Reader Store
これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学
これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学
マイケル・サンデル、鬼澤忍/早川書房
作品詳細ページへ戻る

総合評価

328件)
3.9
77
131
58
15
6
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    難しい内容に少しづつ、飽きないように、長い時間を経て、ようやく読了。 しかし内容の半分、いや1割でも理解出来たであろうか。 同様なレビューが散見され、少しホットしました。 そもそも、「理解する」と言う本では無いのかもしれません。 私的には、 個々が心の中に持っている信念と言うべきものをあえて晒し、議論を尽くすと言う事が良い事なのだろうか? まず、そこが引っ掛かる。 当然、議論しても結論は出ません。そんなことに、なぜこれほど時間をかけるのか・・・ そんな心の霞が少しは晴れた気分ではある。  また本の中身については、日本人には考えられない「日本人の何となく思う常識」が通用しない議論があります。 よく言う「立場が変われば、目線も変わる。」と言うことで、個々の利益や善意によって、全く逆の意見がある。  そんな、当たり前のような、触れてはいけないタブーのような。 著者であるマイケル・サンデル氏の議論の記憶。 しかし、ここでも“結論コレ!”と導いてはいません。 一読の価値は、必ずあります。 私的には、なかなか退屈でした。 しかし、けっして詰まらない内容では無い。慌てずにゆっくり、気が向いたときに読んだらいいです。

    1
    投稿日: 2014.01.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読みにくいかと思ったがとても面白かった。新しいものの考え方の種を得られた気がする。時間が出来たらさらに詰めていきたい。

    0
    投稿日: 2014.01.16
  • こういう講義で議論するのであればただ板書するより面白いのは間違いない。

    ハーバードの講義「正義」を元に書き下ろされた。 正義のアプローチ3つが主なテーマ。1.社会全体の幸福の最大化は正しいか?個人の権利への制限が度を超えると正しいとは思えなくなって来る。2.では個人の選択の自由を最大限尊重するのは正しいか?これに反対しているのが最近の反格差デモだろう。3.サンデルの立場は善や道徳的なアプローチを重視する。しかし、そもそも道徳観自体主観的なものだ。サンデルはこの違いを乗り越えられると考え、乗り越える様に努力すべきだと結んでいる。 しかし、現実の世界では総論としては賛成しても、いざ自分のこととなると簡単では無いよなあ。 こういう講義で議論するのであればただ板書するより面白いのは間違いない。

    0
    投稿日: 2014.01.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アメリカの文化戦争の背景事情を知ったらすこしだけ、見るべきところもあるのかなあと思い始めた。が、しかし、「道徳」という言葉を隠れ蓑に規範の抑圧を正当化しマイノリティーの抵抗可能性を封じるサンデルの思想はやはり、受け入れがたい。自己は独立してあるものではない、というのは賛成しますが、そこに留まっていてはマジョリティによる暴力を看過してしまうと思うのです。サンデルの思想はその危険をまぬがれていない、抑圧的なものだと感じました。とくに同性婚についての記述には憤りを覚えた。「道徳」にこだわるサンデルの偏狭さをみていると、道徳規範と自己倫理を区別するべきだと言ったフーコーの正しさを思い知る。

    1
    投稿日: 2013.12.21
  • NHKでの放送などがきっかけで大ヒットした哲学書

    内容は「正義」というものの考え方の変遷が、時系列ではないにしろ大まかな考え方の流れに沿って論じられ、最終的にサンデル教授が考えるコミュニタリアニズムに基づく正義論へと収斂する。その過程はわかりやすいようであり、しかし奥深く、ときに難しい用語が混じったりしながらも何とかついて行くことが出来るように配慮されている。 とはいいつつも、そこは哲学書である。一度読んでわかったようなフリは出来ても、実際にはちんぷんかんぷんなところもないわけではなく、二度三度と読むうちにきっと腑に落ちるところや逆にサンデル教授の論理の穴が見えてくるなんて事もあるのかもしれない。まだ一度読破した程度の頭ではとても浅い理解しか出来ていないだろうけど。 なんにせよ、腰を落ち着けてじっくりと探求の旅に出たいときにふさわしい一冊であることは間違いない。

    0
    投稿日: 2013.12.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「われわれはまず、正しい行いに関する一つの意見、あるいは一つの確信から出発する。…続いてそう思う理由を考え、その根底にある原則を探し出す。…それからその原則にそぐわない状況に直面して、混乱状態に陥る。…こうした混乱の力と、その混乱の分析を迫る圧力を感じることが、哲学への衝動なのだ。」 「新たな状況に出会って、自分の判断と原則のあいだを行きつ戻りつし、たがいを参照しつつ判断や原則を修正する。この心の動き、つまり行動の世界から理性の領域へ移り、そしてまた戻る動きのなかにこそ道徳についての考察が存在するのだ。」

    0
    投稿日: 2013.11.27
  • 幸福、自由、美徳から考え直す正義

    正義とは何でしょうか。書斎の中で思弁的に正義を語ることはできるかもしれませんが、実際に社会に起きている複雑で泥臭い毎日の事件に即して、正義とは何かを考えるのは難しいと思います。本書では、幸福、自由、美徳という正義の基盤となる考え方を道標(みちしるべ)としながら、読者は正義とは何かを探る旅へと導かれます。 世の中では、社会の最大幸福を追求すべきだとか、自由を尊重すべきだとか、言われるような気がします。しかし、自分を振り返ってみると、ある問題では皆が幸福であるべきだと考えているのに、別の問題では自由を尊重する立場に回ったりして、一貫性に欠けた幸福や自由を尊重していることに気がつきます。改めて、正義とは何かを考えさせられます。 幸福の最大化はわかりやすい考え方ではありますが、この考えを追求すると、人は大多数のために少数者の権利さえ犠牲にするという考えに陥りがちです。果たして、人権をそういう形で侵してもいいのだろうかということが問われます。 そこで人権を尊重する自由という考え方が出てきます。ところが、自由が拠って立つ基盤となるのは自己を所有しているという考え方ですが、この考えを突き詰めると、自分が同意さえすれば自分の命を絶つことが許されるという議論に陥ってしまいます。果たしてそういうことは許されるのでしょうか。 これらの考え方に対して、カントは自己所有とは異なるものに基盤をおいて彼の理論を作り上げたそうです。それは、人間は誰でも理性を持っていて、理性によって自ら行動することができますが、理性こそが人間の尊厳の基盤でもあるということです。さらに、人間は尊厳ある存在であるのだから命を絶つことは許されないというのが、カントの考え方です。 しかし、サンデルは、この確固としたカントの考えにも満足しません。カントの考えは余りにも理想的過ぎて実際の人生で立ち向かう現実との乖離がありすぎるということでしょうか。理想的な考えで正義が論じられるときには、人々が属している文化の美徳のようなものは無視されますが、果たしてそれでいいのでしょうか。自らのアイデンティティを形成してくれた社会から切り離された正義、ある意味非常に抽象化された正義に従うことが正しいのでしょうか。サンデルは、自らの人格形成に大きな影響を与えたコミュニティの道徳的な重荷と重要性を担いつつ、自由と向き合うことができる道を探しているのです。深い洞察と思索によって裏付けられた確固とした考えで、強い感銘を受けました。

    5
    投稿日: 2013.11.24
  • 何が正義???

    タイトルが「正義」について語ろう、という思い切ったもので装丁も文字が並んでいるだけ。どうも、すごいことが披露されているのではないかと期待が膨らむ。世の中には正しいか正しくないかの2方向に明確に判定できるようなものばかりではない。どうも、グレイなところにひしめいている事柄が増えてきている。多種多様な考えの人間が自分の主義主張を言い出したら、世の中収拾がつかなくなってしまう。その解決のポイントを歴代の著名な哲学者の論を引合いに出しながら、論理的に解き明かしてくれる。中盤のところで当方の頭が混乱してしまい、もうどちらでもいいやと投げやりになってしまった。

    0
    投稿日: 2013.11.10
  • 究極の選択の答えを考える方法が述べられています

     政治哲学って、小難しいイメージがありますが、結構読みやすいです。自分で考えながら、古今の哲学者の考えを使って、正義とは何かとか、自由とは何かとか、お金で買えないものは何かとか、考えることができます。  現代の社会で発生し、我々が議論している問題は、アリストテレスの時代から哲学者が議論してきたんですね。  この本を読んで脳みそのコアな部分がすっきりしました。サンデル教授の他の本も読んでみようと思います。

