
総合評価
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powered by ブクログ質・量ともに、聞きしに勝る大作だった。 親と子、あるいは夫と妻の間の家族愛、学ぶことの尊さ、生き物を慈しむことの大切さ、そして人と人とが争うことへの根元的な問い掛け…と、内包するテーマは数多い。 とどのつまり、それらを全部ひっくるめて、命を授かってこの世に生きること、に真っ向から挑んだ作品と言える。 作者の上橋菜穂子氏が言うように、確かに"闘蛇編"と"王獣編"の2巻で、物語は一度きれいに閉じている。 "王獣編"の最終盤を読んでいる時に襲ってくる、あの深い感動は、まさにクライマックスのそれに他ならない。 だから、3冊目の"探求編"以降を読み進めるに当たっては、もちろん期待も充分にあるのだが、それと同時に些少の不安も抱いたことは事実である。 しかし、それは結果的に杞憂に過ぎなかった。 「北斗の拳」が"ラオウ編"で見事過ぎる結末を迎えた後、続く"カイオウ編"でもその価値を失わなかったように。 本書には、"神々の山脈(アフォン・ノア)"や闘蛇と王獣の秘密などにまつわるいくつかの謎が、ミステリーの要素として組み込まれてもいるが、正直、それらが明かされる過程やギミックはシンプルなものであり、それほど読者を驚嘆させるような仕掛けではない。 でも、通常の小説であればクオリティーの本質に拘わり得るそれらのパーツの出来そのものが、この作品の場合は、極論すれば枝葉に過ぎない、それほどまでに極太の本流がド真ん中を貫いており、確実に読者を物語の世界へと引きずり込むことに成功している。 第2巻、"王獣編"のクライマックスと同様に、最終第4巻、"完結編"が終わろうとする時には、抑えようもなく双眸に感情が溢れてしまったわけだが、単純に、そのことがこの作品を読む価値を表している。
2投稿日: 2015.02.14
powered by ブクログ主人公エリンとその母親の悲しい生い立ちと偶然出会った人たちの善意によって、好奇心旺盛なエリンが成長していく様が素晴らしい。 エリンを応援したくなる。
1投稿日: 2015.02.07
powered by ブクログ主人公は、ちゃんと「自分」を持ってて、どんどん成長していく様子がとてもよかったです。 絆が素敵すぎて泣けます…(இдஇ; )
2投稿日: 2015.02.06
powered by ブクログ母を失ったエリンは、蜂飼いのジョウンに救われる。そこで母の死と謎の言葉を胸に、自然の中で様々な知識を学んでいく。やがて王獣との出会いが彼女の運命を大きく変えていく 。
1投稿日: 2015.01.24
powered by ブクログ相も変わぬ素晴らしき世界の構築に恐れ入る.ファンタジィでありながら,人という種の存在理由,そして生命の有り様を十数歳の女性に語らせる.カタルシスを感じるなという方が無理.このような物語を紡ぐ作者と同時代に生きていられることに感謝致します.
1投稿日: 2015.01.13
powered by ブクログ守り人シリーズ上橋菜穂子さんの東洋ハイファンタジー。 「戦蛇編1」「王獣編2」を久しぶりに一気読み。 見たことない世界に浸れることがファンタジーの醍醐味だと思いますが、上橋さんはそれをとっても深く本当にあるかのように細かいところまで創造します。 テーマは獣と人間、そして生物、でしょうか。 やっぱりファンタジーはいいなあ。
0投稿日: 2015.01.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
闘蛇や王獣が棲む世界に生きる主人公エリンのの物語です。エリンは大公に仕える闘蛇を育てる家の生まれだが、母親が闘蛇を全滅させてしまい、家を追われることに・・・。母親は緑の目を持つ霧の民の出で、気味悪がられており、責任を一身に負わされ処刑される。エリンは助けようとするが、母親の不思議な指笛で助けられ、闘蛇に乗って、川沿いに流れ着く。その後瀕死の王獣の世話をする機会を得て、王獣や闘蛇の育て方に何かを封じる秘密があることが明らかになっていき、次第に戦に巻き込まれていく。持前の探究心で、昔山の向こうで起こった王獣や闘蛇にまつわる悲惨な逸話に迫っていく。 エリンと恐ろしい王獣達との交流や、戦争がモチーフにされた核兵器などを思わせる王獣や闘蛇など、考えさせる内容です。最後は悲劇的な最後ですが、真実を追い求め、秘密を暴き、かつ戦わず、悲劇的な最後を避けるためにつき進むエリンに心打たれます。 戦争を避けるため、何かをタブーにすることを是としないが、群れで生きる人は争い続けるだろうが、それの解決には、皆が真実を知り、自分が何をしているのかを知り、考えない限り、大きな変化は生まれない、これは著者のメッセージであろう。
0投稿日: 2014.12.30作者はきっと猫好きである
猫と生活を共にしたことのある人なら経験されたことがあるであろう、猫を抱き上げたときに猫が鳴らすゴロゴロ音。あのゴロゴロ音についてはよく分かっていないらしいが、一説によると母猫と子猫の間であのゴロゴロ音でコミュニケーションをとっているらしい。もしそれが本当なら、膝に抱かれた猫がゴロゴロ言っているときにゴロゴロを返せなかったら、そこでコミュニケーションが終了し、著しく信頼感が損なわれているのではないか。 王獣がエリンの竪琴によって心を開いていく場面で、そんなことを思った。 出会った人はとても幸せ。出会わなかった人はとても不幸せな作品。
0投稿日: 2014.12.12
powered by ブクログずっと気になっていた本であった。以前「孤笛のかなた」を読んだときに、その民族学的な視点にえらく感心した覚えがある。正月にアニメ連載の集中再放送があり、いま録画して少しづつ見ているのだが、二回ほど見た時点でどうしても本を読んでみたくなった。なるほど正当ファンタジーノベルである。
14投稿日: 2014.12.06あらゆる人に読んでもらいたい王道の物語
無駄がない、正面から書かれたまさに王道の物語。 ストーリー、文脈の蓄積によって初めて伝わる「ものがたり」の力をまざまざと思い知らされた本当の名作。 あっという間に4冊読み切ってしまった。 私自身、一癖ある物語が好きだったりして(村上龍の「半島に出よ」とか大好き)、王道の小説ってあまり読んで来なかったのだけれど、 この上橋菜穂子さんの文章は、無駄がなく、文学的な表現に耽溺することなく、かといって物足りなさもなく、あらゆる文章表現のお手本にしたいくらい。 表現力はいわずもがな、この作家の凄いところは、いや、全部がすごい。 「闘蛇」「王獣」という架空の獣の生態と、「真王(ヨジエ)」「大公(アルハン)」の政治の世界を巧みに組み合わせる構成力、 子供の視点と親の視点、種族の視点を多角的に描ききる人間そのものに対する深い洞察、 何よりも主人公エリンをはじめとした苦難に立ち向かう人々の苦悩と、ぎりぎりで譲れないところで発揮される人間としての強さ、 親、子、師弟、友人の間に芽生えるとても深い愛情と責任感。 自分ではいかんともしがたい状況に置かれ、理性で考えれば先に暗い結果しか想定できなくても、 それでも自分の胸の底にある確信を信じて突き進む勇気。 「人は、自分たちがなにをしていて、それがどんな結果を招くのか知るべきだと思う。どんな知識も、隠されるべきではないと思う。 人という生き物が愚かで・・・どうしようもなく愚かで、知識を得たときに、それを誤った道に使ってしまうとしても、それでも」 という一節が深く心に残った。 この本には、自由ということは何なのか、生きるとはなんなのか、知るということ、知ることへの渇望が描かれている。 児童文学のように扱われることがあるようだが、児童文学ではなく、子供にも読んでもらって様々なことを感じてもらいたい本。 特に後半2冊は30代以上でないとわからない視点が多いように思う。 あらゆる人に読んでもらいたい名作です。
