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コロロギ岳から木星トロヤへ
コロロギ岳から木星トロヤへ
小川一水/早川書房
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総合評価

69件)
3.6
4
36
19
3
1
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     突然BLの話が出てきてびっくりした。私はどちらかというとワランキ×リュセージ派なので百葉さんと煌海さんとは相容れない。  小難しいSF要素はちんぷんかんぷんだったけど面白かった。ネットのおすすめのSF作家で著者があげられていて、試しに読んでみたけど読みやすかった。他の作品も読んでみたい。

    0
    投稿日: 2025.10.04
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    21世紀と23世紀が時の蛇『カイアク』の 難破事故によって繋がれるストーリー。 23世紀に囚われたカイアクの尻尾の近くに たまたまいた2人の少年と、 21世紀の太陽観測所に突っ込んだ カイアクの頭の場所にいた研究員たちが、 過去と未来を通して助け合い、 カイアクを救出するストーリー。 これぞSFジュブナイル。 引き込まれるストーリー。 最後に待ち受けるハッピーエンド。 そして難解な理論を 理解した気になって読み進めた時の 誇らしさとワクワク感。 読むべき名作です。

    0
    投稿日: 2025.04.14
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    うーむ、さすが小川一水先生、現代の高山太陽観測所と、23世紀の植民コロニーを結び、ちょっとドラえもん的なネタながら、時間とは、絆とは、BLとはなどなどに想いを馳せさせる中篇!

    0
    投稿日: 2024.09.01
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    空間を移動する我々と違って時間を移動する存在、そんな概念の生命体という設定だけで楽しかった。細かいところを考え出すと矛盾はあるのかもしれないけど、2014年と2300年が繋がるのをポップに楽しく読ませられるのって文章力と発想がすごい。 お姉様方がキャッキャウフフしてるだけでボーイミーツガール的な関係にならない(一方的な文字だけで顔は合わせてない)のも小川一水にしては珍しかった さすがに顔を合わせる策は思いつかなかったのかしら

    0
    投稿日: 2024.08.05
  • カイアクはユニークな生物だね。

    木星の前方トロヤ群の小惑星アキレスに展示されていた宇宙戦艦に2人の少年が閉じ込められた。それを知ったのが時間を超えて生きる生命体カイアク。カイアクからその事を教えられたのが、日本の北アルプスのコロロギ岳に常駐する2人の天文学者。しかも天文学者達がいるの西暦2014年で、少年2人が閉じ込められたのが西暦2231年。217年の時間差がある。よくこんな設定を思いついたなと思う。また最初はカイアクという生物がどんな生物なのか読んでいてもよくわからなかった。カイアクは時の川の流れの中を、シャケのように下ったり上ったりしている生物なんだと理解したとき、なるほどと思った。ホント、カイアクはユニークな生物だね。

    0
    投稿日: 2023.03.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2231年、廃棄された宇宙戦艦に閉じ込められた少年2人を救うため、北アルプスにある太陽観測所に落ちてきた紫蘇漬大根のような時空をまたぐ生命体を通じてコンタクトをとる2014年の観測所員。 設定のハードな部分は読み飛ばしてもOK(俺もなんとなく分かってないような分からんようなで読んでいた)、時空間の上下流を行き来できる大根生物なんだから、色々やり直しできたりはするわけで、その辺のトリックと2つの舞台のコミカルなやりとりを楽しめる。 腐女子やりとりな余禄もよし。オタク妄想が世界を救うって設定は嫌いじゃない。

    2
    投稿日: 2023.01.29
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    現代の日本アルプスと、23世紀の木星。時も場所も違う2つの世界にまたがって出現した、なぞの生物。 「尾っぽの方が23世紀の木星に挟まって動けない」と現代に現れた頭の部分がのたまって・・・。 とにかくその生物を解放しようと、日本と木星にそれぞれ居合わせた女性と少年が試行錯誤の交流を図るお話。 今やったことが、未来を変える。この、当たり前だけど実感できない事実を、平面にして見せてくれる。

    3
    投稿日: 2020.04.24
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    #日本SF読者クラブ 「コオロギ岳」ではない。「木星前方トロヤ群」がわかなくても大丈夫です。時間SFなんだけど、難しい理屈は無視して(?)スラスラと読むこと。新型コロナ疲れの頭には、一服の清涼剤となるでしょう。 コミカルな「時砂の王」という例えもあったが、言いえて妙です。作者が「天冥の標」の執筆の合間に書いた作品である

    10
    投稿日: 2020.04.14
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    新年早々続けて小川一水。 「風の邦、星の渚」はSF要素薄めだったけど、こちらはSF要素満載。 なんと言ってもみんな大好き時間SF。 ずっとわくわく、にこにこしながら読めてたし、オチもきれいに決まって文句なし。 小川一水にハズレ無し!