    0
    投稿日: 2013.11.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まず率直な感想としては、哲学って面白いんだなあということ。ひとくちに哲学といっても、その内容は幅広いが、本書ではそのなかの主要な話題ひとつひとつについて、身近な問題を提示しながら考えることができるので、非常にわかりやすかった。とはいっても、哲学者の名前をじっさいに出して、各理論について具体的に解説してゆく段になるとさすがに難しく、現在1回通読した段階ではまだ完全に把握できているとは言い難い。それでも、特別に難しい用語を使っているわけでもないので、何回も重ねて読めば、いずれ理解できるようにはなるだろう。そう考えると、やはり哲学は面白く、それほど難解というわけでもないのだ。なお、個人的には「トロッコ問題」を取り上げた部分と、「アファーマティヴ・アクション」を取り上げた部分が印象に残っている。「生は尊重すべし」「人類は平等であるべし」というような、一見普遍的で当然と思えるような考えかたさえ、本書を読んだあとではわからなくなる。哲学が難しいというより、哲学が扱うテーマが難しいのではないか。思えば「アベノミクス」「TPP」など、現在を含めつねにわれわれのまわりではさまざまな問題が論じられているが、これについてもまた本書にあるような考えかたが援用できると思う。ものを順序立てて考えるということは、とても大切な行為だ。そこにおおきなヒントをもらったという点だけでも、本書を読んだ価値はじゅうぶんにあると思う。今後人生のあいだで、ずっと大切にしてゆきたい内容だと思った。

    0
    投稿日: 2013.10.29
  • サンデル教授

    哲学の講義の本で、マイノリティ、リベラル等、あまり聞きなれない言葉もありますが、第一印象より分かりやすく読みやすいです。 普遍的なよい問題について考えさせてくれる本だと思います。 大人だけでなく高校生にもぜひ読んでほしい内容です。

    0
    投稿日: 2013.10.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    共感できない。 どのようなシステムにも良い面、悪い面がある。 現在の先進国の自由主義、資本主義は今のところ最もすぐれていると思う。 誰もが分かっている正論をとなえ、現実的な解決策は出てこない。問題提起するだけならだれでもできる!

    0
    投稿日: 2013.10.13
  • 海外出張の友です。

    飛行機のなかで読むのに最適な本です。 読んで、思考しながら仮眠して、再び読む。 異国の地に降り立つころには心身ともにリフレッシュされていることでしょう。

    0
    投稿日: 2013.10.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アリストテレス 正義とは人々にふさわしいものを与えること カント 考え方を選ぶ自由を尊重する 18

    0
    投稿日: 2013.10.05
  • 日本の事を、東北の事を大事に考えてくれるサンデル教授の名著

    私達が暮らしている資本主義、民主主義社会で、 (本の中ではアメリカや西ヨーロッパなんだけど) そこに暮らす人たちが、当たり前のように正しいと思っている事、 それは、実はそれぞれ違っていて、 それで、 政治や経済それぞれの場面で問題が生じる。 どのような問題が生じているのか。 なぜそのような問題が生じているのか。 fiction、nonfictionを交えてわかりやすく説明している。 でも、私はそれをわかりやすく説明する事はできません。 少し頑張って説明しようと思いますが、 「正しい」と思っている事を、大きく分けると3種類にわかれるそうです。 1. 功利主義  社会全体として有益になるように、決定すべきだ!!! 2.自由至上主義  他人に迷惑がなければ、個人の決断を尊重すべきだ!!! 3.市場原理主義  お互いの契約で社会は成立しているのだ!!! このような主義に対し、 「じゃぁ、この場合はどうなんだ。あんまりだろう。』 と反証を示して考察していきます。 そして、過去の哲学者はどう考えてきたのかと、探っていきます。 結局、どう考えればいいのか。 もちろん結論は出ません。 どう自分の中で昇華すればいいかもまだわかりません。 ただ、どんな問題でも決断されなければいけません。 「難しいね、うぅーん、あまり知らないからわからないね。」 って子どもみたいに答える事だけは減りそうです。  難しい問題だらけですね。 それでも、 チャーチルでさえ、 「民主主義は最悪の政治形態であると言える。 ただし、これまで試されてきたいかなる政治制度を除けば。」 って言うくらいだから この世の中、不完全で問題だらけで当然なんでしょうね。

    0
    投稿日: 2013.10.05
  • 意外と読みやすい本です。

    哲学とか、正義とか、テーマが固いので、肩肘張って読む必要が有るかと思いましたが、案外と読みやすいです。 頭の良い人たちは、こんな面倒くさい思考法をしてるのかと、多少びびりました。 まあ、一般的には、それを論理的と呼ぶのでしょうか。 導き出される結論は、私のような凡人でも理解できる内容です。 思わず、「それって当たり前の事ですよね」って言いたくなるのですが、おそらく大切なのは、結論ではなく、そこにいたる過程なのかと。 直観でない判断力、もしくは、直観を他人説明する際の説得力という、議論の進め方について勉強させて頂きました。

    0
    投稿日: 2013.09.28
  • アメリカの知的エリートの集うハーバード大学の 「正義」についての講義。

    アメリカの知的エリートの集うハーバード大学の 「正義」についての講義。 その最終回「善」について、 私の意見をできるだけ論理的に述べて行きたい。 第12回(最終回)善き生を追求する近代のリベラリズムは、 法律は議論の分かれるような道徳的、宗教の問題には中立であるべきだと主張する。 この見解によれば、法律は、善についての特定の考え方を支持したり、促進するべきではなく、 市民が自分たちの人生をいかに最善に生きるかをそれぞれに選ばせるようにするべきだということになる。 しかし道徳性や共通善についての議論を避けて、正義や権利についての問題を解決することは可能だろうか? 道徳性や共通善についての議論とは、 道徳とは、すべての人が楽しく人生を謳歌できるために、 自分より弱者に配慮することだと思っています。 また、権力者に対しても、権力があれば何をやってもいいのではなく、 今の国民や将来の国民に対して、有益な行動でなければ 権力を与えられる根拠である、国民の信任が崩れてしまいます。 法律は議論の分かれる道徳・宗教の問題に対して中立であるべきという主張には ある程度賛成です。 法律は基本的には、その社会の同意に基づいて常識的な判断をするための根拠の一つです。 法律で決められているから、コウダ。ではなく、 社会の同意がコウダから、法律はこのように解釈すべきだという立場です。 しかし、日本と違い、多様な民族、多様な考え方が併立するアメリカでは 社会の同意という多数決で、毎回裁判に適用する法律を決めるのは、無理だし、非現実的です。 あらかじめ、最低ラインの法律は決めておかないと、 裁判についての信頼性が薄れてしまいます。 法律はある程度、中立につくっておいて、裁判で社会の議論を見ながら、判決を出していくのが ネット社会での裁判のあり方と、法律のあり方になっていくべきでしょう。 つまり、法律はある程度、中立に作ることで、 裁判官の裁量に任せて、裁判官は新聞や、インターネット上の議論に 配慮しながら、そのケースごとに判決を出すという、 ことで議論の分かれる問題に対処するのが、いいと、私は思います。 なぜなら、それが、社会の同意を法律に組み入れる現代のネット・情報社会らしい、 法律と裁判の関係だと信じているからです。 A)1977年に、アメリカのナチス党は、ナチスによるユダヤ人大虐殺の生存者の多くが住むイリノイ州スコーキで、 デモを行おうとした。市がそれを拒むと、ナチス党は裁判所に訴えた。 スコーキ市が公共の場での憎悪発言を禁止したことは許されるだろうか? 見解の分かれる発言の価値について評価することなしに、この質問に答えることは可能か? ナチス党が、アメリカでデモを行うことを禁止したのは、 ユダヤ人が住む町では、仕方がないことでしょう。 なぜなら、不愉快に思う人が多い行動を 市が許可すれば、、それを止める行動を改めてユダヤ人側が起こさねばなりません。 最初から、許可しないのは、 自由に反することですが、極度に不愉快に感じる人が住民にいるのならば、 その住民の利益を考えて、自由をある程度制限するのは、仕方ない。 なぜ、そんなに許されないことと考えるのか? その事情がよくわからない。 それほど、デモの自由が大切なんだろうか? B)人間は受胎と同時に人間となるのだから、中絶は殺人となると信じている人がいる。うつうぜ 一方、女性には自分自身の体に関する判断をする権利があるのだから、 中絶は合法であるべきだと主張する人もいる。あなたはどう思うか? 中絶は合法であるべきか?どのような条件であれば中絶められるべきか? 中絶が殺人となるかどうかをという論争を避けて、中絶が合法であるべきかどうかを決めることはできるか? 中絶は生きている現実の母親の幸せを望むための選択肢のひとつである。 殺人だからといって、社会に与える損害は程度が違う、 犯罪者に死刑を与える法律もあるし、 安楽死を望む病人もいる。 死を自ら望み命を絶つ人もいる。 それらはそれぞれ、社会に損害を与えるが、 それはその命に、社会が投資した教育や愛情などによって 価値が違う。 命の尊さに上下はないのかもしれないが、 それは、建て前であって、実際には、価値の高い命というのがある。 それが、社会に与える幸せや貢献の大きさから判断される。 中絶は殺人になるのかもしれないが、 母親の幸せを第一に考えるべきだろう。 その母は、愛されたという、社会に価値を認められた存在だし、 その愛される年齢までの教育を受け、役割を果たしてきた証として、 高く評価されるべき命だ。 それに対して、中絶された子供は、まだ、教育も役割も果たしていない。 それならば、その母親が望むなら中絶を完全

