hisashi9さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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疲れすぎて眠れぬ夜のために
内田樹 / 角川文庫
寝る前に読むには面白すぎます
9
内田樹の本はこれで3冊目です。いつもの通り面白く、一気に読めました。サザンのことを書いているレビュアーもいらっしゃいますが、私としては3箇所ほどある村上春樹論もなるほど、と思いました。
それにしても、…いつも思うことですが、覚えておきたい言葉がたくさんありました。中でも、
「愛想がいいというのは、すごく良質な文化です」
「「レイバー」はそれ(ビジネス)とは違います」
「「個性的である」というのは、ある意味で、とてもきついことです」
「武士が歩いているとき、その意識は「背中」にあった」
「マジョリティとともにあることは決して安全を意味しない」
などなど(まだまだありますが、きりがないのてやめておきます)、気になる言葉があちこちにありました。
あとがきにあるように、この本は話した事をもとにテープ起こしして、それを加筆修正することで出版されるという経緯を辿っていて、そういうこともあってのこのタイトルなのでしょうが、寝る前に読むには十分に深くて濃すぎる内容です。私は通勤電車の中で読みました。 続きを読む投稿日:2014.10.22
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銀河鉄道の夜
宮沢賢治 / 青空文庫
心が洗われる
7
普段新書や雑学本などばかり浸りきっているのがよく分かる。説明的で批判的で理路整然とした機械じかけのような言葉の中に埋れていると、言葉そのものの力、響きの美しさって忘れてしまう。たまにこういうのを読むと…、生命のような言葉の清々しい流れが渇いた心に沁み渡ってくる感覚がある。偉大な作家の偉大な作品の価値を再確認した。 続きを読む
投稿日:2014.02.08
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The Chrysanthemum and the Sword 菊と刀
ルース・ベネディクト, ジェイク・ロナルドソン / IBCパブリッシング
手軽に読める英語の本
6
英語の勉強をと思っています。このストアで洋書が増えることを期待しているのですが、そしてなかなか増えていないようですが、このシリーズはそういう需要に応えてくれる上に、レベルもさまざまあるようですし、手軽…に名著といわれるものを読むことができるわけで、いいですよね。もっとたくさんシリーズが増えて、読む人が増えたら、ストアも本格的に洋書を販売するようになるでしょうか。
さて、本書も誰もが知っている作品の英語縮約版です。こういうものを読んでみようかな、と思ってしまうのは、世相を反映してのことでしょうか。ちなみに原書は1946年出版。とはいえ、古さはまったく感じませんでした。
第三者的観点から対象を批判するのは容易い。本書(しかし私は原書またはその日本語版そのものは読んだことがありません)で ルース・ベネディクトは外国人としての視点で日本を分析してはいますが、日本を劣等であるかのような批判は想像していたほど多くはないと感じました。
むしろ日本人である私が曖昧にしか分かっていないことや、考えたこともなかったことが多々書かれてありました。戦後レジームをそう簡単には否定できないし、かといって戦前の日本を旧時代的で未熟で、欧米に比較して劣等であると指弾するようなことも、私にはできません。太平洋戦争に突き進む中で、当時の日本にあったのは、日本的な価値観・日本的なアイデンティティだけであり、それは欧米のそれとは異なっていたというだけの事の様に感じます。
恐らく長年に渡って時代ごとの批評にさらされてきた本書でしょうから、そしてそれでもなお参照されることの多い本書ですから、ぜひとも読むべき本といって間違いはないでしょう。ただ、名著を短時間で読みたいとか、英語力をアップグレードしたいなど、原書ではなく、また日本語版でもなく、わざわざこの縮約版を読むのはそれなりの目的を持った人に限られると思います。(例えばこのストアには洋書が少ないと感じている人とか) 続きを読む投稿日:2014.12.24
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三四郎
夏目漱石 / 青空文庫
最後まで読めずにいました
5
やっと読み切りました。初めて手にしたのは高校時代でした。なぜか途中まで読んでそのままにしてしまっていました。それ以降何度か読みかけては挫折していた本書を、ついに読破することができました。
高校当時の自…分はなぜ読み切れなかったんだろう?もう理由も状況も忘れてしまいました。でも読み終わったいまは、やっぱり高校時代に読んでおきたかったなと思います。三四郎の考え方とか行動って、現代でもすごく共感できる人、特に若い人で多いんじゃないでしょうか。 続きを読む投稿日:2014.09.24
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風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡
宮崎駿 / 文春文庫
時代を見つめる眼がすごい
5
素晴らしいの一言。やはり人生をかけて物を描くことを生業にされてきた偉大さを感じました。まず、その観察眼というか、物を感知する能力が卓越していると思いました。そしてその感じ取ったものを描写する力も、普通…の人間の及びもしないようなはるかな高みにあられるのだな、と思いました。さらに時代を読み取る力、時代の空気や流れていく方向を感じる力のすごさみたいなものも、本書を読み通して知ることができました。そして創造するための信念というか、心の軸みたいなものの大切さにも気づかせてくれる一冊でした。さすがに、多くの人々を感動させる作品を数多く作ってこられた方だなと、創造する姿勢について本当に多くのことを教えてくれる一冊だなと、思いました。
また、それぞれの作品が発表されたころの監督の心境や作品への愛情の深さ、制作時のエピソード、それにその時代の思想的流行などを知ることができるという点など、いろんな視点で本書は読む価値があります。
続きを読む投稿日:2014.07.31
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あなたの1日を3時間増やす「超整理術」
高嶋美里 / 角川フォレスタ
端的なアドバイスでためになる
5
面白い内容で、読んでいるだけで自分ができる人のように感じ、いかに効率よく働くか、いかに人生を満喫するか、いろいろ思いを巡らしたくなる本でした。
身の周りや行動を整え、クリエイティブな事に費やす時間を…もっと増やすための方法を、14の項目に分けてそれぞれ解説してあります。どれも分かりやすく、ぜひ実践するべきだと思わせる内容でした。仕事の忙しさや煩雑さから解放されたい人は読んでみてもいいでしょう。私自身は大変参考になりました。 続きを読む投稿日:2016.01.19