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鍵のない夢を見る
鍵のない夢を見る
辻村深月/文藝春秋
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総合評価

(579件)
3.5
64
216
219
36
6
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    気分が悪くなる設定、気分の悪い人物、それらを生々しく描いた文章 作者の文章力が巧みであるがゆえに、気分が悪くなって読みたくなくなってしまうという、なんとも言えない作品

    0
    投稿日: 2026.10.04
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    私が短編集が苦手というのもあるが、短編だと知らずに買ったのであまり楽しめなかった 地方に生まれた女性の感じる閉塞感がテーマの小説だった 人生に階段だけじゃなくて、踊り場があってもいい

    0
    投稿日: 2026.10.04
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    人間に潜む確かな感情をぬるっと浮き彫りにさせて狂とも取れる状態になった登場人物たちの短編集。するっとぬるっと入ってきて、恐怖とも感じられるけど共感も同時にできる、読んだ後にぽーっとした感情が残される。

    1
    投稿日: 2026.09.25
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    人間の見たくない姿の詰め合わせセットみたいだった(笑)主人公の周りの見えなさが、絶妙にリアル。してしまったことには共感できなくても、そこに至るまでの過程には共感できてしまったな〜。

    10
    投稿日: 2026.09.20
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    短編だけれど、それぞれの話が深く読み込めて世界観に没入することが出来た作品でした。 君本家の誘拐は、私自身子供が1歳半になるまでママ友もおらず夫の帰りは遅い、狭いマンションで子供と二人きり孤独な育児をしていた経験があるので自分もこうなっていたのではないかとドキドキしてしまいました。

    1
    投稿日: 2026.09.15
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    昔感じたことのあるじっとりした感情が呼び起こされる気がする ・「石蕗南地区の放火」の笙子には地方で生きる女性達のプライドやコンプレックスみたいなものが詰まっていると感じた。辻村作品は地方で生きる人達の閉塞感をよく描きだしていると巻末の対談章で見て、過去作品で感じたこと含め納得。 ・「芹葉大学の夢と殺人」は大学時代に自分が周囲に感じていた違和感にも重なるし、当時の自分自身にも重なる気がして気が重くなった。けど没入感がすごくて一気読みしてしまう。 夢追い人でイケメンだけど自分の状況を客観視できず、それを指摘してくる人を頭がおかしいと断定してしまう雄大の危うさ。に気づいて未玖…と思いながら、大学時代に自分が未玖の立場だったとしたら気づけた自信がない。 雄大と家族や教授との関係への既視感が凄すぎる。 └留学やワーホリに行きたい大学生・新社会人とそれに反対する家族みたいな 雄大が「清潔な自分の世界しか知らない」状態で、世の中=平凡、俗物と決めつけていること 自分の夢が尊大すぎて全然近づけていない状況を棚上げして人の自分の世界は清潔だと信じ続けられることも一つのプライドだなあと思いつつ、昔の自分に重なるところがある。胃もたれ。

    1
    投稿日: 2026.09.11
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    短編集なのに一つ一つのストーリーの登場人物の雰囲気がよく伝わってきた 特にあの育休のときの友達とのやりとりとか感じ方とかリアル

    2
    投稿日: 2026.08.31
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    「しあわせはいつもじぶんのこころがきめる」 苦しかったり、にがい話が多かったけど… なんか描写が上手いところはさすがだなと思った。

    2
    投稿日: 2026.08.29
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    タイトルからミステリだと思って読んだが どちらかというと 渡る世間は鬼ばかり だった。 女性大変……

    0
    投稿日: 2026.08.25
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    この短さで、ページをめくる手が止まらなくなるような面白い作品を書けるのはやっぱりすごいと思う。どの主人公たちもちょっとズレてるんだけど、でもそのちょっとのズレが怖い。そしてこんなふうになっちゃうなんてありえない!って言いたくなるような行動ばっかりだけど、自分に絶対ないとも言いきれないんじゃないかとも思う。「芹葉大学の夢と殺人」、どう考えてもフィクションなはずなのにもうすぐ社会人になる身として痛いくらいリアリティがあった。

    0
    投稿日: 2026.08.25
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    短編集。 盗み癖のある家族、婚期を逃した自意識過剰女、母親を殺したDV彼氏と逃亡する少女、夢ばっか見る自己中男に執着する女、産後鬱でメンタルヘルスガタガタな主婦。 こういう関わりたくない人いるよな。でもこういう状況に巻き込まれる可能性あるよなっていうのがリアルに描かれていた。 全体的にのったり進むので少し物足りなさがあるが、最後の誘拐の話は主人公の精神のブレブレ感がリアルで緊張感があった。

    2
    投稿日: 2026.08.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人間関係、恋愛、結婚、出産、育児などがテーマになった5話が収録された、女性目線の短編集。一話ずつ読み終わるたびに「ふぅー……」と深いため息をついてしまうくらい、世界の解像度が高く、なかなかに暗い部分が描かれていて、没入してしまいました。 とくに最後の「君本家の誘拐」については、妊娠〜育児の描写がリアル(体験したことはないですが)で、ちょっと腹痛(笑) 初めての辻村作品でしたが、ほかの作品も気になるくらい傑作でした!

    0
    投稿日: 2026.08.19
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    地方都市を題材にした短編集であったが、こういう状況って本当にあるんだろうな、とノンフィクションではないけれど、感じさせられた。 全ての小説で登場人物の心の機微が上手に表現されていた。 特に君本家の誘拐が印象に残り、妊娠まではハッピーな気持ちでいたけれど、毎日の育児でノイローゼ気味になったりと、今の自分にも起こりうることなので、そういう時は人に頼ろうと思った。

    2
    投稿日: 2026.08.16
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    もしかしたら、どこにでも誰にでも起こりうる事。 自惚れ、自意識過剰、強迫観念等等。 周りが見えない怖さ。

    1
    投稿日: 2026.08.16
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    小説を読んでいると 「これはもしかして 私のことを書いているのか?」と思われて仕方がない、ということがよくある。この連作短編集5編のうち 「石蕗南地区の放火」に出てくる 大林、そして「芹葉大学の夢と殺人」の羽根木雄大 この二人が どうにも我が身のことに思えて、いたたまれない。この二人を 足し合わせ それを2で割らなくとも 私そのものだ。30代までの私は 雄大のように 「今の自分ではない何者か」になる 強迫的使命感に取り憑かれて現実を放り出していたし、40代になってからは その反動だったのだろうか?ことさらに 分別をふりかざす おじさんになった。おそろしいことに その両方とも 50代となった今でも完治しない。 ただし、5編のいずれにおいても そうであるように どんなにバランスを欠いた不完全な人間であっても 密かに気にかけてくれている人 心配してくれている人、許容し、 ときには擁護してくれる人、寄り添い 共に歩こうとまでしてくれる人も いるのだ。 私のような者を 許容し擁護し 理解し寄り添う人は 私が必然的にまとう孤独を あえて自分の身にまで 引き受けてくれるということだ。その自己犠牲の行く末にあるのは 感慨だったり失意だったり 絶望だったり 、死だったり、つまりそういうことなのだろう。

