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ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)
ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)
窪美澄/新潮社
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総合評価

666件)
3.8
147
242
172
36
12
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    当初思ってた内容とは違ったが、最後まで読むとより引き込まれた。 余白を残す、言いきらない、煮え切らない感じ。 そんな甘いもんじゃないよ、でもそれはそれで人生じゃんメッセージを受け取った

    0
    投稿日: 2023.01.24
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    第一話の『ミクマリ』で主人公が浮気相手の年上の人妻が、子供服売り場で幼児サイズの靴下を手に持ってる姿をみかけた場面の描写がとても美しくて、そのくだりを何度も読み返した。

    5
    投稿日: 2023.01.15
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    友達に勧められて読んでみた!長らく積読でしたが… タイトルから勝手に話を想像することが多いんだけど思っていた以上に違う話しだった!(それはそう)世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸と2035年のオーガズムとセイタカアワダチソウの空が好きなお話だった。みんな幸せになって特にあんずと良太…と思いながら読み終わりました。頼れる大人がいない世界は、ホントに辛いね…。 映画がAbemaTVで見れるみたいなので見てみます!

    1
    投稿日: 2023.01.07
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    初めてのR18作品。もっと生々しく途中で読むのを断念するかもな…と思いながら手に取った1冊だったけど…表現が美しくでも現実的でリアル。いやらしさだけでは無い文章に引かれ、物語にどんどん入り込んでしまいました。それぞれの目線でかかれる1章1章がどれも面白く、登場人物たちが魅力的に見え、映画を1本観ているような感覚で読みました! 他にも窪さんの作品を読んでみたいと思いました!!

    3
    投稿日: 2022.12.28
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    単純にエロ期待で読んでみた。 ちょっと、いやだいぶ違っていて、私が何だか息苦しい。 読み進め、生き苦しさが漂う描写に、読んでて苦しくなった。 全く分からないとは言わないけど、この苦しさを小説にする必要あるか? と思いながらも読んでしまった。

    1
    投稿日: 2022.12.28
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    全部のお話がつながっていてどんどん読み進められて面白かった。 みんな幸せになってほしい。 田岡さんは冤罪なのだろうか、本当に罪を犯してしまったのだろうか。冤罪だと信じたいけど…

    1
    投稿日: 2022.12.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ギョッとするような性描写があって ちょっとどうしようかと思ったけど、 高校生の斉藤くんは、 助産師である母を手伝う中で、 それが命のはじまりに繋がっていることを 理解してそうで、読んでて嫌じゃなかった。 完全に自分の意志とは裏腹に巻き込まれてた。 本当にやっかいなものは、やっかいだ。 騒動が落ち着いたら (落ち着く時は来るのかな?)、 斉藤くんが巻き込まれてる事態を知っても、 嫌悪することなく、むしろ、 できれば斉藤くんとセックスをたくさんして、 たくさん子どもを産むんだって思ってた女の子が ずっとそばにいてくれたことに気づいて欲しいな。 とか、 田岡さんのことは、残念ではあるけど、 良太やあくつは、 つかみかけたチャンスをしっかり握って あの団地から抜け出して欲しいな。 と、思った。 生きてると、 大小あれど時にやっかいな事態に遭遇する ことはあって、それでも地球は回ってる、 じゃないけど、生きてくってそういう時も 抱えながら進んでいくよな、 と取り留めなく思った。

    1
    投稿日: 2022.12.23
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    直木賞受賞作である『夜に星を放つ』は優等生作品すぎてあまり印象に残らなかったけれど、本作については作者さんの熱量のようなものが感じられた。『女による女のための~』受賞作家さんということもあり、性の話をオープンにかくのが好きなのかも。 文章はとてもきれい。また、象徴的な場面もあざやかに描ききっていたように思う。が、登場人物たちの心の機微にあまり共感できなかったし、納得できなかった。エンタメというより純文学よりの作品だと思うので、全体的にふわっとしたまま終わるのが個人的には合わなかった。

    0
    投稿日: 2022.12.22
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    一つの出来事を複数視点で語るのは面白い。人物ごとの見方がわかって得した気分になる。旦那さん視点も読んでみたかった。人物によってなんとなく語り口や語彙が変わっているように感じる。 多くの登場人物の置かれた境遇がしんどくて、無理と分かっていても好転してほしくて一気に読む。たただ根本的に救われることはないが、この辺りは解説がとてもよかった。やっかいという言葉ではとても片付けられない生きづらさ。浮上しようと試みるも浮上できないのは当たり前のことで、とりあえず心が元気な今読めてよかったと思う。

    0
    投稿日: 2022.12.18
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    前半はなかなか過激な性描写が多くて、出先で読み始めたので恥ずかしくなってしまった。 R-18文学大賞だからそうだよね…と読みすすめるにつれ、いい意味で裏切られた。 後半になるにつれ、この本は「文学」だなと感じるところが多かったし、描写もそこに繋がる大切な要素だったのだなと。 みんなが抱える「ままならないもの」について、ちょっと考えさせられた。

    3
    投稿日: 2022.12.17
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    重松清の解説を読んできになったので手に取った。ミクマリは過激な表現が多くて怯む。うまく共感できずに読み終わってしまった。ブクログの他の人の感想を読んで、あ、そんな受け取り方もあるんだと思った。もう一度読んでみようかな。

    1
    投稿日: 2022.12.16
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    平積みにされた題名に惹かれて読んでみました。山本周五郎賞は知っているがRー18文学大賞??読み始めてなるほどそういう観点で性描写が結構ディーブなのに妙に納得してしまった。官能的とういうより現代のマニアックなエロと底辺で葛藤する登場人物にひかれます。連作ですが最終章の花粉ㆍ受粉がよかったと思います。

    1
    投稿日: 2022.11.12
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    好転したり悪化したり、一筋縄ではいかない人生を予定調和的に見せていないところが良かった。ふがいない自分を肯定できたらいいなと思わされた。

    0
    投稿日: 2022.11.10
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    こちらも映画が先でした。 原作はどんな感じかなと思って読みました。 映画は割と原作に忠実。 性描写が多いですが、この話には必要なのかなと。 映画の後も読了後も余韻が残るお話でした。

    0
    投稿日: 2022.10.28
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    人それぞれ、上手くいかなくてどうしようもない思いを感じることもあるよね。 そんな時に、空を見る。 途方に暮れたから 気持ちが晴れるから 雲の上にいる、神様に祈りたいから 色んな人が色んな人生を歩んでる、同じ空の下で。 生と性の問題を鷲掴みにして渡された様な作品でした

    6
    投稿日: 2022.10.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ミクマリ 高校生の主人公、斉藤くんに、主婦あんずはコスプレをしながら、させながら性行為をする。 斉藤くんに女子高生の彼女が出来、あんずと別れるも、またあんずと会ってしまう。この斉藤くんを軸として5作品が連なっていく。 世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸 この不倫主婦あんずの高校時代の話。酷いいじめにあっていた為、楽に入れる大学に入り、大学時代近づいてくる男に体を許していた事から不妊になった。 携帯電話を落としたことから、慶一郎と知り合いプロポーズされ結婚。義母のマチコに不妊一連騒動で責められ、代理母出産のため渡米することになる。 でも、そのあんずのことを斉藤くんは忘れられない。       2035年のオーガズム 女子高生の七菜の話。彼女には、とんでもなく優秀な兄がいて、お約束の様にT大学に入ってカルト教団にはまり、ぼろぼろになって自宅に引きこもる。 七菜の彼氏の斎藤くんも不倫主婦あんずとの写真や動画を ばら撒かれて、登校拒否、引きこもり。 セイタカアワダチソウの空 主人公の友人、良太と、七菜の友人、あくつの二人を中心 にした話。二人とも貧民街のような公団に住み、コンビニでバイトする仲間。特にセイタカアワダチソウとのあだ名を持つ福田良太は、父親は自殺し、母親は外に男がいて家に帰ってこなくなり、認知症が進む父の母親を食べさせてゆく、そのために新聞配達とコンビニバイトを掛け持ちしなければならない、まさに底辺の暮らし。 バイト先にいた、もと塾講師の田岡さんが勉強を見てくれ、成績が一気に上がり、自分の生い立ちからは得ることができない、でも可能性として、大卒というステータスを持てる、と励ます。この励ますところは本物だと思いたい。このあとの、あくつとプリントを仕上げバイト代を稼ぐことも、信じたい。 その田岡が話す言葉が(子供の裸の写真を持つような趣味)そんな趣味、望んだわけじゃないのに、勝手にオプションつけるなよな、神様 というところ、悲しさが溢れ出てると思った。 そして田岡は医者の息子であるという事実だけで、住んでいるマンションまでも親に買い与えてもらった、そんな風に捉えられる。事実は異なっても。 この文庫自体の主人公は斉藤だろう。 でも、この田岡にたまらなく共感してしまう。私は、医者の子でもないし頭も良くないけど。 花粉・受粉 主人公の母親の助産婦(名前が出てこない?)を中心とした話。彼女のなかなか大変な半生を通じて斉藤くんの事件が大したことではない、と漢方の先生であるリウ先生に教えられる。 悪いことはずっと悪いままではない。いいことも長くは続かない。オセロの駒がひっくり返るように反転するときがくる。あなたの息子さんが抱えているものも。 最後は斉藤くんの担任であるのっちーの出産シーンで終わる。助産師として働いている、みっちゃんが成長していくシーンも。 エッチなシーンをそれとは感じさせず、きちんと意図どおりに受け取れる、そんな作品。 普通の市井の人たちの生活を描いてあるような印象。 ずっと気になっていた本をたまたま図書館で見かけ読むことができて、よかった。

