み完成人さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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空飛ぶ広報室
有川浩 / 幻冬舎文庫
考えさせられました
231
職種や職業で、人を記号として扱うことの醜さ、傲慢さ、無責任さについて考えさせられました。
そこで働いている人たちをひとくくりにして、安易に批判することの愚かさも知りました。
学校教育やマスコミでつくら…れた偏見って、けっこう自分の中にもあると気づかされました。
あとがきを読むと、本当は2011年夏に発行予定だったそうですが、「3.11に触れないまま本を出すことはできない」という著者の意向を汲み、2012年夏に発行されたとのことです。
そんな著者の強い思いが込められ、書き下ろされた『あの日の松島』が、この物語に更なる感動を与えています。 続きを読む投稿日:2013.12.29
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ペンギン鉄道 なくしもの係
名取佐和子 / 幻冬舎文庫
ペンギンにほっこり 癒されました~
15
タイトルに惹かれて購入。ペンギン好きなので。
ペンギンが喋るでもなく、切符を切るでもなく、ファンタジー小説ではありませんでしたが、何故ペンギンが駅に? しかも電車に乗って、乗継もしちゃうし。
遺失物保…管所の赤毛の駅員さんと、そこに訪れる人たちとのお話。季節を舞台にした4つの連作短編集です。それぞれ自分のなくしものを探す「ちょっといい話」なのですが、ストーリーが出来過ぎというか、創られ感を感じてしまった。自分的にはリーダー初の★2つかな?と思いきや、最後の章で全てがつながり、ペンギンの秘密もわかって なかなかに素敵なお話だったという印象で★3つ
ペンギンの愛らしさと、発車ベルがあの名曲「SWEET MEMORIES」だなんて、粋な鉄道会社だな~ということで★4つ 続きを読む投稿日:2015.02.11
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午前零時のサンドリヨン
相沢沙呼 / 創元推理文庫
ニュートリノは思春期の男心も通過する
12
ミステリー好きの草食系男子高校生と、美人だけど一人でいることを好む寡黙な女子高校生との純粋な恋愛小説でもあり、
実は彼女は凄腕のマジシャンで、高校生活の日常の謎を抜群のマジックテクニックを駆使して解決…していく、青春ミステリー小説でもあります。
男子高校生を語り手として、一人称の文体で話が進んでいきます。好きな女の子の気を引きたい、友達になるきっかけを作りたい、そんな青春の時代が自分にもあったなあ、この作家さん、シャイな男心を描くのが巧いなあ、いやいや、それ以上に、思春期の少女たちの描き方にはまさに脱帽。恋愛のみならず、友達関係や進路のことで悩み多き高校生たちの揺れ動く心情が、マジックによる日常の謎解きと上手くマッチングしていて、楽しく読めました。
1番ビックリしたのは(読後にネットで知ったのですが)、著者の相沢沙呼さん、てっきり女性の作家さんかと思っていたら、男性の作家さんだったこと。読後に襲った最大のミステリーでした。 続きを読む投稿日:2015.05.04
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合本 竜馬がゆく(一)~(八)【文春e-Books】
司馬遼太郎 / 文春e-Books
もっと若い時に読んでおくべきだった・・・(再レビュー)
12
昨年6月か7月に「竜馬がゆく 全8巻セット」にレビューを投稿したのですが、いつの間にか「該当コンテンツは、現在取り扱っておりません。」と表示・・・(←レビュー投稿者にとっては、かなり悲しいですよね。)…気づいたのがこれで3作目。Reader Storeさん、せめてレビューだけは削らないでくださいな。
商品名?が変わっただけで、小説そのものが変わったわけではないので再投稿です。
高校生の時、一度読もうとしましたが、
部活でへとへとになっていることを言い訳に
挫折してしまった本です。
あれから うん十年、恥ずかしながら電子書籍化を機に
ようやく全巻を読むことができました。
読んだのは2013年の9月から10月にかけてです。
(その時は文藝春秋の本はレビューを書くことが
できなかった?のが、いつの間にか記入可能に…)
司馬遼太郎氏によって、激動の時代の日本を生きた
数多の人物がいきいきと描かれ、惹き込まれます。
坂本龍馬の生き方、考え方、人生の軌跡に
ますます魅力を感じ、憧れをも抱きます。
仕事上の不平不満や目先の損得で物事を考えている
小さい自分に気づかされ、猛省させられました。
人生とは、人との出会い、そして別れの連続
それは偶然なのか必然なのか どちらにせよ、
人との出会いを大切にして人生を歩んでいきたい。
私にとって 人生必読の本となりました。 続きを読む投稿日:2015.01.31
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セーラー服と黙示録
古野まほろ, 九条キヨ / 角川文庫
可憐な女子高校生たちの超絶推理
11
単行本での取り扱いが終了となり、文庫本での発売となったので再投稿です。
価格が単行本と比べて約6割引き!