    17
    投稿日: 2026.08.15
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    最近、直木賞受賞作を選んで読んでいる。 辻村深月さんはこの作品で受賞したのね。 登場するのは盗癖のある女、婚期に焦る女、DVや育児に追い詰められる女など、どこにでもいそうな普通の人々ばかりだ。 作中で描かれる彼女たちの行動は、一見すると「なぜそこで踏みとどまれないのか」と思える愚行に見えるかもしれない。 しかし、その根底にあるプライドや葛藤は、決して他人事として切り捨てられない生々しさを持っている。 育児の息苦しさや日常の違和感など、胸に迫る細部の描写力も実に巧みだ。 「イヤミス」という一言では片付けられない、心に消えないシミを残すような物語を作る辻村さんの手腕には脱帽するしかない。 人は目先の状況だけで安易に妥協することができず、自分の意地にしがみついてしまう。 「自分はこんな風にはならない」と一線を引いて静観しているつもりが、気づけばその境界線がじわじわと滲んでいくような、静かな恐怖が後を引く。

    47
    投稿日: 2026.08.11
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    ・仁志野町(にしのちょう)の泥棒 ・石蕗(つわぶき)南地区の放火 ・美弥谷(みやたに)団地の逃亡者 ・芹葉(せりば)大学の夢と殺人 ・君本家の誘拐 どれも展開が予測できなくてドキドキハラハラしながら読んだ。面白かった〜 辻村さんってやっぱりサイコー✨️

    1
    投稿日: 2026.08.08
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    全員クセありで犯罪レベルの男性ばかりに巻き込まれる短編集だが、そんな男から逃れられない女性も同じ穴の狢かもしれないし、一見幸せな人生を送っている男女は正しいのかとも考えさせられる、辻村ワールド。

    16
    投稿日: 2026.08.02
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    ズレてる人の感じがもの凄く怖いのに文章が上手いからその辺りはスラ〜っと読ませてくれるところがすごい 消防団の話なんか、男も女もどっちも怖い というか、痛い

    3
    投稿日: 2026.07.31
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    これで終わっちゃうのか…もっと続き読みたい!という気持ちにさせられる短編集。最初の泥棒の話に出てくる主人公の子が1番マシで、あとは本当に残念な女の子達ばかりでした。 人の振り見て我が振り直せではないですが、恋愛や出産のタイミングで大事な友達を無くさないようにしたいと思いました。

    5
    投稿日: 2026.07.28
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    どの作品も、緊張感があって、こんな事あるのか…って 読み進めるのが怖かった、でも次どうなるのか気になって一気に読んでしまった。

    4
    投稿日: 2026.07.26
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    ズレてるひとばっか出てきて痛かった。けどいるんよなあていう。君本家の誘拐はともだちとのやりとりとか赤ちゃんいる人特有のノンデリ感に友達ひいてるのとかめっちゃリアルだった。 あとがきの林先生との対談で辻村さんが地方の閉塞感を感じるタイプだったて言ってて今まで読んできた作品の答え合わせされた感じだった。

    5
    投稿日: 2026.07.25
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    ファイア・ドームから辻村さん熱が再燃して読了。 5ほんの連作短編のうち一番刺さったのは【芹葉大学の夢と殺人】。 学生時代の何者でもないくせに何者かになったような承認欲求。 まるで過去の自分を見ているようで胸がチクチクした。

    3
    投稿日: 2026.07.18
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    日常のすぐそばにある不安や迷いが、少しずつ重さを増していく短編集。 どこにでもいそうな女性たちの悩みを描いた短編集で、最初はそれでも小さな問題から始まるのに、読み進めるほど静かに重さが積み重なっていきます。4編目に入る頃には「最後はどうなるんだろう」と自然と身構えてしまうほどでした。 特に、育児に悩む若い母親の話は、最近受けた研修で聞いたワークライフバランスの実例と重なる部分が多く、個人的にかなり響きました。夫婦間の温度差や、言葉の選び方ひとつで積み重なる負担の描写がとてもリアルで、読んでいると自分も子どもの夜泣きに苦労した経験を思い出しました。 当時、自分にとってはとても大変だと感じたのですが、振り返ると奥さんの方がずっと大きな負荷を抱えていたはずで、読み終えて改めて「母は強い」と感じました。日常の中で見過ごしがちな気持ちにそっと光を当ててくれる一冊で、読後に家族への感謝が静かに増していくような読書体験でした。

    23
    投稿日: 2026.07.14
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    蓋をしたくなるような感情を、知っているけど知らないふりしてきた部分を洗いざらい突き付けられた様な感覚になるような短篇集が5作入っていて、「こういう人居るわ~~」とか、もちろん自分にも当てはまる汚い部分だったり、、なんだかモヤッとしながらも納得してしまうような。でもそれがやっぱり人間臭くて面白い。辻村さんの作品はこういう魅力があるよな~好きだな~と改めて感じました。 私的にはこの本は再読するたびに面白くなるのではないかと思いました。又少し時間を空けてから再読してみようと思います

    13
    投稿日: 2026.07.10
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    ちょっと苦しすぎた… イヤミスのような気味の悪さとも違う、強い不快感。でも、ここまで不快な描写がされているという点ではスゴイ小説なのかも。 出てくる男女が重い。描写も重い。 リアルな心理描写を極めるのこうなるのかもしれない。 でも、共感できるわけでもなく、小説の鋭さを差し置いて嫌悪感が先立ってしまった。 なんか、自分は読書に何を求めてるんだろうと考えさせられた。 田舎の閉塞性が一つの要素になっているという点においてはファイアドームの前身のような作品なのかもしれない。

    3
    投稿日: 2026.07.08
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    『嘘つきジェンガ』が読みたくて、それに繋がる「鍵のない夢を見る」は先に読んでおきたかった。 "女"のいや〜なところをこれでもかっと詰め込んだ短編たち、辻村さんは本当に"女"や"地方独特の閉塞感"を描くのが上手だと思った。 久しぶりの読書、やっぱり楽しいなあ。

    11
    投稿日: 2026.07.05
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    わかったような分からなかったような、モヤっとした読み終わり。 主人公の女性たちや、その相手が持つ違和感が強いですが、本人たちが傷つく結末だからなのか、腹立ちはなく、淡々と読み終えました。 何にしても1人で思い詰めたり、考え込むのは良くないですね。ちゃんと相談できる人をいろんなところに求められるように関わっていくようにしなければ大変だ、と改めて感じました。 最後のお話で、子育てにあまり理解を示さない旦那さんの姿に、自分の体たらくも浮かんで、かなり後悔するに至りました。申し訳なさでいっぱいになります。 これからは、もっと前向きに家族に関わって行かなければ、と思う次第です。

    11
    投稿日: 2026.07.03
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    第5篇がお気に入りです。 ドキドキして、読んでいて楽しかったです。 お母さんの大変さが感じる作品でした。

    1
    投稿日: 2026.07.02
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    子育て、育休、田舎の未婚女性、学生時代の交際のまま、社会人となった主人公など。 それぞれの女性目線でのもう終わりだ。と感じる瞬間がリアルに描かれていて、リアルすぎてドキュメンタリーを読んだ気持ちになった

    1
    投稿日: 2026.06.28
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    短編集。 普通に見えるけど、どこか一つ違うちょっと違う。 それが殺人につながったりストーカーだったり。 狂気が静かに静かに進む話。