20投稿日: 2014.12.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
守り人シリーズから上野さんにハマり、 外伝以外全巻読みました。 巧みな情景描写や状況描写により登場人物に 感情輸入してしまい、何度も目頭が熱くなりました。 また私はこれほどまでに「関係」について書いてある 本はないと思います。前半は人と獣、後半は人と人との関係、あり方を考えさせられました。 特に「人は群れで生きる獣だ。群れをつくっているひとりひとりが、自分がなにをしているかを知り、考えない限り、大きな変化は生まれない。かつて、木漏れ日の当たる森の中で母が言っていたように、多くの人の手に松明を手渡し、ひろげていくことでしか変えられないことがあるのだ。」 このメッセージは戦争、紛争、原発問題などを 現代の所々の問題の解決すべき方向の示唆のように 思われ、非常に感慨深かったです。 確かにこれからの世代をになっていく若者、子供たちに 読んでほしいという意味でもアンデルセン賞受賞が 納得がいく素晴らしい作品でありました。
0投稿日: 2014.11.29
powered by ブクログこの手の話でいつも感じるのは、因習的で前時代的な世界観でみなが動いている世界に、 現代的な価値観を持った主人公が登場すること自体の違和感である。(この点をクリアできているのは、ル=グインくらいしかいなさそう。彼女には、個人を社会との関係で考察するそうした社会学的なリアリティがある。ソシアルサイエンスフィクションと言っても良いくらい) またそうした因習的な世界観も、くずれてしまえばあっけないということは、リアルではあるがファンタジーとしては もう一つ重みが欲しかったようにも思う。でも主人公の葛藤やまわりとの人間関係、いかにも物語的な展開は十分に読みごたえがあったし、おもしろかった。主人公の選択については、「どうしてそっちを選んじゃうかなあ」みたいなのはあって、そうしたところは「物語の展開上、それしかないのか」みたいに思わせてしまうのは、すれた読者だから仕方なかろう。
0投稿日: 2014.11.16
powered by ブクログずっと気になっていて、上橋さんのアンデルセン賞受賞を機に読んでみました。とても面白くて、もっと早く読めばよかったと後悔したのですが、今だからこそ面白く感じられたのかもしれません。人間と生き物の関わりについて、もっと言えば、人間と自然の関わりについて、少女エリンの成長を軸に書かれた物語です。エリンの母はある一族の出身で、その一族は自分たちに禁忌を課して生きてきました。母は一族以外の男性を夫として追放されましたが、禁忌を破ることなく生きて、そして処刑されます。そのときの母の表情や言葉を脳裏に焼き付けたまま、エリンは生き物とかかわりを持ち、深く介入することとなります。そうしなければ生きていけないというような、人間の「業」のようなものを感じました。
0投稿日: 2014.11.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
[ 内容 ] <1> リョザ神王国。 闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。 母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが―。 苦難に立ち向かう少女の物語が、いまここに幕を開ける。 <2> カザルム学舎で獣ノ医術を学び始めたエリンは、傷ついた王獣の子リランに出会う。 決して人に馴れない、また馴らしてはいけない聖なる獣・王獣と心を通わせあう術を見いだしてしまったエリンは、やがて王国の命運を左右する戦いに巻き込まれていく―。 新たなる時代を刻む、日本ファンタジー界の金字塔。 <3> 愛する者と結ばれ、母となったエリン。 ある村で起きた闘蛇の大量死の原因究明を命じられ、行き当たったのは、かつて母を死に追いやった禁忌の真相だった。 夫と息子との未来のため、多くの命を救うため、エリンは歴史に秘められた真実を求めて、過去の大災厄を生き延びた人々が今も住むという遙かな谷を目指すが…。 <4> 闘蛇と王獣。 秘められた多くの謎をみずからの手で解き明かす決心をしたエリンは、拒み続けてきた真王の命に従って王獣を増やし、一大部隊を築き上げる。 過去の封印をひとつひとつ壊し、やがて闘蛇が地を覆い王獣が天に舞う時、伝説の大災厄は再びもたらされるのか。 傑作大河物語巨編、大いなる結末へ。 [ 目次 ] <1> <2> <3> <4> [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
1投稿日: 2014.11.10
powered by ブクログ守り人シリーズより好きかも。どっちも第一作を読んだだけだから、まだこれからってところが大きいと思うけど、期待感って意味ではこっちの方が高い。もっとたくさんの獣が出るのかな、って思ったけど、意外にメインは2種類だけなのかな。これからもっと派手な獣が出てきても、それはそれで面白いけど。何にしても、これからの展開が楽しみ。
1投稿日: 2014.09.26大人にこそお勧めなシリーズ
シリーズを一気読みしました。 これまで気になっていたものの,ちょっと敬遠していました。でも,これは特に大人にこそお勧めです。 アラフィフ男性でも楽しめます。ファンタジーにアレルギーがなければ。 作者あとがきにあるように,I, IIで一旦ひとまとまり,Ⅲ,Ⅳで完結です。
3投稿日: 2014.09.07
powered by ブクログ『守り人』シリーズから入った上橋菜穂子さん。 この主人公はバルサのような大人ではなく、まだ精神的にも幼い10歳の女の子。 その子が14歳になるまでの様々な別れと出会いが物語になっている。 主人公•エリンはどことなくバルサを思わせるものを持った女の子。 カザウム王獣保護場の教導師長•エサルにもバルサの強さみたいなのは感じたかも。 ジョウンの優しさやユーヤンの屈託の無さがさごく良い書かれ方をしていたなぁ。
0投稿日: 2014.07.04
powered by ブクログ異世界リョザ神王国を舞台に、闘蛇と呼ばれる戦闘用の獣を飼育する村に生まれた少女・エリンが苦難に立ち向かっていく姿を描くファンタジー巨編。NHKでもアニメ化されてたそうですなぁ。今まで知らなかったことが悔やまれる面白さ!