    2
    投稿日: 2013.09.25
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

    著者がNHKで日本の大学生を相手に議論を繰り広げる番組を見た。その鮮やかな議論の導き方に感銘を受けた。 流行りの本なので、軽く読めると思って購入したが、とんでもない。質・量ともに読み応えがあった。(電子書籍なので厚さが判らなかった。) 著者はハーヴァード大学の政治哲学教授。30年近くの授業で「正義」と銘打ったコースを教えてきた。その内容を本にしたものである。 臓器売買、代理出産、同性婚などの今日的な問題それぞれに対して、カント、アリストテレス等の著名な哲学者(だけでなく、知らない人が沢山出てくるが)の思想を参照しながら課題を浮き彫りにしていく。 この本全体を通して「正義」に対する考え方として、以下の3つを取り上げている。 第一の考え:正義は功利性や福利を最大限にすること --- 最大多数の最大幸福---- を意味する。 第二の考え:正義は選択の自由の尊重を意味する。--- 自由市場で人びとあ行う現実の選択(リバタリアンの見解)であれ、平等な原初状態において人びとが行うはずの仮説的選択(リベラルな平等主義の見解)であれ。 第三の考え:正義には美徳を涵養することと共通善について判断することが含まれる。 著者は第三の考え方に汲みする。 米国の大学の先生だけあって、簡単に自分の考えを述べず、他の考え方を含めていろいろな方面からじっくりと検討し、自分なりに考えさせる様に導かれる。 読み進む過程で、それぞれのテーマに対してどの意見・考え方が正しいのかいろいろ考えさせられたが、結論から言うと著者の意見は至極真当である。しかし、それは結論ではなく色々な意見を持った人たちが議論をして(合意に至ることはほぼ無いが)良い方法を検討する必要がある、という事であった。

    0
    投稿日: 2013.09.24
  • 知的刺激を受けたい人へ

    身近な問題や昨今の社会的問題を数多く例に挙げながら(どれも正解がないものばかり!)、社会や法律はいかにあるべきかを考えさせてくれます。知的刺激を受けたい人におススメの名著。(スタッフY)

    0
    投稿日: 2013.09.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本書はベンサム・ミルの功利主義、リバタリアニズム、カント、ロールズ、アリストテレスと順を追ってそれぞれの道徳哲学を考察し、読者に道徳について考えることを促す、という内容。 マクロ視点の政治経済から、実際に身の周りで起こりうるような事件までを例として取りあげ、それぞれの道徳哲学にあてはめて考察しているためとてもわかりやすい。 ついつい避けがちな道徳についての議論も、面倒だから、得るものがないから避けるのではなくまず取り組むことで結果がどうあれ変わっていくものもあるのか、とかなんとか。

    0
    投稿日: 2013.08.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    かなり深い内容まで言及しているため,理解に苦しんだ.哲学の教養を身に付けてから再チャレンジしたい. オイルショックの時のように,トイレットペーパーが何倍もの値段で売られたり,洪水時,水が何十ドルで売られたりすることは正義なのか. 正義への3つのアプローチ 福祉の最大化;功利主義との結びつき 自由の尊重;自由放任主義(レツセフェール)派(リバタリアン(自由至上主義))と公正派 美徳の涵養;文化的保守派,宗教的右派 路面電車の運転士で,乗客を助けるために,5人を犠牲にするか,1人を犠牲にするか 暴走する路面電車の傍観者で,線路上には5人,橋の上には1人,彼を落とせば電車は止まる 亡くなる人の数に違いはないが,道徳的に悪いのはどちら,もちくは両方なのか. アフガニスタンの3人のヤギ飼いに米海軍の存在がばれた時に,殺すべきか否か.彼らに罪はないが,通報されれば自分たちの命が危うい.ラトレル二等兵曹は逃がす選択をしたが,その後,自分以外の三人を死なせてしまう.そのことを最も愚かな判断だったと回想している. 4人で難破した時に,雑用係で家族もいない青年を殺し,食すことは道徳的に正しいことか.全体の利益はそのコストを上回るか.それ以上に社会的理由から正しくないのではないか.ジェレミー・ベンサムの功利主義を勉強したい. ジョン・スチュアート・ミルの反論 ・最大幸福原理は人間の尊厳と個人の権利を十分に尊重していない ・道徳的に重要なすべてのことを快楽と苦痛という単一の尺度に還元するのは誤り ミルの自由論を併せて読みたい リバタリアンは ・パターナリズム(父親的温情主義)の拒否 自傷的行為(車のシートベルト,バイクのヘルメット)者保護を自己の権利否定の立場から拒否する ・道徳的法律の拒否 売春は道徳的に反対だが,成人が同意の上で行うのを阻む法律は正当なものではない ・所得や富の再分配の否定 他人を助けることをある人々に要求する法律を否定.そうした援助は政府が命じるのではなく,個人の意向に任されるべきである 臓器提供は本人の自由か.それが金持ちのコレクターに売る場合と,病気で困っている人に売る場合で正当性が変わるのか. 金をもらっての妊娠は合法か.子供を商品として扱っているのではないか.代理母が子供に愛情が湧き,契約を破棄しようとした場合はどうか. カントは人間の尊厳を重んじ,福祉の最大化と美徳の奨励を認めていない. カントの自由は厳しい.動物のように快楽を求め,苦痛を避けるのは真の自由ではない.自分の欲求に従っているだけであると解釈する.アイスの味を選ぶとき,チョコレートが良いか,バニラが良いか,自由に選択しているように思われるが,これも自分の好みに従っているだけで,真の自由とは言えない. 自然法則に支配されているのは他律的で,自律的に行動しているのが真の自由である.他律的な場合,あることをするのは別の目的であり,その目的を実行するのはまた別の目的がある状態.その行動自体を究極の目的として行動しているのが自律的行動である. このカントの自由に対する考え方は,富田先生のコミュニケーションは手段ではなく,そのもの自体が目的,ということに似ているし,本人にしかわからない絶望があり,芸術ではそれが美しい,ということにもつながると思う. 道徳は結果ではなく原理と結びつく.つまり,殺人者が友人の行方を追っていて,真実を話さないことは悪である.真実を述べることによって相当不利な状況になるが,その結果と道徳とは別問題である. 功利主義の欠点 ①正義と権利を原理ではなく計算の問題としている ②人間のあらゆる善をたった一つの統一した価値基準に当てはめ,平らにならして,個々の質的な違いを考慮しないこと

    0
    投稿日: 2013.08.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一昨年話題になったベストセラー。気にはなっていたけど、2年越しにやっと手にとって読むことができた。早く読めば良かったとは思わない。今だからこそ感じることの方が多かったと思っている。結論的にはとっても良かった。 現代の政治的、文化的、宗教的、道徳的問題に対するアプローチとしての思想。特に正義という視点から解かれていくところに、心を揺さぶられた。正義とは何か。①福祉の拡大、②選択の自由の保障、③美徳と関わるもの。ベンサム、ミル、カント、ロールズ、アリストテレスなどの思想を借りながら、現代のさまざまな問題、事件を例にとり、分かりやすく心を整理してくれる。  お互いを尊重するということは、さまざまな違いに触れずに問題を回避することではなくて、積極的に向き合い、時には問題をぶつけ合うことで、新しい道が見えてくる。最後の一言に教授の使命感と正義を感じられて良かった。お勧めです。 13/8/10

    1
    投稿日: 2013.08.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ベンサム、J.S.ミル、カント、ジョン・ロールズ、そしてアリストテレスの道徳観を丁寧に分析しながら、今の世界の「正義」への考えかたを考察する。筆者は最終的に、「正義には美徳を涵養することと共通善について判断することが含まれる」という見方に帰着する。アリストテレスの考え方に近い。 私にとってはカントの道徳に関する考え方が魅力的だった。「義務vs傾向性」「自立vs他立」「定言命法vs仮言命法」など、分かりやすい構図で説明されている。それまではカントの哲学はあまり分からなかったが、この本のおかげで以前よりは理解できるようになった。 個人的には、倫理観についてはスピノザの考え方が好きなので、筆者のスピノザ哲学に対する見解を聞いてみたいと思った。 翻訳も非常に明快で分かりやすい。手元に置いておきたい良書。