    1
    投稿日: 2026.06.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    仁志野町の泥棒 …今でもぼうっとあのお母さんが瞼の裏に浮かぶ。安っぽい言い方だけど、因習村ものと言えるのかも。 芹葉大学の夢と殺人 …1番の衝撃。ここまで若さ故に起きる過ちもそうそう無いのでは。最近読んだおいしいごはんが食べられますようにでもそうだったが、人は自分より夢だけ追いかけた貧乏人が許せない。ヒロインの最期にはこんなに呪われた祈りがあっていいものかと。 君本家の誘拐 …わかっちゃいけないけれど、わかる。他人からしたら滑稽な事でも今すぐ辻褄を合わなきゃ安心して眠れないから人は嘘のために嘘をついてしっちゃかめっちゃかになる事あるよねぇ。 途中の不服そうな友人のシーンは、何一つ正解が書いてないのに手に取るように何を言いたいのかがわかってしまうものなんだと。

    0
    投稿日: 2026.06.25
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    日常でこんな出来事に出会うことはまあないのだけど、まるで近くで起こりそうな、埃っぽさや匂いなんかが伝わってきそうな体温のある描写が素晴らしかった。 人間のどうしようもなさやモヤモヤとする気持ちも、近い感覚を味わったことあるような感じ。

    0
    投稿日: 2026.06.23
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    女性のぐちゃあとした感情を描くのが上手い。 5篇それぞれオチがあり読書苦手の私も読破できた。 主人公の女性皆ちょっとおかしい、歪んでいるけど共感できてしまう部分もあるのが不思議。 私もちょっとおかしいのかもしれない。

    0
    投稿日: 2026.06.22
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    なるほどー 特に、犯罪に巻き込まれるなどする時の心理状態とはこんな感じなんだろうなと、ニュースを見た時に感じる思いとは違って、当事者の思いにシンクロすることができたような。

    0
    投稿日: 2026.06.22
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    短編集で最初の1編は面白かったけど、だんだんと尻すぼみになっていった。主人公がどれも女性で、自分が男だからなのかもしれないが、共感できる部分が少なかった。大学での殺人の話は特に。女性が読むと評価が1上がるのかもしれない。 これが直木賞なのか…

    0
    投稿日: 2026.06.18
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    5つの短編集があり、どれも現実味があった。 どことなく登場人物に共感してしまう自分がいたし、同じ状況だったらと思うと胸が痛くなる、苦しいと思う内容だった。

    1
    投稿日: 2026.06.15
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    短編集ですが、特に最後の育児に疲れたお母さんのお話しは他人事ではなかったです。 ここまでではないが私も二児の母。 共感しかなかった。こういう人が少しでも救われるようなそんな社会に。暖かい人に出会えるようにそう願います。

    2
    投稿日: 2026.06.15
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    ニュースで毎日流れてくる事件。自分とはかけ離れた場所で起きていると信じ切っている日々。 犯罪を耳にするたびに、何で別れられないの?何故、会ってしまうの?そう思っていた。この本を読んで、何気ない日常が犯罪や事件と隣り合わせである実感が持てた。 誰の心にもある、承認欲求。 必要とされたい。必要とされる快感。 犯罪と日常と愛情は、とても近くにいる。

    1
    投稿日: 2026.06.14
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    5人の女性が主人公の短編集。 友達の母が泥棒の話、合コンで会った男が放火犯だった話、DV彼氏から逃れる話、夢を見続けた男と諦めた女の話、育児に疲れた女の話。 どれも妙にリアルで嫌な気持ちになる世界観だった。作り物だとわかっていても想像できてもやもやする、という感じ。最後の2つは特に面白かった。育児は本当に大変だろうなとも思った。

    0
    投稿日: 2026.06.08
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    自分を客観的に見る力が極端に弱い人たちの話。 こういう話を読むと「やべーやつだ」と思えるが、そう思えるようになったのは何がきっかけだったのだろうと身につまされた。 この本こそ、きっと多くの人の「気づく」きっかけになる気がする。 普遍的だが言葉にされてこなかった感情を描き出すことは本当に尊いことだと思う。

    0
    投稿日: 2026.06.04
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    くぅ〜っ 好きだ、この本 なんでもっと早く読まなかったんだ 一気に読んでしまった 一番好きだったのは【芹葉大学の夢と殺人】

    1
    投稿日: 2026.05.22
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    どの掌編も世界観がしっかりしていて、テンポよく読むことができた。 『夢見る力は、才能なのだ』(p.154)でもさ、才能も使いようかもしれない。そんなふうに感じた3篇目だった。

    0
    投稿日: 2026.05.20
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    あの日、あの時、少しだけ魔が差さなければ、普通の幸せの中にいたはずの人たちの物語。 読み終えたあと、自分の部屋の戸締まりをいつもより入念に確認したくなるような、心の安定を揺さぶる一冊

    14
    投稿日: 2026.05.09
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    辻村深月さんの直木賞受賞作。5編の短編小説集。結論、非常に面白かった。面白いんだけど、どんよりとした読後感。5編すべて犯罪モノではあるが、どの犯罪も日常のすぐ隣にあるような気がして、それが怖い。普通の人がほんのちょっと。ほんのちょっとだけ「普通」の白線の外に足がズレてしまった時に陥る犯罪。そんな日常と紙一重、誰もが可能性がある犯罪。そのリアリティが怖かった。 「石蕗南地区の放火」の大林の勘違いの正義感には笙子同様大きな嫌悪感を抱いたが、一方で大林に対する共感も自分にはあって、非常に辛い。「仁志野町の泥棒」の静かな描写の中にある緊迫感、「芹葉大学の夢と殺人」の未玖の雄大への偽りない気持ちなど。どれも現場に自分がいるようなシンクロ感で読み終わったあと疲れを感じた。 派手ではないが、そこが良い。素晴らしい作品だなと思った。

    3
    投稿日: 2026.05.05
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    地方都市を舞台にした5つの短編集。別に地方都市でなくても、いろいろなことはある。だけど一つ一つの話から地域の繋がりやしがらみや劣等感や、そんないろいろも感じさせるストーリーが面白い。泥棒しちゃう母親、火消しの活躍を誇る消防団、いつかはと夢を追いかけていくダメ男、子育てに悩み苦しむ若い母親、少し離れた目線もあり、そんなことはないだろうなのか、いやいやわかる感じなのか、そのあたりの微妙な表現は辻村深月作品らしい気がする。全部読んで、感想書くのにパラパラみたりして。なるほど、タイトルはそういうことかと知る。 でも直木賞受賞作は最高傑作ではない。そりゃそうか、若い作家がもらうのか。辻村作品の人気ベスト10には入らないかな。そのあたりも語っている林真理子との巻末対談は結構面白い。辻村作品の中の比較で星3つ。もっとすごいものを書いている。

    50
    投稿日: 2026.04.27
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    辻村深月さんの直木賞受賞作。 5篇の短篇からなる短篇集です。 どの作品も女性が主人公。 犯罪、もしくは犯罪のニオイがする事象のそばにいる女性が主人公です。犯罪者そのものではないのがポイントかも。 その立場を利用してモヤモヤする気持ちやもどかしさなどを上手く書き出している。 例えば、【あの人は私のために犯罪を犯してしまったのでは?】と思わされる。でもその人は周囲から奇異の目で見られるような人で、それでも自分のために犯罪まで犯したのではと少し自尊心をくすぐられたり。でも実際の犯行動機は…なんて短編。 誰でも持っていたり感じたこととある部分、自分のなかにある感情の黒歴史のような物を思い出さされる様な、(おぉ…)となる様な短篇集でした。

    5
    投稿日: 2026.04.27
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    5篇の短編小説集。主人公5人はみんなそれぞれ違う性格だけど、どこかズレていたりぶっ飛んだ考えをしていたり、、笑かと思えばすごく共感ができたり、、いろんな気持ちにさせられた1冊でした。やっぱり辻村さんは面白い!!!