0投稿日: 2014.06.22
powered by ブクログ全5巻読了。 (闘蛇編・王獣編・探究編・完結編・外伝 刹那) 漫画の続きが気になり衝動的に購入。 児童書だと聞いてたんですが、字が少し大き目だけど特にひらがなが多いわけでもなく普通でした。 1~2巻、3~4巻でひとつの話。 探究編&完結編は政治などが絡み、暗くて重めな話。 外伝は大人向きな恋愛話で、生々しくて暗い雰囲気の短編集でした。
0投稿日: 2014.06.07
powered by ブクログ最初から最後まで、暗かった。 主人公が危ない方向にばかり進んで行って、 なんだかチャングムの誓いを思い出すような、やばさが続き、読むのが結構つらかった。 2巻目までなんとか読むかな。
0投稿日: 2014.06.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
まず装丁が良い(○´ Д `○) 中身もプロローグからお腹一杯な面白さ。こう、なんか年月をかけた成長を描く話しが好きなんだ、自分はきっと。そんな予感がする物語。 『だから、エリンは、けっして敬語を崩さなかった。ジョウンは、そのエリンの気持ちを、感じていただろうか・・・』 お気に入りは、お母様救出シーンと↑のセリフのくだり。つまりエリンが健気で (ノ_・。)
0投稿日: 2014.05.14
powered by ブクログ昔、NHKでやってたアニメの原作。 番外編も含めて全5冊からなる壮大なファンタジー。 正直女の子が主人公の作品はなんとなくあまり好みじゃないのだけれど、このお話の主人公であるエリンはとっても好感が持てる。 これからどうなるのか非常に楽しみ。
0投稿日: 2014.05.08
powered by ブクログはまれるファンタジーかと思って読んだけど、いまいち。何が自分に合わなかったのかと考えたけど、たぶんキャラクターに魅力が感じられなかったのが一番かも。 作者が文化人類学者だけあって、異世界の生活の描写は細かいなーと思った。
0投稿日: 2014.05.03
powered by ブクログこの本を手にとったのは中1の時でした。 こんな分厚いの読めるかな、と思っていましたがあっという間に読破していました。 とにかく面白く、夢中で読んだのを覚えてます。
0投稿日: 2014.04.30
powered by ブクログ大人も読めるファンタジー小説。闘蛇の村に住むエリンの成長とその周辺で起こる物語。 主人公の心のひだを語り分け周囲の登場人物についても同じように細かく書かれていて話がおもしろいので、思わず一気読み。いかん、もう今感想を書いているが2巻も読んでしまった!
0投稿日: 2014.04.20
powered by ブクログリョザ神王国に暮らす少女とその王国の象徴たる2種類の獣「闘蛇と王獣」の物語。 幻想的な世界観の中、少女の成長を描く王道ファンタジーではありますが、多くの場面においてわかりやすく描写される登場人物たちの心の動きは素晴らしく、読む進めるごとにどんどん引き込まれていきます。 蜂飼いとして過ごす中で、描かれる主人公の“知”への欲求は、一読者である自分の学ぶことへの意識すら変えてくれそうなぐらい、いい感じ。 手元に闘蛇編(本書)だけがある状態で読みましたが、終わり方がずるい。続きが気になるので続巻もいっしょに手元に用意して読むべきでした。そんな訳で結局、すぐに王獣編を読むことになりそうです。
0投稿日: 2014.04.19エリンの世界にどっぷり、一気読み
NHKのアニメでやっていたり、ファンタジー好きの友人から勧めらていましたが、複数巻に躊躇し、トライしていませんでした。しかし試しに1冊買うと一気読みでした。 母の影響から、自然や生き物に親しみと興味を持っていたエリン。少女は母との別れ、新たな出会い、母の面影を感じながら?、 自分の夢に向かって自分の意思をもって進んでいく。 自分の意思で、選択し進んだ先に待っていたものは。。 なにかのセリフですがやらずに後悔するよりは、やって後悔したほうがいいですよね。(エリンは後悔しなかったでしょうが) 作者が最終巻のあとがきで、最初<闘蛇戦><王獣編>で完結した物語だったと語っています。 その後エリンが再び呼吸しはじめ、<探究編><完結編>でき、今度こそ完結したとか。私もこの終わりが好きです。ぜひ最後まで読んでほしいです。
9投稿日: 2014.04.15
powered by ブクログこれぞ日本のファンタジーといえる作品。 児童向けの作品として守り人シリーズが有名な著者による大人向けファンタジー。 小説のあらゆる利点を活かした構成は著者の作品のなかでも特に群を抜いて素晴らしく、生々しい描写にすら命を尊ぶ登場人物の心情が写し出されているほど。 一つ一つの表現への言葉選びや場面転換や視点の切り替えは、繊細かつスムーズでありながら一つの事象をより効果的に浮かび上がらせていて、想像力をフルに掻き立てる構成です。 一人の少女が辿る数奇な人生と、彼女がみせる純粋な知への欲求、そしてその欲求が招く運命への予見を描いた闘蛇編。 読みながら頭に浮かぶイメージを終わらせたくなくて一気読みしてしまう一冊。 個人的には一読だけではもったいない、再読をおすすめしたい作品。
0投稿日: 2014.03.16
powered by ブクログ上橋菜穂子さんの作品は、守り人シリーズに続いて2作目。 守り人シリーズ同様、ぐいぐいと世界に引き込んでくれる。 電車の中などではなく、まとまった時間をとってどっぷり世界に浸りたい。
0投稿日: 2014.03.12
powered by ブクログ非常におもしろい。 すごく悲しくなったり不安になったり、一転してわくわくしたり生きること、学ぶことに希望がわいたり。 読み手の感情の振れ幅が大きい。ファンタジーはこうでなくちゃ。 ひとつだけ気になるとするなら、エリンの母ソヨンがあまりにも理想的に描かれすぎていること。わずか10歳の子どもがいることを考えれば彼女自身もまだ若い一人の女性。義父母や娘のためにここまで不遇の人生を送らねばならないと思うと、それが理想とされる嫁とか母親という存在が重い。無理だな…と思う。 この先の展開で彼女の型で押したみたいな印象が変わってくれたら、この物語は完璧だ。
0投稿日: 2014.03.03
powered by ブクログ人にしつこく進められてほとんど終わりまで読んだけど、一度中断すると手に取る気になれず、いつの間にか数ヶ月経過。 そろそろ諦めて途中放棄宣言しようと思う。 特に先ゆきに興味が湧かなかった。 やっぱり私にファンタジーは向かない。
0投稿日: 2014.02.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昔NHKでアニメをやっていたのをチラ見して、いつか原作を読みたいなと思っていた作品。 とても良質なファンタジーです。 暗い生い立ちを持つ主人公の女の子が、いろんな人に支えられて成長していく王道なんですが、実際のところは群像劇としての要素も強いです。 すごく美しくて幻想的な世界観だと思うのですが、登場人物たちの葛藤が結構リアルで感情を移入できる。 それが、まったくドロドロしたものではなく、きれいなファンタジーに昇華できているのは、この著者のすごいところなのかなぁと。 序盤を除いては、そんなに起伏の激しい物語でもない?印象を受けますが、しっとり進行していくとても読みやすい作品でした。
0投稿日: 2014.02.12
powered by ブクログ大好きな大好きな作家さん。上橋菜穂子さん独自の世界観は変わらず。「ファンタジー」というより、「ものがたり」の世界。 闘蛇衆の父と霧の民である母の間に生まれたエリン。闘蛇の中で最も強い<牙>の世話を任されていた獣ノ医術師であった母が、牙をすべて死なせてしまったことで処刑されることとなり、助けようとするも失敗。エリンの母は大罪を犯し、エリンを助ける。遠く離れたカザルム領で蜂飼いとして暮らすジョウンのおかげで一命をとりとめ、ジョウンのもとで暮らすこととなる。そして、やがて獣ノ医師を目指す――――。 母をとりまく秘密や大罪、そしてリョザ神王国をとりまく政治背景、王獣の秘密、闘蛇の秘密。まだまだ秘密がいっぱいで謎めいているけれど、どんどん物語に引き込まれていく。エリンの才能は母譲りのものなのだろうか。そこにも何か鍵があるはず。 自分の道をみすえ、考えぬいて自分の道を決めたエリンの強さ。エリンを想うジョウンの優しさ。そういったものに惹かれた素敵な話だった。 さあ、続きも楽しみだ!!
