: 2013.04.17
powered by ブクログ警察小説として最高峰ではないだろうか。6篇の短編が収められているが、どれも内容が濃い。捜査官の情念がどろどろと描かれリアリティがある。それゆえ、読後の爽快感がないのは仕方ないか。
0投稿日: 2013.04.14
powered by ブクログD県警シリーズより好きなんだが続きが出ないという… この三人で回してたら永遠に読めそう。 時効なしでおもそろかったです?
0投稿日: 2013.04.12
powered by ブクログ凄く面白かった❗班長のキャラがたっていてかっこよかったです( ´ ▽ ` )短編だけど読み応えありました
0投稿日: 2013.03.27
powered by ブクログ横山秀夫最新作『64』を読んでから本作を読んでみました。 花形捜査一課の三班それぞれのリーダーがものすごく尖ってて、その班ごとに色々な課題を抱えつつ、競うように事件を解決していく。 かなりトリッキーなところもあるが、その事ばかりを考えて考え抜いていくと、ふとした瞬間にその答えが頭に浮かぶ事と似ているのかなぁと。 優秀な部下にどう向き合うのかという視点でも面白い。 人間の器を試されるような感じもするが、そんなことを気にする私は大した器じゃないなと(^^ゞ
0投稿日: 2013.03.20
powered by ブクログ連作集だということは、本が手元に届いて初めて知り、長編好きの私としては正直、「短編か…」と少しトーンダウンしたのは否めないのだが、そんな先入観を吹っ飛ばしてあまりある傑作だった。 やや美化し過ぎの感もあるが、刑事たちの際立ったキャラクターはとてもアトラクティヴで、またプロット自体も、著者が得意とする警察内部事情の描き込みはしっかりしているし、そして古典的ミステリーを思わせるトリックまで取り込んで、ストレスなく非常に読み応えがある。 さすが、の一言。
0投稿日: 2013.03.13
powered by ブクログ警察官も人間なんだ。 人間離れした班長さんたちだけれども それがまた惹かれる。 都会じゃないところがまた面白いんだろうな。
0投稿日: 2013.03.12
powered by ブクログ2013/3/6読了。 よく出来ている。横山秀夫には完敗。そう思わせられる一冊。 強行犯捜査一係の各班長たちや、そこに属する刑事たちの心模様を織り交ぜながら、事件の解決まで読者を絶妙な筆致で引っ張っていく力量に、終始圧倒されっぱなし。 作者の「力」を感じられる素晴らしいこの作品に出会えて、幸せでした。
4投稿日: 2013.03.07
powered by ブクログ捜査課の刑事さんは、こんな日常をおくっているんだろうか そう思えるリアルな内容でした 読みはじめてまず目にした、願いか呪いか見分けの付かない文章に ず~んと重くなりながら読み進めました 短編集で、重いけど切り替えながら読めます よかったです
0投稿日: 2013.03.06
powered by ブクログ半落ち、第三の時効ともに登場人物の心理描写の具合が絶妙。深いけど口説く無い。今回の短編集の中では「囚人のジレンマ」が一番好き。
0投稿日: 2013.02.28
powered by ブクログ普段はその時の気分で読みたい本を読むスタンスだったけど 今回ばかりは友達の熱烈な薦めで本屋へ。 そういう時は求めているものが本の中にあるかわからないので 余り乗らない事が多いのだけど読んでみてビックリ グイグイ引き込まれる。 このレベルの吸引力は久々かもしれない。 巷にあふれるトリックに主眼をおいた犯人捜しなどではない。黙秘と嘘で固められた化けの皮をどうやって剥いでやろうか、という悪を絶対に許すことのできない男達の、執念と狂気の泥臭い物語である。まず、キャラクターが皆濃すぎる。6篇の短編からなり各話の中で捜査一課内の主人公が変わるので、主要人物全員の視点を知る事ができる。面白いくらいに人間関係図を描くことができ、各々に感情移入しやすいのも横山秀夫の手腕かもしれない。何より、化けの皮が剥がれる瞬間は下手なホラーよりゾッとする。リアルな人間の本質を見せられたようで腹の底に嫌なものが落ちていく感覚を覚える。また、本来組織的に協力し合うはずの班が、どこが先に一つでも多くのホシを挙げるかを争う様子は、もはや戦争である。スリリングな展開に生唾を飲むだろう。 警察物のイメージとしてテレビドラマが先行していたせいで、使い古されたモチーフとありきたりな人間模様が展開されると思いきや、予想を大きく裏切る内容だった。 個人的には「囚人のジレンマ」が好き。 五つ星。
0投稿日: 2013.02.17
powered by ブクログ平成の警察ミステリーナンバーワンかと。 数年ぶりの再読でしたが、それでも読み応え十分。 「64」読むために、ここいらで横山秀夫の短篇集を再度、味わってみたい そんな気がする一冊。
1投稿日: 2013.02.13
powered by ブクログ短編集ですが、非常に内容が濃いです。さすがの横山ワールド。特に第三の時効はストーリー展開が素晴らしい。お勧め。
0投稿日: 2013.02.07
powered by ブクログ短編集。本当に横山さんの小説は短編もおもしろいです。警察内部はどろどろ書きすぎやろと思いますが、なにぶんおもしろいですからね。 さすがに記憶に残るのは囚人のジレンマの記者の描写。 サツまわりに限ったことではないでしょうが、記者さんも大変ですね・・・
0投稿日: 2013.01.20
powered by ブクログ「この警察小説がすごい第一位」という帯に惹かれて購入。いろいろ予想しながら読んだけれどどれもこれも裏切られる。ミステリってすごい。
0投稿日: 2013.01.20
powered by ブクログファナイルのタイミングで踊る大捜査線にハマって、警察モノ読みたいな~って探したら巡りあった。超おもしろかった!
