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鍵のない夢を見る
鍵のない夢を見る
辻村深月/文藝春秋
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総合評価

485件)
3.5
47
178
183
34
5
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    辻村さんっぽくはなかったけど、最後まで読み切ると意外とよかった。内容は重いし、好きな小説にはならないかもだけど。 完全に共感はできないけれど、見たくない女性の暗部を書き出されていて、いやだけどちょっわかるな~ってなる。 最後の話、友達との会話シーンはわかりすぎるほどリアル。 芹葉大学の夢と殺人が一番読み応えあった。 女ってホント色々難儀。

    4
    投稿日: 2017.01.19
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    地方の町でささやかな夢を見る女たちの魔が差す瞬間を鋭く描く直木賞受賞作。 地方紙の三面記事に載ってそうな事件。自分に関わりなければ、読んでも記憶にとどめることはなさそうな、だからこそ身近な出来事ともいえる。主人公の女性たちはちょっとズレてる感があるが、事件の渦中に嵌まれば人間ってそんなものかもしれない。普通の人なんて存在しないのかも。

    0
    投稿日: 2017.01.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    女性が主人公の5話からなる短編集。 5話中4話は、「自分は人より勝っている」と思っている、上から目線の女性が主人公。 内容に共感することは出来なかったが、心情描写が上手い作家さんだな~とは思った。 ここに登場する女性たちは、とてもリアルだ。 『君本家の誘拐』で主人公の良枝が 「育休3年取って、一人目の子を保育園に入れるため1年だけ復帰して、2人目の育休を取りたい」 と理彩に語っていたが、過去この状況と同じことが会社であったらしい我が友が、狂ったように愚痴っていたことが思い出された。 会社が人員を補填してくれず、育休の人の分の仕事を皆で振り分けてやっていたらしい。 やっと復帰してくれたと思った矢先、またも、産休+育休申請。 とどめに「子供3人は欲しいんで、あともう一回は育休とることになると思います」との一言にブチ切れたらしい。 人員の補填をしてくれない会社も、どうかと思うのだが、友の言い分も分からなくも無く・・・・ うーーん、なんと言えばいいのか。。。。と思ったのを覚えている。 読後感、あまりよくない作品です。

    0
    投稿日: 2016.12.02
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    女性と言ってしまっていいのかわからないが、人間の暗部をえぐり出すような作品。あるあると共感したくはないのだか、現実なのかもしれない。

    0
    投稿日: 2016.11.26
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     大都会ではない、地方でいきる女性を描いた5編。  女性の「狂気」や「歪み」といえばわかりやすいけれど、そんな言葉とも違う。人が行き着いてしまう確かな感情の果てを浮き彫りにして描いている。  この物語の中で綺麗な結末・救いといった展開は見受けられない。ただ、剥き出しに”女性”を見せつけてくる。そこがこわい。辻村作品の初期に見受けられた、読者への”優しさ”は感じられず、いまの読者がどこかで期待する予定調和から外れている。そこに、普通の物語以上に”人の世界”を感じることができる。  

    0
    投稿日: 2016.11.07
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    直木賞受賞作。 大好きな辻村さんの著書。なのに、って感じ。 どんなに重くて暗い話でも、最後はしっかりと希望の光が射して、爽やかな読後感で終わらせてくれる、そこを辻村さんにはどうしても期待してしまうだけに、読後感の悪さが目立ちあまりいい印象を持てなかった。

    0
    投稿日: 2016.10.20
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    後味の悪い五編。 ただ、後味の悪さを感じるということは、それだけ登場人物たちの気持ちが分かるというか、想像できてしまうからなんだろうな。。

    1
    投稿日: 2016.10.09
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    ほう……相当面白い。 旬な作家なだけに、どの作品も予約いっぱいで、ようやく読めた。 人気なわけがわかる。 リアルにやーな感じの女が出てきて、すごい分かる。 会話の微妙なズレとか、すごくうまい。

    0
    投稿日: 2016.10.03
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    はまらなかったー。有名な賞を取ったとかで期待して読んだけど、どの話にも共感できず、全くはまらなかった。辻村さん、好きなんだけどな。まぁ、こういうのもあるよね。次行きましょうっ♪

    1
    投稿日: 2016.10.01
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    作者代表作中1番評価の低い作品を読んでしまったからアレだけども、この世界観はいまいち好きにならなかった。私がこういう社会の見方をしたくない偽善者だからかもしれない。

    1
    投稿日: 2016.09.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    地獄のような女と男のカタログリスト。 個人的にはあまり後味の悪さは感じなかった。 脇役の心情も練られている感じがすごく良いと思った。良枝と理彩が会ったのは、もしかしたらこれが最後になったのかもしれないなぁ、とか。 最後の対談も良かった。 ただ、初辻村作品としてはあまり適切ではなかったような気がするので、早急に他の作品を読みたい気持ち。