    2
    投稿日: 2022.10.24
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     R18指定なのは1ページ目から納得。興味を鷲掴みにされながら読み進めると、黙読でもつまづく事なくスルスルと文字が目を通過してイメージに変わる不思議な感覚に捕らえられた。  短編が登場人物ごとの目線で語られ、皆不甲斐ない現実に向き合わざるを得ない境遇に晒される。それでも、時は過ぎ事実から逃避してはいけない結論に至る。  誰もが持つ個人特有の欲に逆らわないだけの重なり合いで生じた展開なのだが、それに対する多勢の普通は心ない悪意の群集になるのかな。

    1
    投稿日: 2022.10.24
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    主要登場人物の中で、なんだかんだで一番安定してそうに見えた卓巳が、一番再浮上の兆しが見えなくてびっくりした(松永のお兄ちゃんや田岡は脇役なので除く)。 「妊婦である自分に気遣いを見せたので大丈夫だと思う」って発言があったんだけど、発言者が、あまり人間観察力があると思えないのっちーだからなぁ。 もちろん台風の際の松永邸でも、いざとなるとしっかりした一面は見せているのだが、それが卓巳の本質なだけに、傷はあまりにも深いように見える。 何より、本人の意思が見えないのだ。より過酷な環境にいる良太やあくつには、生き抜こうと言う意思が感じられ、上昇志向も芽生えてきた。七菜はズレているけど、深く悩まずしたたかに生きて行く頭の悪さがある。だけど卓巳にはそれが見えない。やはり恵まれた環境に育ったからだろうか(一般的には恵まれた環境とは言えないけど)。 卓巳に追い討ちを掛けているのは、ネットやチラシで拡散した動画と画像だけれども、引きこもったキッカケは失恋だ。しかも、自分から振ったあんずと縒りを戻せないと言う自分勝手な失恋だし、縒りを戻したくなった理由もあんずが妊娠しているかもと言う思い込みだ。 文庫本の帯に「泣ける!けどR18!」と書いてあった。R18なのは判るけど、泣けるかなぁ。タイトル通り「ふがいないねぇなぁ」と思ってしまうのは、高校生男子に対して酷だろうか。 「そんな趣味、おれが望んだわけじゃないのに、勝手にオプションつけるよな神様って」 悪い癖で、主要な人物より脇役の方が気になってしまう。おもちゃ屋(トイザらス?)帰りの車の中で田岡が漏らしたセリフだ。軽い言いまわしとと言葉ながら、全く希望のかけらも無い絶望的なこのひと言が、この小説のワタシの一行です。

    4
    投稿日: 2022.10.10
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    初めての窪さんの作品 たぶん、みんな自分にもどうしようもない部分、いまだに後悔している事を抱えて生きている。年をとれば落ち着いて、考え方も変わり行動も変わってくると思う。でも本質的なものや後悔はずっと抱えて生きていかないといけないと、そんな事を考えさせられてしまった。 卓也の母 母親はやっぱり強いな、 と思います。 あと、おそらくあずさの夫が行ったであろう復讐の方法は、今の社会では日常的にどこかで行われているのかと思うと改めて恐ろしい事だと思う。いつの間にか周りが敵だらけになってしまう。

    12
    投稿日: 2022.10.03
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    山本周五郎賞 R-18文学賞大賞 本屋大賞2位 R-18文学賞に応募するためだったかららしいが、際どいシーンが多くて好きになれない。これって、そんなに優れた小説なのだろうか?

    0
    投稿日: 2022.10.03
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    直木賞受賞作家のデビュー作にしてR-18文学大賞受賞作を含めた書籍で映画化もされたので記憶にある方も多いはず。苦しくなるような展開ながらもついつい読んでしまう。自分では体感することない出来事だからこそ、物語を読むのだ。知らない感情を得るために。あらすじはググってくだされ。

    1
    投稿日: 2022.10.01
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    タイトルだけは以前から知っていましたが何となく読もう、と思うことがなく、そして今、何となく読もう思って読みました。 途中まで、正直気持ち悪くて「あぁ失敗したかな」と思いながら読んでいましたが、後半、特に最後の「花粉・受粉」と重松清氏の解説が大変素晴らしく、読んで良かったと考えを改めました。 前半、気持ち悪さを感じたのは、私自身が抱えているモヤモヤや、理解できない周囲の人間に重なる部分、私も含め、ヒトに共通する私が好きじゃない面を作中に見たから。 見たくない部分を正視させられているような、しかも重松氏も言っているように、この作品は、登場人物を救わないので、息苦しさを感じます。 結局、全て読み終わっても救われないし、希望を見出だしたりもできないのだけど、不思議と心が少し楽になります。 答えが知りたいのに得られない、白黒ハッキリしたいのに出来ない、もう何なのよ、いつまで続くのこれ、みたいな事。 例えそれが、この作品にあるような男女の事じゃなくても、そういう事が「仕方ない」のだという事を教えてくれます。 しかも、何歳になっても続くらしい事も。 それが生きてるということ、人生というもの、らしいので、じゃあ仕方ないか、とちょっと楽になりました。 2014年43冊目。

    1
    投稿日: 2022.09.21
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    田岡の神様のオプションの話が一番印象深い 自分が自由に生きようと思い、しようとしたことが世界ではルール違反だった時、自分ならどうするのか。 自分はどうそのままならない感情と共に生きていくのか。  おそらく、ルールを決めた側にも分からない難問を考えさせてくれる、いい本でした。

    0
    投稿日: 2022.09.20
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    産まれ育った小さな街は、良いところもあるけれど、ちょっとしたきっかけで息が詰まっていく危険をもった場所になる。 生と性、性向と性交、そして出産を日常の間を縫って描いている。 「ミクマリ」でコスプレ人妻と不倫の果てに、その行為を暴露された高校生。彼に関わるこの街の片隅の人達を描く連作短編5編。 彼の不倫相手、彼を好きな少女、彼の友人、とそれぞれの家族の救いの少ない短編が続く。「セイタカアワダチソウの空」は、貧困と祖母の介護を背負う友人が主人公。彼に救いの手を差し出した青年の深い闇。青年が、それを神様のオプションという。誰しも何かのオプションを持ているのだろうが、償えきれない罪を犯してはならない。 少し遠い社会のようで、隣家の話のようで。 「花粉・受粉」は書き下しのようですが、高校生の母親の身を切る辛さだけでなく、少し見えきた其々の、のこれから。

    61
    投稿日: 2022.09.18
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     『性』と『生』が主題の物語 読みはじめは これって官能小説だったっけ?と… 何かでおすすめって書いてあって 題名も素敵だからと図書館で見つけて借りた本 借りたこと自体が恥ずかしい本だったかも…と不安に…  でも 主題がしっかり流れ 丁寧に構築された物語だった   『ーおれは今、松永の腹いっぱいに詰まった小さなつぶつぶをふと想像してしまい、ため息をついた。男も女も、やっかいなものを体に抱えて、死ぬまで生きなくちゃいけないと思うと、なんだか頭がしびれるようにだるくなった。』 『「ばかな恋愛したことない人なんて、この世にいるんすかねー」』(本文より) ※この『つぶつぶ』って卵子のこと※ 作中には 恋愛 結婚 人工授精 出産 不倫 家族 いじめ 友情 ハラスメント 噂 SNS拡散… 様々な問題提起がある 遠い物語ではない 誰もがそれを目の当たりにして暮らしているか 当の本人である いろんなことが重なって起こって心が苦しくなって これは全部自分がふがいないせいだって思っても 青く澄んだ空を見上げて これは広い広い宇宙の中のちっぽけなできごとなんだって ああ今日はいい日和だって そう思える日もあるよ… そんなメッセージを受け取った気がする  やっかいなものを抱えて生まれた男も女も やっかいな人生をどうにかこうにか生きていくんだよ ひとりじゃない! みんなやっかい! そんな読後感 そして やっぱり私も空を見上げる

    2
    投稿日: 2022.09.17
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    久々に読んだ。 重松清さんの解説が秀逸だった。 ままならない生を、やっかいな性を抱えて、死ぬまで生きる。 という姿を、過剰に救おうとも突き放そうともせず描く優れた作品。