    0
    投稿日: 2020.01.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

     夏はSFが読みたい気分で、以前読んだ『天涯の砦』がめちゃくちゃ面白かったので選ぶ。話が難しい時間SFであり、未知との遭遇でもある。未来の少年二人が読んでいてどっちがどっちかよくイメージできない。最期は感動的だった。

    0
    投稿日: 2019.09.05
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    SF。時間SF。 ストーリーもシンプルで、キャラクターもコミカルで読みやすい。 サクッと読めて気楽に楽しめる一冊。 カイアクの会話が、少しズレていて面白い。

    0
    投稿日: 2019.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小川さんにしては薄めで軽め。 現代と未来を行ったり来たりで、気付いたら終わった。 過去を変えると未来が変わるのがこんなに直接的に変化するのか~、と違和感しかなかった。 だいぶご都合主義的に進んで、最後まですぱっと一直線だった。 カイアクが落ちてきて、意味不明の言葉を喋ってる時が一番ワクワクした。

    1
    投稿日: 2017.04.19
  • 時間の流れの世界に生きるもの

    一定の時間の流れの中で、三次元の空間に生きる人間が、別次元の生き物、つまり、この物語の場合は、 時間の流れの世界を一つの空間として生きる生命体をイメージした時、どのように描くのかという難問に 挑戦した作品。 魚は川の流れという空間に生きるもの。 川の流れ、という水の世界を、時間の流れ、という時空の世界に置き換えたとき、魚や川底の石のように、 例えば、人や太陽や、様々な三次元の物体が、時間の経過とともに未来に向かって変化し、その影響が 少しづつ拡散して広がってゆく様を、楔(くさび)という人間がイメージしやすい形態で表現している点が、 斬新でした。 その世界に生きる生命体が、異なった時間軸の楔に引っかかってしまった、という奇抜な設定と、その 生命体を通して意思疎通する、異なった時代の人々の交流が淡々と語られ、その斬新な描き方に、思わず 引き込まれてしまいました。

    1
    投稿日: 2017.03.31
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    西暦2231年の木星トロヤで、宇宙船内に閉じ込められた二人の少年。一方2014年、日本のコロロギ岳では、とんでもない来訪者が訪れ、天文学者の百葉(ももは)と水沢は、閉じ込められた少年たちを救う手助けをすることになるのだが…  もっと分かりやすく、この小説の説明をするなら、200年越しの人命救助! 200年後に閉じ込められる少年たちを、いかに現代から救うか、ということがテーマです。  百葉たちはどうやって200年後にメッセージを残すかに苦心します。メッセージを受け取ることは、可能なのですが、それに対し返信しようとすると、200年先にも残っている形で、伝言を残さなければならないからです。  200年先にも伝言を残すには、いろいろな人間が世代を超えて、メッセージを残し、伝えるようにしなければいけません。そして、そうした動きは歴史を変えることにもつながっていきます。  そうした壮大な動きが、二人の少年を救うためだけに行われる。単純な動機なのにスケールが壮大で、それが読んでいてとっても素敵だと感じました。  読んでいて思い出したのは映画『オデッセイ』と『火星の人』。一人の宇宙飛行士を救うためにあらゆる人が頑張るその作品と、この『コロロギ岳~』には、共通のバイタリティが、根底にあるような気がします。  時空を超えて紡がれる、人間の善意の物語だったと思います。 第45回星雲賞〈日本長編部門〉

    1
    投稿日: 2016.04.18
  • サクッと読めて本格SF

    西暦2231年の木星前方トロヤ群の小惑星アキレスと、西暦2014年の北アルプス・コロロギ岳山頂観測所。二つの時空と時間が、時の泉に住まうカイアクによって結ばれる。軽いテイストの本格SF。次元の違う世界に生きる生物との会話と意思疎通や、217年先の未来で、放置された宇宙戦艦に忍び込み閉じ込められたリュセージとワランキを助ける為に奔走する天文学者・百葉。サクサク読めるけれど、ストーリーには齟齬がなく緻密。ラストの展開も良く、読了感もほっこり満足の一冊。腐女子の同志も見つかって良かったねモモハ…。

    9
    投稿日: 2015.07.11
  • コロロギ岳

    いい感じにライトです。ところどころでSF的なガジェットが入ってきますが、基本的にはSFというよりもライトノベルのような感覚を受けます。ページ数が少ないのですぐ読めてしまいます。キャラクターの魅力より、設定で読ませてくる作品のように思われます。カイアク万歳。一次元の空間と三次元の時間に万歳。というところで読みたいと思ったら読むべきです。

    1
    投稿日: 2015.05.31
  • 時間を越えて

    200年の時間をまたぐSF。といっても,いわゆるタイムトラベルではなく,時をまたいだメッセージのやりとり。ライトなSFで,気楽に読めて楽しい。 現代の北アルプスにある太陽観測施設に謎の物体が現れる。それが,どうも200年後のトロヤ小惑星帯とつながってしまっているようだ。その謎の物体とは。。。。