0投稿日: 2014.02.08素直に「面白かった!」と答えれれる本です。
久しぶりに異世界ファンタジーものを読みました。 感想は…?と聞かれると「面白かった!」と素直に答える事でしょう。物語に不思議な魅力がありました。 主人公のエリンが持つ好奇心が「なんでも知りたい」という子供時代の自分と重なり、懐かしくもあり、恥ずかしくもあり…。来月は第2巻にチャレンジします。
4投稿日: 2014.01.30
powered by ブクログ文章の表現を勉強するのにいいよと言われて読んでみた本。 が、そんなこととは関係なくすごく面白かった。全部の巻を読んでしまいそう・・。
1投稿日: 2014.01.27アニメ版を知っている人にもおすすめ
アニメ版から入りました。 アニメの内容はⅠ、Ⅱの内容を大幅に追加(アニメオリジナルキャラやイアルとの出会い、設定等違いがある)したものですが、原作は原作で良い感じです。 どうしても違いはあるものの蜂飼いジョウン辺りまで読めば既にどっぷりハマっている事でしょう。 アニメではうまく表現されてない心の動きなどや語られてない部分が補完されます。 大きなストーリーの違いはありませんが、これはこれでアリです。 Ⅰでは、リランとの出会いあたりまでが描かれます。 アニメで見たという人もⅠ、Ⅱを読んでみては如何でしょうか? そして是非Ⅲ、Ⅳと読み進めてください。
1投稿日: 2014.01.26リアルを感じさせるファンタジー
舞台は空想上の大地である。 しかし、この本で描かれている国、人、動物たちは非常にリアルに感じられる。片方を採れば片方を捨てなくてはならないといった葛藤のように、それぞれの持つ複雑さを作者の方が丁寧に描写されているからだと思う。 文章の起伏が小さいようにも感じられたが、引き込まれるように読むことができた。 可能ならば1巻で止めず、少なくとも2巻まで買い、一気に読んだ方が面白さを感じることができると思う。
1投稿日: 2014.01.26
powered by ブクログ全4巻*少女エリンが進むいばらの道にはらはらし、彼女の覚悟にはっと胸を突かれ・・・そのなかで、周りの人々の凛とした優しさにいっとき安堵する。読んでいる間じゅう、心がゆれにゆれて気づけば物語の世界に深く入り込んでいる。
0投稿日: 2014.01.20
powered by ブクログ獣の医術師の母と暮らすエリン。ある日、闘蛇が何頭も死に、母は責任を問われ処刑されてしまう――。孤児となったエリンはジョウンに助けられて共に暮らすようになるが、ある時、王獣を見かけ、虜になる。 一つの生き物として生きていくということ、死んでいくということが目の前にある現実のように描かれている。 蜂の生態一つとっても、架空の「闘蛇」の生態をとっても何かを観察した結果得られたものであるかのようだ。 大好きな母へ抱く思いや憧れ、そして突然の別れ。読みながらも理不尽さに泣きそうになる。
0投稿日: 2014.01.14
powered by ブクログ装丁がとてもきれいで、手に取りました。 内容もとても綺麗で、読みやすかったです。 エリンとジョウンの別れ、ソヨンとの別れ、リランとのふれあいが心打たれました。 一気読みできそうです
1投稿日: 2013.11.16
powered by ブクログリョザ神王国にある闘蛇村に暮らす少女「エリン」の物語。 獣ノ医術師の母と暮らす少女「エリン」ですが、ある日、戦闘用の獣である「闘蛇」が何頭も一度に死に、その責任を問われた母は処刑されてしまいます。孤児になったエリンは、蜂飼いの「ジョウン」に助けられて一緒に暮らし始めますが、そこで、天を翔ける「王獣」と出会います。その姿に魅了されたエリンは、王獣の獣ノ医術師になろうと決意しますが、そのことが、その後のエリンの運命を大きく左右させることに・・・はたしてエリンは、何をしてしまったのか? この本は、エリンの序章にすぎないので、全部合わせて読むことをお勧めします。ぜひ、読んでみてください。 [ペンネーム・リス]
0投稿日: 2013.11.16エリンの旅立ちです。
テレビアニメを見てしばらくしてから書店で紙の本を見つけて読みました。 原作を読むことで、アニメでは読み取れなかったエリンのお母さんの複雑な表情に秘められた思いが胸にストンと落ちる感覚を受けました。 が・・・。エリンのお母さんのような最後を選べるかと問われたら、答えに困ります。
1投稿日: 2013.11.12
powered by ブクログアニメを途中で断念して気になっていたのを読んでみた。 アニメよりサクサク進んでくれて良かった。 それに伴いキャラクターの関係描写があっさり気味なのは仕方ないか。
0投稿日: 2013.11.09
powered by ブクログぐわーーーっと読ませる魅力のある1冊。 まさに序章という感じで、まだまだこれは先がありそうだなあっていうところでおしまい。 すぐに次の本を買いに走りました。笑
0投稿日: 2013.11.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
文庫購入。 以前、図書館から借りて読んだ本。 ネタを知ってるぶん、読み始めたら泣きそうになる。 子供向けじゃない。
2投稿日: 2013.10.29
powered by ブクログ地味だけど、すごい。 NHKでアニメ化されたのも納得。 設定が作り込まれたファンタジーはこんなにも面白い。
0投稿日: 2013.10.13
powered by ブクログこの歳になってファンタジーに手を伸ばすことになるとは…作者の上橋さんとは同い年というところも、なんか照れくさい。 闘蛇編はプロローグなのだろう。これだけの量を決して焦らず、ゆっくりと物語の背景を描き込むことに集中されている筆力と体力に驚き。 本当にゆっくりとした展開で、自分では途中で飽きてしまうかな?と思っていたが、どうもよくあるファンタジーとは、主人公エリンの存在意義が異なるような気がしてきた。闘蛇と王獣という実在しないはずの生き物とエリンとの関係性だけでなく、様々な立場の人間たちの思惑、過去、政治、生き様が、闘蛇と王獣を軸に描かれていく。 不思議だ…いつの間にか二冊目「王獣編」を手に取っていた。 まだ物語は始まってもいない…そんな感覚に、読み進めずにはいられなかった。