    4
    投稿日: 2026.04.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    5つの短編集で総じて読みやすかった。 一話につき、主人公の女性が変わる5つの短編集。 どの主人公も「友達にしたくない」タイプだった。 しかもその違和感の切り口がすべて違うの。こんな言語化しにくい違和感をよく描写できるなぁ、って思った。すごい。 出てくる男たちもなんだか女性を見下してて、腹が立つやつばかりで。それに戦わない主人公に腹が立ったりして。「言うこと言えや」って思ってた。 最後の「君本家の誘拐」は育児ノイローゼなりかけの女性の話なんだけど、私も9月には子供が生まれるから他人ごとではないかなぁと… 孤独が彼女を狂わせたのは確かだけど、妊娠前から自分のことしか考えていない思考回路に違和感。ていうか、夫何様!?とキレたくなる。 総じて読み終わった後に少しの疲労感とこんな人たちには関わらないし、ならないぞと思った。

    2
    投稿日: 2026.04.18
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    登場人物がどこにでもいる普通の人なので、思い上がりや邪推等の負の感情側面において、共感する点が多かったです。 それにより等身大であるが故に、身近ではない各短編のテーマも現実味を帯びて物語に引き込まれました。

    1
    投稿日: 2026.04.14
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    女性を主人公にした5つの短編集。直木賞受賞作ということで読んでみた。 1話、2話と何となく読んで3話目、ラストでそういうことだったのかと鳥肌が立った。4話、そして特に5話は、心が苦しくなるような感覚を覚えつつ読んだ。ありふれた設定の中で主人公が葛藤する姿の描き方が素晴らしいと思った。

    1
    投稿日: 2026.04.11
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    愚かな女性たちの話。みんなダメ男が好きだなあ。。印象に残った話をメモ。 芹葉大学の夢と殺人:教授を殺した元彼に会いに行っちゃう。好きという感情は理屈じゃないんだなと思わされる。 君本家の誘拐: 育児ノイローゼの話。お母さんは多かれ少なかれこういう思いをするんだろうなと。ちゃんとお父さんしてくれる人とじゃないと子どもは作れないなと思う。

    8
    投稿日: 2026.04.11
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    安定の読みやすさで5つのお話を一晩で一気読みしてしまった、、、 全て地方の町で生きる女性の話のためか、自分には共感できない行動や感性だけど、なにか“解る”ところもあったり。 『美弥谷団地の逃亡者』に関しては、結末に驚いてもう1回初めから読み直してしまった。美衣はどんな気持ちでハンバーガーを食べて、キョンシーの話をしたのだろうと思いながら。

    1
    投稿日: 2026.04.05
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    第147回直木賞受賞の短編5編収録。 全体に漂う何とも言えぬ暗さはあるが、人の深い闇と生きる強さと都合よさが上手く描かれている。どの作品も秀作だが、「仁志野町の泥棒」「芹葉大学の夢と殺人」「君本家の誘拐」で描かれる自分の視点や思い込みに対する(読者サイドへの)肩透かしはさすがの見事な表現力である。

    2
    投稿日: 2026.03.31
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    傲慢と善良、嘘つきジェンガが面白かったので3作目として手に取ってみた1冊。 本書も嘘つきジェンガと同様複数の短編が収録されており、かなり満足度が高い1冊であった。 短編であってもこうもしっかりとオチをつけることができるのだ、と感心した。 特に最終編の「君本家の誘拐」は自分も子育てを経験したこともあり、かなり読みいってしまった。 子どもはとんでもなく可愛いが、子育ては信じられないほどに忙しく大変で精神がすり減ることも多い。 個人的には、こんなことないだろ、と読むのではなく、全国の親がこんなに大変な経験をしてる中でも、ギリギリで耐えて作中のような悲劇に繋げずしっかりと子育てをしてるんだ、と読んで欲しい。

    2
    投稿日: 2026.03.22
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    愛と憎悪はコインの裏表だということを、改めて感じさせられる作品です。 愛(憎悪)を与える方も受け取る方も、どちらも悪気なく行なっているあたりを上手く表現していて、人間臭さが良い意味でよく表現されていました。 ただ、読み終わった後、なんか気持ちが暗くなる作品が多かったです。

    0
    投稿日: 2026.03.21
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    読んでる間ずっと呼吸が浅かった。 1話終わるごとに長く息を吐き、一度本を閉じて次の話を読み始める、そんな本だった。 それぞれの話に登場する5人の女性は、主人公でありながら少しどこか人と違っている部分を持っていたり、周りの人が少し変わっていたり、でもなぜか彼女たちに感情移入できてしまうし共感できてしまう不思議な感覚を覚えた。 また、人間の持つプライドや自尊心を、できごとや地の文でよく言語化して表していると感じた。ひょっとしたら私のひとつの行動を取ってみたら彼女達とそこまで変わらないものもあるんじゃないかと思わされるほどだった。 自分はどうしたいんだろう?何になりたいんだろう?と一見現実主義で今と変わる気もない、だけど希望や夢を捨てきれない、諦めきれない、空虚な女性の解像度が本当に高いと感じた。 ひとつの話で長編ひとつ書けそうなくらいの内容の濃さと、バッドエンドなのかハッピーエンドなのかもわからず、続きが読みたくなる終わり方をしている。 はー!面白かった!じゃなくておぉお、、、みたいな感じ。 鍵のない夢とはうまく表現したものだと思う。

    11
    投稿日: 2026.03.18
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    収録された5つの短編は、どれも主人公の女性たちが抱える「危うさ」や「心の歪み」がリアルに描かれ、終始不穏な空気が漂う。予感通りのバッドエンドもあれば、辛うじて踏みとどまる結末もあり、その匙加減に引き込まれた。

    0
    投稿日: 2026.03.17
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    気持ちの良い主人公がおらず、どの主人公も、全くの悪人ではないが、善人ではなく、人によっては嫌煙するような振る舞いもあった。 その人からみた正しさがそれぞれに存在していた。 また、それらを説教くさくなく、わざとらしくなく各人物の起こしそうな思考、動作で書いていくのは大変書く力を必要とするだろうが、さすがの作者である。