    1
    投稿日: 2015.05.17
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    小川一水の書くキャラクター達は、基本的に手持ちの道具で必死に頑張るって言うのが決まってるから、みんな小川の子なんだよね。

    0
    投稿日: 2015.05.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    頭が2014年、しっぽが2233年に引っかかってしまった超時間生物(?)という壮大なアイデアによる時間SFだが、その対処がちまちましてかわいらしい。しかし、最後のカイアクの荒業は、そのちまちまとした苦労と努力が意味なかったものにしかねないような… そもそも、あれだけの変化で済むのか、リューセージとワランキが存在しなかったことになりかねない甚大な変化をもたらしかねないような… 2014年コロロギ岳の女子2人の腐妄想がこの調子で繰り広げられ続けたらきついなーと思ったら、ほどほどですんでほっとした…

    0
    投稿日: 2015.04.12
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    SF的な要素は理解できたか不明…(^_^;) でも、少年が頑張る姿はいい。 だから一水作品は好きです。

    0
    投稿日: 2015.01.10
  • 時空を隔てた邂逅

    「時の泉」を泳ぐ生き物と,「時の楔」に生きる人類との時空を隔てた邂逅。 軽いのでするっと読めた。 総理とのやりとりが謎なんだけど……。

    1
    投稿日: 2014.12.31
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    あ。これすげー好きかも。 時間モノSFとしては突っ込みどころも多そうだけど、2014年と200年未来とのやりとり。限られた登場人物で、清潔感あふれるストーリー。や、おもしろかった。

    0
    投稿日: 2014.12.20
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    小川一水なので一定のレベルは期待しちゃう。その意味で、まあ、さくさく読める佳作ってとこ。 現代側主人公の行動動機がミソ。「ピアピア動画」とも通じる、真の意味での「応援」だと思う(笑)。ある意味新しい動機かも。 でも途中でそれを捨てる、そこが小川一水。

    0
    投稿日: 2014.11.23
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    未来の男の子と、現在の女性ということで 『未来(あした)のおもいで』(梶尾真治先生) のような話かと思っていたら、全然違った。 時間と空間を超えて、というより人類の認識と まったく異なる概念の中に存在する生物(?)を通して 人が地球を守るため、 かつ赤の他人を助けるために知恵を絞ったり、 かる~く、ゆるやかに、やさしく奮闘する ハードSFライトノベル・ブレンド。 もうちょっとSF側で書き込んでページ数が増えれば、 もうちょっとライト側で男子二人の関係や それに萌える女性二人の妄想を書き込めば、 チョッと引いたかも。最後まで楽しく読みましょう。

    0
    投稿日: 2014.09.30
  • 次元時間論は難解だが、ファンタジー要素溢れる読みやすい時空SF

    まともに次元とか時間の理論をつきつめるというよりも、想像力をフル発揮させて、現代、未来、別次元の3つの世界の世界観を楽しむという読み方が合ってるように思う。時間とか空間を超越した生命と人間のファーストコンタクトは成り立つのか?ここに興味をもったなら、買いです。基本的には読みやすく、ファンタジー要素溢れる本なので堅苦しいことは考えないでサラっと楽しむ面白い本。だいたい3時間前後くらいで読破できます。

    1
    投稿日: 2014.09.24
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    設定はバリッバリのSFだけど、語り口調はライトで、要点はといえばファンタジー。 謎の生き物?が次元にひっかかってしまった(か何かそんな感じ)ために、現代の地球と200年後の惑星トロヤがつながってしまい、現代の女性が中心となって死の危機に瀕している200年後の2人の少年たちを救う物語。 タイムパラドックスを扱うのに、本人たちはまったく移動しない、というのが斬新です。やってることは、要するに200年にわたって見も知らぬ人間の善意に頼り続けること、なんですが、時間という枠内での矛盾を取り除くためのあれやこれや、などは、しっかり本格的なSFだなあと思うし、救出の手段にはひとつひとつ細やかな伏線が貼られているなあと思います。 思うけど、200年間、誰も何も疑わず、手間暇を惜しまず、本当かどうかすらわからない理屈で、ただの少年の救出劇に取り組むかなあ、という根本に疑問を持ってしまうと・・・だいなし、なんですよね。でも、そんなこと(といっては失礼ですが、少年たちの自業自得ともいえる行動)のために、人類がやれることの範囲を超えてるような気がするよ。 だからこそ、「敬虔で優しい気持ち」が大事なのですよね。それを前面に押し出しているところが、ファンタジー。誰もが、そういう気持ちをもてるはず、ということ。 それって本当は、とてもとても大切なことだと思う。だからこそ、この物語は、そこを強調して書かれているのでしょう。 「そんなうまくいかないよ」そう思いながらも読み進めれば、きれいで透き通ってやさしい気持ちになれます。

