ことくさんのレビュー
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桶川ストーカー殺人事件―遺言―
清水潔 / 新潮社
警察は一般市民の味方ではない
12
私のスマホで972ページ。
読了までかなり時間が掛かってしまった。
読み進めるのが辛かった。
この事件の埼玉県警上尾署の対応があまりにも、あまりにも酷すぎたから。私なら、申し訳ないがこの地に住むこと…は出来ない。まともな署員がいないのでは?
詩織さんは、ストーカーに、警察に、国に殺されたのだ。死んでなお、嘘の報道を流され、尊厳を踏みにじられた。事件に関わった100人以上の警察関係者にまともな人は一人としていなかったのか?ぞっとする話ではないか。
本件はご存知の通り被疑者死亡で、一気にマスコミもトーンダウンした。扱いがぞんざいになった。私たちはそんな国に住んでいる。
私も過去2度被害者になったことがあるが、警察は動かなかった。一つは都内、一つは神奈川県警だ。はっきり言える。警察は動いていない。連絡も一度ももらわなかった。別に人が死んだわけではないし、最初から期待もしないが、私はとうに警察を信頼していない。
だから、事件を解決しようと必死に動く刑事ものが好きだ。私は本の中に理想を追い求める。
せめて誠実な本当に被害者の立場になれるそんな警察関係者がひとりでも増えて欲しい。保身にあがくのはもう止めたらどうか。うんざりだ。日本の警察には。
最後に、警察より詩織さんや詩織さんの家族に寄り添った著者に、心からの賛辞をおくりたい。あなたのような人が警察にいたら良かったのに。 続きを読む投稿日:2017.04.01
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宇宙兄弟(29)
小山宙哉 / モーニング
六太、絶体絶命!?
12
面白さのあまり一気読みしてしまいました。
宇宙兄弟は1巻、1巻とても心に残る内容ですが、期待を裏切らず本作もほっこり、ニヤリ、ハラハラ、ドキドキの展開です。
私は、ブギーの密かなファンなのですが、今…回もブギーは大活躍します。(途中でバッテリー切れなんてハプニングもありながら)
宇宙飛行士は、想定外のことに柔軟な対応が必要とされますが、今回の六太たちへの試練は過酷極まります。
でも、これまで何度もピンチを乗り越えて来た六太なので、終盤の絶体絶命の大ピンチを必ずや乗り越えてくれると信じています!
な、なんと六太は日々人が月で見たのと同じ光景を見ることになるのです。なんという運命のいたずらか…。
それにしても宇宙はコワイ…。早く次巻読みたいな~。 続きを読む投稿日:2016.09.23
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自閉症の僕が跳びはねる理由
東田直樹 / 角川文庫
こんなに驚いたのは…。初めてかも。
11
昨晩NHKで、この本の紹介をしているのをTV画面を見ずに聞いていました。
顔もあげずにスマホを操作していたのですが、「自閉症の著者が13才のときにこの本を書き…。」と聞こえたので、ハッ!として、そのま…まReaderで2冊まとめて購入しました。
スマホで284ページ、13才の自閉症の少年がこんなにも雄弁に語っている…。1ページ、1ページが驚きの連続で、いまもちょっと興奮してレビュー書いてます。
彼らと私たちは、頭の中の構造が全く違うよね?という偏見、するっとなくなります。偏見は無知だから持つのですね。なぜ飛び跳ねるの?なぜ落ち着きがないの?なぜ叫ぶの?なぜ繰り返すの?全部の問いに13才の少年が彼の言葉で答えてくれます。
成熟した…というか、13才にして老成していると言っても過言ではないですね。
なぜ今までこの本と巡り会わなかったのか、謎です。
読んで良かった。読まずにいたら損してました。
読むべき一冊です。 続きを読む投稿日:2016.12.10
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厭魅の如き憑くもの
三津田信三 / 講談社文庫
難解!難読ミステリー^^
10
1000ページを超えるボリュームにうぅ…となりながら行って来ました!三津田ワールド!
いやはや、地名が、人名が、そしてその関係が難解!でもねぇ、これ刀城言耶シリーズの1巻目なんですもん。これ読まなき…ゃ進みませんもん。
でもって、感想はというと、何でしょう…。この難読ミステリーをよくぞ読破した自分!という自己陶酔が9割かしら…。あと1割は、よくこんなトリックを考えつくなぁという驚きですかね。
いや~、漢字に苦戦しました。あれ?これなんて読むんでしたっけ?と行きつ戻りつですよ。
しかし、戦後間もない山奥の農村って、それだけで怖いですよ。所々に立つ案山子…。こわっ。
でも同著者の『凶宅』を抜けなかったです。あれ、マジヤバいんで。ホラー好きな方は是非^^ 続きを読む投稿日:2017.05.01
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自閉症の僕が跳びはねる理由2
東田直樹 / 角川文庫
大人になるということ
10
13才の彼が16才になり、成長していました。障がいを持たない人は、自分を含めてですが、自分と同じことをできない彼らは身体だけ大きくなって、心は成長せず止まったままだと勘違いしているのではないでしょうか…。まるで永遠に大人になれないピーターパンのように。
コミュニケーションを取るのが苦手な彼らはそんな誤解を受け、拒絶され、諦められることに深く傷つきます。傷ついていないように見えても、それは表面上のことです。
彼が自閉症のみんなの気持ちを代弁して、このような文章で伝えてくれること、それはとてもとても意義があることです。私は、私と同じように偏見を持っていた人に、この本を読んでもらいたいと強く思います。
彼らはピーターパンではない。
私たちと同じなのです。 続きを読む投稿日:2016.12.10
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不細工な友情
光浦靖子, 大久保佳代子 / 幻冬舎文庫
わかる?わからない?わかりたくない…。
9
いや、ほんと。ゴールデンウィークの初日を飾るにこんなに適さない本もないですね。
言葉は丁寧なのに、何でしょう。悪意スレスレの時にはアウトな発言の応酬。いや、ホント笑いました。
いびつな友情関係、いや…ー、なんだかんだ言って仲が良いよね、みたいなこと1ミリも言えません。
でもブス同士が自分も時には相手さえもブスと切り捨てる爽快感。何だか突き抜けてて良かったです。私は社会に出るまで、美人は意地悪という固定観念を持ってました。でも違ったんです!美人は優しい。美人は人に優しくされるから人に優しい。これ真理。
ブスは世間の風当たりが強いので、それを防御するために頑なになります。そして傷つけられる前に先制攻撃をかけてきます。そして中身も外もブスになるというブスのスパイラルに陥ります。抜けられません、整形する以外には。
でもブスがいてこその美人です。需要はあるのです。そこを優しく包み込んで特に男性に読んでいただきたいです。あなたはそれでもブスに冷たくできますか?
なんつって。意味のないことを言ってみたり。でも笑えますよ^^私はこのふたり好きですね。共感は、しないようにしたいです…。 続きを読む投稿日:2017.04.29