1投稿日: 2013.10.04激動のファンタジー歴史巨編
現実には存在しない野生生物が闊歩し、争い渦巻く国家が背景にあるファンタジー。 人間と動物はなぜそこに在(あ)るのか? 決して人間に懐かない神獣と意思を通じさせる主人公は、争いの渦中にいやがおうにも身を投じさせられていく。 主人公がもの凄い運命の流れに飲み込まれていく様が、凄まじいほどに続きを読ませれと促す。 高速で全巻揃えた。
14投稿日: 2013.10.01一気に読めます
悲しい生い立ちの少女が、苦難に立ち向かって生きていく姿が、わりと淡々と描かれていきますが、物語に引き込まれて読む手がとまりません。 1・2巻は少女の成長、3・4巻は大人になった主人公の戦いがメインです。 悲劇のようでいて、生きる希望を感じるような、、不思議な雰囲気のファンタジーです。 中学生ぐらいの時に読んだら、この主人公のような賢い女性になりたいと憧れただろうな。
2投稿日: 2013.09.27面白い!
ファンタジーはあまり読まないけど、評判がいいので購入。あたりでした。主人公の成長と今後の物語が楽しみ。
1投稿日: 2013.09.26良質、硬派なファンタジー
女性の書き手さんに「硬派」というのもおかしいけれど。 ライトノベルにこだわらず、あるいはライトノベルは苦手だけど、ファンタジーが読みたいな、という人に。 のめりこみますよ。 小野不由美さんの「十二国記」シリーズもそうだけれど、なんだか女性の方が「硬派なファンタジー」、書けてる気がします。 どちらの方も、多作ではないのが悲しいです。 1作に込められているエネルギーを思えば、無理もないと思いますけど。
8投稿日: 2013.09.25何度も読み返す大好きな本
書店で初版本が平積みされているときは、残念ながら開いて文章が好きではないなと思い閉じてそのままにしてしまいました。 が、数年後TVアニメ化され、初めて本を手に取りました。 その時から何度も何度も読んでいます。 ハードカバーに始まり、文庫本。電子書籍化されたときは感動でした。 読者に人間社会について考察させつつ、賢い少女が悩みながらも明るく成長していくこの物語が大すきです。 外伝の刹那はまだ電子書籍化されていませんが、1~4巻すべて素敵なお話です。
6投稿日: 2013.09.24
powered by ブクログ獣の医術師の、母と暮らす少女エリン。ある日、戦闘用の獣である、闘蛇が、一度に何頭も死に、その責任を問われた、エリンの母は、処刑されてしまう。孤児となったエリンは、蜂飼いのジョウンに助けられ、いっしょに暮らすことに。そんなとき、エリンは、天駆ける美しい獣、王獣を目にし、心を奪われる。 目の前で、母を処刑されたエリンだが、ひどく傷つきながらも、強く、賢く育っていく。その姿を、美しい大自然と、優しいジョウンが、見守る。ところが、王獣の存在が、その後の、エリンの運命を、大きく変える。
0投稿日: 2013.09.16
powered by ブクログ獣ノ医術師であり、大公の宝である闘蛇の中でも最強の〈牙〉の世話を一手に引き受ける母と闘蛇衆の村で暮らしていた十歳の少女・エリン。周囲の村人との疎外感を感じながらも、母がいれば幸せだった。 しかしある日、突然全ての〈牙〉が死に、原因は判らぬまま、その責任を問われた母は処刑されてしまう。 孤児となったエリンはひとり隣国に逃れ、蜂飼いのジョウンとともに暮らすようになるが、蜂を追い訪れた山中で、巨大で恐ろしい闘蛇でさえ食らい尽くす美しい野生の王獣と出会い、その姿に魅了される。 決して人に馴れず、馴らしてもいけない獣とともに生きてゆく。それは、いつか運命を変える出会いだった──。 ファンタジーですが、登場する人間の中身は嫌になるほどリアル。でもこのリアルさが、物語に血肉を与えている。ファンタジーは苦手、と言う人に読んでみてほしい本。
0投稿日: 2013.08.01
powered by ブクログ評価は王獣編にて とても読みやすいけど児童小説と感じる 意外に政治や権力闘争なんて話が絡んでくるのに なんでだろう?
0投稿日: 2013.07.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ファンタジーは普段あまり読まないけど、この話はとても読みやすくて、読んでいくとどんどんと続きが気になって、あっという間に読み終わった。 話としては、闘蛇と呼ばれる獣(蛇のような竜のような生き物)の医療術師を母にもつ女の子エリンの物語。 ある時、この母が世話をしている闘蛇が次々と死に、その罪に問われて刑に処される。この時、エリンは自らの命を危険に晒してまで母を助けようとするが、母は娘を助けるためにある「大罪」を犯す。母の行いによって難を逃れたエリンが外の世界に飛び出していき、そして、自らの疑問や母が犯した大罪とは何なのかを求めていくという感じ。 まだ第一巻なので話はまだまだ序章という感じやけど、後半では物語の核を担うであろう獣の王獣が現れたりで、続きが早く読みたいという思いに駆られる。
0投稿日: 2013.07.08
powered by ブクログ恥ずかしながら、上橋さんの作品は未読でした…ファンタジー好きなのに! 霧の民の特徴である緑の瞳を持つエリンは、闘蛇衆の皆から冷遇されていた…あるとき、母は「牙」を死なせた責任として処刑にかけられ、巻き添えになったエリンを救うため禁を犯す… 瀕死のエリンを拾い、我が子のように育ててくれたのは養蜂家のジョウンだった… 「闘蛇編」は母とエリンの、またジョウンとエリンの絆を強く感じる。王獣についてもまだ詳しくは描かれない。先が気になる…!