    0
    投稿日: 2014.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    オタ心への配慮が超行き届いてた。カイアクによるSF的世界観を理解できるだけの頭脳がないため、放り出しそうになったところを引き止めてくれました。共感しまくりです。 最初に出てきた「敬虔で優しい気持ち」がとても心に馴染んだ。 なんで腐女子って思う部分もあったけど、要するに想像力が大事ってことじゃない?「200年後にいる2人を救え!」じゃ漠然としてるけど、腐った想像力によって「そこにちゃんといる」感が出る。 ちゃんとテーマに絡んでる…、ような気がしてきませんか?

    0
    投稿日: 2014.08.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2014/07/19 第45回星雲賞、日本長編部門受賞作。ということで早速。 書店でこの作者の本はよく見かけ、装丁からハードSFを想像していた。ところが、この作品は、ライトな感じの、ちょいと前に読んだ野尻抱介とも似た、ユーモアあふれる読みやすい作風。しかも最近マイブームの時間ものと来れば、読まないわけにはいかん。短めのボリュームも手伝って、通勤2日で読破してしまった。 物語は、4次元の世界に生きる謎の生物?カイアクが、「泉」の中で「楔」に引っかかってスタック。200年の時と木星近く小惑星と北アルプスとにまたがって動けなくなってしまい、動けなくなった「尾」の解放のため主人公たちに協力を求める。 トンデモない設定の異種文明(文明、ですらないけど)、地球の危機にもかかわらず、そんなこと知ったことかとばかりに登場人物たちは、未来の少年2人組に妄想を働かせてるし、未来へのメッセージはモナリザの裏への落書き。どう考えても深刻な話のはずなのに、最後まで楽しく読まされる。 その一方、時間パラドックスを避けるための「手続き」の必要性、可能性の収束による世界の(主観的な)変動など、読み応えのあるSFでもあり、読み応えもある。星雲賞受賞も納得。 もう少し、この人の作品を読んでみようかな。実は35回、37回の星雲賞も受賞している、思いっきり実力者であるみたいだし。

    1
    投稿日: 2014.07.24
  • ライトな本格SF

    2014/07/19 第45回星雲賞、日本長編部門受賞作。ということで早速。 書店でこの作者の本はよく見かけ、装丁からハードSFを想像していた。ところが、この作品は、ライトな感じの、ちょいと前に読んだ野尻抱介とも似た、ユーモアあふれる読みやすい作風。しかも最近マイブームの時間ものと来れば、読まないわけにはいかん。短めのボリュームも手伝って、通勤2日で読破してしまった。 物語は、4次元の世界に生きる謎の生物?カイアクが、「泉」の中で「楔」に引っかかってスタック。200年の時と木星近く小惑星と北アルプスとにまたがって動けなくなってしまい、動けなくなった「尾」の解放のため主人公たちに協力を求める。 トンデモない設定の異種文明(文明、ですらないけど)、地球の危機にもかかわらず、そんなこと知ったことかとばかりに登場人物たちは、未来の少年2人組に妄想を働かせてるし、未来へのメッセージはモナリザの裏への落書き。どう考えても深刻な話のはずなのに、最後まで楽しく読まされる。 その一方、時間パラドックスを避けるための「手続き」の必要性、可能性の収束による世界の(主観的な)変動など、読み応えのあるSFでもあり、読み応えもある。星雲賞受賞も納得。 もう少し、この人の作品を読んでみようかな。実は35回、37回の星雲賞も受賞している、思いっきり実力者であるみたいだし。

    13
    投稿日: 2014.07.23
  • 絡み合う3つの時空それぞれに味わいがありました

    多次元宇宙を人間の認識できる3次元で切り取る話は偶に見かけるけれど、異次元の知的生命体の視点を取り入れることで俄然おもしろくなったのだと思う。さらにそいつが空気読めないドジっ娘で少年たちが危機に陥るという、はた迷惑なお話。満喫しました。

    3
    投稿日: 2014.07.23
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    壮大でかつとてもちっちゃな話。すごくおもしろい。 人間以外の心情や社会を書かせたら右に出るものはないね。今回は想像を越える生物…でいいんだよね…だったけど。

    0
    投稿日: 2014.03.16
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    読後すっきり感ばっちりです。 この方らしい、読者にやさしいSFでした! 時間の流れをネタにしたもの。斬新な設定でしたが堅苦しいとこなく、キャラクターたちがみなフワリとした優しさがありました。蛇もね。蛇が一番かもしれない。 軽く読める一冊。軽さゆえに☆3つ。