    3
    投稿日: 2022.09.16
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    面白かった。 最初の2章くらいまでは、これは退屈な読書になるのか?とやや警戒していたのだけど、3章あたりからグイッと引き込まれた。 こうやって、ひとつの同じ事象を多方向から見るって、意識していても簡単ではないし、見ているつもりのことは所詮、想像の域を超えない。 小説はフィクションだけど、作者から魂を吹き込まれた登場人物はリアルだ。 自分だけがこの世の中心なわけじゃないことを、いつも肝に銘じていたい。

    0
    投稿日: 2022.09.15
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    望んでもいないのに、重たい現実を抱えさせられた登場人物たち。 変えられそうにない、そのやっかいなものに押しつぶされそうになりながらも、また生きていこうと前を向く。 その姿に胸を打たれました。 直木賞受賞作よりも、こっちのほうが好きだなぁ……。

    1
    投稿日: 2022.09.12
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    冒頭から性の描写が続く。この後も続くのかと思い読むのを迷った。だがその後、それぞれの登場人物の行動などが事細かに書かれていた。窪さんの書く筆の運び方やその場の雰囲気の描写がとても分かりやすい。主人公の僕は色々な事を経験した。でも強く立直るだろう。

    0
    投稿日: 2022.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いい作家さんに出会えた。 これがデビュー作らしいからまだまだ読む楽しみがあるってことかと嬉しくなる。 過激な性描写のある話から始まったから「あぁ、こんな感じか」と思ったけどそこからぐんぐん引き込まれていった。 みんな何かを抱えていて苦しみもがいていて、安易に救いを与えてはくれないけどみんな優しくて必死で暖かいから、きっといつか救われるんじゃないかと思わせてくれる。 暗いとか重いとかいう感想も見たけど私は真逆の感想だな。

    2
    投稿日: 2022.08.21
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    高校生と主婦がコスプレをしてセックスするところから物語は始まるから初めは官能小説かと思った。 そして、その関係がバレて辛い生活が始まる。また、その高校生に関係する人たち物語が続くが、その生活も幸せではない。 読み進めると、辛いことがあっても大丈夫、大丈夫だよ、と最後の物語で言ってくれている気がした。 人生辛いことがあっても、かっこ悪く思い切り泣いて、人に頼って行けばいい、辛いのは指を鳴らすくらいあっという間だよ、というのを伝えてくれる小説

    0
    投稿日: 2022.08.10
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    他作品で直木賞を受賞したので、ずっと気にはなっていた「ふがいない僕は空を見た」を読んだ。私自身のふがいなさを感じたとき、よく空を見上げていたので、ずっと前からこのタイトルに共感していて、気にはなっていた。 登場人物の「ふがいなさ」が描かれており、そこにはそれぞれの祈りがあったように感じた。どうにもならない思いを抱えたときって、空を見てしまうけれど、これは祈りなのだろうな。とにかく、タイトルが好き。読んでなおさらタイトルの良さを感じた。

    0
    投稿日: 2022.07.31
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    連作短編集。過激なシーンからいきなり始まり、一瞬戸惑ったのですが、最後まで読み進んだとき、生きること、生み出すこと、生まれること、さまざまな「生」が一気に目の前にどっと押し寄せてきました。 彼らの人生は、ドラマみたいに綺麗じゃなくてどろどろの重みを抱えているけれど、そこまで残酷でもなくて、確実に希望も喜びも隠れている。 いわゆる元気の出る本というカテゴリには大手を振って入れることはできないのに、不思議と生きる力が湧いてくる魔力を持つ一冊でした。

    0
    投稿日: 2022.07.30
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    女性のためのR-18なんたらかんたらや山本周五郎賞の受賞作品ということで読んでみたけどこれよりはよるのふくらみのほうが面白かった。 デビュー作のようなのでまだこなれてない文章は目をつぶるべきか。 どちらかというとこの作品は直木賞ではなく芥川賞作品に感じるような生きるとは何か、みたいな人間模様が描かれていた。 女性はいのちときっても切り離せない生き物なのだなぁ。

    0
    投稿日: 2022.07.29
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    おもしろかった。あらすじ・作者のことはなにも知らずに読み始めたので官能小説…?!と病院の待合室で読み始めたことをちょっと後悔した。 登場する人物みんな、烏滸がましいけど、助けてあげたい!!!と思ってしまった。どうか最悪にならないでと思いながら祈るようにぐんぐん読んでしまった。

    0
    投稿日: 2022.07.26
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    高1ぶりに読んだ。当時はなにこれえっち!!と貸出カウンターに持っていく勇気もなく、机の端で恐る恐るページをめくった。 大学生になり、なんとまあ成長したことだろう。苦笑しながら一気に読んだ。 『セイタカアワダチソウの空』を読み終えてぼろぼろ泣いた。みんなが幸せに生きられたらいいのに、何でこんなに難しいのだろう。わたしはとても恵まれているけれど、どうすれば世の中を善く出来るのだろう。 p293から引用する。 “他人に悪意を向けるためだけに、用意周到に準備する誰かのことを思った。どうか、そのエネルギーを自分の人生のために向けてくれないか、と。“

    1
    投稿日: 2022.07.26
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    とってもよかった。初めは過激な描写に驚いたけど、読み終える頃には「すごい作品だ…」となりました。順番も良いだろうな。松永さんや斉藤くんは福田くんやあくつさんに比べたら客観的には恵まれた環境にいると思う。大人になったら「あんなこともあったな」と思い出すんだろうな。福田くんにはまだまだ問題が山積みだけど、どうか大人の手を借りてその現実を抜け出せますように、と願わずにはいられませんでした。

    2
    投稿日: 2022.06.29
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    5篇からなる連作短編集。 軽い気持ちで読んだが、けっこう重い作品。 気持ちを吐露するような描写と章ごとに変わる視点から観る描写が面白くて、引き込まれる。 最後、子を想う母の気持ちが伝わってくる「花粉・受粉」が好きかな。

    0
    投稿日: 2022.06.24
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    やっかいなものを 捨てるんじゃなく 捨てられず抱えて生きるお話 そんなもん捨てちゃえよと思うけれど 意外と実際生きてて捨てられるものって 少なくて 結構自分で抱えて 必死に周りに隠して 生きることしかできないよな

    1
    投稿日: 2022.06.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大好きだった子に告白されて、コミケで出会った主婦との関係を終わらせようとしてたのに主婦(あんず)が忘れられない高校一年の男の子(斉藤卓巳) あんずは、両親を若い頃に亡くしたが結婚して孤独から抜けたと思いきや義母に子供ができないことをうるさく言われ病院も義母が予約したりと…原因は旦那にもあるのに…うちの息子は悪くないと… 旦那は、奥さんを庇いもしないで母親の言いなり… 奥さんがあやしいと思い部屋に隠しカメラを設置し不倫の証拠をつかむ。 旦那は、あんずと一緒になるためストーカーまがいのことをしてた人。 不倫はよくないが、この旦那が怖い。 その後、コスプレして行為をしてた画像プリントがあちこちに配られたりネットで拡散されたり悲惨な時が… あんずは、アメリカだし 卓巳が、すごくかわいそう。 学校にも行けなくなるし… その画像がばら撒いてたのはクラスメイト(福田)だったり その福田もヤングケアラーで不幸だし。 父親亡くなってて父方の地方の祖母と二人暮らし、母親も家を出て行ってしまう。 救いの手を差し伸べてくれた田岡は、警察に捕まるし。負の連鎖 もう、自分の子がこんなんになったらどうしようと悲しくなった。

    24
    投稿日: 2022.04.25
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    サラサラ読んだ 性描写が少し多いと感じたけれど そこはやっかいなものを表現するには 必要なのかなと感じた やっかいなものは人それぞれ違う 読み手によって評価が分かれそうな本でした

    2
    投稿日: 2022.04.22
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    連作短編のようで、同じ街に住みそれぞれが濃淡はあれどつながりのある人たちそれぞれの立場で書かれた5編を収める。どれも現代的な悩みや混沌のなかにいる人々の姿が描かれる。同じ街という、いうなればわりと狭い範囲のなかで顔を合わせて交流したりすれ違ったりしている人たちがそれぞれに抱えているものの重さ、どうしようもなさは暗澹を誘うものだし、決してすくいようのある終わり方でもないんだけど、それでも流れていく時間のなかの人たちがもがきながらも何とか生きていく姿が示唆されて読後感は悪くない。それは著者の筆力というか、物語の描き方や登場人物をとらえる視点のやさしさがあるからだと思う。5編のうちの1編「セイタカアワダチソウの空」というなかに出てきた田岡さんという人の描き方が象徴的。 ヤングケアラーの福田くんに妙にやさしく、勉強もままならない彼に教えてくれようとしたり徘徊する祖母を探すのを手伝ってくれる田岡さんは、一方で犯罪とされる性癖をもつ人でもあった。その田岡さんは、どうしてそんなに自分を助けてくれるのかと問う福田くんに、「おれは、本当にとんでもないやつだから、それ以外のところでは、とんでもないくらいいいやつにならないとだめなんだ」とこたえるんだけど、このあたりが心にしみた。 事の是非はともかくとして、世間から白眼視されるのを自覚している人は、別の面では田岡さんのこたえのような思いから何とか挽回したり帳尻を合わせようとしたり、罪滅ぼしのようなことをしている人もいるんじゃないだろうか。犯罪として露呈したとき、世間は「礼儀正しく、とてもそんなことをするような人には見えなかった」などと裏切られたようなことを言うけれど、その人はだましたり欺こうとしたのでなく、田岡さんのような気持ちだったのかもしれない。 この書中の一連の物語には、自分にとってはそんなことを思い至らせる視点が入っていた。