ガーン!!(←新潟県人がよく使う表現?)
でも単行本の表紙の方が デザインが良かったな~
?…??・・・カタカナ表記や見慣れない漢字が多い。教皇だの枢機卿だのコンクラーヴェだの、何が何だか把握できない。それでも以前、ダン・ブラウン氏の「天使と悪魔」を読んでいたおかげで おぼろげな知識があり、何とか読み続けていると、どうもヴァチカンの悪巧み?的な話し合いらしい。読みにくいな~、よくわかんないな~、失敗しちゃったかな?
―――と思っていたのもプロローグまで。
ヴァチカン直轄の日本の探偵養成学校、ミッション・スクール聖アリスガワ女学校という架空の世界観と架空の舞台設定。その細かな作り込みがまたすごい。
そこで起きたある殺人事件を、犯人の推察を得意とするフーダニットのスペシャリスト、島津今日子。手口の推察を得意とするハウダニットの天才、古野みづき。驚異の直観力で動機を見抜く、ホワイダニットの異才、葉月茉莉衣の3人の女子高校生が解決に挑みます。
1つの事件をWho How Why と役割を分担して謎解きを行うことがとても新鮮で、その理路整然とした推理が読んでいてとても楽しかったです。
こんな探偵を養成する学校が現実にあったら入ってみたいかも? あっ!女子高ですから男の私は無理ですね。しかもオッサンだし(笑) なぜ女子限定で探偵を養成する学校なのかは、後半おぼろげに明かされることになりますが。
キリスト教に詳しい方(自分は浄土真宗なので)とガンダム(特にΖガンダム)、そして何よりも有栖川有栖氏の小説を愛している方には、もっともっと楽しく読める小説であること間違いなしです。 続きを読む投稿日:2015.10.03
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少年と老婆
岡田伸一 / 幻冬舎単行本
冒険ファンタジー小説で 真実の愛を描く
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小学校生活に適応できなかった少年とその家族が、越してきた学校もない小さな村。そこで出会った謎の老婆により、少年は時空を超えた不思議な体験をしていく。行く先々で出会う美しい女性の正体は? 少年は旅の果て…に何をつかみ、どう成長していくのか。ミステリーファンタジーな展開に、夢中になって読み進めました。うちの子にもぜひ薦めたい一冊だ!
―――と思っていたのも前半まで。
後半から、当初のプロットから大幅に変更しているのでは?と思うくらいの怒濤の急展開。え!?そうなるの?というくらい子どもには読ませたくない描写も・・・ 新しい登場人物も次から次へと登場して、ミステリーおいてけぼりの完全な冒険ファンタジーへと豹変します。
携帯小説で他のサイトではかなりの高評価。所々、心にぐっとくるセリフがあり、作者の伝えたいメッセージはわかるんだけど、ちょっと押しつけ感を感じてしまった。後半の急展開が自分には合わなかったなあ・・・ 続きを読む投稿日:2015.09.12