    2
    投稿日: 2026.03.09
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    家にあったのでちょっと読んでみたら、身につまされる話ばかりだった。 巻末に筆者と林真理子さんの対談が載っていたが、「石蕗南地区の放火」の主人公の女を「なんかいやぁな感じがする女性」と言っていたのが違和感だった。最後の展開も、あそこまで男が距離感無しで近づいてきていた事実があれば、そう考えてしまってもおかしくないかも。それより、どうしてこんな男しか寄ってこないのだろうという切実な悲しみに共感した。嫌な女ではなく、一歩踏み出せなかった為にいろいろと悪循環に陥る、人生を振り返った時、どこで間違えたかと考える誰にでも形を変えてあることのように思えた。 あと「君本家の誘拐」は、主人公の女が、周りに配慮を求めても、周り(友達)には配慮しない感じが、自己中心的すぎて無理だった。そんなに欲しかった子供との生活で、孤独に陥って行く様は、あまり共感出来なかった。手に入れると次を求め続ける主人公が破綻していく話だった。 どれも、深い味のある作品で直木賞受賞作に値する読み応えだった。

    1
    投稿日: 2026.03.06
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    人物像の解像度が高いので、物語に入り込みやすかったです。私には全く共感できない部分、少しだけわかる部分、すごくわかる部分、それぞれ散りばめられていて人間の面白さを感じることができる作品でした。私は私から見えている世界しか捉えることができないけど、どのようにして「えっ」とこちらが驚くような思考回路の人間を表現することができるのだろうかと思いました。

    0
    投稿日: 2026.03.03
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    どの物語も内容や登場人物がどこか不気味でずっと違和感を抱きながら読んだ。最後の辻村さんと林真理子さんの対談もおもしろかった。

    11
    投稿日: 2026.03.03
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    「君本家の誘拐」。良枝は26年前の私だった。 生まれたばかりの娘と2人で過ごす平日。娘から目を離すのがこわくて、でも自由が欲しくて苦しんでいた私。いつも寝不足なのに夜泣きで起こされて気がおかしくなりそうな夜中。 すべてわかる。 今は懐かしく思い出すけれど、永遠に続くかと思ったその時の感覚を思い出した。 最後の林真理子さんとの対談もよかった!

    1
    投稿日: 2026.03.03
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    直木賞受賞作品。短編5作集。 すごく重い。犯罪が絡む物語。 2択で考えてどちらか選んでいき、どれも間違いであれば、小さいことが大事になり、犯罪や死が最終形態なんだろうな。 だから誰にも起こりえることなんでしょう。 ただ、かがみの孤城を読み、前向きで素敵な物語!すごすぎる!からのこの本は真逆すぎます。

    0
    投稿日: 2026.03.02
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    狭い世界、価値観で生きている人間(特に女性)の心理描写がうますぎて登場人物もれなく全員うっすらと苦手

    1
    投稿日: 2026.03.01
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    短編集となっています。 読む側の取り方がどうかと言う所で難しいですが 個人的には思い込みの話かと思った。

    9
    投稿日: 2026.02.23
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    辻村さんの直木賞受賞作品。地方都市を舞台にした犯罪テーマの連作短編集。 5編目の「君本家の誘拐」は、出産後すぐの苦労を思い出して、すごく感情移入しました。 閉鎖的な土地で、他人の目を気にして、世間体を守って、なんとか生きているのに、、罪を犯したり、罪を見守ったりしてしまう。大きな声で叫べない空気感、気持ちを押し殺して守る日常、そんないやーな温度感を感じさせてくれる、辻村さんの文章力がすごいと思いました。

    5
    投稿日: 2026.02.21
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    良い怖さ。一文一文の鋭さが心地良くて(怖すぎて)日本のホラー映画を観ているようなゾクゾク感があった。文のうまさもあり、怖いのにサクサク読める。比べてしまうとよくないがたまたま綿谷りさの嫌いなら呼ぶなよを同時に読んでおり、こちらはアメリカのホラー映画という感じでグロくて読みづらかった。好みはあると思うし、そもそもの短さとかもあるけど、辻村深月の読みやすさを実感した。芯を食う鋭い文章は辻村作品という感じで、おすすめです。

    1
    投稿日: 2026.02.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人気作という評判が先になっているものもあるが、若さを感じさせながらも、いい作品を書く作家だと改めて思った。 「仁志野町の泥棒」 中学生のころ、友人の母親は泥棒だった、小さな被害にあった人たちも多かったが、まわりはそんなに騒ぎもしなかった、どこに住んでもしばらくすると引越しをして出ていく、でも住処は近隣から離れる様なことはなかった。出合い頭に、彼女が盗みに入って居るのに出くわした。顔を真っ赤にして震えながら帰っていったことが苦い記憶に残っている。 成人して出会ったとき、彼女はこちらの名前を思いだすのに手間がかかった。訝るようにしながらやっと思い出したが、些細な影でも彼女の心には残っていなかったのか。特異な心理を陰影深く書き出している。 「石蕗南地区の放火」 もてない、縁談を進められてもその気にはなれない男が書かれている。好みということもあるが、多くは自信家で己を振り返らず、外見にも気を使わない。主人公の心理が手に取るようにわかる。なにか事件も起きそうで、新味はないがその分納得できる展開だ。 「美弥谷団地の逃亡者」 成功しているミステリ。 心理描写もストーリーテクニックも面白い。若い男女の行動は言葉も行動も文字通り隔世の感じがするが、これは年齢を超えて同化する部分がある。 「芹葉大学の夢と殺人」 題名がすべてをあらわす。大学生で自己中心で、甘えた一途な夢を持つ男と、それに寄り添ってきた女の話。 男は顔立ちも女好みで女は次第に惹かれていくが、男は自分の進路を一直線に進む、周りを見回す感性を持っていない。女はやわらかい生き方、育ち方のために、すべてを理解できるが、離れられない。不運にも交わってしまった違った質を持つ二人のはなし。この男のような(もしかしたら精神科では何か病名をつけるかもしれないような)タイプもこの女のようなタイプも読んでいるうちに、一部分を取り出すと思い当たる節が誰にでもあるだろう。すぐ身近の現実ではないにしても。男の身勝手にはすべて理解しながら引きずられていく女、優れた心理描写に引き込まれる。 「君本家の誘拐」、 子育ての光と影というか、まるで寄生されているように感じて来た妊娠中から、産後の嬰児との生活、子供が少し育ったころ、やっと自分にかえる一瞬がある。母性とはいえ育てる側の自分との葛藤が面白い。 また面白い本を読んだ。特に「芹葉大学の夢と殺人」は面白かった。

    6
    投稿日: 2026.02.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どれも読みやすかった。面白いが後味は良くないかも、というのは正直ある。特に、君本家の誘拐が印象的だった。 母親の、子供と自分の二人だけの時間だけになりがちで気付かぬうちに精神がやられてパニクる状態、そして自分のミスを隠すために大事な娘を危険に晒そうとしている状態はリアルだった。自分が将来そうならないように気をつけないと、と怖くなった。 小説内の人物の感情が手に取るようにわかる描写が秀逸。

    1
    投稿日: 2026.02.14
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    自意識というものがいかに閉塞的であるか、またその危うさを再認識させてくれる本。最後の短編に出てくる母親はすぐにでも近くに行って抱きしめてあげたい。