    2
    投稿日: 2022.04.03
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    女のエロ本大賞受賞作を含む連続短編集。登場人物は同じで章ごとに主人公が入れ替わるスタイルだが最初のインパクトが強烈過ぎて読み進めるにつれて興味が薄れていく。

    0
    投稿日: 2022.04.03
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    R指定やん笑 女性目線のセックス描写は、イヤラシイわ。 あんずの回で、あんずが斎藤くんの腕を噛んだり発狂したりする様が書かれていないことが良かった。我を失っている状態がよく分かる。 あの嵐の部屋の中で泣いてしまった斉藤くんは、何を思って泣いたんやろ? しかしまぁ、10代の若さゆえにしても、連続射精できる彼の精力は羨ましい。 なんにしても、家族が再生できてよかった。 福田の回だけ性描写なしか。 神様なんかおらん 救いようがない 救われない。 だったら、 『勉強しまくってこの街を出ていく』 えらいぞ、福田。がんばれ。 性欲と快楽の向こう側に、命の重みや尊さがあるのは、頭では分かっている。 でも、性交には「気持ち良い」というオプションが付いているからしゃ―ない。 ずっと昔、福山雅治がラジオで『もし、セックスが苦痛を伴う行為であれば、生物の繁栄は途絶えていたはずだ』みたいなこと言うてたのが頭を過った。 全編を通して思った事は やっぱり女の子は、妻は、母は、女性は強いんやなぁと、改めて感心した。 2014年03月09日 

    1
    投稿日: 2022.03.01
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    "やっかいなもの" を抱えてうまれてきた私たち。 やっかいなものと共存し、そしてこのやっかいなものと一緒に生み出される物語。 なぜ、"やっかい" なのか。 自分のものなのに、望んだものではない。さらに自分の一部でありながら、自分で制御(コントロール)できない。できているつもりであっても、実は逆に操られてしまっているのかもしれない。 なんて複雑な共存関係なのだろう。 だから厄介なのだけれど。 あまり考えたことはなかったけれど改めて考えさせられました。 窪さんはとてもすごい作家さんだと思います。 そして、その解説を書かれている重松清さん、素晴らしい解説を、ありがとうございます。そのとおりです。 解説を読んで、そしてより一層本書のすばらしさがわかってきました。

    23
    投稿日: 2022.02.12
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    高校1年生の斎藤くん。  コスプレセックス変態主婦になったあんず。 ミクマリ (斎藤くん目線)からの 世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸 (あんず目線)が絶妙でしびれます。  性欲は人間の本能。 それを死ぬまでコントロールしなきゃいけない。 やっかいな欲。  こってり背脂ラーメンをビールで一気に流し込みたい気分になる1冊。

    0
    投稿日: 2022.02.05
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    連作長編(短編も)好きな自分としては楽しく読めた。内容は楽しくなんて軽く表現してはいけないような、重たいものだったけど。人に勧められるかというと、うーん…難しいかな、重めの話が好きなら良いかも。

    0
    投稿日: 2022.01.21
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    新年一冊目となる記念すべき本はどれにしようか? あれやこれや迷いながら部屋の本棚に数冊購入したまま積読していた窪美澄さんの作品から一冊。 主人公の高校生卓巳、助産院を営む母と2人暮らし、卓巳と不倫していた不妊の主婦あんず。 卓巳に恋する同級生の松永とあくつ、幼なじみの良太。バイト先の先輩田岡。 それぞれの目線での物語が繋がっていく。 好きな人に夢中になっていたあの頃や、バイト先でのやりとりや、思春期と親の更年期が重なり顔を合わせると喧嘩していた、何も考えずに毎日、毎日友達とつるんでバカみたいに騒いで遊んでいた高校時代に戻りたくなった。 どの章でも共感出来る部分がある。 本当に伝えたいことはいつだってほんの少しで、しかも、大声でなくても、言葉でなくても伝わるのだ。 この文章がガツンと響いた。 何とか伝えようと、あれこれまわりくどい言い方をしてしまう自分は、今年は素直に言葉を伝えて行きたいと思った。 遅くなりましたが、ブク友の皆様今年もよろしくお願いします。

    34
    投稿日: 2022.01.13
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    再読。 受賞作から始まる連作短編。 過激な描写を凌駕する素晴らしい作品だと思います。 著者の作品の中では1番好きかも。 卓巳の同級生の良太の章が印象的。 環境に負けず、自分の力で前に進む大人になって欲しいと思います。 バイトリーダーの田岡の件はショックでしたが、それがこの章の魅力かなと思いました。 今後も何度も手に取る本になると思っています。

    3
    投稿日: 2021.12.08
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    最近本読んでないなあと思い、1番薄かったからという理由で読み始めたんだけど、数時間で読破してしまった 最初はハズレだと思い、電車で読むのはなかなか進まなかった 途中感情移入して吐きそうになってしまった どんな人にも大なり小なりいらんオプションあって、それが人間で 否定も肯定もせず、ただありのままに受け止めるしかない 読み終えた後は、色々な感情が湧いてきて 苦しいような、前向きなような、、、 そして最後の重松清の数ページ、自分の抽象的なぼんやーりした感覚や感想が綺麗に言語化されていてさすが。という感じだった 講評までで一つの本として読める

    4
    投稿日: 2021.12.08
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    これがデビュー作。窪美澄さんやっぱすごい。 直球でセクシュアリティをここまでリアルに書いた作品ははじめて読んだかも? そこから始まるけど連作短編でちょっとずつテーマがずれながら、 命、性、死、sex、みたいな難しいテーマを扱ってて 塾の先生になりたい、田岡さんのストーリーも意外とすきだった なにより最後の重松清さんの書評が的を得すぎてて 人間の性『せい/さが』ってやつ これは「やっかいなもの」。ほんとそうだよなぁ 醜い部分だけどこれが本質的な部分でもあって、 やっかい、としか言いようがないなぁと改めて思わされた。

    2
    投稿日: 2021.12.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    直接的な性的描写が多くそこに驚いたが、それ以上に読後の爽やかさに驚いた。 田岡のセリフ 「勝手にオプションつけるよな神様」が凄く心に残った。 性的嗜好や持って生まれたものの考えかた。 きっと誰もが「普通」になりたいと願っているのかな。 1人1人が悩みを抱えその中でももがき続ける姿は残酷で、かつ、美しく感じた。 ただただ素敵な小説。 しかし、進めにくいのが弱点笑笑 テーブルの上の料理はママの愛情いっぱいだけど、あたしは今日、愛情がゼロでもいいから1人でコンビニ弁当が食べたかった ばかな恋愛したことない人なんて、この世いるんすかねー。

    0
    投稿日: 2021.12.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    苦しいときが長く続いても、生活していこうとする一人一人の話。怖くつらい状況がいつまでも続くような、暗闇の先にも、生活はある。福田くんがけなげで、斉藤くんがかわいそうだけど、どんな人生でも生きていってほしいと思った。

    0
    投稿日: 2021.11.25
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    どこかでオススメ本として紹介されていたから図書館で借りて読んでみた。 予期していなかった官能的というか、どぎつい表現に驚いた。 コスプレして不倫する高校生と、その周りにいる人達が章ごとに主人公となる構成。 ストーリーは面白いんだけど、何しろ性描写の印象だけが強く残る。 途中で読むのを断念しそうになったけど、後半は人間味溢れる話で読後は悪くなかった。 セイタカアワダチソウのお話が良かった。

