スカイフィッシュさんのレビュー
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機動戦士ガンダム THE ORIGIN(10)
安彦良和, 矢立肇, 富野由悠季, 大河原邦男 / 角川コミックス・エース
1stメジャーキャラ初出の連続で興奮
27
1stの登場人物の初出づくしの巻。ついにシャアが!なんと15歳のミライが。アムロも!人物だけじゃないです。最初のモビルスーツプロトタイプの登場。そのテストパイロットはなんとヤツらだったのか。特に後半次…々と出現する超メジャーキャラの初出シーンで興奮しまくりの第10巻。 続きを読む
投稿日:2015.03.27
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死都日本
石黒耀 / 講談社文庫
これでもかっ!と日本が破壊されていく。斬新!面白い!しかも戦略的。一気読み必至です。
21
1000ページ近い本ですが、これは一気読み必至の面白い本です。日本の自然災害をテーマにした本は数多くありますが、その中でも群を抜いた面白さでした。まず、科学的根拠がちゃんとしてるうえに、分かりやすい。…日本の火山や地殻構造に一気に詳しくなれます。あと、伝奇要素が斬新。古事記を独自に解釈して古代の噴火イベントと関連付けていますが、それがすごく説得力がある。さらに、災害対策の視点が国際的で戦略的。従来の災害小説では個人のサバイバルに主眼が置かれているものが多い中、国家としてどう立ち向かうかを首相の視点で描いているのが凄い。しかもそれが非常に目から鱗的な戦略発想で書かれている。最後に、これでもかっ!と次々に破壊的な災害が起こるのが、悲惨や悲しさを通り越して爽快ですらある。災害は人知を超えた領域であるという割り切りが凄い。ちょっとでも興味を持ったならこの本は絶対楽しめます。超オススメ。 続きを読む
投稿日:2014.12.24
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火星の人
アンディ・ウィアー, 小野田和子 / ハヤカワ文庫SF
メチャ面白い!火星の超絶科学サバイバル小説
20
サバイバルSFはいくつか読んだが、その中でも超絶面白い。個人的にはアーサーCクラークの月サバイバルSFの名著「渇きの海」を越えた。何が凄いって、たった「一人!」で火星に取り残される、というこれ以上ない…絶望的な状況が凄い。その最悪の状況でもメゲない(もしメゲても諦めない)主人公の行動力が凄い。あと主人公の宇宙サバイバル知識が凄い。化学やDIYの勉強になる。あと主人公を救い出そうとする地球の一体感が凄い。人類捨てたもんじゃないと思える前向きさがある。読み手としては、もう主人公を苦しめないでくれ~と叫びたくなるような、ハラハラの連続。こんな純粋に楽しめる面白いSF、久しぶりに読んだ気がする。文句なし★★★★★。 続きを読む
投稿日:2015.04.06
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神々の山嶺 上
夢枕獏 / 角川文庫
何度読んでも本当に面白い!山岳ミステリー最高傑作
17
読むのはもう3度目くらいか。前回から10年くらい空いていたのでディテールは覚えていなかった。相変わらず大変面白い。複数回読んでいても上下巻を2日間で読破してしまう引き込まれ感は微塵も変わらない。山岳小…説だが、それだけではない上質なミステリー。多重のプロットと複雑な人間関係をそう感じさせず分かりやすく読ませる筆力。こんなに沢山の魅力的な要素が、通して読んでいるだけでシンプルに伝わり、ドキドキさせてくれる小説はあまりないと思います。エヴェレスト単独登山のディテールも詳しく、山に興味ある人が読んでも満足でしょう。前にTVで見た三浦雄一郎のエヴェレスト登山風景との対比が頭に浮かんできました。ミステリーとしては「ダンブラウン」みたい(ちょっと大げさですが)。山岳小説としては「岳(コミック)」みたい。人間の描写は新田次郎のよう。5つ星文句なしでしょう。 続きを読む
投稿日:2015.07.13
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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
村上春樹 / 文春文庫
どこに絞ってレビューを書くか、迷う程の面白い作品
15
一気読みさせてくれるのは、16年前の人生最大の謎ときの旅が面白いから。前向きな気持ちになるのは、登場人物がちゃんと生きようとしていることが伝わるから。切ない気持になるのは、二度と会えない友達を思い出す…から。やりきれない気持ちになるのはもう元に戻れないことがあるのを知っているから。わずか数百ページで自分の人生のいろいろな思い出や気持ちを、次々と引き出してくれる、それをこれだけ読みやすく面白く書いてくれている、すごい作品です。 続きを読む
投稿日:2015.12.07
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土漠の花
月村了衛 / 幻冬舎文庫
自衛隊初の海外戦闘と殺人
12
楽観的な安保議論を吹き飛ばすような、ショッキングな設定です。全く土地勘のないソマリアという場所で、人間的な善意のためにいやおうなく戦闘にまきこまれる自衛隊。現地の過激戦闘員との日本人として数十年振りの…マジな戦闘。いやこれ生き残れるのか?日本の政府はどう対応するのか?これ米軍が主人公だったら他人事として読めるエンタテインメントかもしれないが、日本人が主人公なだけにどうしても自分事として、自分だったらどうする、家族がこの自衛隊だったら痛い、この政府支持できるか、とか本気で考えながら読めます。アクション作品としても、各人物の得意ジャンルを活かした戦い方や戦術レベルでのシナリオが素晴らしく、名作と呼んで自信を持ってオススメできます。2014年の連載作品なので、内容の新鮮さ・リアルさも格別です。 続きを読む
投稿日:2015.07.01