    0
    投稿日: 2026.02.13
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    被害者の視点(推測)で、やばい奴のことが描かれていて、正確な心理状況なんて、分かるはずがないのに、なぜか納得してしまう辻村さんの表現力は本当にすごい。ただ、被害者にもやばい奴にも感情移入ができなくて、端的にすぎるなという印象。たぶん私がまともすぎる人間であるが故の答えだろうけど、。 つまりきっと感情移入ができる頃には、私もやばい奴になっている時だろう。。ヤメテ~~

    1
    投稿日: 2026.02.13
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     辻村小説を何冊か読んでますけど、辻村さんは学生や社会人としては微妙な年頃の若者を主人公にした小説が上手いと思いました。今回のこの短編5話も主人公が若者でした。 1話:仁志野町の泥棒 2話:石蕗南地区の放火 3話:美弥谷団地の逃亡者 4話:芹葉大学の夢と殺人 5話:君本家の誘拐 個人的には5話が一番面白かったです。育児によるストレスから、ふっと置き去りにしてしまうというトラブルの所は印象に残りました。自分も考えさせられる内容でした。他の1~4話も良かったです。2話の放火事件も良かったし、4話の女性が転落した事件も本質が分かって面白かったです。4話は特に「辻堂ゆめ」作の「今日未明」に出てきそうなストーリーでした。

    13
    投稿日: 2026.02.11
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    五篇ともリズム感よく読めた。それぞれ個性的であり、憐憫の感情や救われなさなど、端から見てる感覚でも実は自分もそうなのではないか?と思わされる。 最後の林真理子さんとの対談の中で、林さんが周防正行さんの言葉を通して語られている箇所がある。内容自体は辻村さんの変化に関してだが、自分自身刺さる言葉でもあった。 読むことで気付かされたり、あらためて自身を見つめ直す機会を得られることは、読み甲斐もあるし作者に感謝したい。

    4
    投稿日: 2026.02.11
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    5つの短編集で構成されているので、移動の隙間時間でちょっとずつ読むことができました。 こういう短編集だと登場人物が連動しているのを期待したがそれぞれの話が独立していて、その繋がりはなさそうでした。けれど後書きの対談で林真理子さんは繋がりが感じられたと言っていたので、何か見落としてたようです。 5人の女性視点で話は進んでいくが、5人とも主人公らしくないというか、少しズレた感性を持っているところが独特。読んだ後のちょっとした後味の悪さは、自分自身に多少でも通じるものを感じてしまったからなのでしょうね。

    19
    投稿日: 2026.02.08
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    どのストーリーも秀逸な短編集でした。辻村深月さんファンになりつつある、、。 全て女性が主人公なので、おっさんが知り得ない心理も得られた気になりました。 半分は、しょうもない男と惚れてしまった女性の話。 男って馬鹿だなぁと思う一方、女って見栄っ張りだなぁというストーリー(どんなストーリー) 見栄っ張りで馬鹿な私はジェンダーレス。

    28
    投稿日: 2026.01.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いくつかの話があり、少しずつ繋がっているような形です。 きれいな話というより人間のリアルさみたいなところが上手く描かれており面白かったです

    3
    投稿日: 2026.01.25
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    ◾️仁志野街の泥棒(5位) わだかまり 高校生になって律子と再会した時、律子はなんの後ろめたさもないのか、ミチルの名前すら覚えていない…。律子母の住居侵入して金を盗む癖、律子の消しゴム万引き(未遂)を、町の人たちは気遣いながら穏便に見守ったのに、本人たちはこんなもん?ていう。ミチルはわだかまりが残る。 ◾️石蕗町南地区の放火(3位) デートに誘った相手の気持ちが全然読めない大林は痛い人なんだけど、そんな大林の放火の動機が、私に会いたいからだ!と考えて疑わない笙子も実は痛い女。大林が動機を、ヒーローになりたかったから、って言ったのを知って怒りの感情をあらわにする笙子。昔モテたんだか知らんが、いつまでも理想ばかり高いから、なかなか結婚できないのでは…。 アルピーDCガレージ直火ローストのコーナーに出てくる人たちですな。 ◾️美弥谷団地の逃亡者(4位) 相田みつをの詩って、ほんとに普遍的だよねぇ。 処女を捨てたいとか、浅はかに出会い系で男を探す美衣。若いってそうだよなぁと思いつつも、DVも受け入れてしまうのは、一線超えてる。 彼氏に愛されるって、承認欲求満たされるとは思うけど、若いが故真実が見えていないのが怖い。 ◾️芹葉大学の殺人(1位) 医師免許とってサッカー選手になるのが夢という工学部の学生雄大。一生自立できないよ、こいつアホなの?彼女の未玖は雄大の甘すぎる考えをわかってるくせに好きなんて、理解できない…。彼をわかってあげられるのは私だけ…とか思ってるのだろうか。恋心というより執着なのか。 未玖の最期の行動は仕返しなのかな。重い。 ◾️君本家の誘拐(2位) 夫の育児への協力に不満を持ちつつも、なんとか自分で頑張ってる。子供と自分の二人だけの時間だけになりがちで、だんだん視野が狭くなって、気付かぬうちに精神やられてる状態、もうほんとによくわかる、わかりすぎて怖い。狭いのよ、ほんとに見えてる世界が狭くて、一生懸命故なんだよね。自分が娘を家に置いてきたのか連れてきてるのかもわからなくなるほど、もう限界超えてるのね。でも怖いのが、その自分のミスを隠すために、こんなに大事にしてる娘を危険に晒そうとしてるって事態。母親の焦りが暴走しててとにかく怖い話でしたが、世の母たち、というか女性たち、ほんの少しであれ似た感情を抱いたことがありそう、辻村深月ってほんとに感情をわかりやすく言語化してくれてすごい。

    15
    投稿日: 2026.01.18
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    割と関心をもって考えてしまうことのひとつに「どこまでが罪ではなくて、どこからが罪なのか」ということがある。というのも、そもそも見つからなかったり気づかれなかったら罪にはならないし、罪をしていることに自ら気づかなかったり意識がなくても罪になる(でも減刑されたりする)。 また、罪とは法律だけの問題なのか。境界線はあるけれど、その線はぼんやりしていて幅があるのではないか。 そんな、どこか遠い世界のようで、とてもリアリティの持てる視点からえがかれた短編集だった。

    3
    投稿日: 2026.01.13
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    5つの短編集 どれも登場人物の一人は少しズレたところを持っている しっくりこないというか 何かの強い観念に囚われている人たちの話 どの話も現実的でもある 一つ目と二つ目のドロッとした感じの話が面白かった

    2
    投稿日: 2026.01.12
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    全体的に薄暗くじめっとしてて澱んでる雰囲気ですが、怖いもの見たさでどんどんページをめくっており気づいたら読み終わっていました。 いつも小説を読むと主人公の気持ちに感情移入してしまうことが多いのですが、今回はどこか勘違いしている主人公たちを冷静に見ている感覚でした。でも、自分の奥底にある目を逸らしたくなるような普段開けない箱に分類されている気持ちの蓋を開けられたような感覚もあり、、。最後の短編に関しては、母子保健に関わる身として、母親がこんな気持ちで育児をしないで済むような環境やサポートを整えられるようにしないといけないとすごく思いました。でも、本当はみんなこんな気持ちになって育児しているのでしょうか。