    0
    投稿日: 2013.08.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    【これからの「正義」の話をしよう】 26・・・我々は何が美徳であるかを考えることなしに、誰が勲章に相応しいのかを考えることは出来ない。つまり美徳の定義が必要である。つまり「どのような人が道徳的か、そしてそれはなぜなのか」という問題がある。 35・・・企業救済に関しては、失敗に対して税金から報酬が支払われたことに対しての憤りが表れている。しかしそれに対してCEOらは、「どうしようもなかった」としている。そうであるなら好況期も同様に「なぜかしら儲かった」ということになり、好況期に巨額のボーナスを得る事の理屈がなくなる 40・・・正義に関する議論は大きく3つに分かれている。社会福祉、自由、美徳。これら3つの議論の強みと弱みを探っていく。 52・・・道徳的な難問に直面するとそれに対しての考察が自然と浮かび上がる。まずは一つ正しいという意見を考える「路面電車を待避線へ」、その理由を考えると「一人の命を犠牲にしても多数を救うほうが良い」ということ。それに対して「人を橋から突き落とすのは間違っている気がする」と混乱する。これが哲学への衝動。心が動き、理性で判断し、また心の動きに戻る。「自分が何を考え、なぜそう考えるのか」これを考察することは意義がある 68・・・功利主義の人の考え方は、全体の快楽の総和>全体の苦痛の総和、であればその出来事は実行または却下されるというもの。拷問については、①拷問すれば一人は苦しむがそれ以外は助かる、だから良い。②拷問しても正しい情報を得られるとは限らず非効率。だからやめたほうが良い。というもの。ベンサムに代表される。救貧院や民間刑務所の提唱者。 83・・・ベンサムの論に対して二つの反論。①人間の尊厳や個人の権利を尊重していない、②全ての行動を同じ価値基準に置き換えることが出来るのであろうか。これに対して、ジョンスチュアートミルが再反論。 84・・・ミルの中心原理は「人は他人に危害を加えない限りにおいて自由であり主権を持つ」、そして効用とはベンサムより「もっと幅の広いもの」、と言っている。が、しかしそれら以上に「人格」を重要視しており、これは「効用」を否定するもの。また効用には「質」があるとした。ベンサムとの大きな違い。満足な愚か者より不満足なソクラテスが良い。 100・・・リバタリアンの中心的主張は「どの人間も自由への基本的権利-他人が同じことをする権利を尊重するかぎり、自らが所有するものを使って自らが望むいかなることをも行うことが許される権利-を有する」というもの 108・・・ノージックがリバタリアンに対して哲学的観点から擁護。経済的不平等が不正義というならば、市場に繰り返し介入を行わなければならない。そしてその介入により資産を得ている人(きちんと得ている人)の権利を侵害し国家に対しての強制労働をさせていることになるため。これでは富裕層は国家の所有物になってしまう。 124・・・自由市場論者は二つの観点から成り立つ。一つはリバタリアン、もう一つは功利主義の観点。懐疑論者は市場は見た目ほど自由ではないし、一部の慣習などは金銭で売買されると腐敗したり悪化したりするという理由で反対する。当然、これら二つの論者は徴兵制にも反対 138・・・それに対しての反論は二つ。一つは、志願制といってもそれは「法律による強制」でないだけであって「経済的な強制」によってなされているため。つまり、自由な市場による自由な取引の結果ではない。もう一つは「市民の義務の放棄にあたるため」である。志願兵制度は傭兵制度であり、忠誠心にかける、つまり動機が曖昧であり、また答辞者達の関心が薄れてしまう。 166・・・これらの議論から二つの問題。一つは自由市場における自由はどこまで自由なのか、一つは市場では評価されないより高級な美徳のようなものは存在するのかということ 174・・・カントは功利主義を批判した。快楽と苦痛が人間を支配する時はあるが、「理性」が主権者になることもあるから。また、快楽での行動がたとえ「幸せのため」であったとしても認められない。それは一時的かも知れないし、そのようなものに道徳は確立しない。そして「理性」と「自由」が組み合わせって始めて、人間は生理的欲求しか持たない動物と一線を画すことになる。 178・・・カントの「自由」とは「自律的」な行動。その対極が「他律的」な行動。他律的とは「ある目的のために行動していること」である。自律的とは「その行動そのものが目的である」状態。道徳的行動とは「動機」が重要であり、「それを行う事が正しいから行う」というもの。 191・・・理性が意志を規定する方法は二つある。一つは「仮言命法」、これはYを達成するためにはXをせよという指令。対するのが「定言命法」で、その行動自体が善いから行うというもので、これのみが道徳的な資格を持つとしている

    0
    投稿日: 2013.08.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読みながら考えさせられることが多く、時間がかかった。 市場主義に傾倒して本来目的を失っている状況が、今の仕事で目の前にあって、これを見直すにあたって非常に考えさせられ、また、参考になった。

    0
    投稿日: 2013.07.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    前半はわかりやすくて面白い哲学の解説書、後半はサンデル説の論文。 結論は、ロールズが何と言おうとサンデルが何と言おうと自分の頭で考えないと、ということでした。 学生時代以来使ってないから頭が固くなったとお悩みの、私みたいな社会人にオススメ。知的好奇心が長い眠りから目覚めるかもしれません。

    2
    投稿日: 2013.07.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    梅田将旭 哲学って聞いて抵抗はありませんか?ただ、哲学についての本を読まずに難しいというイメージだけを持っている人はぜひこの本を読んでから考えてみてください。 正義についての話についてはネタバレになるのでかきませんがこの本のいいところは物事を議論する時に必ず2つ以上の視点から見ていることです。ですから、偏った見方で今まで物事を考えていた人が物事を別の視点から見ることで視野が広がるというわけです。 では、物事を2つ以上視点から見ることの意義について申し上げます。持論ですが、ステレオタイプな考えを持っている人というのはおそらく他人の意見に対して批判しかしない人だと思います。しかし、そこから解決策は生まれません。だから別の視点からも物事を見る頭の柔らかさが必要だと思います。まずは、この本を読んでから良し悪しを判断してみましょう。

    0
    投稿日: 2013.07.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    何回か読まないと、消化できてない気がする。正義とはなにか、に興味をもって読み始めたが、忘れかけていた道徳の観念に気づき、カント、ロールズなど知らなかった興味深い分野を知り、有意義だった。

    0
    投稿日: 2013.07.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    NHKで放送されていた「ハーバード白熱教室」を見ていたため、期待して購入。 あの授業はディベート形式で偏った考え方の生徒たちを導く様子や、色々な角度から考えるきっかけをもらえる授業だったが、本作はかなり政治哲学に徹している。 時間がかなり無いと理解できないかも。 という私も3割ほどしか理解できていない気がする… 自分の中に取込みやすい作品ではない。 ただ、普段使わない脳の部分がすごく使われる気は、する。

    0
    投稿日: 2013.06.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    市場主義でも自由主義でもない、道徳に基づいた正義のあり方。 市場主義や自由主義は基準が明確で、その立ち位置から正義を判断するのは比較的容易い。 だけれども、道徳的観念は人間の本質であり、それを脇に置いて正義を議論することはできない。 という理解で良いんだろうか? 途中からだんだんとついていけなくなった。 ただ、何かの(特に政治的な)善悪を判断するとき、道徳という視点が抜け落ちがちになるのは、確かにその通りだと感じた

    0
    投稿日: 2013.06.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    難しい!全体の理解度は50%に満たないんじゃないか!?また、あとで読んでみたいと思う。 理解度は低いが、倫理や哲学といった分野の楽しさや魅力が感じられる内容。科学の発達した現代にこそ、倫理や哲学の重要性が増すこともわかり興味深いと思った。

    0
    投稿日: 2013.06.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『満足した豚であるより不満足な人間であるほうがよく、満足した愚か者であるより不満足なソクラテスであるほうがよい。そして、愚か者や豚の意見がこれと異なるなら、それは彼らがこの問題について自分自身の側しか知らないからだ』

    0
    投稿日: 2013.04.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    有名すぎる教授の有名すぎる講義の内容をまとめた本。 考え方をかえる一つのきっかけにはなるかも。 ただしちょっとゼロベースなものの考え方が徹底しすぎて何かを自分で判断する際の価値判断には使えない気がする。だって自分自身も彼にとっては「偏った」存在なのだから。

    0
    投稿日: 2013.04.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    他律的に行動するというのは、誰かが定めた目的のために行動することだ。その時、我々は目的を定めるものではなく目的を達成するための道具にすぎない。自分が定めた法則に従って自立的に行動するとき、われわれはその行動のために、その行動自体を究極の目的として行動している。

    0
    投稿日: 2013.03.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この本を読んで正義を定義する事は生き方を決める事に近いので、多様な考え方のもとに正義とは何かを探求していきたいと思った。ちょっと難しいとこもあったので何回か読み返したい。

    0
    投稿日: 2013.03.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ハーバード大学の人気講義「JUSTICE」を元にした一般向けの書籍。 正義とは何か…政治哲学なんて難しそうだと思ったけれど、たくさんの実例を交えて書かれているので、分かりやすいです。内容が重たく考えさせられる話ばかりで、読むのに時間がかかってしまいましたが、哲学って面白いなと思いました。 この本はしっかりかかれていて読みごたえがありますが、『ハーバード白熱教室講義録』は生徒との講義の形で書かれているので、もっと軽く分かりやすいです。日本語訳の違いのせいもあるかもしれませんが、『ハーバード白熱教室講義録』の方が読みやすいです。 内容は重複するので、どちらか片方を読めばいいと思いますが、興味があれば両方読むのもいいと思います。 哲学に結論はないけれど、先人の考えを知ることは面白いです。サンデル教授の文章はわかりやすくてはじめて哲学に触れるにはいい本だと思います。 ☆内容☆ 「1人を殺せば5人が助かる。あなたはその1人を殺すべきか?」正解のない究極の難問に挑み続ける、ハーバード大学の超人気哲学講義“JUSTICE”。経済危機から大災害にいたるまで、現代を覆う苦難の根底には、つねに「正義」をめぐる哲学の問題が潜んでいる。サンデル教授の問いに取り組むことで見えてくる、よりよい社会の姿とは?NHK『ハーバード白熱教室』とともに社会現象を巻き起こした大ベストセラー、待望の文庫化。