    0
    投稿日: 2016.09.25
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    あんまりこの作家の作品を読み込んでいる訳ではないので、あくまで直感的感想に過ぎないけれども、ちょっとだけ違う世界に踏み出したのかな?という印象。自らの今に重なった題材・設定でもって生きることの悩みを描こうとしたのかな。 当方女性ではないので、この作品に皮膚感覚に訴えかけるジリジリした焦燥感が存するのか分からないというのが本当のところですが、うーん、ちょっと浅いのかな?何と言うか表面をなぞった感じを否定できない。だからかな、男性の描き方に甘さが、、、「そう見るのね、女性は」っていう驚きがありませんでした。

    0
    投稿日: 2016.09.17
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    ★3.8 直木賞受賞作。 女性が持つリアルな闇を描いた5つの短編集。 きっと、ほとんどの女性は 目を逸らしたい、 と思っている自分自身の闇があると思う。 そして5つの短編のどれかに当てはまるのでは? と思う。 私の主観でざっくり言うと… 1、打算 2、自信過剰 3、意志の弱さ 4、ダメンズ好き 5、プライドの高さ どの話にも共通するのが「焦燥感」 だから読んでいて引き込まれて、 自分にぴったり合うとしんどくて、 けど決して不幸なわけじゃない、 そんな女性たちが主人公だから 自分と当てはまらないと他人事でハラハラして読んでしまう。 そんな不思議な1冊。

    1
    投稿日: 2016.09.06
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    すくわれない筋書きの中にもユーモラスのかけらが至るところにひそんでいてけっこう笑ってしまった。巻末の同郷である林真理子との対談も面白い!!

    0
    投稿日: 2016.09.04
  • 辻村作品の印象が変わった作品

    今まで「僕のメジャースプーン」とか、「ツナグ」のようなどこか暖かみを感じる作品が多い印象だったけれど、こんな人間臭いのもいけるんだ、とかなり新鮮に感じた作品。辻村作品の印象がいい意味で変わった。 短編の主人公は皆女性で、女性視点でストーリーは進行している。各編のなかで人が日常の中で抱くであろう後悔、嫉妬、依存、執着、焦燥などのどちらかと言うと醜い、逆に言えばそれ故に人間臭い感情を細やかな表現力で描いている。女性のというよりは、女性を取り巻く環境(男性含む)が女性を追い詰め、弱い部分、醜い部分を暴露させている。かと思えば非日常なのにそれを感じさせない強かさも描かれていたり。 後半はミステリ色の強いストーリーになっていて、その内容にぐっと引き込まれて読み進めていた。面白い。ただスッキリとした読後感を狙った作品ではないと思うのでその点だけ注意。

    2
    投稿日: 2016.08.31
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    短編集。最後の話がよかった。 ほしくてほしくてたまらなかった赤ちゃんを手に入れて、可愛がりながらも追い込まれてしまう母親。 子供を産んだことも子育てしたこともないけれど、なんだかすごく、わかる。 20160813

    0
    投稿日: 2016.08.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    うーん、全体を眺めると、大したことがない。 女性作家なら誰でも一度や二度は書く感じの、女性””ならでは””のいろんなことに焦点を当てた短編集。 短編集にしたから余計浅くて平凡になっている。

    1
    投稿日: 2016.07.31
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    一気に読まされてしまった。 誘拐の話は、緊迫感がものすごくて、引き込まれてしまった。 色んな立場にある女の人のお話、共感できるところと、そういうものかーというところ、本を通じて体験できることが面白かった。 2016.7.18

    0
    投稿日: 2016.07.18
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    辻村深月の直木賞作品。ミステリより文学寄りの短編集。 女性たちの心理が生々しくてよい。淡々としているが、強弱ある展開と相まって起伏も出ている。 どの主人公も、自分が正しくないのでは、とどこかで疑問を持っているのにそうせざる、あるいは思わざるを得ないという複雑な感情をとても巧みに書く。結果、シックなストーリーの割に妙に興奮しながら読み込んでしまう魅力がある。 ただ、誰のせいでもないが好みとは少し違う。 ちなみに巻末の対談は林真理子だったが、どちらかといえば昔の江国香織のような印象があったな、と思った。 3+

    0
    投稿日: 2016.07.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    事件、犯罪にまつわる物語を集めた短編集。どの物語も、人間のどろっとした感情がリアルで読みふけってしまいました。 個人的に、夢見がちな駄目彼氏と縁を切れない教師の話と、子育てに悩む母の話、男女関係にコンプレックスを持つ女性が出てくる放火事件の話が印象に残りました。 こうした救いのない状況って、社会に実はたくさんあるのかもしれないなと感じてそわそわしてしまいました。

    0
    投稿日: 2016.07.03
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    つまらないのではなく、なんとも、嫌な感じのお話ばかり。 よく書けているけれど、ズレかたが気持ち悪い。

    4
    投稿日: 2016.07.01
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    単行本で読んで、後から文庫本も買ってしまいました。もちろん内容はまったく同じです。でもそのくらい気に入ってしまいました。 5つの物語がおさまっていて、それぞれがスリリングであり、相当なリアリティーのなかに根ざした、もの静かな恐怖が存在しています。年齢も場所も全然ちがう5人の主人公は、独立していながらもどこかで繋がっているような、不思議な感覚も起こさせます。 ドラマ化されていて、こちらも見応えがあります。小説とドラマとでは5つの物語の順番が逆になっているところも面白かったです。