    8
    投稿日: 2026.01.11
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    辻村深月さんは女性の心理を描くのが本当に上手だと思う。 どの物語に登場する人たちも、不完全で脆くて、少し傲慢な一面がある。なのに本人はそのことに気づいていなくて、いつだって主人公は自分で、まるで悲劇のヒロインかのように嘆いてしまう。 周りの人たちから見た、主人公の話にするとまた全然違った人物像になるんだろうな。

    2
    投稿日: 2026.01.07
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    2025.1.6 いま可愛い盛りの孫育てをする私。しかし子育て中は孤独で東京からY県には死にに来た。(ラッキーなことに結局なしえなかった) 30年来この県に住んでるが私とは相入れない。Y県出身の辻村さんが描く舞台は砂漠のような風土を感じそこに巣食うネガティブな思いも、とても共感する。 どの短編も面白かったが最後の君本家の誘拐は特に感情の揺らぎのスピード感を読むままに感じて次は次はと、私を誘った。 昭和の小さい子の母とは、孤独に生活を回していくものだった。ゆえの焦燥感に殺されかけた。 娘家族を見てると父母は協力体制にあり二人で責任を負い見ていて清々しいが、家庭は様々、世の中は、宝を育て心を巡らせて悩みを一人で解決しようとするどのお母さんをも、ぜひ、応援と優しい声がけを、してほしい。

    2
    投稿日: 2026.01.06
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    短編集でしたが内容が素晴らしくて長編小説みたいな満足度でした。最後の終わり方が良かった。人によって(男性と女性)好き嫌いが分かれるかなと思う小説かな。

    2
    投稿日: 2026.01.03
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    他力本願だったり、自己正当化だったり、読んでいてムズムズする主人公が多く登場する。 どこかにこういう人いそうだなっていうリアルさがある。

    1
    投稿日: 2025.12.29
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    イタい人を語る主人公の話と思いきや、イタい人を語る主人公がもっとイタい人だった話の短編集だった。最後の話だけちょっと違ったけど。 ☆3.5 2024.2.2 読了

    1
    投稿日: 2025.12.28
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    「あー分かる」という苦い共感と「いやいやアカンやろ」という登場人物への抵抗感が交互にくる、なんとも言えない読後感の一冊だった。 どの主人公も自らを傲慢だなんて思ってなくて、だからこそその歪さと痛さが際立つんだけど、それは読者である私の中にもあるイタさで、効くなぁ。 読んだ先に救いが無いように感じられて、個人的な好みで言えばメジャースプーンやクジラなど初期作の方が好きな作家さん。 しかし文学の目線だとこういう作品の方が評価されるのかぁ……。

    0
    投稿日: 2025.12.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    5編の短編集。泥棒と放火の話が特に面白かった。自分だけが過去のあの時に捕らわれ続けて取り残されている感覚、相手にとっては既に終わった事とされているのに・・・忘れようと思っても忘れられるものではない、なんかモヤモヤしたような感じをうまく表現してくれて思わずうなってしまった。 ------------------------------------------- 泥棒の話:小学生時代の仲の良かった同級生が、母が泥棒に入ったことを家の玄関まできて大人にするようにごめんなさいと謝罪をしに来る。自分の事が好きだという弟と共に。大人か子供かどっちかになれたら楽なのに。「もういいよ」と呟く。諦めの境地か。 その後どの同級生自身が泥棒をしているところをみて一方的に引導を渡してしまった主人公。それから4,5年経って偶然町で出会った時に思わず声を掛けるが相手の方はというと主人公の事を覚えていない、もしくは覚えていない振りをして全く気にも留めていない様子。 モヤモヤしていたのは主人公の方だけ。 あの時のあれは何だったのか、既に同級生はそこから去って次の所に進んでいってしまったのに自分だけがそこに置き去りにされて進んでいないような、そんな感触かな。 放火の話:自分に好意を持って付きまとってくる、正義感が強いが空気の読めない、映画「バックドラフト」に憧れる、冴えない男。自分の方から連絡を絶ち数年が経ち、母からはそろそろ結婚を、と言われる年頃になる。そんな折に火事が起こり、仕事の立ち合いで現場で偶然かつての男に出会って声を掛けられる。それが2回繰り返される。もしかしてこの男は私に会うために放火をしたのでは?男版のお七なのでは?男が放火犯として逮捕された時に、自分との関係を世間に暴露されることを恐れた主人公であったが、彼が口にしたのは「火事が起こってそれを消せばヒーローになれると思ったから」という主人公とは全く関係のない動機。呆気にとられそれから猛烈に怒りが湧いてきた、ふざけるな、今更何もないなんて! これは思わず新聞記事の男の動悸の所を読んで思わず笑ってしまった。自分が誰かの人生を狂わせるほどの存在であったかもしれないという、歪んだ自己肯定。これも前の泥棒の話と似ていて男にとっては主人公の事はもはや過去の人で眼中にないのかもしれないのに、主人公だけが男に付きまとわれた所に留まっている。そして誰かの特別な存在でもなんでもなかったと置き去りにされているような感覚になっている。 夢と殺人の話:雄大には私のための時間がないのだ。物理的な時間ということではなく心に入れる余裕がないのだ。あなたの親も姉もあなたを取り囲む環境というのはどれだけあなたをきれいなものでくるんで甘やかしてきたのか。私くらいの甘やかし方では感謝すらされないわけだ。 私にはもう何も清潔なものもきれいなものも憧れていたものも二度と手に入らない気がする。夢見る力は才能なのだ。夢を見るのは無条件医正しさを信じることができるものにだけ許された特権だ。疑いなく正しさを信じる事。その正しさを自分に強いる事だ。それは水槽の中でしか生きられない観賞魚のような生き方だ。だけどもう私にはきれいな水を望むことができない。これから再起に手に入れる水はきっとどんなに微量でも泥を含んでいる気がした。息が詰まっても私はそれを飲んでいくしかない。 あまりに強く夢の世界におぼれた私の半身は今も大学時代に留まっている。これから先何があっても私は残りの半身だけで生きていかなくてはならない。

    8
    投稿日: 2025.12.27
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    なかなかビターな辻村深月。 その鋭さはいつも通りだが、『かがみの孤城』や『冷たい校舎の時は止まる』とは異なる雰囲気だ。 当初、本作に書かれたエピソードの大半がやりすぎでわざとらしく感じ、いまいちピンとこなかった。彼女にはもっと素敵な物語があるのになぜ本作が直木賞受賞作なのかと。 「これは時代のせいだ!」と思っていたが、読み終えてみると、どうやら本作は少し軸のズレた女性たちの物語であって、それを許容できなかったからかもしれない。 つまり、これらを理解する鍵を持っていなかったのではないか。まさに「鍵のない夢」を見せられたのではないか。 自分はそれなりに良識があり、多様性を受け入れる価値観を持っていると思い込んでおり、小説を読む際にそれを振りかざし、それから逸脱した一人称を見ると「そんなバカな」と心の感度を著しく落としていたことに気づかされた。 間違っていた。世の中には僕には知らない目線が存在し、それを受け入れるように読むと解像度が変わって見えるんだ。 多分これはかつて読んだ『流浪の月』が昇華された瞬間でもある。本当についていけなかったのだ。しかし、そうか、あれはそういうことだったのか。 また一つ読書が深まったと思う。読み手の軸を巧みにズラす辻村深月の筆致に感謝したい。なるほど確かに直木賞受賞作なのだろう。 …とは言え少しやりすぎじゃない?

