ペンギンずさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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スタンフォードの自分を変える教室
ケリー・マクゴニガル / 大和書房
「意志力の弱さ」に悩むあなたへの一冊。
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タイトル通り、「自分を変えたい人」にオススメの一冊。
スタンフォード大の心理学者・マグゴニガル氏が、禁煙やダイエットができない、決めた目標が守れない等々、「意志力」に関わる諸問題について、脳の仕組みや…理論・豊富な実験例を元に、わかりやすい言葉で解説。
そしていかにして「やる力」「やらない力」「望む力」を育て、成功への道へ進むかを、論理的に解いてくれる。
もちろん、本書に書かれていることを実行して役立てることができるかどうか、は読者次第。
でも、「意志力の弱さ」に悩む人にとって、読んでおいて損の無い一冊であると思う。 続きを読む投稿日:2013.11.02
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日輪の遺産
浅田次郎 / 講談社文庫
終戦直前に隠された財宝の謎を追ったミステリー。
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会社経営に窮した丹羽明人が偶然出会った老人。彼が残した「手帳」には、かつて帝国陸軍が隠した財宝の真実が…。第二次世界大戦の終戦間近に力強く生きた人々と、現代にそれを受け継いだ人々の思いが交錯する時、謎…が解かれる、迫真の人間ドラマ。
「戦争」をテーマにしたフィクションに対して、平和な現代に生きる自分が、「感動」などという言葉を軽々しく使いたくはないのだが、確かにその時代に懸命に生きたであろう人々を描いた本作には、何かしら心を打たれるものがあった。戦争の良し悪しとは別に、本作のような作品を読んで、当時の人々や自らの祖先に思いを馳せることも、今だからこそ必要なのかもしれない。 続きを読む投稿日:2013.10.24
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ダンジョン飯 1巻
九井諒子 / HARTA COMIX
ファンタジーの世界を日常に落とし込んだ冒険コメディ。
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貧乏冒険者達がダンジョンを食料現地調達、つまりモンスターを食べて進む、九井諒子氏による初の長編連載の単行本第一巻。「○○飯」「□□のグルメ」のような流行りのグルメマンガを、RPG風ファンタジーの世界で…してみたら…?というビックリ設定。その発想が既におもしろいのですが、随所に散りばめられた「RPGあるある」ネタがゲーム経験者の心の琴線を刺激します。バジリスク(体が鶏・尾は蛇)は鶏肉なのか?火の出る罠で調理はできるのか?マンドラゴラを悲鳴を聞かずに抜く方法は?などなど、夢のあるゲームの世界をひたすら日常に落とし込んだシュールさに思わず頬が緩んでしまう。丁寧な描写・豊かな発想・登場人物達のかけ合いが楽しいオススメのマンガです。唯一の難点はここで紹介されたグルメ情報を現実世界で活かせない点だろうか(笑) 続きを読む
投稿日:2015.01.29
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聲の形(1)
大今良時 / 週刊少年マガジン
この物語の結末が気になる。
21
「聴覚障害(劇中でも「障害」との表記だったので、こう書きます)」を扱って話題になったマンガ、という程度の認識で読み始めた。
が、誰しもが持つ小学生の甘酸っぱい思い出…、とは程遠い、ヘビーな内容でびっく…り。今風の絵柄(余談だが絵のレベルは相当)でやわらいではいるが、正直、胃が痛くなる場面も。
授業中、先生の声を聞き取っての板書が困難、発音ができない、音楽の授業でうまく歌えない、など耳が聞こえないことによるハンデ。それを幼いがゆえにからかいの対象としてしまう、主人公をはじめとする級友たち。そしてある日突然かわるいじめのターゲット。「小学校のクラス」という、独特で閉鎖的なコミュニティの描写にリアリティがあり、胸に刺さる。
レビューの都合上☆4つをつけたが、1巻を読んだだけで評価をすることはとても難しい作品。と同時に、気が早いが、作者がこの物語をどのように終わらせるか、が非常に気になった(2014年1月現在、連載中)。大今先生の描く「聲」の「形」を見届けたい。 続きを読む投稿日:2014.01.22
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機動戦士ガンダム サンダーボルト(1)
太田垣康男, 矢立肇, 富野由悠季 / ビッグスペリオール
圧倒的な迫力で描かれる、新時代のガンダム。
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『MOONLIGHT MILE』の太田垣康男氏が描く、「ガンダム」のコミックとしては絵・物語ともおそらく史上最高のレベルであろう、オリジナル作品。連邦パイロット「イオ・フレミング」とジオンの義足スナイ…パー「ダリル・ローレンツ」の物語。
『MOONLIGHT~』で折り紙つきのSF描写と、本作独自のデザインで描かれたMS。そして凍てつく宇宙空間で、ヒリヒリと焼けるような闘いを繰り広げるパイロット達の戦いが熱い。「サンダーボルト」宙域を駆けるフルアーマー・ガンダムと、ビッグ・ガンでそれを狙い打つザクの対決は強烈にカッコイイ。
ガンダムのファンでまだ本作を読んでない人は、ちょっと損をしているんじゃないか、というぐらいの出来。オススメ。 続きを読む投稿日:2013.12.18
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甘々と稲妻(1)
雨隠ギド / good!アフタヌーン
「家族+食事」ものの傑作、の始まり!
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教師である「おとさん(犬塚)」、その娘で保育園児の「つむぎ」、犬塚の生徒・「小鳥」…。ひょんなことから一緒に料理をし、食卓を囲むようになった三人。注目は彼らの豊かな表情!娘においしい食事をさせたい犬塚…、ひたすら元気なつむぎ、多忙な母への寂しさを感じつつ、懸命な犬塚に惹かれていく小鳥…。どのページを見てもバリエーションに富んでいて、そして三者三様の深い思いを見せてくれる。何度読み返しても飽きない、読むたびに新しい発見がある、素晴らしい作品。おそらくこれから色んなところで話題になること必至。2巻が待ち遠しい…。 続きを読む
投稿日:2013.09.24