    0
    投稿日: 2016.06.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    辻村さんの著作は「太陽の坐る場所」「ツナグ」「ハケンアニメ」を事前に読了済み。自分では「女性の気持ちには非常に疎い」と自覚しているので、本を通じて色々と勉強?というか、考え方に触れておこうと思ったのが動機。読んでみて、女性としての苦労、気持ち、考え方というものがほんの少しでもわかった気がした。特に人生上のパートナーができたときには、大切にしてあげないとなあということも。(予定は全くないけれど。)感想がまとまりませんがこんなところです。

    2
    投稿日: 2016.05.16
  • まあまあ

    5編の短編集。 誰にでも起こりうるような話ばかりで、 人間の些細な望みとか欲望が、 当事者も予想していなかった方向に向かってしまう。 主人公の心情や考えの描写が詳細で、リアリティがあったが、 2作ほど結末に「え?だから?」と言いたくなってしまった。 よく言えば余韻になるのかな。。。

    6
    投稿日: 2016.04.20
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    何だか入りきれずに読み終わってしまった。 女性が読めば違うのだろうか? 私には、この本の面白さが分からなかったです。

    2
    投稿日: 2016.04.07
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    女性が主人公の5つの短編。 私は最後の「君本家の誘拐」がトキドキして一番好き。 少し共感してしまいそうな自分が怖かった。 どの話も、なんかスッキリしない違和感を感じながら、読み進める。 それがまた、この小説の魅力かな。

    8
    投稿日: 2016.03.10
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    初・辻村深月の小説。短編集だったおかげで移動中にちょこちょこ読むのに良かった。同年代の女性の、軽薄な言い方をすると「イタイ」どころがみっしり詰まっていて読んでてきついけど面白かった。

    0
    投稿日: 2016.03.07
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    女性ならではの視点で紡がれる話が多いけど、嫌な雰囲気だけでもなく色々な物語が書ける人だという印象 4作目の話が胸にきた 夢を追う彼氏の透明な眩しさを愛しつつ、現実を見ないと生きていけないことも知っている 生活を考える大人な部分と純真さと雰囲気に憧れてしまう子供の部分 羨みと愛と見下しと怒りがないまぜな感情描写とあの結末にぐっときて、軽く鬱になった… 作品として面白いどうこうというよりは、刺さる人には的確に刺さる

    1
    投稿日: 2016.02.11
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    怖かったです。ずれをずれと感じるのか、共感してしまうのか。どこからがおかしいのか、わからなかったらどうしようという怖さが。

    0
    投稿日: 2016.02.07
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    直木賞受賞作。 5つの短編集なのだけど、 どの作品も見事に主人公が歪んでます(笑) 一見普通に見える人で明らかにおかしい部分というのはない。 内側の微妙な・・・正にズレ、 歪みという部分を上手に書いてあるところが 読み手にはなんだか気持ちの悪さを感じさせる本です。 おかしいのが相手側で主人公側がまともに思える設定なら こんなに後味悪くないんだろうけどね。 でも本としては読みやすいし、引き込まれますよ。 なにか胸がざわざわ落ち着かなくも、 それでも読ませるところは作者の力量でしょうか。 短編でこれはなかなかいいと思いました♪

    0
    投稿日: 2016.01.21
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    ふぅー やっと読み終わった 短編だけど、どの話も後味が悪い 最後のだけ 赤ちゃん、無事で良かった。 うーん 直木賞、ハズレもあるのだと教えてくれた本です。

    1
    投稿日: 2016.01.16
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    第147回直木賞受賞作。 私的にはずれがないと思っていた直木賞。 んー。。。はずれっぽい。 上手い。確かに上手いんだけど。。。 つまらない。 誰にも共感できない。 直木賞受賞作をぽいするのはどうかと思い いちおう再読へ入れておく。 再読時に感想が変わってたらおもしろいな。

    0
    投稿日: 2015.12.23
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    若さ故の弱さか、不幸な女性達の不幸な話の短編集。まさに「鍵の無い夢を見ている」様。鍵がない、鍵がないどうしよう?あっ夢か。こんな状況になってしまい、夢であってくれ的な。 面白いが、辻村深月氏ならもう一ひねり面白くできるのでは?と思ってしまう。 最後の赤ちゃんがいなくなってしまう女性の話は、自分の娘が小さい時のことを思い出し「妻はこの様に、心配したり、ストレスを抱えていたりしたのだなぁ」と心にくる。

