ゆきおんなさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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偉大なる、しゅららぼん
万城目学 / 集英社文庫
琵琶湖を大切にしたくなりました。
40
読み進めていくうちに、どんどん頭の中で映像が出来上がって、あっという間に読み終わりました。
びっくりして、ハラハラして、ちょっと切なくて、すっごく嫌な人も出てくるけど、でも、本当は優しかったりするんで…す。
ラストは、あっ来た― という感じで嬉しくなります。物語は終わっているのにワクワクします。
どんな迫力ある作品になっているのか映画を見るのが楽しみです。 続きを読む投稿日:2014.04.10
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イニシエーション・ラブ
乾くるみ / 文春文庫
皆さんは誰の味方ですか?
31
「必ず二度読みたくなる。」との言葉に惹かれて読み始めました。
読みながら何となく違和感のある言動に???と思ったり、途中から何だか変わっちゃったなぁ~と感じながら読み進めましたが、やはり最後にえっ?と…なりました。
でも、あっそういうことかと途中の???の部分もすっきり納得して、ネットの騙されたあとのいろんな感想を見てちょっとびっくりもしました。
個人的には誰の味方もしませんが、幸せになってほしいなと思っています。
世の中、知らない方が幸せなことってたくさんあると思いますから・・・。 続きを読む投稿日:2014.07.07
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神様の御用人
浅葉なつ / メディアワークス文庫
黄金様をモフモフしたい。
29
黄金様とは狐神のことです。
何とも美しい毛並のようで思わず抱きしめたくなります。キャラ的にも魅力にあふれ、主人公・良彦とのやりとりがとても微笑ましいです。
太古からの神様が出てくるのですが、名前が読…めない・・・。初登場の時のふりがなを後半まで記憶できない自分が悲しかったですが、物語はとてもユーモラスで楽しく読めました。
面白いお話ですが、日本人の神や仏への都合のいい接し方には、少々耳が痛いところがありました。反省し、子供たちに伝えていくべき大切な事がたくさんあったように思います。
続きがあるようです。書店では3巻が並んでいるのも見かけました。早く電子化されるのを待ちながら2巻を買わなくちゃと思っています。 続きを読む投稿日:2015.02.14
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ジョーカー・ゲーム
柳広司 / 角川文庫
スパイの本質を見ました。
21
日本版ミッションインポッシブルかな?と思いながら読み始めましたが、予想に反して、とても静かな印象を受けるお話が多かったように思いました。
「これは、俺にしかできない。これぐらいのことできて当たり前だ。…」と当然のように思っている天才がたくさん出てきます。普通なら、鼻持ちならない奴らですが、常人の域を超えてしまっているからでしょうか、すごくカッコいいのです。
人としての感情をそこまで切り捨てていいのかと思うところがたくさんあって、少しさみしい感じもしました。潔いと言ってしまえばそれまでなのですが、・・・何とも言えない感じです。
最後の終わり方はちょっとほっとしたような、胸が締め付けられるような複雑な思いがしましたが、とても素敵なラストでした。
映画化されるそうですが、アクションの少ない原作がアクションたっぷりの映画になるようですね。
すばらしい原作が映画化されるたびにがっかりすることが多かったので・・・ちょっと心配です。
続きを読む投稿日:2015.01.24
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ドミノ
恩田陸 / 角川文庫
忙しいお話
14
特定の主人公がいない、ものすごく賑やかなお話でした。
キャラの濃い登場人物が大勢いて、場面がくるくると変わりながらも、収まるべきところへ収まっていきます。
個人的には子役の女の子達の部分が一番好きです…。心の葛藤や乗り越えたときの喜び、本当の友との出会いを予感させる淡い光が感じられてよかったです。
面白いお話でしたが、主人公の心を深く掘り下げて追いかけたい人には向かないかな?と思いました。
映画にしたら華やかで賑やかで、えっそれで?と思わせるラストになりそうです。 続きを読む投稿日:2015.06.22
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よろこびの歌
宮下奈都 / 実業之日本社文庫
悩める乙女達の物語です。
12
自分が高校生だった頃、こんなにいろいろ考えてたかなぁ?と思いました。
皆が様々な事情を抱えて押し隠して何事もないようにさらっと過ごそうとしている姿が苦しくて切ないです。合唱に関わることで、本当は変わり…たいと思っているはずの自分を見つけて、葛藤していく彼女たちを応援せずにはいられませんでした。後半は涙で本が見えなくなっちゃいました。
彼女たちの『麗しのマドンナ』に心がふるえる瞬間を味わってみたいです。 続きを読む投稿日:2015.10.07