    2
    投稿日: 2025.12.26
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    最近、小説を読む事が趣味になって、直木賞や本屋大賞を受賞したものを読んでいますが、これを読んだ印象としてはあまり心に残ることは無かったかなぁって感じです。 この作家の本は良く読んでますが、この作品以降から段々と読み応えのあるものが増えたんだなぁと思いました。

    1
    投稿日: 2025.12.26
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    一人ひとりに理想があり目的がありそれが夢にもなる。 けれど、なかなか思い通りにならず見た夢とは違う現実がある。 夢見ることは良いことだとは思います。しかし、それだけが生きる道ではないとも思います。

    3
    投稿日: 2025.12.17
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    直木賞を受賞した小説。五つの短編オムニバスで構成される。いずれも物語の中で犯罪を取り扱うもののミステリーやサスペンス要素は少ない。ただ主人公達のモノローグが、緊迫感と緊張を高めていく。 なんて嫌味なダメな主人公達、と割り切れない。誰もが何かの拍子にその穴に落ちる可能性がある。そういう怖さがこの小説にあり、それだけ辻村さんの書く描写が真に迫ってくる。 タイトルの「鍵のない夢を見る」、五つの短編に共通するタイトル。辻村さんの小説のタイトルは読み終わった後になるほどこのタイトルはこういう意味だったのか、といつも感心するのだが、ただこの短編の中には鍵に関するものは出てこない。読んだ後もタイトルの意味するものはなんだろうと考えてしまった。 いつものドア、扉の鍵がない。入れる場所に入れない。もしかしたら出て行こうにも外に出れないかもしれない。どこで落としたのか、忘れてきたのか、焦りや不安が増してくる。そういう不安を表してるのかなと思いました。

    27
    投稿日: 2025.12.16
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    地方都市の小さな事件が短編で次々と展開される小説。どの短編にもまるで自分の傲慢さや愚かさ、どうしようもないやるせなさが見透かされているような主人公が出てきて身につまされる。 どの短編も決してすっきりと解決する事はない、ただただそんなどうしようもない自分を受け入れるしかないのだと思いながらも前に進んで行くだけだ…

    3
    投稿日: 2025.12.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    5編の短編が詰まった一冊。 短編は、話としては関連性がないと思ったが、何かに囚われてしまうことでの人間の愚かさが共通して描かれていると思った。 鍵のない夢とは?と他の人の感想も含め、考えたが、解決策にない救いようもないことだと思う。 そんなやるせなさを言語化されると、心が苦しくなるが、読み進めてしまう。 自分の心のどこかにある愚かさを言語化されるって、エクスタシーなのか? 1編目は、親が泥棒の子との繋がり。 そのことに囚われ続けている自分と、忘れてしまった相手。自分だけが気にしすぎていた、リソースを割いていたことの憤りはすごい分かる。 2編目は、放火をした男と、その放火を自分に興味を持ってもらいたいからでは?と勘違いした女の話。 そう思い込んだが実際は違った時の怒り、秀逸。 3編目は、周囲にマウントを取るために彼氏を作ったが、その男がDVを働き、最終的には母親を殺され、人質として逃避旅に付き合わせられる女性。 怖い、という感情ではなく、他の友達のはない体験をしている、と受け入れているのが怖い。 4編目は、実現不可能な夢を持ち続ける、才能のない男と、その男に囚われ続ける女の話。 夢を持ち続ける、そしてそれに挑戦し続けることの難しさと尊さは、自分が社会人になってから、痛く痛感しているが、才能のない夢は受け入れる世界はなく、男を殺すことで、夢をピュアのまま、終わらせる結末 5編目は、育児に追われる母親を描いた作品。 育児は経験がないが、ヒステリックな描写もそうなるよなと思う。 友人が主人公に対して攻撃的だが、それを意に解さないのがよく分からなかった。 女性の思い込みをテーマにした作品だと思うが、性別に関わらず、世の中の人は皆、それぞれが思い込みを抱え、苦しんでいるのかもしれないと思った。

    3
    投稿日: 2025.12.10
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    直木賞受賞作の短編集 辻村深月さんの作品でこういう雰囲気のって私はあまり読んだことがなかったので、新鮮だった。 でも面白かった。現実によくいるタイプの、ちょっとイヤな女が主人公の作品たち。 自意識が高くて自分の周りにいる男たちを見下している30台独身の女性、夢を追うばかりの男にうんざりしながらも、求められれば喜んで会いに行ってしまう女性など、リアルで共感できるけど、目を逸らしたいような設定ばかり。こういう生々しい人間描写や心情描写は辻村深月さんの得意分野って感じがする。さすが。

    0
    投稿日: 2025.12.04
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    嘘つきジェンガを読んだ後に、読みましたので、そのルーツを垣間見た思いでした。特に、4つ目5つ目の芹葉大と君本家の話は誰にも身近に起こりそうなテーマを、女性の視点から透明感と深い表現力で書かれており、その後の作品に繋がっていくご本人にとっても大切な作品なのだろうなと感じました。

    3
    投稿日: 2025.12.04
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    第147回直木三十五賞 どれもイラっとする女性が主人公の短編集。 モヤっとした気持ちで終わるので、最後繋がるのかなと思ったけど5編とも独立した話。 全体的に不穏な感じで気になりスラスラ読める。 「仁志野町の泥棒」 自分が体験したら衝撃的だろうなと思った点で一番印象的だった。 「石蕗南地区の放火」 相手の男性が痛くて不憫。主人公のような顔から火が出るような勘違いはリアル。 「美弥谷団地の逃亡者」 現実的じゃなくて理解できず。 「芹葉大学の夢と殺人」 このタイプのダメ男は実際いると思う(笑) 「君本家の誘拐」 新米ママの育児奮闘記がくどくど長すぎて話が進まずつまらない。男性が読めば意味があるのかな? いかに大変かの部分がラストに繋がるんだろうけど、これ何の話読んでるんだっけ?となった。

    39
    投稿日: 2025.11.26
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    「芹葉大学の夢と殺人」が特に好きだった。「夢」と言い訳して逃げ続けていることにも気づかない感覚、なんとなく自分にもあった気がする。でも現実を知らない時って夢見てる人が美しく見えるんだよね。

    1
    投稿日: 2025.11.26
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    身近でありそうな物語。 なんて言うんだろうか、、気負わず読める?? うーーん??わかんないけど、、一気読みでした。

    1
    投稿日: 2025.11.23
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    辻村さんの作品も久しぶりでした。 5人の女性のお話。 どの作品もモヤモヤとする内容で読んでて気持ちよくはないんです。 でも自分にも通じるものがいっぱい。 どんどん引き込まれていきました。 汚くて傲慢でいやらしい部分。 周りの人には気づかれたくなくて取り繕うけど...。 とにかく気持ちよくはなかったけどすごく惹きつけられる作品でした。 ありがとうございました!

    133
    投稿日: 2025.11.17