    0
    投稿日: 2015.12.17
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    読みやすかった。 女性のありのままの姿を描いてる感じ、ずるい部分とか馬鹿な部分も含めて。女性自身のことにスポットをあててる林真理子と共通するところがあると思う。 ちょっと気に入られたぐらいで自意識過剰に私のこと好きだとか思い続けて、自分が相手よりちょっと上にたってることに満足して、周りからどう言われるか、どう見られるかばっかり気にしてる。自分はこんな落ちぶれたところにいないんだ、もっと釣り合う相手がいるって。 夢見がちな彼氏のために、自分を犠牲にしてまで付き合ってあげようとする無垢な感じ。 自分の問題に精一杯で周りを見ようとしないとお母さん。母親になりたいと願って、なったらなったでまた違う不満を相手にぶつける。 女の人って図太い部分もあるし繊細なところもある、そんな女性のありのままの姿が描かれてたら、

    0
    投稿日: 2015.12.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでいて胸が締め付けられる、っていうか痛い。 「石蕗南地区の放火」 20代後半になると、どんな所でもいい”片付きゃいい”という半田舎の親たちに圧迫され、自分の価値を見失う女性の心理と、その女性が自ら落とし穴をほって落ちてゆくような悲しさとくだらなさを感じた。 「芹葉大学の夢と殺人」 殺人がメインなのではない。そこにいたった経緯の男女関係のずるずるべったりさが厭わしい殺人に繋がるという話。 女が”きれいな顔”の幼稚な男に惚れ、男の夢にとことん付き合って自分を見失っていく様子。 サイコスリラーばり。 「君本家の誘拐」 どうしても欲しかった子供を授かり、新築マンションも買い(地方ながらもショッピングセンターの近所という立地)、いずれ仕事の復帰も考えている女性。 現実的なシチュエーションとロケーション。 しかし不満不足が胸の内に渦巻いている。 この女性の自己チューさは責められない。子供を持って煮詰まっている女性の心理が誘拐事件とからめて良く書けていると思う。 いろんな点に心当たりあり。

    1
    投稿日: 2015.12.05
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    地方の町で巻き起こる、犯罪にまつわる五編の短編集にして、直木賞受賞作。 語り部は全て女性で、登場するのは突出しておかしい人々ではなく、“ちょっと変わった人”ばかり。その“ちょっと変わった人”が、何かをきっかけに犯罪を起こす。 泥棒、放火、殺人、誘拐。起こしたのは皆、その辺にいそうな人たち。身近にありそうだからこそ恐ろしい。 辻村さんはきっと、人間観察力がものすごく高い人なのだな、と思う。 人間のちょっとした嫌な部分をあぶり出すのが巧いというか、「うわぁ、こういう人嫌だ。でも実際いる」と読んでて何度も思った。自意識過剰な女だったり、変な勘違いをする男だったり。 人と人のいろんな関係性における微妙な距離とか探り合う感じも、ふとした瞬間に垣間見える。 小学生時代の女の子同士のカーストだとか、いじめまではいかない陰口の叩き合いが秀逸すぎる「仁志野町の泥棒」は、こういうことあったなぁと複雑な懐かしさに包まれた。 「石蕗南地区の放火」の主人公・笙子の微妙に嫌な女っぷり、そして大林の勘違い男ぶり。 そんな中「芹葉大学の夢と殺人」が一番印象に残ったのは、この短編に出てくる雄大という男に似ている人を知っているせいかもしれない。本当は凡人なのにそれに気づかず、「俺には才能がある。だけど認めてくれるようなレベルの高い人間がいないだけ」と、心からそう信じている、ある意味純粋な人。そして何も変わらないまま歳ばかりを重ねてしまっている人を。 けっこうエグいし、どのお話も後味は良くない。ひとつ前に読んだ小説がほっこり&すっきり系だっただけに、尚のこと落差があった。 気分が落ちてる時には向かない小説。 それだけ人間の内側にあるドロドロしたものが的確に描かれている、ということ。

    1
    投稿日: 2015.12.05
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    どうして私にはこんな男しか寄ってこないのだろう? 放火現場で再会したのは合コンで知り合った冴えない男。 彼は私と再会するために火を? 夢ばかり追う恋人に心をすり減らす女性教師を待つ破滅。 他、地方の町でささやかな夢を見る女たちの暗転を描き絶賛を浴びた直木賞受賞作。

    0
    投稿日: 2015.11.27
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    5編からなる短編集。 それぞれ、放火や殺人など種々の犯罪に絡む相手と、 主人公の女性のお話。 どの作品読んでも、馬鹿な相手の対応に辟易する主人公ですが、一番馬鹿なのはその主人公という構図にしか考えられなかった。 巻末の林真理子との対談の方がよかったです。

    0
    投稿日: 2015.11.24
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    どこかの町で今この瞬間にも起きていそうな5つの物語。窃盗、放火、DV、殺人、育児ノイローゼ。主人公の女性たち、あるいは事件の当事者に、そのドロ沼から逃れる術はなかったのか。「芹葉大学の夢と殺人」の私(二木未玖)が語る「彼は夢を見ている。叶わないことなんて考えもしない。逃げているという自覚すらなく、自分の夢が実現すると信じて疑わないのだ」が端的に表している。そう語る未玖自身が彼の更正を夢見ていることに、気づかないのだ。どんなに夢を見ても、願っても、開くことのない、鍵のない夢を見ていることに。夢は一定期間を過ぎたら覚めねばならない。

