bouburaさんのレビュー
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112
このユーザーのレビュー
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桐島、部活やめるってよ
朝井リョウ / 集英社文庫
このタイトル、なんだ?
29
直木賞作家ということで読んでみた。うーん、変わっている。高校生が話す文句がそのまま小説になっている感じがする。それが嫌味に感じずにストレートに入ってくる。内容は特段おもしろいわけではないが、文章構成に…光るものを感じた。 続きを読む
投稿日:2013.11.09
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清須会議
三谷幸喜 / 幻冬舎
作中人物の個性が「語り」の中に豊かに表現されています
21
本能寺の変で失脚した織田信長の後継を巡って開催された清洲会議。その席上の居並ぶ4名の人物を中心に、その心理状況を作家がユーモラスに展開する。中心となる人物は豊臣秀吉。陰で糸を引く黒田官兵衛、秀吉を嫌う…お市の方等の脇役の個性もおもしろい。今まで見たこともない語りで惹きつけてくれた。 続きを読む
投稿日:2013.11.09
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楽園のカンヴァス(新潮文庫)
原田マハ / 新潮文庫
美術をテーマにしたミステリー小説
14
冒頭は、地方美術館の監視員をする普通の主婦の視点で話が進む。それが途中から、名の知れたアンリ・ルソーの研究者であったという経歴が明らかとなり、その辺りから、何かただならぬ予感を感じた。そのうち視点が変…わり、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のキューレーターに移り、ミステリアスな展開となる。当時のルソーを取り巻く状況や人間関係、晩年の不遇な生活等もあぶり出しながら、ズンズンと読者を美術の世界に誘っていく。 続きを読む
投稿日:2013.11.10
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知らないと損する 池上彰のお金の学校
池上彰 / 朝日新書
経済用語を簡易な文で表現
12
池上さんの著作は、すべてにおいて読者のことを考えて、つまり読者が疑問に思うであろうことを想定しながら、その答えを述べていくというスタンスである。本のタイトルからして、「経済のしくみ」とは言わず、あえて…「お金のしくみ」としていること自体、彼の基本方針が伺える。初心者向きに書かれているが、経済用語を説明する際の言い回しなどは大いに参考となる。 続きを読む
投稿日:2013.11.10
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ロスジェネの逆襲
池井戸潤 / ダイヤモンド社
サラリーマンをテーマにしたスカッとするストーリー
9
「小」が「大」を打ちのめす痛快極まりない物語。
世の中は「大が小を呑む」のが常識である。
その逆を行くのでたまらない。
その中心的な存在が子会社に席を置く半沢直樹部長である。投稿日:2013.11.11
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幕末あどれさん
松井今朝子 / PHP研究所
激動の幕末を生き抜いた二人の次男坊の物語
3
激動の明治維新を二人の旗本の次男坊を通して展開する不思議なストーリー。一人は剣術に長けているが、その道では飽きたらず、ふとしたきっかけで芝居にのめり込む。別の一人は尊皇攘夷に荒れ狂う江戸末期に最後まで…幕府方につき、薩長軍と闘う武士を演じる。その二人の間には、何ら接触はないものの、前者は後者の兄や許嫁との偶然の関係が両者を結びつける。作者が得意とする花魁や芝居の世界がここでも登場する。 続きを読む
投稿日:2013.11.09