    0
    投稿日: 2021.11.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    友達にお勧めを聞いた本の1冊。 薄い本ながら内容が重くて、読み進めるのが遅かった…。 短編で主人公を変えながら、最初の主人公を見守るような流れになっている。 ミクマリ 友達に誘われるままに行ったコミケで、知り合ったあずさという女性に求められるままにコスプレセックスをする主人公・斎藤。 同い年に見えたあずさは実は主婦だった。そんなある日、気になっていた同級生に告白され、あずさとの関係を断ち切ろうとするのだが…。 初っ端から性描写なのでビックリする。「女のための女によるR-18作品」の大賞らしい。 背徳感みたいなものなのか…?全然分からない。 主人公斎藤くんは何も考えず流されるままに行動していくけど、同級生と付き合う前に今の関係を終わらせないと、と考えるのは共感が持てる。 でも結局あずさに惹かれちゃうけど…なんでなの…。 世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸 デブでブスで要領の悪い私だけど、家にいてくれればいいと言われ結婚する。 お互い子供を持ちたいと思っていないけれど、義母の勢いが強く不妊治療をする事になる。 1話の印象と全然違って、え、これがあずさ!?と思った。 デブでブスだと言われててるというけど、大学ではモテてたり、全然あずさの容姿が想像出来ない。 面倒くさいなと思っても黙って肯定の言葉を投げかけられるあたりが好かれるのかな。 この子もあまり考えず、仕事が出来ず怒鳴られるのヤダから結婚して、でも結婚した後は義母の強い圧に敵わずしたくもない不妊治療をしていて。 斎藤くんとの出会いでようやく離婚を切り出すけど、受け入れてもらえず代理出産して貰うためにアメリカに渡ってしまう。 2035年のオーガズム 斎藤に告白した女の子が主人公。 頭の良い兄がいるけど、大学に入ってから突然疾走、フリーセックスをする宗教団体に入っていた、という話。 斎藤はコスプレセックスの写真をバラまかれて学校に来なくなっていて、斎藤の友達福田と一緒に斎藤の様子を見に行く。 私だって斎藤くんとセックスしたかったのに!と迫るも、あれ以来できなくなったと泣く斎藤。 自棄になって、兄を見つけてくれた人とセックスしようとしたが、それも上手くいかなかった。 帰り道斎藤の家に押しかけ、大雨で川の氾濫の危険の中家に帰り、家にいた母と兄、そして送ってくれた斎藤と夜を明かすことになる。 セイタカアワダチソウの空 斎藤の友達福田が主人公。 団地で自殺した父の母である祖母と暮らし、母は知らない男と暮らしている。 生活費を稼ぐためにバイトに明け暮れ、コンビニバイトが一緒の男が勉強を見てくれることになる。 斎藤に告白した女の子の友達あくつと幼馴染の福田。 あくつが斎藤のコス写真を学校や近所にポストインしてたことが分かるんだけど、なんでそんなことをしてたのかは語られない。 彼女も家庭環境が最悪みたいだし、不倫が憎いのかもしれないけど。 福田はバイト先の人に勉強を教えて貰って大学を狙えるようになったり、痴ほうのおばあちゃんを行政に頼ることを教えて貰ったりするけど。 その人も強制わいせつ罪で捕まっちゃうし、酷い環境すぎてシンドイ… 花粉・受粉   斎藤の母が主人公。 産科で妊婦さんの話や、斎藤に関するいやがらせがメールで届くことが描かれる。 お母さんも不倫を昔してたり、斎藤の父である男にお金を渡しちゃったりだらしないとこが語られる…。 でも息子を大事に思っているのは伝わるし、嫌がらせをする人たちが嫌になる。 特に斎藤が頑張って学校通うようになっても、小さい骨壺にフライドチキンの骨を入れて「あんずと斎藤の子供の骨」なんて玄関に置いていくとか気分が悪すぎる。 斎藤の家庭訪問としてきた担任の先生が、妊娠してることもここで発覚して。 誰にも妊娠してるって言ってなかったのに、なんでわかるんですがーって泣きだすあたり、先生まで頭が悪くてガックリした…。

    0
    投稿日: 2021.11.20
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    最初の方が性描写が多くて、読み進めるのに少し時間がかかった。けど、時間かけてでも最後まで読んでよかったなと思える作品だった。

    1
    投稿日: 2021.11.09
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    高校生の斉藤くんとその周りの人々の短編集。 それぞれの主人公はあまり誉められた生き方をしていない。だけど一所懸命生きている。 誰も幸せでは無さそうで、だけど頑張っている感じで引き込まれた。 セイタカアワダチソウの彼と幼馴染がしたビラにまつわる行動は最後まで読んでも私にはわからなかった。ストレス? あと、あんずの旦那さんはなんなの? が、わからなかったけど、読後感には 影響は無かった。

    6
    投稿日: 2021.10.09
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    非常に官能的に描かれる物語なのに読み終わると何故か爽やかさが感じられる。 登場人物は皆どうしょうもなさを抱えている。 しかし、読み手である我々にもそんなどうしようもなさを抱えていた瞬間があったのではないか。 馬鹿な恋愛をしたことがない人なんているんでしょうか。というセリフが出てきたが、我々はそんな馬鹿な恋愛と性を通して成長していくのだろう。

    0
    投稿日: 2021.10.03
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    決して明るい話ではないと思うが、それでも読み終わったら前向きな気持ちになったように感じる。 とても面白いと思う。

    0
    投稿日: 2021.09.25
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    読んだあと、「頑張ろう」と自然に思わさせてくれる作品です。 私自身、ここ最近気分が沈んでいたのですが、これを読んだあとに前向きになれました。 「頑張る力」をくれる作品だと思っています。 ストレートに読者を応援する作品ではないのですが、「よし、明日から頑張ろう」と読んでいて自然に思う作品。 この作品には本当に救われています。 毎日の日常にどこか憂鬱になっている方、毎日が気怠いと感じている方に是非とも読んでいただきたいです。

    0
    投稿日: 2021.09.16
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    「あっ、これ読むの忘れてた」と思って読み始めたら、2回目だった。何年も前に読んだからか内容をあまり覚えていなかったけど、読み始めたら「あぁそうだった」と思い出し、あれ?こんなに面白かった?となり、あっと言う間に読んでしまった。もう一度読んですごく良かったと思えた作品です。

    0
    投稿日: 2021.09.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    特に印象に残っている言葉が、 「おまえ、やっかいなものをくっつけて生まれてきたね」 「勝手にオプションつけるよな神様って」 の2つ。 生きていくにあたって、どの人も「やっかいなもの」や「オプション」を抱えているんだということを考えさせられた。 ところどころ性描写もあるものの、あまり露骨でなく、読みやすかった。

    0
    投稿日: 2021.09.10
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    ミクマリ 世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸 2035年のオーガズム セイタカアワダチソウの空 花粉・受粉 短編なのかと思わせて、実は話が繋がっている。 とある小さな町に暮らす人々の波乱に富んだ日々の営みを、各々が抱える深刻で個人的な問題と、他人に対する残酷過ぎる無責任さと、命の誕生という尊い瞬間を通して語られた長編小説だ。 『晴天の迷いクジラ』に甚く感動して読み始めたものの、途中までは苦しくて辛くて読むのが大変だった。この著者は、追い詰められた人の苦しみをリアルに描くのが、とても上手なのかもしれない。 でも最後の章で、その心の痛みも報われたような気がした。 あの心が解き放たれるような解放感と、すべての感情を包み込むような温かさ。 とてもよかった。 もともと妊婦さん向けの雑誌関係のライターをしていたという著者。そのときの経験が随所に活かされているなと思う。すごくリアルな息遣いを感じる物語だ。

    1
    投稿日: 2021.09.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    オムニバス形式の作品。R-18文学賞大賞、山田周五郎賞W受賞作。 年上の主婦と不倫をしている高校1年生の斉藤視点から始まるストーリーは、基本的に時系列ですすんでいき、その視点が他の登場人物に次々とうつっていく。 話題作だった当時少し立ち読みをして、セックスの描写が生々しく、購入を断念した記憶。 R-18文学賞受賞なだけあって、特に最初の章「ミクマリ」の斉藤くんとあんずのセックスの描写はかなり細かくて生々しい。 しかし読み進めていくと、これは「性」の物語である一方で、「生」の物語でもあるのだな、とわかってくる。 主人公斉藤くんの家は母子家庭で、母親は助産院を営んでいることが関係してくるのだが、これによって性行為が人間の誕生に繋がることがはっきりと感じられる。 ただ、基本的には読んでいてしんどい。ハメ撮りをばら撒かれる斉藤くん、子供ができないことで姑に目の敵される里美(あんず)、神童だったのに宗教にハマってしまった兄を持つ七菜、呆けた祖母を養いながらバイトをして生活する良太、、、、 本当にしんどい。 狭いコミュニティの中で簡単に噂が広まり、生きにくくなっていく登場人物たち。 春が訪れると同時に、産気づく担任の先生のシーンで終わるストーリーは読後感は悪くないものの、辛くなる場面が多いため万人受けはしないかもしれないと思った。

    2
    投稿日: 2021.08.18
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    オムニバス形式の作品だった 日常だが、非日常のような 読み終わった後にどうにも言えない もどかしさだけが募る どの家庭も闇を抱えているのだな という思いになった