    0
    投稿日: 2013.03.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    タイトルのとおり、「正義」について、いろいろと考える一冊。 マイケル・サンデル氏による究極の問いかけに、読みすすめながら、う~んと考えさせられた。お金の問題から、命に関わる問題、政治や人種差別問題…。普段、何気なく生活していて、見過ごしがちだけれど、とっても大切なことをこの本から教わった。 一読しただけだと、私自身はまだまだ理解できていない部分も多いけれど、何度も繰り返し読み返して、誠実に生きて行きたいと思った。

    0
    投稿日: 2013.02.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「1人を殺せば5人が助かる。あなたはその1人を殺すべきか」などの具体的事例と、過去の哲学者の考え方を用いて『正義とは何か』を考えていくというような内容だったと感じました。 結局、絶対的な結論らしいものはなかったように思いますが、そこから僕は、常に『正義とは何か』を考えながら生きていくことが“正義”に近づくための確かな一つの方法ではないか、という事を感じました。 当然ですが、内容的に哲学の話が多く、専門用語が出てくるあたりでは結構読むのがしんどいと思うこともありました。しかしながら逆に、これまであまり哲学者とかの勉強をしたことがない方にとっては、哲学者の考え方をなんとなく理解できる本でもあると思いましたので、興味があれば読んでいただけるとよいかと思います。

    0
    投稿日: 2013.02.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    【正義】とは?【道徳】とは? 抽象的な概念について様々な理論を採用した見方で、 ある事例ではどのような行動が望ましいのか?を書き綴った本。 ベンサムやジョン・ステュアート・ミル、 ジョンロールズ、カント、アリストテレス、名高い哲学者の考えを 紹介して、ある事例に対して、功利主義、自由至上主義、共通善重視などの考え方で検証する。 自分にとっても、かなり参考になった。 日常で触れる事例にも、当てはめる事が出来る。 会社での立ち回りだったり、対人関係等… 正直、一度では全部消化しきれなかったので、 自分で購入して勉強していく。 倫理観や道徳に関して、改めて深く考えさせてくれる本。 一生付き合っていきたい本になりました。

    0
    投稿日: 2013.01.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    kindle版がセールだったので読んだが、今さらだがすごく勉強になったかつ面白かった。高校の哲学の授業もこういうのだったら面白かったのになとおもう。

    0
    投稿日: 2013.01.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     創作資料としてのレビューです。  直接創作の資料になるものではありませんが、自分なりの答えを見出すという意味で資料になり得るものと思います。  人がどの時代でも抱える葛藤について、考える際の手助けになるかな、とおもいます。最終的な結論は道徳の話になってしまうので人によっては納得のいかないものと称されるものではありますが、挙げられている例は分かり易いものばかりです。  文庫本になって持ち歩き易くなったので、犠牲と幸福についてなど、キャラクターの根本を詰める手助けの一つになるかと思います。

    0
    投稿日: 2013.01.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    正義ってそもそも何だろうか。 何が善で何が悪なのだろうか。 そんなことを根本から考えていく倫理の本です。 例えば、正義と言っても 福祉、自由、美徳 の三点でそれぞれ違う見方が出来るとマイケル・サンデルは言っています。 また、最大幸福原理や自由至上主義の考え方を提案して反論意見も出しています。 それぞれについて重要で考えなくてはならないことは充分にわかりますが、著者なりの「正義」というものは提示されていなく、「みんな分かり合おう」と言って逃げられた感じが少ししました。

    0
    投稿日: 2013.01.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    わかりやすい事例を挙げて哲学的な考察を進める。知的刺激に満ちた ではあるが、なかなか密度が濃く、理解しきれない部分が多かった。

    0
    投稿日: 2012.12.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    正義についての議論。正義は人によって、見る立場によって違う。また時代によって正義は変わっていくということを学んだ。 具体例が多く理解しやすかったが、結局何が言いたいのかも曖昧だった。哲学の議論はそういうものかもしれないが。

    0
    投稿日: 2012.12.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    功利主義から始まり、その後に生まれた主義・哲学者の考えをそれぞれ取り上げる。 哲学者の多くは、主義ありきで各現象を考えている。しかし、物理学で物理現象を説明するのとは異なり、人間の行動に対して主義ありきのアプローチは正しいのだろうか、と個人的には思う。

    0
    投稿日: 2012.11.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    [関連リンク] 「ほんらぶ」スペシャルインタビュー 〜あの人のトクベツな3冊〜 Vol.4 冲方丁さん:オンライン書店 Honya Club.com: http://www.honyaclub.com/shop/pages/honlove_interview4.aspx

    0
    投稿日: 2012.11.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    意外と読むのに時間がかかったが読んでいる間色々考えた。こういう講義は小学校からして考える訓練をすべきだと思った。ギリシャ時代よりも現代のほうが哲学、というか道徳が必要である。ネット社会、グローバル社会、お金万能社会の今こそ道徳について真剣になるべきである。

    0
    投稿日: 2012.11.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ようやく読み終えた。非常に読み応えはあったが、理解できたのは半分くらいだろうか。というのも、この議論はゴールがハッキリとはしていないからだ。 シンプルな感想としては、『避けてきた問題や課題と向き合うことで正義につきての議論を進めることができる』ということである。 資本主義の限界や、リベラルの限度、多様性などの現代社会の複雑化した問題を考えることでしかゴールは見えないだろう。 よし、また一歩進んだアイディアが生まれそうだー!

    0
    投稿日: 2012.10.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    正義を切り口にした哲学概論。 具体例が出てきて、こういう考え方もできますというのを見せてくれる。 一個見つけたのは 6章での「長子が労働意欲が高い傾向にある」に対する 「長子は手を挙げてください」→ハーバードでたくさんの人が手を挙げた。 というのは例として正しくないと思う。 ただ正義に関する哲学書として読んでしまえば教養(雑学)で終わるが、 一つのものごとにはいろんな見方がありますというテーマで読めば今後の思考に活かすこともできると思う。 話題になった本であるので、もしあなたが自身を読書家だと語るなら読まなければならない。

    0
    投稿日: 2012.10.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読了。 ずいぶんと読むのに苦労しました。 特に哲学者が乱発してきたあたりは辛かった。。。 そういう面ではいい高校倫理の復習になったかな(笑) 哲学に関しての常識を復習できるので一回読んどいて損は無いと思います。 オススメです。 (たとえ話とかの是非とかは横においといてね(笑)) http://www.amazon.co.jp/これからの「正義」の話をしよう-ハヤカワ・ノンフィクション文庫-マイケル-サンデル/dp/4150503761/ref=sr_1_3?s=books&ie=UTF8&qid=1350130224&sr=1-3

    0
    投稿日: 2012.10.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2012/09/30 ちょい前に流行った本で文庫になってたから読みたい 2015/02/05 古 108円

    0
    投稿日: 2012.10.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    正直難難解だった。 けれど、読んで良かった。 自分は今まで個人の権利とリベラルを大事に思っていたが、様々な形で生じる責任や望まれるべき「正義」を基盤に置く哲学も知ることが、そして考えることができた。

    0
    投稿日: 2012.09.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    日常生活に正義はあまり関係ないでしょうとスルーしていたベストセラーを読んでみました。予想したのと違い目からウロコ的な話ではなく、ごく当たり前のことを哲学とかを使って論理的に分析するというもの。面白いのだけれど、とてつもなく眠くなる。眠くなってテキトウに読み飛ばすと、何の話だったっけ?と迷子になるので同じ箇所を何度も読まねばならず時間がかかった。日本人にとってしてみれば、正義というより道義、と言われた方がピンと来る。でもアメリカ人には道義という考え方は馴染みがなさそうだし正義という言葉が響くのかも。巻末に載っていた、「それをお金で買いますか」の予定稿みたいな文章が面白かった。アメリカ社会を理解するのの一助になる本です。

    1
    投稿日: 2012.09.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ベンサムの功利主義:あまりにも人間の理性を軽視しすぎている カントの道徳哲学:あまりにも厳格で、この主張を行動原理とするには相当の覚悟が必要 しかし、物事を突き詰めた地点から事物を観察することで、どこでバランスを取る必要があるのかという方向性がつかめる。そのことで哲学の議論は先へ進んでいけるのだろう。 著者:哲学は宗教に近いもので、「哲学者」とは自らの主義主張を普遍的なものとすべく言論を活用するものだとすると、彼自身の思想は彼の著作からはうかがい知ることができない点で、彼自身が哲学者であることには疑問を感じる。しかし、哲学者が教祖であるとすれば彼はキリストにおける使徒のように、大衆に広めていく能力に極めて長けていると評価できるのだろう

    1
    投稿日: 2012.09.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    世の中に溢れている、普段気にかけない問題。 命の価値や、福祉の意義、道徳的であるということ。 様々な社会制度の問題について考えるきっかけを与えてくれる本です。 哲学で使われている考えを、一般的な問題に適用するとどう解釈できるのかがよくわかる内容になっています。 哲学は実益に繋がりにくいし、難しくてよくわからないな…と考えている人は是非手に取ってみたらいいと思います。 出てくる言葉は少し難しい部分もありますが、賢い高校生あるいは大学生以上なら問題なく読めます。 この本だけを鵜のみにしてはいけないと思いますが、考えるきっかけとしてはとてもいい本です。