7投稿日: 2013.07.06
powered by ブクログ小野不由美の十二国記が大好きで荻原規子の勾玉三部作にどっぷりはまり・・・ときたらもう上橋菜穂子は外せるわけがない(笑) 守り人シリーズにいこうと思ってたんだけど、表紙に惹かれこちらに。 間違いなく面白い。 ファンタジーというとそれだけで拒否する人も多いけど本当に勿体ない。 世界設定がしっかりしていてキャラがきちんとできていればどっぷり浸れること間違いなし。 闘蛇編はエリンとジョウンの暮らしがキラキラしていてとても暖かい。 いろいろあった上での生活だけど幸せな気持ちになれる。
1投稿日: 2013.06.19
powered by ブクログ続き物の一つ目にもかかわらずすでに面白い。 ガシガシ読んで2冊めに突入。 基本的に暖かい感じなのが良い。
0投稿日: 2013.06.19
powered by ブクログ獣の奏者1。闘蛇を飼育する村で育ったエリンという少女が、母と同じ医術士を目指すまでの物語。 母との壮絶な別れ、蜂飼いのジョウンとの穏やかな暮らしなど、物語にメリハリがあり、貪るように読んでいると、いつの間にか何とも言えない世界観にどっぷりつかっていた。
0投稿日: 2013.06.13
powered by ブクログ獣が出てくること、ファンタジーであることもあって 過激な描写も少なくないので、怖いと感じる人もいると思う。 私自身、普段はあまりファンタジーは読まず、現実的な 設定のお話をよく読むので、新鮮なテイストだった。 舞台が“現代”でも“日本”でもないので、日常とは切り離され 物語の世界観にどっぷりとハマりたい人におすすめしたい。 主人公・エリンの名前は“野生のリンゴ”という意味があり、 カタカナ言葉が多いお話ではあるけど、神話的な部分も 感じられるのが、独特の世界観を演出していて魅力的◎
0投稿日: 2013.05.26
powered by ブクログ闘蛇という獣を戦闘のために育てる村で、闘蛇の世話をする母とともに少女エリンは暮らしていた。 闘蛇の大量死をきっかけに母は死罪となるが、助けに来た娘の命を救うため、ある禁じられた技をエリンの目の前で使った。 つらい過去を抱えながら、母と同じ獣の医術士を目指すエリンを応援せずにはいられない。
1投稿日: 2013.05.18
powered by ブクログどんなに過酷な運命にさらされようともその人の裡に押さえようもなく何かへと向かってしまう熱量のようなものがあり、それは純粋であればあるほど何かを巻き込み、暴き、今までと違うところへ連れて行ってしまう。その熱量を胸に抱えたまま寡黙に運命と戦うエリンがとてもいとしい。
0投稿日: 2013.05.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
壮絶な母と娘の助け合いで始まる。 娘は母を助けようとし、 母は娘を助けるために禁を破る。 壮絶な始まりの後に、のどかな風景が広がる。 蜂飼い。 10歳で大人になる試練を超えた者は、 いくつになっても職業意識が崩れることはないかも。
0投稿日: 2013.04.30
powered by ブクログファンタジー小説。とても評判が良いのも頷ける傑作。 大罪を犯した母と別れ、人生が大きく変わってしまった少女の物語。好奇心旺盛で思慮深い少女エリンは、闘蛇と呼ばれる獣が存在する世界で、恩人の蜂飼いのジョウンらと出会い、母と同じ獣ノ医術師を目指す。 文庫版全4巻の第1巻。登場人物の性格、世界観がしっかり描かれていて読者は全くの異世界に飛び込むことができる。期待と不安と驚きと憎悪が入り混じった良作。
0投稿日: 2013.03.31
powered by ブクログ会社の後輩Mちゃんにお勧め頂いて。 ファンタジーなのだけど何処か身近で、世界にスッとはいれました。 エリンが好きです。 続きが気になり早々に次巻へ♪
0投稿日: 2013.03.28
powered by ブクログNHKのアニメで観ましたが、いつか原作を読んでみたいと思っていました。エリンの母のソヨンに対する理不尽で残酷な仕打ちは、改めて読んでも辛くなりますが、その後、エリンが出会う人たち、なかでもジョウンに救われます。それにしても、よくこれだけ壮大な世界観を作り上げることができるな~と感心。でも、その反面、サイ・ガムル<血と穢れ>とかセ・ザン<堅き盾>とか、耳で聞いてもなかなか馴染みにくかったのですが、やっぱり文章のほうがわかりやすいですね。次はいよいよ王獣編。楽しみです。
0投稿日: 2013.03.16
powered by ブクログどこか、こことは違う世界の物語。 主人公エリンの母親が世話していた「闘蛇」と呼ばれる生き物の異変から始まる物語。 児童書とも冒険物語とも言い難い、大人が読んでも十分に楽しめて、ぐいぐい引き込まれるファンタジーです。 細部に渡って物語世界の設定がしっかり組んであるからか、読んでいて抜群の安定感。この手の異世界モノにありがちな、変な矛盾が感じられない。 文庫は全4巻。じっくり読みたい。
0投稿日: 2013.03.11
powered by ブクログ面白い!!こんなすごいファンタジーだったとは…もっと早く読んでれば良かった!けど、兎に角この本に出会えた事に感謝。 「獣の奏者」という題名だけを見た印象で、女の子が獣を操る力を持っていて、それで冒険に出たり戦いに巻き込まれて行くのかな、と思ってました。 序章では、そのイメージが壊される事もなかったんですが、一章、二章と読み進めるうちに、見事に打ち砕かれ、いつの間にかページをめくる手には力が入っていました。 この物語は、私の想像なんかよりはるかに巨大でした。ごめんなさいと謝りたいくらいです。 "この世に生きるものが、なぜ、このように在るのかを、知りたいのです。" 生き物が好きな人なら、絶対に胸をつかれることばかりだと思います。 私もまだ1巻なのに、人と生き物の関係について色々考えさせられました。 これからエリンが、どんな答えを見つけていくのか楽しみです。
3投稿日: 2013.03.11
powered by ブクログ途切れ途切れに読んでも、読み出したらすぐに世界観が蘇る。 エリンの気持ちや見ている風景が、すぐ近くにあるような感じです。 続きがとっても気になります。 早く次を読みたい!