0投稿日: 2013.01.13
powered by ブクログ『出口のない海』しか読んでなかったのだけれども、そうか、この人ぁ警察小説の人だったのか。今度は原点だという『ルパンの消息』を読んでみよう。
0投稿日: 2013.01.13
powered by ブクログ久々に読み終えて唸るほどの完成度が高い短編集に出会った。 まさに傑作。 短編ならではの無駄を極力まで削ぎ落とした構成は見事。 クセのある登場人物の造型も物語の緻密さも感嘆の一言。 評価が高いのも納得。
0投稿日: 2013.01.04
powered by ブクログF県警シリーズ第一段。 強行班捜査一課を立場やチームを変えながら描いた短編集。 個人的には朽木のキャラクターと、ペルソナの微笑が好き。ラストの畳み掛けるような会話が気持ちよい。 横山秀夫は半落ちのイメージが強かったけれど、短編も話が纏まっていて読みやすいし、一人一人のキャラクターがきちんと描かれている。 続編が出ているらしいので、読んでみたい。
1投稿日: 2013.01.03
powered by ブクログ強行班の指揮官が三人とも個性的すぎ! その三人のもと、各班が張り合いながらもたまに協力したりでほんまに面白い。 三人の中であげるならベタですが朽木さんが好きだ。
0投稿日: 2013.01.03
powered by ブクログ沈黙のアリバイ /第3の 時効 囚人のジレンマ 密室の抜け穴 ペルソナの微笑み モノクロームの反転
0投稿日: 2012.12.27
powered by ブクログいやあ、横山秀夫は面白い!世間的には御巣鷹山墜落事故を題材とした『クライマーズ・ハイ』、直木賞落選で物議を醸した『半落ち』が有名だが、それだけの作家ではないことがよく分る一品。警察小説に新機軸を打ち出した『陰の季節』に始まるD県警シリーズが警務部など、管理部で働く署員を中心とした変格物であったのに対し、本作は捜査1課を舞台にした本格派。個性あり過ぎの3班長が反目し合いながらも、猟犬さながら一直線に犯人を追いつめる。公安上がりの二係班長だけが最後まで正体不明。これからはD県だけでなくF県からも目が離せない。
0投稿日: 2012.12.25
powered by ブクログ六話からなる短編集。もちろん警察もの。 短編集に加えて一話一話のクオリティが高いのでサクサクと読める。『第三の時効』は表題作になるだけあって面白い。 個人やチームの建前や本音、矜持や面子が入り乱れてどんどん引き込まれます。警察の裏側も垣間見れてオススメです。
0投稿日: 2012.12.21
powered by ブクログクライマーズハイが面白いかったので気になって読んでみた。警察小説という分野が違うものなので自分にはしっくりこなかっのかも。タイトルになっている「第三の時効」は面白かった。
0投稿日: 2012.12.20
powered by ブクログ64があまりにも面白かったので、遡ってこちらも。 F県警強行犯係一二三係。それぞれ切れ者の班長がお互いを牽制し合いながら事件を解決していく。3人もそれぞれ魅力的で、手腕も鮮やか。 続きが出ているならぜひ読破したい。
0投稿日: 2012.12.16
powered by ブクログ横山さんの作品を読むのはこれが初。半落ちが映画を見てなんとなくの印象はあり。 警察小説ということで、全体を通して読んだ感想は、退屈ではないけど男向きかな、という感じ。 現代の生々しい現場を描いているだけに夢ロマンはなし。ものがものだけに。その点がううんと唸る理由なのかもしれない。 家にいくつか横山さんの小説があるので、勉強がてら読んでみようかな。
0投稿日: 2012.12.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
F県警捜査一課を舞台にした連作。警察小説ベスト1に選ばれるだけあって読み応えがあるが、作品によって出来・不出来があるような。 個人的には、タイトル作「第三の時効」や「密室の抜け穴」はとてもよく描かれていると思う。 つくづく、この作家の作品は謎解きというよりも、警察を舞台にした心理小説という要素が強いなあと感じる。
0投稿日: 2012.11.30