    0
    投稿日: 2015.11.21
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    短編集はさっぱり読めちゃうから好き。そして、予想以上に面白くて、物語の中にどっぷり浸かってしまった。特に二つ目のエピソード。共感する部分がいっぱいあって、クスリとついつい笑ってしまった。女の気持ちって複雑でそれが愛らしい。

    0
    投稿日: 2015.11.11
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    気持ち悪い。辻村深月のこの自意識こじらせた女性のリアルさ。オーダーメイド殺人クラブも、盲目的な恋と友情も、どっちも子供(みたいな大人)の話だったから「うーわ」で終わったけど、これは大人だからもう気持ち悪さがやばい。うげえええ。 気持ち悪すぎてもう読みたくないけど、さすがですって感じ。辻村深月の本見たらまた買うと思う。

    0
    投稿日: 2015.11.08
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    感想はブログでどうぞ http://takotakora.at.webry.info/201510/article_8.html

    0
    投稿日: 2015.10.23
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     「犯罪」をテーマとした短編集。どれも女性が主人公となっている。彼女たちはどこかズレていて、でもその微妙なズレがいかにも身近にいる感じ。自分の中にもそういう部分あるかも、と思って怖くなる。ある意味ホラーかもしれない。  私も、「石蕗南地区の放火」の主人公の、自意識過剰で空回りしているところが自分にも当てはまりそうで、読んでて痛かった。

    0
    投稿日: 2015.10.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    基本的にダメ男とそれに振り回される女たちの話。 個人的には「芹葉大学の~」が印象的だった。 「君本家の~」は、自分も将来そうなってしまうかもしれないな、なんて少し不安になりながら読んだ。他人事ではない。 どの話も読み終わってから何とも言えない気分になった。いわゆるハッピーエンドではないものばかり。けどそれがむしろそれぞれの話を現実的に感じさせた。

    0
    投稿日: 2015.10.19
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    あまり抑揚のない物語。 評価が高いのは、内面の感情描写がリアル、ということなのですな。 最後の子供の話は分かるような、分からないような。 つまり。 面白いような、面白くないような。 というわけだ。

    0
    投稿日: 2015.10.14
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    もうやめて、もうやめて、それ以上わたしの内面をさらけ出してえぐりとるのはやめて リアルすぎて吐き気がする 女の人の、むしろ人間の、人には見せない汚い一面。 共感できる人は死にたくなるほど共感できるだろうし、共感できない人は死んでも共感できないんじゃないだろうか。 本当に共感できない人々がこの世界にいると仮定して。 「うっわあ、私だったら絶対嫌。恥だもん」 「え?」p88 私はキョンシーをやってた子たちから抜け出したかったし、栄美や敦子たちよりすごい世界を先に知りたかった。p125 私くらいの甘やかし方なんて、感謝すらされないわけだった。p170

    1
    投稿日: 2015.10.13
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    ・仁志野町の泥棒 ・石蕗南地区の放火 ・美弥谷団地の逃亡者 ・芹葉大学の夢と殺人 教授が殺された。容疑者は元恋人。 “見てよ!雄大。 みてて。ー あなたが私を殺すんだから” ・君本家の誘拐 ショピングセンターで赤ちゃんを乗せたベビーカーが行方不明。ちょっと育児ノイローゼ気味の母親。 “あなたのためならなんでもする。”

    2
    投稿日: 2015.10.12
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    健気という漢字は、ものすごくけなげ感が無いと思った。そして、あなたのためならなんでもする。という一言に心がキュっとなった。ただ、作品としては、そこまですごく面白いという印象は受けなかった。

    1
    投稿日: 2015.10.10
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    他の作品みたいにつながりがあることを期待しちゃったので、物足りなさが残りました。 一つ一つ違うけれど残念な女性達を描いており、後味がどれも微妙に悪かったです。

    1
    投稿日: 2015.10.07
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    直木賞受賞作の作品です。 内容は短編集ですが、全編に渡り女性の暗い感情にスポットを当てている作品なので、私はあまり好きな作品にはなりませんでした。

    2
    投稿日: 2015.10.04
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    なんかもうやめてくれってなった。私こうなる素質ありすぎるってなる。こわいけど一瞬で読み終わった。また読見直そう。

    0
    投稿日: 2015.10.04
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    辻村さんの本が好きでたくさん読んじゃったからなのか、この本に出てくる登場人物はたいてい、◯◯に出てきた◯◯みたいだぁ〜、という感じ。 まぁ短編集なので、しょうがないのかな? 昔のように、読後にほっこりする話書いてほしいなぁ。 今の私にこの本は重かった。

    1
    投稿日: 2015.10.01
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    短編小説。 どれも、どこかでこんなニュースあったような…って場面を舞台にしたお話。 引き込まれるお話。

    0
    投稿日: 2015.10.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ほんのりとミステリー臭のする5本の短編。 直木賞受賞作ということもあり期待していたのだが、思ったほどではない……? 辻村さんは長編の方が好み。 5人それぞれの女性の考え方が、時に恐ろしく、時に可哀想になるお話。