0投稿日: 2013.03.05
powered by ブクログ世界観が綺麗に思い浮かべられるファンタジー。 闘蛇編は冒頭の壮絶な別れがまず泣ける。ジョウンとの日々はとても心温まる。終盤にはその後に続くドラマへゆっくりつながっていく話の流れがあって、読みやすかった。 自然の風や生き物の臭気を感じるような文体と、人々の強い意志が織りなすドラマにとても引き込まれた。
0投稿日: 2013.03.03
powered by ブクログアニメから入ったお話だったのですが、アニメでは表現しきれなかった上橋菜穂子さんの独特の世界観に一気に引き込まれ、次の日には2巻を求めて本屋を尋ねる自分がいました。
0投稿日: 2013.02.26
powered by ブクログ内容を一回読んで知っているのにも関わらず、あっという間に読んでしまい、続きをうずうずして我慢できなくなり、夜中なのに次巻を探してしまいました。(見つかりませんでしたが) アニメ化されるのも頷けるほどの魅力がある本です。
1投稿日: 2013.02.06
powered by ブクログ【読了】10年くらい前の "守り人シリーズ" 読んどったときのわくわく感が懐かしくなっての上橋ファンタジー作品.相変わらずのわくわく感.残り3巻たのしみー!!!
0投稿日: 2013.02.02
powered by ブクログ禁忌を破り,そして自らの死と引き換えに娘の命を守った母.九死に一生を得た少女エリンは過酷な運命に立ち向かっていく.守り人シリーズで有名な上橋菜穂子さんの作品.こちらも守り人シリーズに負けず,抜群に面白い.さすが日本屈指のファンタジの巨匠.明日は続きを買いに,朝一で本屋に行かなきゃ>w<
0投稿日: 2013.02.01
powered by ブクログ「何この世界感!」と言うフォロワーさんのレビューに惹かれ手に取りました。 私も言います。「何だ、この世界感!!」 数年前にNHKでアニメ化されていた。その程度の認識で読み始めましたが、いきなり1ページ目でいきなり生温かい獣の臭いを感じドキリとする。 難しい事は分かりませんが、読んでてスッっと沁み込むような描写です。 匂い、温かさ、風、手に触れた感覚。 読了後、そう言ったものを感じながら読んでいた事に気が付きました。 背景の説明に物語のスピードが落とされる事も無く、どちらかと言うと説明的なことに気が付かない。 アニメ化で、ストーリーは知らないまでも、エリンや闘蛇、王獣の映像となったキャラクターは目にしたことがある。子供向けのファンタジーと思い込んで読んだところ、すっかりストーリーに引き込まれてしまいました。 この闘蛇編は、夢を見て竪琴を取りに王獣舎を飛び出す所まで。 「この展開でココで切るのかよ!」と文句を言いながら即、王獣編を手に取る。
1投稿日: 2013.01.25
powered by ブクログ王獣がカワイー!! 守り人シリーズがよかったので 獣の奏者も・・ と思ったら 一気に読めるおもしろさでした^^ 個人的には 守り人シリーズよりも こっちのほうが 中だるみ感もなくて好きかな? ま 守り人シリーズは長いからね^^ あとがきにも書いてあるけど 文庫本4巻ありますが 前2巻・後2巻の2部構成になってて 前編のみでも一応話は完結しているらしいので ファンタジーはちょっと・・^^; という方もだまされたと思って 2巻まで買って読んでみるとよろし (^O^)v
0投稿日: 2013.01.14
powered by ブクログ4部構成の長編の第1作。 独特の世界観の中でとてもテンポよく物語が展開していく。 語りには、現代とは全く異なる世界設定への解説のようなものが全くなく 所々の単語にそっと添えられた括弧での注だけですごく気持ちよく読める。 心を引き寄せられ、気持ちよく読み切ることができた。
0投稿日: 2013.01.09
powered by ブクログずずずーっと半日で読んでしまった。 いわゆるエンタメ系の本は感想を書くのが途端にむずかしく感じる。 続編が何巻もあることだし、いちいち立ち止まって振り返るよりかは一気読みしたその「読後感」だけでもって語るほうが、こういう本の意にかなっているようにも思う。 けどまあいちおう。 霧の民の血をひくエリンは獣を操る不思議な能力がある(と思われている)。母は獣の医者だったが、闘蛇を死なせてしまった責任をとわれ処刑されてしまう。間一髪のところで母に逃がしてもらったエリンは川をくだり、蜂飼いに育てられる。成長につれ母の面影を追うように、エリンも獣の医者を志す。 蜂飼いのくだりが好きだな。牧歌的で。 エリンが蜂の習性の不思議にどんどんのめり込んでいくところは、「たしかにたしかに」と一緒に共感しながら、いつの間にかこのファンタジーな世界に連れ込まれる。
0投稿日: 2013.01.07
powered by ブクログあまりファンタジーは読まないのですが、評価が高かったので読んでみました。 びっくりした。何この世界観。はまる。 登場人物が少し多めなので、名前を覚えるまでは、人物紹介のページといったりきたりしましたが、覚えたら早い。 完結編までもう出てるのがありがたい。一気読みです。
0投稿日: 2012.12.21
powered by ブクログ霧の民の子孫であるが闘蛇衆の中、母の背中を見て育ってきたエリンが、ある事件から闘蛇衆から離れることになる。流れ着いた先では養蜂を行っているジョウンに育てられる。そこで様々なことを学んで成長していく。 もの悲しげであるがやさしいお話である。
0投稿日: 2012.11.30
powered by ブクログ独自の世界観を構築する上橋菜穂子ならではの作品。 エリンの強さ。貪欲なまでの知識欲。曲げない信念。 すべてが愛しくなります。
0投稿日: 2012.11.06
powered by ブクログエリンが知識を自ら吸収し、生き物のあり方や疑問を疑問のままにさせないことへの行動力に尊敬。こうやって生きれるならいきたい
0投稿日: 2012.11.06
powered by ブクログ母が残酷に殺され、一人で生きていかなくてはならなくなったエリン。生き物はなぜかくあるのか、心震える。
0投稿日: 2012.10.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
NHKでアニメ化もした作品です。 主人公エリン知的欲求が盛んで、蜂飼いのジョウンの元でいろんな知識を得ていくさまがとても面白かったし、羨ましかったです。 私も小さいころに、受け身でなくいろんなものに興味を持っていればよかったなあとしみじみ思いました お話の展開的には、タイトル獣の奏者っていうくらいだし主人公だけすごい獣を操れちゃったりするんだろーって思いながら読んでいたので、特に心動かされることなくスラスラと読みました笑 それでもやっぱり面白かったです。
0投稿日: 2012.10.27
powered by ブクログ一巻はまぁまぁかな。読みやすいのですらすらページをめくれました。 この本の前に読んだ別のタイトルが面白すぎて、個人的にこの巻は普通なレベルに落ち着いてしまいました。 でも名作らしいので次巻も読んでみようと思います。
0投稿日: 2012.10.24
powered by ブクログ全く架空の話なのだが、闘蛇や王獣が自分の中ではっきりとイメージすることができた。 正しい道とは何なのか、ファンタジーの世界の中でも考えさせられた。必ずしも主人公だけが正しいとは思わせないところが良かった。
1投稿日: 2012.10.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
児童文学 ひたすら続く勢いある展開に目が離せない。 エサルも母親と同じ言い回しをしていたし霧の民と親交があるのだろうか。 準主人公になりそうな人物もたくさん出てきたしどう彼らがかかわり合っていくのかが楽しみ。 妹蔵書
0投稿日: 2012.10.22
powered by ブクログアニメでやっていたのは知っていましたが、文庫本を読むまでまさかこんなに引き込まれる物語だとは思っていませんでした。続きが楽しみで王獣編もすぐに買ってしまいました!!