    0
    投稿日: 2014.02.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小川一水さん、初体験。タイムリミットSF。 時の楔を移動する不思議な生命体がきっかけ。現在と未来の時間がつながるって、こんな感じになるのかな、と想像させてくれるお話。 どんなことも、きっかけ(楔)があればこそ。いい楔が見つけられれば、壊さず大切にしていけたら。 でも、気づいてない楔は…どうしようもないよね。

    0
    投稿日: 2014.02.11
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    概念だけでできてるようなものが登場するSF。いながらにしてその場その場でタイムパラドックスを体験、解消するというのがなかなか新しい。面白いSFだとおもう。 ほっとくと死ぬ、の理由が、この時代の日本人ならわかる、っていう下りは、なんていうか、ねえ。まあ日本人はみんなそれ以前も知ってたからいいか。

    0
    投稿日: 2014.01.17
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    時間SF。過去の人間にSOSを送る少年ふたり、未来でしかも地球じゃない2231年2月14日木星トロヤから、2014年日本のコロロギ岳へ。過去と未来に横たわる囚われた時間蛇。救いの原動力は結束する腐女子二人の妄想力(笑。百億の昼と千億の夜を彷彿とするスケールの大きさと蛇のペシッに影響を受ける人類の儚さ、小川さんの長編もいいけど薄めの一冊でさくっと終われるSFを書かせたら天下一品と思います。面白かった!

    0
    投稿日: 2013.12.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    現代(西暦2014年)北アルプスコロロギ岳山頂観測所に頭を、 西暦2231年、木星前方トロヤ群で尻尾をはさまれ、動けなくなった巨大時間蛇・カイアク。 このあたりの時間に横たわって 動けないカイアクは、観測所で太陽観測をする天文学者・岳樺百葉(だけかんばらももは)らの協力を得て、未来にある尻尾の挟まりをなんとかして欲しいと言う。尻尾のあたりには二人の人間がいる。カイアクを通して調べると、それは二人の少年で、どうやら宇宙船に閉じ込められて困っているらしい。 カイアクの尻尾をなんとかし(でないと、地球がえらいことになる)未来の二人も助けたい。 そして壮大なスケールの文通がはじまる。 普段、SFを読むことがあまりないので、小川一水さんの本も初めて読みます。 読みやすいし(がっつりSFだと身構えるけど)婦女子ノリもそんなにきつくもないし、楽しめた1冊。ハッピーエンドでよかった。

    0
    投稿日: 2013.12.14
  • きっと映像化には向かない・・・と思います。

    派手な戦闘やメカ、魔法がバンバン、っていうようなSFばかりではないのです。やさしい感じを受ける当作。 過去と未来のシーンの転換などは、”文章”で読むのが一番なのではと思います。 映像だとわからないのだろうな・・・と私は思うわけです(それを超えていく映像こそがすごいのですが^^;)。 余談:「天冥~」を読んでいる方向けの話ですが、プロローブでの「カイアク」の件は「ノルルスカインの事かぁ?」とつい思ってしまいました。

    4
    投稿日: 2013.11.24
  • 異色のワンアイデア時間SF

    本来なら時間と空間の壁に隔てられて意思疎通が図れない者同士が、4次元という更に異質な世界に生きる存在を介してコミュニケーションを取るという謂わばワンアイデアSF。世界観よりもストーリー重視でライトに読める。最後に迎える大団円は、予定調和ではあるが、天冥の標シリーズには無い爽快感がある。帯に書いてある通り確かに一息つくには良い作品。

    3
    投稿日: 2013.11.15
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    ーーー西暦2231年、木星前方トロヤ群の小惑星アキレス。 戦争に敗れたトロヤ人たちは、ヴェスタ人の支配下で屈辱的な生活を送っていた。 いっぽう2014年、北アルプス・コロロギ岳の山頂観測所。 太陽観測に従事する天文学者、岳樺百葉(だけかんばももは)のもとを訪れたのは……。 21世紀と23世紀を“つないで"描く異色の時間SF長編。 いまハマっているSF作家、小川一水の長編 いわゆる"タイムスリップもの"の時間SFではなく 人類が把握している枠組を超えた存在で、今と未来と過去をつなぐ。 なんといってもこの超越者にワクワクさせられる。 全くの未知の概念に対して、主人公と一緒に「ああでもないこうでもない。そうするとこうなるんじゃないか?」といった感じで、想像力の腕をめいっぱい伸ばして楽しめる作品 「お断りします、サー。」

    0
    投稿日: 2013.10.23
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    先の未来と現在の軸がつながっているとしたら。 コロロギ岳と木星トロヤに時間の蛇が横たわり、 コロロギが現在、木星トロヤを未来として 二つの時間軸が共同する。 現在を変えることで遠い未来の結果が変わる。 これを時間の幅を持たせることで、俯瞰できるようになっています。 木星トロヤにいる二人を救出するために、地球のコロロギ岳はどういう行動を起こすのか。見ものです。 SFはあまり読まないのですが、こんがりながらもなんとか読めました。