    0
    投稿日: 2012.09.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    日本人の美意識がそのまま論じられている。そろそろ、国際的な発言のタイミング?異国は定義が必要で大変ですね。

    0
    投稿日: 2012.08.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    マイケル・サンデルさんの本は2冊目だが、今回もまた、彼は倫理学上のさまざまな考え方を示すだけで、自分の最終的な意見は何なのかはっきり言わない。しかし、道徳/倫理の講義なんてそんなものかもしれない。 日本で近年この人の本がはやっているらしい。従来の倫理学の本とそんなに変わらないので、何がそんなにいいのかよくわからないけれど、まあ、倫理について考えてみたい人が増えたのだろう。 カントやロールズの考え方をすっきりと紹介しているし、囚人のジレンマみたいな難しい倫理問題をずらっと大量に並べているので、読者に深く考えさせようとする本ではある。ただし、これを哲学と呼べるかどうかは疑問だけれども。

    0
    投稿日: 2012.08.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    価値ある一冊。正義とは何かは、難しく、考えさせる。哲学は、よくわからないというイメージを、持っていたが、現実に起こった具体例で考えさせるので、分かりやすい。 そして、非常に論理的で、視点が鋭いので、物事の見方を磨けると思う。

    0
    投稿日: 2012.08.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み応え度高い。本質とは何かを考えているつもりでも、必ず思考のバイアスがかかるが、最終的には自分にとって正義であると考える選択を決断していきたい。

    0
    投稿日: 2012.08.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    マイケル・サンデル先生の白熱教室をテレビで見てからというものの、生徒をたちまち知的興奮の渦にまきこむそのダイナミックな講義の場面は、頭から離れませんでした。この本であらためてそれらの講義での主張を読んでみました。さすがに文字で読むと簡単に呑み込むわけにはいかず、カントやアリストテレスなどの哲学の内容との比較など、読み砕き消化するのに時間を要しました。それでも、人命がかかった例題など、さああなたならどうする?といった難題が次々と提示される構成なので途方にくれるのですが、現実にはどう考えればいいのだろうかといった道筋を示してくれる手引きであることにはまちがいありません。 正義とは単純に正しいこと、義にかなうことと述べていれば生きていけるものではとうていありません。私たちの生活に関わる福祉の最大化、自由の尊重、美徳の促進という3つの理念は、国のあり方、政治の行方と密接に関係することです。現代の世の中では、もう為政者に任せておけば普通の暮らしが守られるといった生半可な意識では成り立たない世界になっています。サンデル先生が述べているように、否が応でも私たちは最善の生き方について考えなければならないときに来ているようです。

    0
    投稿日: 2012.07.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    哲学的に難しい問題についていろいろ例を挙げて深く掘り下げて事例を示してくれている。哲学というものをこれまでまともに学んだことなかったので、読むのにすごく時間かかったし、難しくて頭をすり抜けていった内容も多いけど、知らなかった考え方を学べて読んでよかったと感じた。しばらくしたらまた読み直したい。

    0
    投稿日: 2012.07.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    現在毎週日曜、NHK教育テレビで「ハーバード白熱教室」と して放映されている、マイケル・サンデル教授の政治哲学 講義―――Justice。 本書は"Justice: What's the Right Thing to Do?(2009) " の邦訳書。 世界は矛盾だらけ。 理屈だけじゃ解決できない問題が無数にあることを再確認。 当たり前だと思って深く考えないでいることを当たり前でないものを当たり前に変える。 当たり前どうしをぶつけ合っても、議論にはならない。 金融危機、経済格差、テロ、戦後補償といった、現代世界を覆う無数の困難の奥には、つねにこうした哲学・倫理の問題が潜んむ。 アリストテレス、ロック、カント、ベンサム、ミル、ロールズ、そしてノージックといった哲学者たちは、よい社会をつくりあげるためにこれらにどう取り組んだのだろう。 こんな授業あったらお忍びでいっちゃうよ。 ☆具体的な事例☆ ・自分の州を攻撃したくないために奴隷反対なのに北軍から南軍の司令官になった人 ・5人の作業員を助けるために、1人の作業員を線路から突き落とすのは罪か? ・海で漂流してしまい、全員死亡を避けるために、ひとりの衰弱した孤児を殺して生存した3人は罪を問われるのか。 ・マイノリティ優遇政策で、黒人より高得点をとったのに、大学に入れてもらえないのは違法か? ・カートが使用禁止のゴルフトーナメントで、 足に障害のあるゴルファーが、特例でそれをつかうのは、不平等か? ・ユダヤ人の弁護士を育てても、就職できないから、ユダヤ人学生を排除するのは妥当か? ・金持ちに高い税金を課し、貧しい人びとに再分配するのは公正なことだろうか? ・前の世代が犯した過ちについて、私たちに償いの義務はあるのだろうか? ☆様々な観点からの正義☆ ◆ベンサム、ミルの「功利主義」 →「最大多数の最大幸福」を目指す。全ての+方向の事柄(うれしいとか)、-方向の事柄(つらいとか)を一元化して考え、+方向の事柄が増え、-が減る行動が「正義」 ◆リバタリアニズム →他人に迷惑をかけなければ何をやってもいい。市場至上主義。それが「正義」 ◆カントの「自律」、ロールズの「無知のベール」 →結果を期待してする行動(他律)ではなく、ある行動そのものをしたいからする行動(自律)が自由な行動であり、自律的行動は誰でも同じになるから、それが「正当性の試金石」。 ◆アリストテレスの「目的因」 →「正義」を定義するには、問題となる社会的営みの最終目標を知らなければならず、「美徳」へと繋がる営みが「正義」である。

    0
    投稿日: 2012.07.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「一人を殺せば五人が助かる。あなたはその一人を殺すべきか?」 という質問に惹かれて買ったものの、最初の章を除けばそういった『難問』は少なく、あとは専門用語の嵐と、アメリカの歴史や政治の話がほとんどです。 それでもたまに出てくる実際の例などから哲学的問題に発展していくところはそれなりに楽しく読めましたが、後半はほとんど飛ばし読みになりました。 これをきちんと読んでもおそらく自分が得るものは何もない、と、自分の理解力の壁を痛感させられることが多くて… 自分のように、正解のない難問に関する思考実験を楽しんでみたいと思ってこの本に興味を持った人にはオススメしません。

    0
    投稿日: 2012.07.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初は理解できたけど、 途中から専門用語がやたらでてきて、何言ってるかわかんなくなってきた。。

    0
    投稿日: 2012.07.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    再読。 社会に生きる上で直面せざるを得ない、正解のない、にもかかわらず決断をせまられる問題-「正義」とはなんなのか、を問うビジネス書。ビジネス書というかたちでなくても、政治や経済活動も含めた全般のことに関する哲学や倫理観を問う書は今までにも出版されてるし、読んでるのですが、「ハーバード」で「政治・経済」で「ビジネス書」カテゴリーで出版したところが勝ち組な所以なのかしら。 そうはいっても、読んでいて面白いし、考えさせられるのだけど、共同体主義(だと思うのですが)なオバマ政権の援護射撃な内容でもあるような印象も。

    0
    投稿日: 2012.07.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    白熱教室のマイケル・サンデルのハーバードでの講義をベースとした著作。政治哲学者の記述は、理屈っぽく、小難しく、そして、どこまでも興味深い。久しぶりに書物と向き合い思索することを楽しんだ。

    0
    投稿日: 2012.06.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    哲学的問題については、みんなそれぞれが一家言持ってる物らしい。 故アリストテレスのように実際のサンデル教授のように、対話からでないと納得させられないのかも…

    1
    投稿日: 2012.06.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    マイケル・サンデルのこれからの「正義」の話をしようを読みました。 マイケル・サンデルの哲学の講義を本にしたものだそうで、現代の正義とは道徳としては何が正しいのか、ということが議論されていました。 功利主義、リバタリアン(自由至上主義)、カント、アリストテレス、といった人たちの主張がわかりやすく説明されています。 とても面白く読んだのですが、内田樹の本を読んで感銘をうけた konnok としては、アメリカのたちの正義や道徳に関する議論は、数学で言うと公理が間違っている(もしくはkonnokの感覚に合わない)ように感じてしまいます。 今の日本の公衆道徳が衰退していると感じるとき、その原因は戦争に負けて日本の道徳を捨ててしまい、そのようなアメリカの正義を受け入れてしまったためではないか、と考えてしまいます。

    0
    投稿日: 2012.06.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    知的で面白かった。考えながら、かつ多様な見方を学びながら読めた。後半は疲れたけど。 何が正義か、決めるのは個人だし、それを受け入れていくこと、主張していくことの難しさを感じた。 それにしても、きっとアメリカ人と日本人の考え方は相当違うなあ。と笑える箇所が多い本だった。

    0
    投稿日: 2012.06.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    難しくて、難しくて、読むのが大変だった…。読みながらずっと「よくこんな本がベストセラーになったもんだ」て思ってた。 難しく考え過ぎ?