    0
    投稿日: 2021.08.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読了直後、全員分のこの続きの物語、それも出来ればとびっきり幸せな物語を読みたいと願わずにはいられなかった。高校生と主婦がコスプレで不倫SEXというぶっ飛んだ展開の話からスタートする連作。全体的に仄暗い雰囲気の5編で、総じて救いが無い。苦手な部類。最後の数ページで漸く光が見えた感じ。ハッピーエンド至上主義な私からしてみるとどの話も少々辛かったし、読んでいてしんどかった。最後、何故卓巳が元気になったかがイマイチ読み込めていないので再読が必要。難しい表現は無くスラスラ読める。

    0
    投稿日: 2021.07.30
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    以前から気になっていたタイトルだった。 なんとなくだが、訳のわからない青春モノかな、と勝手に決めつけて敬遠していたが、とうとう古本屋で手に取る。   五篇の連作短編。 しかも最初の短編に出てくる脇役たちが、残り四篇で主役を張り、世界全体に深みを増してゆく構成。 読み進めるうちに「次の主人公は誰だろう?」と、ワクワクしてしまう。   正直、最初の短編「ミクマリ」では、「いかにも女性が女性のためだけに書いた典型的なものだな~」と、思った。薄い、と。 しかし、読み進めるうちにその薄さがどんどん厚くなってゆく。楽しい。 四篇目からは夢中になり、五篇目で世界を完結してくれた。いいな~、これ。 でも、不満がひとつ。 もっと読みたい。 あのキャラクターは主役にしてくれないのか。 あのキャラクター目線でも読みたい。 と、望んでしまうのだった。

    19
    投稿日: 2021.07.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    やっかいなものを抱えて、それでも生きるしかない。 解説の重松さんがお話されているように、決して再生の物語ではない。あがいてあがいて、時々救いが見えて、でもそれは一瞬で…。 「女の人は冷やしちゃだめだ」それが根っこにある卓巳。コスプレ、不倫、ネットの誹謗中傷。 不妊治療、自分の価値は、と問い続ける里美(あんず)。 独自の思想の兄と、更年期に悩む母と、家族を守れる家を建てた父をもつ七菜。かわいく笑っていればいい、なんて嘘っぱち。 ネグレクトの母、認知症の祖母、万引き、団地育ちのセイタカ=良太。卓巳は親友だけど、同じぐらい傷つけてやりたい。あくつと一緒にビラまき。勉強を教えてくれた田岡さんの性癖は人には言えないもの。 助産院で働く卓巳の母。自由なところに惹かれたのに、「夫」であってほしいと願ってしまう。頬の傷はバカな恋愛の痕。無事に生まれればそれでいいのに、外野は色々言ってくる。 生きていることがどうしようもなく辛くなることはある。「生きてさえいれば」なんて、きれいごとにしか思えないことはある。それでも、まあ、なんとかやっていくしかないんだよ。 登場人物たちが、苦しいなかでも笑顔になれることがほんの少しでもありますように。オセロが反転するように、ミツバチが花にふれるように。いじわるな神様に祈ります。

    0
    投稿日: 2021.07.25
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    「生」について、「性」について考えさせられる一冊。彼らはみんな決して明るくはないものを抱えていて、それでも生きていかなきゃいけない。 人生のどうしようもなさをとても感じて、気持ち悪いくらいのお話だった。人は平等ではないし、一人一人違うんだと思う。でもみんなやっかいなものをもっていて、それは生きている限りずっと続いていく。読み終えてしばらく噛みしめるような、そんなお話でした。

    2
    投稿日: 2021.07.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初は官能小説みたいではずれかなって思ったけど 読み終えて、ちょっと泣けて、スッキリした。 登場人物がそれぞれ"やっかいなもの"を抱えながら 今を生きよる感じがすごいよかった。 悪い出来事を手放せんのならずっと抱えとけばいいんやなって思った。 きついこともずっと続くわけじゃないし 指をパチンって鳴らしたくらい 些細なことやったりするんかな? 勇気を貰った。

    4
    投稿日: 2021.07.07
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    最初はとんでもない官能小説を読んでしまってる...と感じていたけど、すごい描写は前半だけです。 みんなそれぞれ問題を抱えながらも前向きに生きている。それを性を用いてとても上手に描かれているなと思いました。話の内容は決して明るくはありませんが、読み終わると自然と優しい気持ちになれた一冊。

    1
    投稿日: 2021.07.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    コスプレ好きの主婦あんずと高校生の斎藤くんとの爛れた関係、というお話かと思ってたら、良い意味で予想を覆されました。 語り手が次々と変わり、いろんな話が交錯します。 あんずは、ちょっとかわいそう。斉藤くんとの関係が夫にばれてしまい、離婚を願うも、結局代理出産のためにアメリカに連れていかれます。高校生の斉藤くんと駆け落ちを夢想するくだりは、ちょっとだけ甘酸っぱい気持ちになれました。 斉藤くんの友人の福田くん。痴呆の祖母との二人暮らしで、母親もあてにならない。バイト先のコンビニの田岡さんから勉強を教えてもらって、将来に光がさしたかと思いきや、田岡さんは強制わいせつ罪でつかまってしまう。福田くんは、田岡さんのことを思って神様に祈る。 助産師をしている斉藤くんのお母さんのお話。これまた、子供思いの良いお母さん。家を飛び出した斉藤くんを見つけ、神様に祈ります。「神さまどうか、この子を守ってください。」 最後は、斉藤くんの担任の先生の出産間際の場面で終わります。その頃には、斉藤くんも福田くんも元気を取り戻しています。新しい生が、未来への希望を暗示しています。 みんなそれぞれつらいこと、やっかいなことに対して折り合いをつけ、生きている。そして、それができる人は、周りの人に優しくできる。決してハッピーエンドという訳ではないけど、じんわりと幸せな気分を頂きました。

    0
    投稿日: 2021.06.19
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    下町の泥臭く生臭い水が澄んだ音をたてながら流れ、朝日や夕陽に照らされてキラキラ輝いてる そんなお話だった

    2
    投稿日: 2021.03.08
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    これを読み終えたあと もうなんだか窪美澄の作品しか読めなくなった。 再読です。 5年ぶりに読みました。 冒頭二行は、初めて読んだ時の感想です。 窪美澄さんの文章からしか得られない、 物語への没入感、喪失感、登場人物を 救わないけど認める(重松さんの言葉です)心構え。 この没入感が怖くてなかなか手が出せないんだ… ほんっとに読み終わった後、 ずっと心ここに在らず、簡単に言うとロス。 全編、読んで、どれもどっぷりなんですが、 「セイタカアワダチソウの空」が好きで、 “勝手にオプションつけるよな神さまって”の 言葉が真髄なのでしょうか〜そう感じてしまいました〜 性も生きるもやっかいなものであって、 それを神さまのお節介に出来てしまったら どんだけの人が楽になるんだろう!! それでも生にしがみついて生きてく! 色々とぐるぐるしてしまいますが、 最後の重松清さんの解説含め、また5年後に読みましょう。

    2
    投稿日: 2021.03.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    深いなぁ...それが読み終えた直後の感想です。 5つの連作短編で構成され、作品事に一人称の視点が切り替わります。 全ての短編は繋がっており、それぞれの立場や視点で描かれることでより登場人物の関係性が深くなる。 本作を通して共通するのはみんなが〈やっかいなもの〉を持ち、その中で生きている姿。 〈やっかいなもの〉と言っても、特殊なものでも、非現実的なものでもなく、当たり前のように存在する。 性、いじめ、犯罪、妊娠、出産等、日常の中に潜む〈やっかいなもの〉が5つの短編を繋いでいく。 本作は登場人物の成長物語ではありません。 むしろ〈やっかいなもの〉と共に生きる姿をそのまま描かれています。 救われることの無い「今」を生きる。 なかなか私の語彙力で本作を表現することは難しい。 今までに手にしてきた本とは違った読後感を得られる作品でした。 説明 内容(「BOOK」データベースより) 高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。やがて、彼女への気持ちが性欲だけではなくなってきたことに気づくのだが―。姑に不妊治療をせまられる女性。ぼけた祖母と二人で暮らす高校生。助産院を営みながら、女手一つで息子を育てる母親。それぞれが抱える生きることの痛みと喜びを鮮やかに写し取った連作長編。R‐18文学賞大賞、山本周五郎賞W受賞作。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 窪/美澄 1965(昭和40)年、東京生まれ。カリタス女子中学高等学校卒業。短大を中退後、さまざまなアルバイトを経て、広告制作会社に勤務。出産後、フリーの編集ライターに。2009(平成21)年「ミクマリ」で女による女のためのR‐18文学賞大賞を受賞。受賞作を所収した『ふがいない僕は空を見た』が、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年本屋大賞第2位に選ばれる。また’11年、同書で山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    8
    投稿日: 2021.02.27
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    正直気持ち悪いような、気色悪さが前半にはある。特に慶一郎親子には恐ろしさを感じる。人間は、ポキッと何かが原因で折れてしまうことがあるのだと思う。そして、立ち直ることも必ずできる。この小説は出てくる人それぞれに、人間味が感じられるので現実にいそうな人たちだと思った。一人一人の描写を書き分けているのがすごいと思った。