    2
    投稿日: 2015.09.28
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    ストーリーがほの暗くて、そして自分の痛いところを突かれまくって、秋の情緒不安定(なぜか毎年この季節は落ち込みやすくなる。笑)も相まって、最後の短編で読むのを中断したほど。笑 あ、もうだめだ辛い、とおもって。笑 それほど引き込まれるし、持っていかれる。

    0
    投稿日: 2015.09.27
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    各お話の主人公はみんなどこかに闇を抱えていて、どの部分の闇にも共感を得ることができた。 女の怖い部分が上手く綺麗に表現されている短編集だと感じる。

    0
    投稿日: 2015.09.24
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    期待していただけに物足りない気がしたけど、長編で好きな作家・辻村美月だから? ーーー どうして私にはこんな男しか寄ってこないのだろう? 放火現場で再会したのは合コンで知り合った冴えない男。彼は私と再会するために火を?(「石蕗南地区の放火」) 夢ばかり追う恋人に心をすり減らす女性教師を待つ破滅(「芹葉大学の夢と殺人」)他、地方の町でささやかな夢を見る女たちの暗転を描き絶賛を浴びた直木賞受賞作。

    2
    投稿日: 2015.09.23
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    危ういバランスを保っているというか すでにもう踏み外してるというか。 ギリギリと心に刺さるわけではなく じんわり染み込んでく毒のようだった。 少しずつ共感できるような気がして、 でも共感できてしまうことが危ういような気もして。 辻村さんの書くダメな男は本当にダメだ。 なんだか、自分も出会ったらハマッてしまいそうで読んでて怖くなる。

    0
    投稿日: 2015.09.21
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    短編集はあまり好きじゃないと思っていたけど、さすが辻村深月、さすが直木賞受賞作。 心の描写は天才すぎる。激しく心を揺さぶられました。

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    投稿日: 2015.09.16
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    どれも後味は良いものではない。ざわざわと心をかき乱すものがあり、女ならではの感覚なのだろうか。最後の話は出産後のこうじゃなかった感が読んでいて辛い。最悪の結末は避けられたのが救い。

    0
    投稿日: 2015.09.02
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    あらすじ(背表紙より) どうして私にはこんな男しか寄ってこないのだろう?放火現場で再会したのは合コンで知り合った冴えない男。彼は私と再会するために火を?(「石蕗南地区の放火」)。夢ばかり追う恋人に心をすり減らす女性教師を待つ破滅(「芹葉大学の夢と殺人」)他、地方の町でささやかな夢を見る女たちの暗転を描き絶賛を浴びた直木賞受賞作。

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    投稿日: 2015.09.01
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    短篇集。どれもワケありな女性が主人公。 どれも胸にチクチクとささる痛みがある。共感?なんだろうか。 現実、過去、事件、想像、感情などの構成がとてもよく、グイグイと物語に惹きつけられる。終わり方も余韻があって良かった。

    0
    投稿日: 2015.08.31
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    どれもバッドエンドの短編集は読んで気が滅入る。 最後の君本家の誘拐、同世代、同じ立場の母親として、怖くて怖くて仕方がなった。 元々、辻村先生が同世代という事もあってか、どの作品も身近に起こり得そうな親近感はあった。だから大好きな作家さんなのだ。 でも君本家の誘拐は、身近どころか、あるあるすぎて、とてもまともに読めないリアルさだった。

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    投稿日: 2015.08.29
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    感性鋭い大人女性目線から、いわゆる「子供っぽい鈍感男たち」を見た時の感情の揺れが面白かった。短編五話。いずれも、気持ちのズレと心の摩擦が傷を生んで、読み手側にどんどん迫ってくる。素晴らしい!

    0
    投稿日: 2015.08.23
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    あれ、辻村さんって、こんなに陰鬱なお話を書く人だったっけ?というのが一読した感想。著者の小説は何作か読んでいるが、本作では間口を広げたというか、展開や描写に関してこれまでの作品には無かったものを感じた。なるほどこういう攻め方もできる人なのだと認識を新たにしました。 内容について言及すると、本書は地方都市で暮らす5人の女性を主人公に据えた短編集で、どの作品も甲乙付け難く面白い。主人公視点でいうと「石蕗南地区の放火」の笙子の勘違いっぷり、「君本家の誘拐」で良枝が直面する育児ノイローゼの生々しさが印象に残った。あと「美弥谷団地の逃亡者」「芹葉大学の夢と殺人」に登場するダメ男の描写もうまいと思った。 でも直木賞は『オーダーメイド殺人クラブ』で獲って欲しかったなあというのが正直なところ。

    0
    投稿日: 2015.08.22
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    五編の独立した短編集であり、それぞれ冒頭に核となる事件が提示されてからそこに至るストーリーが語られていく。ラストはさらにひと工夫されており、いわゆる倒叙式とはまた一線を画した構成で予想を裏切る展開が緊張感に溢れている。

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    投稿日: 2015.08.22
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    2015-91 やはり閉塞感を掬いあげるのが上手な作家さんだと思う。 子どもを産んだいま、君本家の誘拐は共感はできないけど理解は出来る気がした。

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    投稿日: 2015.08.21
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    どれも希望がなくて、読んでいてシュンとしてしまった。今自分が読みたい本ではなかった。20150819読了

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    投稿日: 2015.08.19
  • 心を揺さぶる5つのストーリー

    5つの短編集からなる本作品は、さすが直木賞を受賞されただけあって読みごたえがありました。 子供目線、女性目線から書かれる内容は共感できる部分もありそして主人公のずれた主観に違和感を覚えながら最後まで一気に読ませる筆力を感じさせます。 読んで損なし!5つ星です!