powered by ブクログどの作品も凄く面白かったです。 またF県警ものが読みたいです!! やっぱり「第三の時効」が好きです。 どの班長も素敵でしたが、特に楠見が凄く格好良かったです。 女に容赦しない。上司に報告しない。法的許可の手続きも後回し。誰にも従わない。部下の女を淫売呼ばわり…と、近くにいたら嫌な人なのに格好良いんです。 また楠見が出てくる物語を読みたいです。 働くなら三班がいいですけどね。
1投稿日: 2012.11.19
powered by ブクログF県警強行犯シリーズ。 確か一班の朽木班長メインの回だけ、ドラマ版を見たことがあるんですよね。だからその印象が強くて、文庫のページを最初に捲った時も一生笑わないで下さい云々のくだりが始めに書いてあったので、てっきり朽木班長が全編通して主人公だと思っていたら、三班ある班の各班長がそれぞれの話の主人公だったんですね。 どの班長も個性が強くて面白いです。でも主人公持ち回りなら、冒頭の笑わないで下さい~の1ページはわざわざ独立させる必要もなかったんじゃないかなあと思いました。あそこだけ目立つのがちょっと違和感があります。それとも、実はあそこは三人に共通する事項として実は深い意味があるとかでしょうか。 横山氏の描く警察や新聞社といった組織の内部って大概非常に殺伐としていますが、実際のところどうなのか興味があります。
0投稿日: 2012.11.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
イケメンも美女も出てこない。ごつごつした男たち、偏屈な感じの男たちばかりの警察小説だけどおもしろい。事件が、どんでん返しで思いもよらないところから解決していくので面白い。犯人の追い詰め方が面白いなあと思った。
0投稿日: 2012.10.23
powered by ブクログ読むものが無くなり駅で買った。この著者のものは「半落ち」、「クライマーズ・ハイ」を読んでいる。特に気にいったとの印象は残っていない。久しぶりに読んでそれなりに楽しめたが、主人公である3人の班長たちの暗かったり歪んでいる性格に感情移入できなかった。この作者とは、相性が悪いようだ。
1投稿日: 2012.10.22
powered by ブクログ県警第一課、それぞれの班で抱える事件を背景に、とっつきにくいがそれぞれに憎めずどこか気になってしまう刑事たちのお話。 横山秀夫の本を読んだ後は、どこか心地よい。久々に読んでやっぱり好きだなあと思った。 ドラマ化映画化を望むわけではないが、キャラが立ちすぎて映像化したときの想像が膨らむばかりだ。
0投稿日: 2012.10.15
powered by ブクログここのとこラノベ三昧だったので(それはそれで楽しいのだけど)、久しぶりに硬派なモノを。いやーーー良かった!!!F県警捜査第一課の一班、二班、三班、それぞれの班とメンバーの個性が鮮やかに描き出されてました。余韻を味わいつつ、ドラマ化されるなら・・・と勝手に配役考えるのが二度美味しいぞ。
0投稿日: 2012.10.12
powered by ブクログとてもいい! なんでこんなに味のある人間が描けるのかと思うほど。 本当に素晴らしいの一言。刑事ものにありがちな隠語もいやらしい感じがせず、本当に刑事部屋に入りこんでしまったかのような錯覚に陥る。 情熱的で~という刑事のプロットのようなものを突き破って、内面をえぐるようなキャラクター達と、その1人1人を活かした物語性。 短編集ながらに全ての作品が面白く、感動した。 横山先生の作品、読み倒すぞーー!
0投稿日: 2012.10.06
powered by ブクログ6編の短編から成る警察小説。『沈黙のアリバイ』。刑事と被疑者の闘い、緊迫するアリバイ崩し。なかなか。『第三の時効』。さすがに表題作のことだけある驚きの展開とストーリーの面白さ。。楠見の推理力、非常に面白い。『囚人のジレンマ』。この物語でも楠見が活躍する。いいね。いいね。『密室の抜け穴』。おおっ。村瀬もいいね。なるほどと納得するとともに感心するな。『ペルソナの微笑』。これもまた驚愕の事実が。『モノクロームの反転』。なかなかの仕掛け。 全ての作品が一級品なのだが、表題作の『第三の時効』、『囚人のジレンマ』、『ペルソナの微笑』が特に良かった。 宝島社の『この警察小説がすごい!』で、第一位に輝く作品だけのことはある。いやあ、面白かった。
2投稿日: 2012.10.02