    0
    投稿日: 2012.06.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    我々一般人に哲学を身近な存在にしたサンデル教授は、ホント凄い人だなと思う。電子本だと、税込み700円!お得感あり。

    1
    投稿日: 2012.05.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    政治哲学の教授の本だけあって、大層内容が難しいです。 発売した時、すごい話題だったけど みんなちゃんと読んだんでしょうか。。。 この作品はタイトルの通り、 「正義」とは?という部分を過去の哲学者の見解踏まえて マイケルサンデルさんの考えを教授するという感じの本。 とりあえずこの本では、正義には3つ考え方があって 筆者は③の考えが近いそうです。 まあ何れも難しいです。 ①最大多数の最大幸福を選択する ②選択の自由の尊重する ③美徳を涵養し、共通善を論理的に考える 要するに、世の中的に正義(正しいこと)は 同じ考えの人が多い事(①)だったり、 自分が信じている事(②)であることが選ばれがちだけど、 その選択肢が理に適っているか、全員に良いことなのか を追求し、選ばれた事が正義だと 筆者は考えていると解釈しました。 (まああってるかは分かりませんが) まあ内容はともかく、 本作は過去の哲学的思考について実例を交えて 説明されているんですが、大学の講義として 聞けると非常に楽しいそうと感じました。

    0
    投稿日: 2012.05.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ちまちま読んだので時間がかかった。○○主義がどういうものであるか、これまで自分が思っていたのはそれらの表面的な概要でしかなく、厳密に突き詰めて考えるのがいかに難しいかわかった。正直全部理解できてないですね・・・

    0
    投稿日: 2012.05.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    誰しもが知っている著名な本を、文庫版の発売にあわせて購入し、読了。確かに読み応えのある本。正義をめぐる議論を、時にこじつけのように感じつつも、徹底的に考え抜くことで見えてくることへの純粋な期待が、読み進める楽しみであったように感じる。 人間誰もがさまざまな局面で選択を積み重ねながら、生きていくわけですがその決断・判断の結果として立ち上がったものがどのようなものか。著者の引用する事例を読み進めるうちに、日ごろから口をついて出る「判断力」という「力」はそもそも存在しうるのかを思うようになった。 力ならば伸びるときもあれば、萎えるときもあり、それを主観的に実感できるはずだと思う。だが、世間で言われる「判断力」とは、あくまで結果論でしかないように感じる。だからこそ、それを「力」として賞賛するのはなぜなのかを考える時がある。だから、判断による失敗は、決断による失敗とは別のものとしてもう少し許容あるものにできる可能性はあるのでは、と個人的な考えをめぐらせた。 特に書籍の途中で取り上げられていた米国連邦裁での判事の言葉は、考え抜いた末に出てきた苦節の、だが説得力の言葉だったと記憶に残っています。理路整然。簡単に言葉の意味を知った上で引用できても実現は難しい。それが出生、宗教、価値観などさまざまな切り口でひとつの事象を切り出すと人間の多様性そのものも露になる。そんなユレが見えることが、人間を知ることの面白みでもあるのではないか。その一つが著者の関わる公共哲学の根幹なのかもと、覗き見た思いがする。

    0
    投稿日: 2012.05.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    これからの正義の話をしなくちゃね。でもそれはこの一世紀程、あえて避けて来たところに踏み込まざるを得ないんだけど。公共と道徳を語ることは危険と隣り合わせなんだけど、それに触れぬようにしてきたことで、結局現在の危機に面していることも確かだし。

    0
    投稿日: 2012.05.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「1人を殺せば5人が助かる。あなたはその1人を殺すべきか?」正解のない究極の難問に挑み続ける、ハーバード大学の超人気哲学講義“JUSTICE”。 経済危機から大災害にいたるまで、現代を覆う苦難の根底には、つねに「正義」をめぐる哲学の問題が潜んでいる。 サンデル教授の問いに取り組むことで見えてくる、よりよい社会の姿とは? NHK『ハーバード白熱教室』とともに社会現象を巻き起こした大ベストセラー、待望の文庫化。 ハーバード大学教授、マイケルサンデルの著書。 マイケルサンデルの討論番組がなかなか面白いので読んでみました。 正義とは、道徳とは何か。 三つの考え方から正義とは、道徳とはを紐解いていく、 快楽を増やし苦痛を減らす考え方の功利主義。 個人の自由を重視する自由至上主義。 コミュニティの美徳や道徳を考えるコミュタリアンとも呼ばれる、共同体主義。 それぞれの理屈がどれも頷ける部分もあり、考えさせられる部分もあった。 正解が無い問題に対してどの様に切り込んでいくのか、 それぞれの主義によっても違う。 実際の事件や出来事を例に様々な事から正義や道徳について考えさせられた。 政治が成す役割や共同体がどこまで道徳に反映をするのかとても考えさせられた。

    0
    投稿日: 2012.05.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「5人の人間を助けるために1人の人間を犠牲にすることは許されるか」等といった問題の検討を通じて、功利主義とリベラリズム、「人は物語的な道徳的責務を持つ」という三つの考え方を比較検討。 個人的には、多数派の幸福のために少数派を圧殺するような全体主義的な考え方は受容できないので「最大多数の最大幸福」を目指す、功利主義はその点で間違っていると思うし、そもそも幸福を足し算できるのか小一時間問い詰めたい。また個人の破滅すら許容するリベラリズムに対しても違和感を抱く。ところがどっこい、著者が立つ「人は物語的な道徳的責務を持つ」という考え方についても、これを突き詰めると政府が善に関する見解を持たねばならない、という社会主義くさくてどうも意見の一致が見られなさそうなところに行きつくので困ったもんである。

    0
    投稿日: 2012.05.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     思ったより悪くない。まぁ,政治哲学ってこんな感じだよねとうところではあるが。価値についてどう語るかがポイントで,公共性にヒントがあるというところ。  この問題を考えるときAQALってなかなかすぐれたフレームワークだと思うんだけど,あんまり相手にされませんよね。要するに価値を語るべき世界と,価値を語れない世界があって,その二つはともに正しく世界なのだ。多分次作はそういう世界の切り分けになるんだろうけど,世界の枠組みなしにその試みが上手くいくのでしょうかとは思う。限界事例を積み重ねるより,全体を大きく描いてしまった方が楽というのは趣味の問題ですかねw

    0
    投稿日: 2012.05.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     ある人からのプレゼントで読んでるところ・・・。だがこうした論理哲学ものも面白いもので、理屈がすっきりとしているので、読みやすいもんだね。    最初はどうかなぁ、とっつきにくいのではとか、読むのに苦労するのではと引き気味だった。マクロの経済学本を読み始めたときはほんと理解できなくて、何度も繰り返して理屈を覚えたり、考え込んだりして、徐々に自分のものにしていった苦労があった。そのような苦心を抱かさせるような思いがあったが、気軽に読めばいいという開きなおりで読んでみると意外とと付きやすかったね。これは収穫。    サンデルはある事件に対する議論を二通り提出する。そして、リバータリアンの議論展開はこうだ。また同情的左翼はこんな議論展開をするとかと述べて、それに対するサンデルのき論立て方が面白く、興味深かった。カントの実践道徳批判の現代社会への実践編ってな感じで読み進めると意義深いものになるのかもしれない。正義ってのは、なかなか胡散臭く、「正義」の実践も、目指したものとは全く別物の醜悪なものになるというのは、日ごろからよく見かけるところのもの。  正義の前の道徳的議論がより説得力を持つものになるのだろうということか・・・。

    0
    投稿日: 2012.05.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    政治の立場や論理学の立場、それこそ○○派といった立場で見ると、といった検証がなされていて、想定していたものとは違ったが、楽しめた。 結婚の目的、国の役割‥改めて考えさせられることも多い。 前半は読み易かったが、後半はやや読み進めるのに苦労した。

    0
    投稿日: 2012.05.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんでこんな退屈な本が(哲学書なので一般的ではないでしょ)売れるのだろう。 哲学、思想の世界に触れてみたい人や頭の体操をしたい人には是非。 時間のない人は動画を探して見てください。

    0
    投稿日: 2012.04.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    難しい!が例えはわかりやすい。 読破するには時間かかりそ〜う。 やっと読みおわった!やっぱり難しいしよく理解はできてない;; ただ自分と違う意見があり議論することの大切さはわかったかな。

    0
    投稿日: 2012.04.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「道徳」とはなにか。 「平等」「非差別」は全ての人を幸せに出来るのか。 「同性間の結婚」は何故認められないのか。 その「正義」は果たして本当に「正しい」のか。 多くの道徳的問題を取り上げた書。 自分が「正しい」と考えていた事が覆され、 自分の視野の狭さと浅慮さに気付かされる。 明確な答えが出ない問題であり、正しさを解くのは難しい。 しかし難しい問題ではあるが、マイケル・サンデル氏はそれをとても解りやすく説いてくれる。 自分なりの解答、選択はサンデル氏を納得させられるか、実際に問うてみたいと思う。 彼の講義に参加したいものです。 【あなたは、正しい正義を決断できるか?】

    0
    投稿日: 2012.04.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    政治哲学の本。 といっても政治以外に応用できそうなところもあるので何らかの組織を治める立場の人にオススメしたい。 そうじゃない人も読んでみたら自分の立ち居振る舞い、行動を考えるきっかけになると思います。 ただ、難解なので万人にオススメ、とはいかないです。