    0
    投稿日: 2013.09.26
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    これはライトノベル・・ではないのかな?変にこった設定をもってきてるわりには登場人物が妙にみんな軽いというか、悪く言うと薄っぺらいというか。攻めだ受けだみたいな話になったときには放り出そうかと思いましたが。 SFとして目新しい設定があるわけでもないし、話の展開や登場人物に引き込まれるような要素もない。ボリューム的には「中篇」くらいの、さらっと読んで後に何も残らず読み捨てられるような、そんな一冊。

    0
    投稿日: 2013.08.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    約8億万キロと200年離れたところから、場所と時代を超えて助け合う人と超次元生物の物語。 超次元生物の力を借りているとは言っても200年先へ言葉や物を伝えるのは当然簡単なことではなくて、現代のコロロギ岳にいる人々はどうすれば200年後のトロヤで窮地に陥っている彼らを救うことができるのか手段を模索する。 200年間記録を歪めずに残すにはどうすればいいのか。宗教の教義に紛れ込ませる。美術品に記録を付ける。この作品ではそういった手段が取られる。 そこには歴史的観点から見た、文化というものの重要性が書かれているように思う。 コロロギ岳に住む人々は200年後に生きる彼らの身を案じ、境遇を哀れみ、ときに怒り、自分達の無力を嘆く。ほんの僅かな意思疎通しか叶わず顔を会わせたことも無い他人へのそれは、思いやりだ。 その想いが巡り巡って200年後に生きる彼らを救うことに繋がっていく。 SFらしく理由付けがなされているが根底にあるのはヒューマンドラマだろう。 妙にホモホモしい描写が必要だったのかわからないが、非SF者を取り込めるならよかったのかもしれない。

    0
    投稿日: 2013.08.15
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    時間をまたぐ  時間をまたぐ生命体を通じて現在と未来がつながる。そこで紡がれる物語はいかにもファンタスティック。  しかしながら、時間を超えている感じがわかりにくい。ハッピーエンドは非常に良いのだが、ただでさえわかりにくい時間の因果関係が、サッパリ。  少し雑なのかなぁ。残念だなぁ。

    0
    投稿日: 2013.07.17
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    時間もの。 サクサク読めてサクサク進む。 あまり暗い感情を誘発する要素がないので、楽しく読めた。 それと現在側の主人公を「腐」にする必要性があまり感じられなかった。まぁ笑いを誘う要素としては十分機能したと思うけど。

    0
    投稿日: 2013.07.11
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    初小川一水。大分類で言うと「時を超えた文通」もの。小分類で言うと「時間改変」、「宇宙SF」、「ファーストコンタクト」、なんでしょうか。 一見壮大なハードSFなんですが、舞台は概ね現代のコロロギ岳の天体観測所と西暦2231年の木星トロヤ群小惑星に係留されている宇宙戦艦アキレスの艦内だけ。 頭部が2014年のコロロギ岳に、尻尾が2231年の宇宙戦艦アキレスに引っかかった時空を漂う宇宙生物を救う為、人類の存亡をかけて200年の時を超えた文通大作戦が始まる! この文通の手段が凄い、モナリザの裏に落書きしてメッセージを残すと言う荒業。 壮大な設定なんだが地道な文通作戦が効果をあげて無事に宇宙生物は解放される。 壮大なんだか地味なんだか良く判らない異次元の面白さでした。 ラノベに分類されるんでしょうけど、題材は面白い。もっとディテールに拘って、正統派SFの味付けをしたら、硬質なハードSFになったと思うが。著者はそんなもん目指してないんだろうけど。

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    投稿日: 2013.07.11
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    装画とタイトルに惹かれて。 現在、地球、北アルプスの山頂観測所 未来、木星前方トロヤ群小惑星アキレス、閉め切られた観覧用の宇宙戦艦 この二箇所が時間の生き物で繋がる。 時間もの。でも地道。 こぢんまりとしているのがいい。

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    投稿日: 2013.06.25
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    2013/6月 SFと言いつつも現代物理学の方向性から大それた話でもなかったと思う。 自分として気になったのは、人間がこのまま進化して、宇宙に行けたとして、それでも戦争と権力闘争を続けているのか。。という所はないかなと思った。 コロロギ岳を想定しているだろう土地も興味深い。