    1
    投稿日: 2021.02.20
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    やっかいなものを抱えて生きて行く、それは決して悪いことなんかじゃない。 「ミクマリ」をスタートに繰り広げられる、登場人物それぞれにスポットが当たった連作長編。話の繋がりが感じられて上手い。サラサラと読んでいけるしかし感動のある作品。

    1
    投稿日: 2021.02.19
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    面白かった。 前半は、どうしようなんかR18が思ったより強い。 と思って、嫌いじゃないけど、違ったかもって思ったんだけど、後半全く違うんだけど、繋がってる。 なんか、やっかいなもの持ってる人しかいなかったけど、それもちょっと癖が強いんだけど、なんか伝わった。一人一人抱えてるものがあって、ほぼほぼ回収されず、救われず終わるのにモヤモヤ感がない! 窪美澄さんは初めて読んだけど、これがデビュー作なんてすごい! 唯一、あの変な夫とその母はムリ。 それ以外は愛すべき、やっかいな人達だった。 いつかオセロみたいにみんなひっくり返ったら良いな。

    8
    投稿日: 2021.01.28
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    受賞作の「ミクマリ」の掴みは素晴らしい。一挙に物語に引き込まれる。そこから始まる、やっかいなものを抱えた5人の物語。 不幸や欠損を抱えた人達の物語ではあるが、巻末の重松清氏の解説が秀逸なので消化しやすいかと思う。

    3
    投稿日: 2021.01.24
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    最初官能小説みたいなかんじなのかな、あまり楽しくなさそうだなと思ったけど、どんどん1話目に登場した二人の周りの人たちのストーリーも一緒に進んでいくから最後まで続きが気になりながら読めた

    2
    投稿日: 2021.01.20
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    生々しく惹きつけられる文章でどんどん読み進められる。登場人物はみな重い現実に直面していて、こちらまで疲弊してしまうのだけど、それぞれにちゃんと理解者もいてくれて救われた気持ちになる。よかった… 「ばかな恋愛したことない人なんて、この世にいるんすかねー」というせりふが、この物語のすべてを包んでくれているようで、好きだ。

    1
    投稿日: 2021.01.16
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    私が窪美澄さんにはまるきっかけになった一冊。過激な表現も多いけど、人間の闇というか、深いところまで感じられるところが凄くて好き。

    1
    投稿日: 2021.01.04
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    性欲という『やっかいなもの』に振り回される人たちの話 「さよならニルヴァーナ」はぶってて鼻についたし、r18大賞という前情報で期待してなかったけど、期待してなかったからこそすごいすきだった すなおな男の子の語り文てやっぱりすき 自分が一番接したことがない人種だからかも たしかに性描写は長いし性的趣向も寄ってたりもするけど、高校生たちかちゃんとすこやかで健全な精神だったから気に入った 性をテーマにおいてる分、性欲とSEXをただの物語に緩急をつけるための要素にせずに、それぞれの登場人物のこれからにちゃんと反映させていくところ、思春期らしくてすごくじんわりきた。

    1
    投稿日: 2020.12.19
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    2冊目の窪美澄さんの本。 性に振り回されてる感じ…分かる。特に高校生の時なんて、男女関わらず皆通ってきた道じゃないかな?不健全で健全なお話。 あんずさん、幸せになれるといいな…

    1
    投稿日: 2020.12.14
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    おもしろかった。 初めの導入にはギョッとしたけど、しばらく積読してた作品だったけど、読んでいるうちにドンドンのめり込む作品だと思います。 最初を乗り越えたら読めると思います。 ちなみに、手に取ったきっかけは「ブックオフのオススメ」にあったからです。 皆さんもブックオフにあったら手に取ってみても良い作品だと思います。 別の作品も読んでみたいと思いました。

    2
    投稿日: 2020.12.12
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    卓巳、里美、良太、卓巳の母それぞれの視点で、誰もが抱えている変えられない闇を描いた連作短編集。 ラストは、助産院をいとなみ女手一つで卓巳を養っている母の、息子への深い愛、今までのいきさつが語られている。 母親目線で見ると共感することばかりで、胸に刺さったところです。強くて、少々でへこまない人かと思った。 が、一人で卓巳を育て助産院を持つことの苦悩、不安ばかりだったと。そして世間からは、卓巳がしでかした件で、「助産院の息子だからだ」と罵られたことが一番こたえたと。なんかわかります。親がこうだからと、子供にとっては変えられない現実において、そのせいだと言われることは堪えられないものがあります。世間というのはそういう目で見ますね。自分はどうかというと、言葉にはしないけれど、無意識に思っているかもしれません。人間の痛いところに付いています。 最後、母は必死で卓巳を探します。嫌な予感がしたのか。我が子よ、生きていて、死なないで。負けるなとか強く生きてくれとか、言葉はいくらでも思い当たります。が、自分も我が子に言うとするなら、究極は、生きていてくれさえすればいい、そう思います。 ラストの母の章がトリを得ているように感じたのですが、私が一番心にはまり苦しく感じたのは、卓巳の成長過程における生き辛さです。最初ははけ口のつもりだったのに、卓巳の心があんずでいっぱいだと気づいたのは後になってから。それから卓巳の苦悩ははじまります。 思うようにならないですね。過激な性描写さえも切なく感じました。コスプレが色を添えてよかったと思う(コスプレなかったら生生しすぎる)。 良太、あくつはどうしてそこまで執拗にしてビラを配ったのでしょうね。人(相手)の気持ちはそこまでわからないです。田岡の出番では、「人の表裏」をみました。勉強してくれれば大学まで面倒みるって、こわいですよ。田岡の存在は必要あるかとも思ったんですけど、 「俺が望んだわけじゃないのに、勝手にオプションつけるよな神様って」という言葉にはうなずけました。自分や相手が抱える厄介なものは捨てることはできない。そう捉えれば気が楽になれるかもしれないですね。 窪美澄さんを読むと、生き辛さが表されていて、心にキュッと響きますが、今回は中でも強烈だったかな。

    30
    投稿日: 2020.12.11
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    重松清さんの解説に凄く感動しました 皆さんのレビューも拝見したら 言いたいこと全て言われたような気がした(笑) やるせない、悲しい。でも優しい 欠落のある私が このような優しい小説に何度も救われました 本当にありがとう…

    1
    投稿日: 2020.11.29
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    登場人物みんなが、それぞれ、どうしようもない環境にある。それが、生まれた時から抱えてるやっかいなモノが起因してるからこそ、どうしようもない。それに性が絡んで話は進む。性に絡ませて話が進んでたのかな? 読んでるうちに、なんだか気持ちがどんよりしてきた。 最後の、リウ先生は救いだった。リウ先生の言葉がすぅっと入ってきて…私も頑張ろうと思えた。

    10
    投稿日: 2020.11.16
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    読み終えた感想はドキドキ感のない湊かなえの「告白」って感じ。 人は誰しも自分自身ではどうしようもない「やっかいなもの」を抱えてるもの。 「やっかいなもの」のために「やっかいなこと」が起きるのを受け入れてるというか、必然というかしょうがないと諦めているようで、色んな感想であるように「なにがあっても精一杯生きていこう」とするいい意味での生命力というものが僕には感じなかった。 過激な性描写は生命というものの尊さを際立たせる面では解らないでもないが、全体的に心にぐっとくるものがなかった。

    2
    投稿日: 2020.10.22
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    最初はなんて下衆いエロ小説だと思ったが、読むのを辞めずによかった。 登場人物はみんな辛い状況に立たされていて、物語終盤でもそれは大きく変わらない。 劇的な挽回も、お涙頂戴の感動も、極端な悲劇もない。 ただ、泥臭く人間が生きている。 その過程で、人間とはこんなにぐちゃぐちゃになれるのか、という姿を見せてくれる。 ひたすらまっすぐなヒーローはいない。 時には自暴自棄になったりしながら、最後には希望がない中でもちょっと前向きな力を見せてくれる。 そういう風に見ていると、一貫性がないように見える福田にも理解を寄せられる気がするのだ。 自分は頑張っているのに不幸のどん底から抜け出せなくて、やけになって友達を裏切ることをしてしまったり、それでも罪悪感みたいなものはあったり。 映画もとてもいい出来で、小説よりもわかりやすい部分も多いのでおすすめしたい。

    6
    投稿日: 2020.10.07
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    登場人物一人一人の掘り下げが上手い。 だれもが不可抗力的に「やっかいなもの」を抱えながら、それでも生きるしかない自分の人生に向き合う。登場人物の目線で語られるそれは時に痛々しく時に頼もしく、応援したくなる。 自分が出産したタイミングで読んだから、「花粉・受粉」(助産院を営む女性の話)がほんわり暖かくて好きだなと思った。 図書館で何気なく手に取った本だったのでそれと知らず冒頭の性描写にはウッとなったけど、読後感は悪くなかった。