1投稿日: 2012.10.16
powered by ブクログファンタジーものの最高傑作だと思う。 年齢関係なく読むことができて、その世界は時にきらきらし、時に薄暗くなる。その空気感を肌で体感しているような感覚に陥る。 この世界には自分は決して生きられないだろうけど、こんな風に命をかけてできることがあるっていうのは幸せなのかも…
1投稿日: 2012.10.11
powered by ブクログ【再読】わくわくするなぁ。引き込まれる。少女エリンが、ジョウンのところで育っていくのがすごく好き。知識ぐんぐん吸い込むんだよね。どんどん大人になってゆくエリンが見れます。
0投稿日: 2012.10.08
powered by ブクログうわー、やっぱり面白い。 分厚いのに先が気になってどんどん読めてしまう(電車乗り過ごしました・・・)。 幼い少女エリンの波瀾万丈の人生の幕開け。 「生き物がどうしてこのように在るのか知りたい」という少女の思いはやがてある獣との出会いによって、国をも揺るがす事態になっていく。 エリンの想い、一族の掟、政治的な思惑などが絡み合い、話はどんどん大きくなっていく。 読み応え充分です。
0投稿日: 2012.10.08
powered by ブクログ上橋さんの作品はぐいぐいくるおもしろさがある。世界観にも自然と入っていけるし、登場人物が、なんか正直に生きてるなぁ、という感じ。 これから先にも期待。
0投稿日: 2012.09.23
powered by ブクログ闘蛇編は主人公エリンの幼いころのお話です。 闘蛇村での母との暮らしから悲しい別れ、恩人ジョウンとの生活まで 描かれています。 児童文学という枠を超えてみんなに読んでもらいたいです。
0投稿日: 2012.09.23
powered by ブクログ本書『獣の奏者』(全四巻+外伝一巻)は、今まで読んだ小説中最高峰だと断言できる。 このことは後生、変わらなさそうだ。 ページをめくるほどに高揚感と緊迫感を伴う主人公エリンの危なっかしくも真っ直ぐな生き方からは容易に目を離せず、次々と示される人の温かみと利己心・非情さに心は揺さぶられっ放し。 また、随所に見られる情景描写と心情描写の妙に呑まれること度々。 何より、日本人として母国語でこの物語に出逢えたことを有難く、かつ誇りに思う。
0投稿日: 2012.09.13
powered by ブクログアニメでちらっと見たことがあり,どんな話か気になっていたので購入。大人も買いやすい綺麗なカバーです。ジョウンの思いやりがすごく好きです。
0投稿日: 2012.09.13
powered by ブクログ今回も出会えたファンタジーの傑作。 エリン。 好奇心と探究心の狭間に生きる孤独を背負った主人公。 この子の成長とともに進んで行く物語。 哀しみに相対しながら生きるのはなんて辛いんだろう。それでも、生きていれば数多くの貴重な一瞬に出会える。 爽快痛快ファンタジーではないけれど、どんどん読み進めたくなる作品だな。 続きにさらなる期待を込めて星4つ。
0投稿日: 2012.09.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
文庫3・4巻がでたので早速買ったのだけれど、 なんか1巻から読みたくなったので再読。 やはり、いい。 もう、ぐんぐん読める。おもしろい!! エリンの、小さなことに気がついて生まれた疑問に対し、 真摯に答えをみつけようとする姿勢に驚嘆。 つーかそもそも私は「なぜ}と思うこと自体ないわ~。 ただそーゆーもんって見過ごしてしまう。 でもエリンは違う。 彼女にとって目にみえるもの、聞こえるもの、あらゆるものが 不思議に満ちているのだろう。 なぜ、生き物がそう在るのかを知りたい。 一瞬、考えることはある。なぜ、どうして?? でもあまりに漠然とした、答えがあるかどうかも分からない疑問は 日常にまぎれていって、どこかへ消えてしまう。 でもエリンはそうじゃない。 彼女のその一途さは、すごいと、思うと同時に、 ある意味オソロシイものでもあるのかも。 王獣、と関わってゆくからには特に。 1巻はまだ序章、とゆー感じだな。 もし王獣ではなく、ただのちょっと珍しい生き物との話だったら、 動物と心を通わせるほのぼのとしたストーリーと、なったのかもしれない。 でも、そうじゃない、国単位で大きな意味をもつ、生き物。 だからエリンと王獣との関係だけで話は収まらない。 その国のさまざまな人の思惑も入り乱れ、その中でエリンがどの道を 選ぶのか。そしてその結果何が起こるのか。 2巻までの話はもう読んでいるのだけれど、もう一度読みながらどきどきしよう!
0投稿日: 2012.09.10
powered by ブクログこれは久しぶりにワクワクするファンタジーに出会えたと思いました。 十二国記以来かなと。 続きが気になるあまり、闘蛇編のレビューをする前に王獣編を読み終えてしまいました。 ファンタジーは得意ではないのですが、この本は導入部から簡単に入り込めました。 大人になってから固くなってしまった頭でも、この世界に自然と足を踏み入れられた時点で私はこの国の虜になったのでしょう。 胸を張ってお勧めしたい本となりました。 2012.09.10
1投稿日: 2012.09.10
powered by ブクログリョザ神王国の大公領内、闘蛇を操る人たちの村で育った エリンを主人公としたファンタジー。 獣の医術師として優れた母を尊敬し、幸せな日々を過ごしていた エリンだったが、ある日大事な闘蛇たちが急死してしまう。 しかも、その死の責任を全て押し付けられる形となった母は ひどい処刑を受けることになり・・・ そして、エリンにとっての新たな人生が始まっていく。 見知らぬ地での生活、良き人たちとの出逢い、王獣との出逢い。 母の死を乗り越えるため、そして、ずっと疑問に感じていた事の 答えを知るためにエリンは奔走する。 全部で4冊のシリーズ。 物語の始まりとなるこの一冊もかなり面白いです。 適度なスピードの展開とエリンの成長が 読んでて心地よくてどんどんページをめくってしまう。 やはり残り2冊が文庫化されるのを待って一気に4冊買ったのは 正解だったな。残り3冊もどんどん読んでしまいそうです。
0投稿日: 2012.09.05