    0
    投稿日: 2015.08.19
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    5人の女性が主人公の 後味ビターな短編集。 現実に追い詰められて 、 一線を 越える?越えない?? ギリギリの女性心理が 細やかに描かれてて。 最後2編は、うなりながら読みました。

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    投稿日: 2015.08.19
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    歩道と車道の間の縁石の上を、あるいは欄干の無い橋の縁をバランスを取りながら歩いている女性を「一歩、歩道側を歩けば良いのに」と思いつつ見守っているような、不安定感とハラハラ感溢れる短編集。 縁石から車道に落ちてしまう者、落ちかけるものの間一髪で助かる者、現実と幻想の狭間のような文章に不安感は一層増す。 疲れ、ストレス、恋愛の霧で霞んで見えない明日に、誰しもいつの間にか縁石の上を歩いているのかもしれない。

    0
    投稿日: 2015.08.18
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    辻村さんの描く物語のなかには、イタい子どもが出てくることが多く、過去の自分とどこか重なる部分があって、登場人物の感情に共感するということが多い。今回の作品は、子どもではなくて、「イタい大人」が5人出てくる。どれも読んでいて、イタくて、苦しくなる場面がある。ここまでの極限は経験なくとも、似たような感情は持ったことがあったりする。おまけの、林真理子さんとの対談も、面白い。

    0
    投稿日: 2015.08.18
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    ドラマを観てからの読書。 ドラマはイタ過ぎて観ていられなかったが、小説は内容を知っているからかそうでもなかった。 小説を読んでみると、「芹葉大学の夢と殺人」は「鍵のない夢を見る」がタイトルでもいいように思えた。一番本のタイトルに合っていると思った。 短編だったのでサクサク読めた。「仁志野町の泥棒」がおもしろかったかな。 最後の解説が林真理子さんとの対談でお得な感じ。

    0
    投稿日: 2015.08.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・仁志野村の泥棒 田舎に帰っても思うし実家に帰っても思う。 なんで鍵をかけないの? つか、 この鍵のない夢を見るはここからきてるの? ・石蕗南地区の放火 文中にも出てくるけど八百屋お七かと思った。 けど、 そうきたかのどんでん返し? 想像はついたからおもしろく読めたのは文章のなせる業かな? ・美弥谷団地の逃亡者 びっくりでしたね。 でも、 ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。の匂いがしつつでしたね。 ・芹葉大学の夢と殺人 ダメンズ。 つか、 未玖が怖い! 坂下だけじゃないよ壊れてるの! ・君本家の誘拐 これは言うほど僕は響かなかったなぁ。。。 ただ、 産んだことある人には共感を得られるんだろうねって思う。

    0
    投稿日: 2015.08.14
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    直木賞受賞作品。 普段あまり短編集は好んで読まないんだけれど、こちらは直木賞受賞作品ということで前々から気になっていた一冊。どの作品も、奥行きがあるというかジワジワと奥からやってくる恐怖感に似たものが逆にワクワクするような… どの主人公も自分とはかけ離れているようで、でもどこか似ていて共感できる場面があったり。 『女はすべて、小動物や子供をみたら無条件に「かわいい」と言わなければならないのだろうか。私は子供も嫌いだった。結婚した友達の家に遊びに行くたび、横で騒ぐ子供を見てうんざりする。口に出せば極悪人のように責められるだろうから、絶対に言ったりしないが、正直、勘弁して欲しかった。』 私の気持ちを代弁したこの文章に唸ってしまった。本当にその通りだから。声を大にして言ってみたいし、作者が分かってくれてることが嬉しくて。 だけどまた、愛娘の咲良を愛おしいと思う良枝の親心だって痛いほど分かって、そんな存在がいる良枝を羨ましくも思えたりするから不思議。 そんな風に私の心を揺さぶってくれる一冊ではあるけれど、もっともっと好きな作品があるので★は少なめ。

    0
    投稿日: 2015.08.10
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    鍵のない夢って??開けられない、回答のない、スッキリしない現実が夢みたいってこと? こんな現実も有るんだよウフフ と 言われたみたい。

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    投稿日: 2015.08.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いや~な気分で読み終わるミステリーを この頃ではイヤミスというけど ミステリーというのではないけれど この短編集も後味悪いな… 人の心の汚いところ、わがままなところ なさけないところ、本能のままなのかな どうしてこうなっちゃうんだろうと思いながら ドンドン暗くなって読んでました