    0
    投稿日: 2020.09.30
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    高校生の斉藤くんを中心とした5編の連作集。 「ミクマリ」は、冒頭からコスプレ主婦と斉藤くんとの不倫の場面。R-18文学賞大賞受賞も納得。 4編目の「セイダカアワダチソウの空」は、解説を担当している重松清氏の作品のような味わい。

    10
    投稿日: 2020.09.29
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    最初は内容が大人向けで、あまり期待していなかったが、それぞれの人の立場の目線で物語が書かれており、読みやすくてどんどん読んでしまった。 家族、友情、命、青春、不妊、大人になるということ、全てがびっしりつまった物語だった。

    0
    投稿日: 2020.09.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    5年前に一度読み、3年前にもう一読。 そして、今三度目の読了となりました。 読む年代によって、心に染みるエピソード、言葉が違うのは面白いなと思います。 この本は窪美澄さんとの出会いでした。 吸い込まれました。窪さんの描く世界観が、私に完全に合わさった記憶があります。 『ふがいない僕は空を見た』では、目を背けてしまいたくなるくらい非常な現実を目の当たりにします。それは暗く切なく、そして苦しい。だけれども、人はこの作品から目を離せなくなるはずです。離してはいけないのです。 誰しもが心に持っている『やっかいなもの』に現実世界で見て見ぬ振りをしている。それでいいのか? どのエピソードも素晴らしいのですが、 その中でもお気に入りエピソードは、セイタカアワダチソウの空です。田岡さんに涙しました。クソみたいな社会に怒りを覚えました。世界が残酷なのって人間が存在するからなんですよね。最後の良太のこの街への、世界への復讐心。最高です。 『そんな趣味、俺が望んだわけじゃないのに、勝手にオプションつけるよな神さまって』 なんて皮肉のきいた…なんて素晴らしい一言一句。 やり場が神にしかない田岡さんの怒り・苦しみが滲み出ている。

    0
    投稿日: 2020.09.17
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    人間の厄介な性。その性はコントロールできない。できないからこそ厄介。人間はそんなどうしようもない性から目を逸らしながら生きていくこともできるだろう。 しかし、この小説はそれをしない。ありのままの性を、厄介な性を描く。 印象に残ったのは田岡という人物。コンビニでバイトをしている田岡は来年からコンビニを辞めて駅前で塾を始めようとしていた。同じバイトで働く中学生の勉強を手伝うために自作のプリントを作るほど熱心な男だった。田岡には夢があった。予備校に通うほど裕福でない子どものために勉強を教えるという夢だ。 しかし、田岡には厄介な性があった。それは男の子どもの裸の写真に興奮というもの。 「そんな趣味、おれが望んだわけじゃないのに、勝手にオプションつけるよな神さまって。」p224 「おれは、本当にとんでもないやつだから、それ以外のところでは、とんでもなくいいやつにならないとだめなんだ」p244 田岡は厄介な性をもつ自分に悩み苦しむ。 そしてある日、田岡は強制わいせつ容疑で逮捕される。 「勉強教えてやるって言って、自分の車に子どもひきずりこんで裸にして写真撮ったんだって」 パートのおばさんが興奮して話す声が聞こえた。  もしも私が田岡のように少年を好きになる性を持つとしたら、どんな人生を送るだろう。この厄介な性を受け入れるだろうか。それとも目を逸らし、自分の気持ちに蓋をし続けるだろうか。そんな風に考えてしまうような小説だった。

    8
    投稿日: 2020.07.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    各話が完全に独立した短編集だと思っていたら、全てリンクしていた。 卓巳とあんずだけじゃなくて、周りの登場人物がそれぞれ主役となって、物語が複雑に絡まり合っている。 本やドラマ等では主役と脇役に分けて描かれがちだけど、この作品では、確かに最初のエピソードはきっかけではあるけれど、それぞれに大きな問題を抱えた主役が次々と交代していく。 『ミクマリ』の裏ではこんなに色んな事が起きていて、悩みを抱えていたんだ…と。 そして最後まで読んでも特に問題は解決しない。良くて希望がうっすら見えたのか…?というところで終わる。それがとてもリアルだし、読者としては救われない気分にもさせられる。 『世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸』 弱い人(人間的、社会的に)同士の夫婦から生まれる子供はやはり弱いのだろうか。強いって何なんだろう。要領良く、図太く、賢く生きることだろうか。人間や動物は必ずしもそうでないと生きていけないのか。それならなぜ弱い人が生まれてくるのか…なんて考えてしまう。 でもあんずはなんだかんだ言って結構大胆な気もする。そこが面白い。 あと、私は女だけど女についてあまり考えたことも無かったので、この話を読んで改めて考えた。不妊治療については全く知識もない。知らないということを知らされた。 『セイタカアワダチソウの空』 団地の子供達の貧困ぶりがすごい。でもこの環境で生き延びられたら、それこそとても強く生きられるのではないかと思う。 田岡さんのように、その子に合わせた教え方ができる人、その子の目線まで下げられる人が、本当に教育に向いている人なんだろうなぁ。 大体の学校では、先生がどれだけ分かりにくい教え方をしていても、初めからできる子に合わせて授業が行われ、ついて行けない子はずっと放置なので、本当だったら良い学校に行けたかもしれない、良い職に就けたかもしれない子が、社会からはみ出したり、引きこもったりしてしまう。 それは長い目で見ると国民全員、国自体の損失なので、教育は本当に大事だし、もっと真剣に考えるべきではないのか。 「知らない」と「知ってる」は全然違う。今の教育は「知らない」人に優しくないと思う。いや、「知ってる」側の人間が、教え方を「知らない」のかもしれない。それが怖い。 もう一つ、自分が恵まれていないと考える人、特に人と比べて自分は下だと強く思う人は、恵まれているように「見える」人の足を引っ張ろうとする。 自分より上に「見える」人を妬んだところで、自分の環境は前より1ミリも良くならないどころか、更に自分の地位を低くしていることに気付かない。 人の表面しか見えていないこと、人と比べる事が無意味で損だと分からないことは、本当に愚か。 「そんな暇があるなら、あの団地から最短で抜け出す方法考えろよ」 『花粉・受粉』では、 「他人に悪意を向けるためだけに、用意周到に準備する誰かのことを思った。どうか、そのエネルギーを自分の人生のために向けてくれないか、と。」 まさにそうだなと思う。 ハッピーエンドとはいかないけれど、みんな少しだけ前進したのかな。 そんなお話たち。 ★3.5ぐらい 20200724

    12
    投稿日: 2020.07.25
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    「女による女のためのR-18文学賞 大賞」受賞作。とってもおもしろいです。が、これよりよっぽどR18な作品がある中で、エロ本みたいな賞名はなんか嫌だなぁと思いました。連作短編で、話によって視点が変わり、斉藤視点だと不倫相手のあんずはエロいお姉さんといった風ですが、あんず視点で彼女が幼いころから周囲に馴染めず、夫や義母からの嫌がらせを日々受けていることが分かり、い、痛い。作中で夫と義母に罰が下されるわけでもなく、胸糞悪いです。連作短編が好きな人にはぜひ読んでもらいたい作品です。 [追記] 夫に関してはある種の病気で生きづらさを抱えて生きていることが丸わかりなので、生=罰みたく見えなくもないのですが、ババアはどうしようもないな。本当にひどいババアだぞ。 [追記2] 好きな本の感想に思いが全然込められない虚しさをなんというんだろう。

    9
    投稿日: 2020.07.23
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    私には1番最後の助産師の話が染みた。解説にあるように、誰もが抱える問題「やっかいなもの」を評価するでも否定するでもない、ただありのまま受け止めてそれでも生き続ける、そういう生命力を感じた作品。大学の先輩のおすすめ。

    7
    投稿日: 2020.07.07
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    狭い世界の中で凝縮された様々な家庭問題。どれも日本のどこかで起こってる出来事なのにどこか他人事。改めてそういう感覚の中で自分が生きているのだなと思わされました。 時折読んでて辛くなり、感情移入が憚られる場面もありました。そんな中でも主人公たちは自分なりに生きていく。それが幸せなのかどうかは別にして、どんな場面にもそこに人間が生きていることが強く描かれている気がします。 加えて、どの話にも性がもたらした息苦しさが出てきます。性という"厄介なもの"があるせいで私達は人間であることができ、時折人間でなくなるのかもしれません。 性描写がきつい所もありますが、全体的に引き込まれる文章でした。

    3
    投稿日: 2020.06.19
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    正直、登場人物の誰にも感情移入出来ない。でも最後まで読んでしまう。そして、全員この先幸せな人生が待っているといいなと思う。

    3
    投稿日: 2020.06.17