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    投稿日: 2013.06.17
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    見かけはライトノベルの様な軽さを醸し出しながらも、その実、久しぶりに新鮮なセンスオブワンダーであり、なかなかおもしろかった。未来が分かるが故に時間を改変しようとする話は良くあるパターンではあるが、新鮮なのは時間旅行ではなく、時間を超越した別の生き物たる蛇(生き物と呼んでよいか?)が二つの時間を結びつつ、なおかつ、過去と未来の意思疎通ができるものの、あくまでも時間の隔たりは厳然たるものとして存し、単純には時間改変ができないという不自由さに物語の面白さの肝があるという着想が良い。基本、時間改変ものはパラレルワールドものになり、改変された人間は、過去の自分と同じ自分でありながらも、違う時間軸に存する他人となるが故に、本来、話が成立しようがなく、第3者たる他人を介在させることが一般的であるが、本作では、時間を繋ぐ蛇が二つの時間を繋いでいるが故なのか、意識を継続しながら時間改変がされているという話となっているのがミソである。

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    投稿日: 2013.06.16
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    情景が想像しづらくシンドかったけど、温かい話だった。でもヴェスタ人の立場からは辛い結末なのか‥?平和が一番。

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    投稿日: 2013.06.16
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    ある種の時間改変もの。時砂の王みたいな感じか。 ギミック一つで話一つ分、という意味ではSFの原点のような気がしないでもない。アイデア勝負、といった面で。 でも、主人公を腐らせる必要はないとおもうけどなぁ。 最後はあれかね、改変の中心にいた存在は「前」を覚えてるってパターンかね。 なんか「前世」ネタがイチラホラみえかくれしてるなぁ。。

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    投稿日: 2013.06.15
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    久々にSF。 三つの時間の話。一つは時間を超越してるけど…。 なんだか脱出ゲームみたいだった。でも好きな感じでした。 SF読むと、日常が違う風に見えるようになる気がする。

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    投稿日: 2013.05.31
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    ちょいとタイムパラドックス的な部分がわかりにくいところもあるけど、さくっと読めて夢(?)のあるお話。でも現代側のヒロインを腐女子にする必要はなかったのでは・・・。

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    投稿日: 2013.05.26
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    西暦2014年の天文台に突如現われた知的生命体が求めたのは、西暦2231年の木星トロイヤで戦艦に閉じ込められた二人の少年を助けることだった──。 250ページ程度の短かさながら、時間SFの醍醐味が積まっった作品。ストーリー展開もさすが小川一水というデキで、万人にオススメできる。 21世紀の腐女子2人が23世紀の少年で妄想するシーンには笑ってしまったw

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    投稿日: 2013.05.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    腐女子達が少年二人を救うハートフル(?)すとーりー。 未来と過去との通信っていうのは面白かった。 未来側からのアプローチの仕方がやや強引な気がしたけど。 いまいち文中で理解できないのが難点だけど、こういう「楔」みたいな人智を超えた概念を扱う話は結構好き。 歴史改変しても当事者の記憶がバッチリ残ってるのは、カイアクが「想像力」の理解ができないことと関係あるんだろうか。

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    投稿日: 2013.05.25
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    時の海を泳ぐ蛇のようなもの『カイアク』を軸に、未来のトロヤの二人の少年とコロロギ岳の観測所の職員の奮闘記。未来の自分との通信など面白く、ママレードのジャムの瓶が宇宙空間を行列する図など、遊び心たっぷりのSF.

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    投稿日: 2013.05.25
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    ミッション1:コロロギ岳に頭をひっかけ、木星トロヤに尻尾をひっかけた謎の生き物(?)を救え! ただし、頭は西暦2014年に、尻尾は2231年にいるものとする。 そして2231年には命の危険にさらされている少年たちがいる。彼らの危機を救い、謎のいきものカイアクを解放せよ。 さあミッションスタート! 帯(色んな意味で仕事しすぎ(笑))にあるとおり、“さくっと読める”時空SF。 この人は本当に“人類から離れたいきもの”を描くのがうまいなぁとしみじみする。 しかしあの、女性陣……“同志”ってそういうことですか……。

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    投稿日: 2013.05.13
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    ビッグバン以来の時の流れの中で、無限の可能性が花開いては散っていく「時の泉」を泳ぐものたちと、異なる時間軸に暮らす人間同士の繋がりを描いた、読み口爽やかな時間SF作品です。 小川作品はこれが初めてでしたが、SF的な魅力をたっぷり持ちながらも、度々コメディタッチが覗く雰囲気がとても読みやすかったです。 (しかしこれは帯にもあるように、肩の力を抜いて楽しむために書かれた物語だからこそなのかもしれません。) ここから「天冥の標」シリーズに挑んだ時、果たして印象はどう変わるのか、楽しみです。

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    投稿日: 2013.05.07
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    軽く読めるSFです。 時空と概念を越えて、人命救助? スケールの大きさと小市民的な行動の積み重ねが面白い。

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    投稿日: 2013.05.05
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    ライトでコミカルだけど、底はしっかりSF。 漂う腐った感はイマイチどうかなあ。 気分転換には十分すぎるほど面白いけど。