    0
    投稿日: 2012.04.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    言っていることは難しいけれど、例えとして書かれた話のおかげで、ある程度は理解することができた。より分かりやすくするために出されたイラク戦争の話やスクイジー・マンの話が面白かった。様々な問題には道徳的な問題も絡んでしまい、理屈だけで解決するのは難しい。哲学的に考えれば理論的には正しい解決策はある。しかしながら、理論だけで判断すると、今度は道徳の側から見たときに、本当にその策で良いのかと疑問を持ってしまう点が現れてしまう。今まで道徳面から判断して正しいと思うことが正義だと思っていた。けれども、それだけ考慮して考えてしまうと、冷静になって顧みたときに、腑に落ちないときもあるのだと思った。

    0
    投稿日: 2012.04.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    書いている内容は当然だが、NHKの「白熱教室」と内容が被る。 しかし、正義とは?と言うと、1つしかいないように思ってしまうが 同じ状況でもしょうがないと感じることもあれば それは絶対に許されないと感じてしまう事があるし、 同じ事象についても、判断が人によって異なるなど、 多面的な面があるんだと、分かっていたがそこを深く追及することで 相反する価値の存在が混在している事が鮮明になる。 これからもっと、多元的価値観が混在する世の中になるので 自分の考えの根源を深く考えるきっかけになる本だと思った。 因みに自分の奥さんは、NHKをみて、なんでこれが凄いの 学生と議論しているだけじゃない?と言っていた。 限られた時間の中で聴衆に議論をさせてつつ、あらかじめ 用意していたコンクリフトに気づかせ、説明するという事が 如何に高度で、練りに練られた準備をしないといけないかが わからないのかなぁ・・・。 気づかせて、

    0
    投稿日: 2012.03.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    もう一度「正義」を考えなおすための啓発本、という印象だった。まだ読むには早かったかと思いつつ貸してもらった本だったのでざっと読んでみたが、これは書籍化したものよりも講義を聞いた方がわかりやすいだろうなと思った(…当たり前か)また何年かたってから再読したい

    0
    投稿日: 2012.03.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    へそまがりなので、職場ではやった時に手を出さなかったが、ふと魔が(失礼)さして1年以上経って購入した。自分は本当は哲学向けだったのではないかと錯覚させられるほど読みやすく、常時興味をかきたてられ、考えさせられ、一気に読んでしまった。 過去の自分の発想・言動を否応無く振り返ってしまう。例えば、国内にいると割とごまかしがきくことも海外に出るときちんと説明しなければいけないこともあるし、説明する段になって改めて自分で選択したわけではないが、自分がサンデルの言う物語の中にいると認識させられる。そうしたことを無視するという生き方もあるだろうが、そうでない生き方の方が大変でも尊いと思う。 ぜひ続編も読みたい!

    0
    投稿日: 2012.03.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    世の中のさまざまな事柄に対して、いくつかの観点から考察をしていく。どの立場から事柄を捉えるかによって、正義だと考えるものも変わっていく。本書では観点を提供してくれるが、最終的な答えは出さない。確かに簡単に答えが出せない複雑なものばかりだが。 本はあまり楽しめない。ただ読んでいるだけで、頭に入ってこない。哲学が苦手なのもあるとは思うが。どうせならTVを見るべき。議論を聞いているほうが自分でもいろいろと考えることができるから。

    0
    投稿日: 2012.03.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    長かった… 読んでいて、答えが見つかった気がしたのは最終章の歴史問題。過去の問題は私たちの問題ではない…その考えに共感できるところがあって、でもそうじゃないと思っていたから、人は原罪のように生まれた国の歴史を背負っているという考え方がすごくしっくりきた。背負うには勉強が必要で、そのための覚悟も必要だな…と。歴史教育の重要性を痛感した。

    1
    投稿日: 2012.03.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ざっと一読した限りですが「正義」どうのこうのというより、共同体主義者のマイケル・サンデル氏が、功利主義や自由主義の矛盾をついていくといった内容。 まあ、日本に住んでて道徳やら伝統といった価値観になじんでいるので、共同体主義のほうが理解しやすいのかな。

    0
    投稿日: 2012.03.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    NHK教育テレビであまりに有名なサンデル教授の講義録。文庫化されたのを契機に読んでみた。 「一人を殺せば5人が助かる。あなたはその一人を殺すべきか?」などの究極の難問に、様々な立場から正義とは何かを考えさせてくれる。 正義に対する考え方には3通りあって、 ・功利主義 ・リバタリアン ・美徳 3通りの考え方のうち、もちろん著者は美徳を支持するのだが、本文中では「道徳」という言葉が良く出てきて、中途半端な道徳教育を受けた自分の世代には、この言葉では今ひとつピンと来るものがなかった。単に訳語の問題だと思うのだが、多分、日本の武士道精神という表現が一番しっくりくるんではないかと思う。 冒頭の第1章が、2004年夏のハリケーン災害の後の便乗値上げ騒動を取り上げてあり、これと昨年の東日本大震災を対比して見ると、日本にはいまだ「正義」が健在していると満更でない気持ちにもさせられた。 長文、段落も長くて、すぐ眠くなってしまうところを1ヶ月半かけて根性で読み通したが、やはり生で聴いたもののほうが、得るものも大きそう・・・というか、講義を聴いた後で、本書を読み返してみたかった。 巻末には、この春刊行予定だそうな、「What Money Can't Buy」の序章「市場と道徳」が掲載してあり、拝金主義をきっちりバッサリやってくれている。これまた面白そうだが、文庫化してからのお楽しみとしよう。 (2012/3/11)

    0
    投稿日: 2012.03.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    正義に対して3つの考え方があるという。 1. 功利主義(最大多数の最大幸福) 2.リバタリアニズム(個人個人の自由が最優先) 3. 美徳(倫理、道徳的に正しいかどうか) 普段何気なく思ってる「正しい」「間違ってる」という感覚を、この3つのアプローチで分解していく。 取り上げられる様々な事例、思考実験がいずれも興味深く、考えさせられる。

    0
    投稿日: 2012.03.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    正義に関わる事例をあげながら、著者の共同体主義など、政治哲学がわかりやすく紹介されています。 実際の講義も面白いのだろうな。聴いてみたい。

    0
    投稿日: 2012.03.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    内容はかなり難しいが、とてもおもしろい! 著者が市場に否定的なことにも共感を覚える。 アメリカのことを主題に書いているが、日本の正義についても書いてみてほしい。

    0
    投稿日: 2012.02.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アリストテレスからロールズまで、正義をめぐる哲学問題を具体的事例に即して見事に解説している。日ごろ理屈はわかるがなんとなく嫌だな、と感じていた違和感の元が完璧に整理されていて、おそろしいほど。ってことは、著者のオルグに参ってしまった、ってことなんだろうか。 アメリカの選挙でいつも「中絶」とか「同性婚」なんかが争点になるのを見て、「そんなことより年金とか税金とかの方が大事じゃないの?」と突っ込みをいれていたが、本書を読んでその浅はかさに気づかされました。すみませんでした。

    0
    投稿日: 2012.02.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いま現在を生きる僕たちにも、先人の哲学者たちの哲学が、知らないうちに浸透していて、思考や行動に多大な影響を与えている。しかも哲学は今ある課題に対して、さらに新しい視点と深化を深めていく。 2元論に整理される「善」と「悪」が、本気で論じる対象でなくなったけど、「正義」という新しい価値観を身につけるといいんですね。

    0
    投稿日: 2012.02.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    出てすぐに図書館で借りて読みました。そして今日、文庫を見つけたのでまた読んでます。こういう話が大好きで、皆に意見を聞いて回りたくなる。何度読んでも答えはでて来ないし、そこには多少影響を受けた自分の根底にある哲学を再認識するだけ。でも再認識をする機会を本で得られたのは初めて。本当に貴重で何世代にも渡って遺したい本です。 それにしても、こんなに込み入った複雑極まりない話を、整理してとてもわかりやすく書いたサンデスさんの表現力は本当に勉強になります。

    0
    投稿日: 2012.02.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    サンデル教授の政治哲学が集約された文庫。これはほんまに読むの時間かかった!笑 理解しながら読み進めるのが新鮮でもありしんどい作業でもあり。 内容としては、例をとりあげながら3つの政治哲学的観点を議論していくもの。最後はサンデル教授の理想論に近い考えが述べられてるけど、この本を読み進めていくにつれてやっぱりそうなるよねーとはなる。 自分がまるでサンデル教授の講義に参加しているような気分になりながら問題に取り組める作品。

    0
    投稿日: 2012.02.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    遅ればせながら読んでみました。 きっと誰しもが、正しくありたい と思って生きているのだと思うけれど 「正しさ」は一様じゃなくて いろんな正義がある… だから、僕は僕、君は君… そんなスタンスが一番スマートなんだ と(無意識のうちに)考えてたけど それは間違いでした。 僕は僕、君は君…と言うとき 僕は(やはり無意識のうちに) 自分の正義を絶対化していたのかも… 絶対に正しいことなんて、 本当はないのかもしれないけど 正しさを追求することの中にしか (暫定的な?)正義はないのかも? そんな風に考えちゃいました(^^)

    0
    投稿日: 2012.02.10