み完成人さんのレビュー
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土漠の花
月村了衛 / 幻冬舎文庫
ノンフィクションではなく小説
0
自衛隊、ジブチ、ソマリア、ゲリラ等、
そんな言葉が、無意識に
小説ではなくノンフィクションのごとく
読者を小説の世界へと誘なう。
それだけ臨場感溢れる現実味を帯びた
小説でした。
「この小…説はフィクションです。」
って後書きに書いてほしいほど・・・ 続きを読む投稿日:2019.08.17
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新釈 走れメロス 他四篇
森見登美彦 / 角川文庫
大学生だった頃の自分にもどって読みました
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過去の名作が、
現代の京都を舞台とした連作短篇集風に
アレンジされていて、
楽しく読書の時間を過ごせました。
小説ほどではありませんが、
自分が大学生の時って
一風変わった奴が何人もいて、…
今思い起こせば、
小説並みに面白い時代だったなあ
って、ちょっとノスタルジックに
なりました。 続きを読む投稿日:2019.08.17
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ジェームズ・ボンドは来ない
松岡圭祐 / 角川文庫
直島に行きたくなりました
1
実話を元にした小説。
それ故に、故郷を愛する人たちの織り成すドラマが
切なくも説得力をもって心に響いてくる。
いつか直島に行ってみたいなあ。
そして自分の故郷をもっと誇りをもって
語れる人間…になりたいなあ
そう思いました。 続きを読む投稿日:2019.08.17
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南青山骨董通り探偵社
五十嵐貴久 / 光文社文庫
自分も若い時に同じようなことを言われてドキリ
4
「先が読める」と思って
「つまんないかも」と思っていたら
「え!? で、真相は?」と
二転三転する展開に、
良い意味でズルズル読み続けました。
ラスト、作者である五十嵐貴久氏の
職業観?のようなセリ…フが出てきて、
「そうだよ! オレも似たようなセリフを言われて
今の職業を続けていこうと決めたんだよ!!」
って、昔のことを思い出しました。
50歳になった今は、
今度は自分が、そのセリフを若いもんに
言うべき時が来たなぁって、
しみじみ…思いつつ、
日本酒を ちびちび…飲んで
読後感に浸っています 続きを読む投稿日:2017.05.06
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ぐるりよざ殺人事件 セーラー服と黙示録
古野まほろ, 九条キヨ / 角川文庫
可憐な女子高校生たちの驚愕推理
7
単行本での取り扱いが終了となり、文庫本での発売となっていたので再投稿です。(単行本の表紙のデザイン方が良かったな~と思うのは前作と同様です。)
「セーラー服と黙示録」シリーズ第2弾です。
ページ数が…前作の約2倍!でちょっとビビりましたが、鬱墓(うつはか)村という空間的時間的に閉じられた世界とその設定の作り込みの緻密さ、そこで起きる殺人事件の謎に惹かれて、寝食を忘れるほどに読みふけってしまいました。
フーダニットの島津今日子、ハウダニットの古野みづき、ホワイダニットの葉月茉莉衣の3人の女子高校生による三位一体の推理は 前作同様、圧巻!の一言。残忍な殺人事件のなかにも、もの悲しさ、抒情性を感じる物語でした。
冷静に考えれば、かなり深刻で陰惨な状況であるにもかかわらず、時折出てくるアニメやゲームネタに思わず苦笑、微笑、爆笑。困ってしまいましたよ。私が拾えたのは、ファーストガンダム、ガンダムSEED、エウレカセブン、ドラクエ、マクロス、スタートレック、エヴァンゲリオン、宇宙戦艦ヤマト・・・ もっとコアな人には もっと拾えたかもしれませんが、少々自己嫌悪を覚えました・・・(知らなくても、推理の過程に何の支障もありません。)
前作が冬に対して今作は春。時間軸が戻っていますが、聖アリスガワ女学校という架空の世界観と登場人物を把握しておいた方がすんなり入れると思うので、前作を先に読むことをお勧めします。
キリスト教と三河弁に詳しい方、横溝正史氏の「八つ墓村」を既読されている方、そして何よりも有栖川有栖氏の小説を愛している方には、もっともっと楽しく読める小説であること間違いなしです。 続きを読む投稿日:2017.04.30
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六番目の小夜子
恩田陸 / 新潮文庫
小夜子 という名の「青春」
8
16年程前にNHKで放送されていたドラマの原作です。(栗山千明さんが演じていて、なんてきれいな娘だろうって思いましたが)当時はまだ読書に目覚めていなく、恩田 陸さんの小説が原作だとか、これが作家デビュ…ー作だとかを初めて知りました。
思春期の頃って、個を確立する時期っていうか、確立したいけれど学校という同一集団の中で同じ制服を着て日々決められた、与えられた時間を過ごさなければならないジレンマがある一方で、皆と同じであることの安心感もあるわけで・・・
そんな、あやふやでも心地よくて、でも時には気味悪かったり、攻撃的に反抗したりして、そんな子どもでも大人でもない、不器用ながらも懸命に自分の生き方を確立しようとする、模索している10代後半の若者たちの物語です。
謎は謎のままですっきりしないところもあるのですが、そのすっきりしない読後感が、過ぎ去りし青春の時を呼び覚まし、しばし気持ちだけは10代後半に戻れたと、40代後半のおっさんが思える―――そんな小説でした。 続きを読む投稿日:2016.06.25