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    投稿日: 2013.05.04
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    軽いSF。ラノベ的な。 気になるところはいくつかあれど、ひっかからずさくっと読むのがいいのだろう。 売り文句と内容が合っているので、不快感はないです。 まぁでもコンセプトを見せるだけじゃなくて、登場人物についてそれぞれもう少し掘り下げてくれても良かったかな―、って。ページもうちょっと増やせそうだし。 百葉が少年たちを助けたい理由に悲壮感がないあたりは、好きですがw

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    投稿日: 2013.05.03
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    宇宙の大部分を占めるダークマターもダークエネルギーも、その正体が判らない現在、宇宙の成立ちが絡むSFは面白い。

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    投稿日: 2013.04.30
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    読み始めるとやはり一気読み。小川さんは相変わらず面白い。 所詮時間の流れから逃れることの出来ない3次元の存在である自分たちにとって、時間の流れを泳ぐ存在と言うのは想像出来るような出来ないようなイメージですがそんなことがあっても面白いな、と。 遠い未来からのメッセージに対し何とかしようとあがくのが人間なんだろうなあと思いました。それにしてもフジョシなヒロイン達が面白すぎでした。

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    投稿日: 2013.04.15
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    「天冥の標に疲れたあなたに小休止を」そんな帯の文句に偽りなし。 小川一水先生印の、さっくり読める善意に満ちたSF。 また謎の宇宙的/超次元的な生物が出て参ります。 その名も「ウスラデカ時間ダイコン」と来たものだ。 「時砂の王」っぽいと書いてて、まぁギミックとしてはそうなのですが、 個人的には「老ヴォールの惑星」を想起させられるかなぁ、と。 大変ほのぼのと読めまして、一周回って昨今の「天冥の標」が如何に 張り詰めてるかを思い知る次第でありました。 しかし小川一水作品にサルが出てくるとドキッとしますね。

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    投稿日: 2013.04.14
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    主人公が軽い。一瞬ふわふわの泉のようなラノベ的な物かと思ったが、 悠久の時の流れを泳ぐ不思議な生き物やそれを通じて現在と過去がやりとりしたり、それよにって変化する世界を想像すると楽しかった。この世界では過去を変えてもパラレルワールドにならないのが良かった。そのお陰で読み終わった後も楽しい気分になれた。説明が難しいが、読後感爽やかな軽めと思わせてしっかりSFなお話です。

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    投稿日: 2013.04.10
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    テーマとかシチュエーションは結構重いのに、なんだか妙にコミカルなSFに仕上がってます。 我々が認識できる現在と、数百年先の未来、そしてその2つの時間を繋ぐ時間蛇、このイメージができあがらないと少々つらい。主人公がややBL思考だったりとやたらにコミカルなネタで責めてきますが、その実起こっている事象、設定はがっつりSFです。軽い印象だけど、読み応えのあるSFです。

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    投稿日: 2013.04.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    素直にハッピーエンドを楽しめる安心の小川一水作品といえる。 …ラストのカイアクが「うねる」という動きは、人間にとっては未来と過去を行ったり来たりする動きに相当するわけなので、どうなの?とか、過去改変後も記憶が残っているのは脳生理化学的にアリなのか(記憶・意識だけが時間を超越できるのはなぜ?)、など気にしだしたらキリがないが…

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    投稿日: 2013.04.08
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    ハッピーエンドでびっくりだ。 隠れ腐女子が、活躍する歴史改変SF。 時空蛇はカイアクって名前だけど、結果的にトロヤの二人からしたら、カイゼンです。ヴェスタ方面からだと、カイアクなのかな? でも、太陽活動の変化がなくなるから、そもそもヴェスタがトロヤに侵略してくることはないのか。 ロボットモンキーが、実はコロロギからの改変を阻止するための・・・みたいなことかと、すっと思ってました。 そんなことする必要ないんだけど。カイアクが関与してしまって、トロヤの少年遭難になったわけで。カイアクの存在を利用して、2231のトロヤの状態になったわけでないからね。 たまたま、カイアクが楔にひっかかってしまっただけの話。 カイアクの趣味が、楔の観察でよかったです。 趣味とは違うか?いや、ここはあえて趣味といわせてもらいますよ。 なんつーか、大事にしてる感が、そんな印象です。 カイアクもオタク気質だな。

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    投稿日: 2013.04.08
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    確かにこれは「時砂の王」コミカル版。失われた過去と未来が切なくもあるけれども、読み終わって「わあああ~ッ」と叫びたくなる気持ちよさ。よかったです。

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    投稿日: 2013.04.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    時間の可能性に触れたSF。タイムパラドックスってやつだな。 時砂の王は時をわたって戦い続ける話だけど、こっちは時間と空間を超えたコミュニケーションしていく。 黒いゴルフボールって、想像力ありすぎだよそれ(笑)

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    投稿日: 2013.03.31