    1
    投稿日: 2015.08.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2015年の30冊目です。 久しぶりの読んだ小説です。 辻村深月さんの作品を読んだのは、これが初めてです。 第147回内木賞受賞作。5つの短篇から成っています。主人公は、皆女性です。 「どうしてこんなことになってしまったのか?」 各短編の主人公である女性たちの人生の暗転を描いたものです。 次の5編が収められています。 ・仁志野町の泥棒 ・石蕗(つわぶき)南地区の放火 ・美弥谷団地の逃亡者 ・芹葉大学の夢と殺人 ・君本家の誘拐 「仁志野町の泥棒」 小学校の時にやってきた転校生のお母さんに窃盗癖があるという設定。 それを知り、自分の取った対応が二人を含めた友人関係に影を射していく。 胸に苦いものが残る終わり方。 「石蕗(つわぶき)南地区の放火」 一度は突き放した合コンで知り合った男性が、自分と再度会うため、放火を犯すというもの。 しかし、男は”ヒーローになりたかった”と動機を話す。 女性は、自分との関係をいつ男が動機として話すのかという恐怖に苛まれることに、、、。 「美弥谷団地の逃亡者」 優しく、自分の母とも気が合っていた男が、最後に母の命まで奪ってしまう。少しサイコっぽい感じがします。 「芹葉大学の夢と殺人」 この話が、最も”暗転”を感じさせる内容です。この話でもそうですが、主人公の人生を暗転させる男性たちは、 皆、愚かで、自分勝手で、幼稚な存在です。 ある意味ではすべての男性が持っている特性ですが、自分もそういう要素を持っているとみられているのかな? とちょっと憂鬱になります。 「君本家の誘拐」 子育てに奔走し自分自身を見失っていく若い主婦の行動の切迫感が伝わってきます。 ショッピングモールでふと気がつくと、ベビーカーに乗せていたわが子が、忽然と姿を消してしまう、、、。 辻村さんの小説の読者は若者が多いとのこですが、この作品は、若者向けというより、 若者から大人に成りたての女性たちが、少しずつボタンを掛け違えて生きていく様を描いているようでした。 当然、私は女性ではないので共感は難しいが、人の織りなす些細な心のすれ違いや、 分かりあえないことの当り前さといった、「ちょっとした」人との関係の齟齬が、重大な結果を生み出しています。 そして、それは、誰にでも起こりそうなことに思えて、思わず読みふけってしまいました。、 おわり

    1
    投稿日: 2015.08.02
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    いやーさすが辻村さん。 単行本発売時はこの本の評価はイマイチっぽかった気がするのだけど、文庫化して買って読んだら夢中になってしまった。 ぞくぞくと不快感が這うように感じるのだけど、読むのをやめられずどんどん引き込まれていった。 でも、ラストの話は好きじゃなく、残念だった。

    2
    投稿日: 2015.07.28
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    田舎の女達の短編集。 直木賞受賞作。 出てくる男も女も残念な人がいっぱい。 だけど自分もたいして変わらないんじゃないのかと思ってしまった。

    0
    投稿日: 2015.07.25
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    どれもこれも、怖い話ばかり。 「芹葉大学の夢と殺人」の雄大がもうダントツに怖い。 サッカー選手て!! でもこんな若者、いそうだな~。ここまで極端ではなくても。 「君本家の誘拐」は、私も子育て経験者なので気持ちわかる。 これは旦那が悪いな。 これが辻村さんの直木賞受賞作だったんだ。 「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」くらいでとったのかと思ってました。

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    投稿日: 2015.07.23
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    話すべきことがあったと思う。 話すべきだったのだと思う。 でも、できなかった。 話すことができなかった。 何もできなかった。

    0
    投稿日: 2015.07.16
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    重たい……。 全体的に重たい話が多すぎて^^; 身につまされると思う話が多すぎて……。 メンタル的に来てる時はお勧めしません。

    1
    投稿日: 2015.07.16
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    芹葉大学の夢と殺人が好き。 朝が来るの時も思ったけど、辻村さんの書く母親の話は全く興味が湧かないみたい。 最後の君本家の〜は苦痛すぎて途中で読むのやめた。

    2
    投稿日: 2015.07.13
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    短編集。どれもがグッと引き込まれる魅力的な作品。中でも「芹葉大学の夢と殺人」が秀逸(☆☆☆☆☆)。ストーリーはいいし、訴求力も突出している。とりわけ一つひとつの事象が的確に表現されており、一行一行に心奪われた。「際立った存在感を放つわけではないけれど、一度意識してしまうと目が逸らせなくなるような、そういう危うい魅力があった。好きか嫌いに関係なく、目が自然と彼を追いかける。綺麗な容姿とはそういうもの。」「自分でも気持ちの整理がつかなくて、言葉にして吐き出すことで落ち着きたかった。分かっているのだから追い打ちをかけるように言わないでほしかった。聞きたいのは高みからの正論ではなかった。」・・・・・・・・

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    投稿日: 2015.06.28