
総合評価
(666件)| 147 | ||
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powered by ブクログみんな何かが足りなくて、でも最後にはうっすら薄日が見える感じの物語。みんな性欲つよすぎとは思う・・・笑
3投稿日: 2017.04.04
powered by ブクログ主要な登場人物ごとに章が分かれていて、それぞれが心や体に「やっかいなもの」を抱え、ふがいない自分を持て余している。 窪さんの作品に出てくる登場人物はいつも魅力的に書かれていて、確かにそれぞれ問題は抱えているけれど、それもひっくるめて愛おしくなります。 人はみな「やっかいなもの」を抱えながら、そんな自分と対峙しながら前に進んでいかないといけないんだろうな。 映画も観てみたいです。
2投稿日: 2017.03.06
powered by ブクログ性描写が多い。 途中から生の話になっていた。 性癖と言ってしまえばそれまでだけど、誰しもが思っている心の中を写したような話。 イメージが鮮明になる表現だっだ。 1番ショックだったのは勉強を教えてくれていた人が捕まってしまった件。 「悪いことをしたぶん他のところでは良い人にならないといけない。」これは良い人になって罪を滅ぼししてるのか。悪い人と良い人、どちらも同じ人間というところが怖い。個人的にはいくら良い人でも悪いことがあるとすぐイメージダウンでそっちのが影響されると思う。
3投稿日: 2017.02.14
powered by ブクログ暗い....。 重い....。 物語的には特に〆があるわけでなく、 ダラダラと鬱な話が書かれている。 にしても、なんて嫌なヤツラが多いんだ。 ほっとけよー。 読んでて気分が良くなる話じゃないが ラストで少し救われた希ガス。 お勧めはしない。
0投稿日: 2017.02.08
powered by ブクログ語り手の変わる連作短篇集。 ミクマリ:主婦のあんずとコスプレセックスをする斉藤くんの話。 世界ヲ覆ウ蜘蛛ノ糸:不妊のあんずと旦那、姑の話。 くらおもめ、 不倫がバレる。 2035年のオーガズム:斉藤くんの彼女? の松永さんと、変な宗教団体にハマった兄の話。 ここにもセックスがついてくる。 セイタカアワダチソウの空:斉藤くんの親友福田くんの話。 唯一セックスが絡んでこない。 貧困と学力と世間には受け入れられない趣味のお話。 1番グッときた。 福田くん、絶対賢くなってそんな団地出るんだぞ。 花粉・受粉:斉藤くんの母の話。 助産師の母だって仕事も子育ても悩む。 がんばれ斉藤くん。
3投稿日: 2017.01.29
powered by ブクログじんわり涙が浮かぶ場面もあったけれど全体的に疲れました。 3話くらいまで読んだらなかなか続き読むぞ!っていうテンションにならなくて4日くらいかかりました。 大人だから性的な表現には何とも思わないけど、日頃ほのぼの系しか読まない私には重すぎて・・・ 図書館で何となくタイトルと表紙に惹かれ借りたけれど映画化もされてたんですね。 珍しくイメージにぴったりなキャストではありました。
3投稿日: 2017.01.12
powered by ブクログ生きるのは本当に辛い。でもこの世界は生きるに値しないほど悪くもない。たぶん、きっと、というかそう思いたい。 主人公たちを襲う数々の悲劇に見舞われる。そこから彼らを救うのは簡単だろう。しかし、それでは所詮、フィクションだと批判されてしまう。作者が求めているのは主人公を救うことではなく、読者を救うことだ。だから、ただじっと主人公たちが立ち上がるのを待っている。 大逆転もご都合主義のハッピーエンドも描かれていない。前進したと思えば後退し、もう大丈夫と思ったら心無い行為で悲しみの底にたたきつけられる。 彼らの幸福を願わずにはいられないが、読者にできるのは「ただ信じて待つ」ことしかない。 それがとても尊く大切なことだと気づかせてくれた。
4投稿日: 2016.12.31
powered by ブクログふがいない僕は空を見た 初めて読んだ作家さん。 タイトルが素敵なのと、帯の女性書店員の感想に惹かれて買ってしまった。 んー。こんなに性を扱った作品だとは思わなくって、序盤少々引いてしまった。 でも、最近自分も恋愛にやらかしてて。。。 なんかこれを読んで、みんなこんなもんだよなーと励まされた気分。 「バカな恋愛したことない人なんて、この世にいるんですかねー」っていうみっちゃんの言葉に救われたかも。 セイタカアワダチソウの空の福田くんと田岡さんが幸せになれたらいいな、と願ってしまった。
2投稿日: 2016.12.27
powered by ブクログ『本当に伝えたいことはいつだってほんの少しで、しかも、大声でなくても、言葉でなくても伝わるのだ』 『バカな恋愛したことない人なんて、この世にいるんですかねー』 『ほんとのことを言って何が悪いの、戦時中でもあるまいし』
3投稿日: 2016.12.14
powered by ブクログそんな暇があるなら、あの団地から最短で抜け出す方法考えろよ おれは、本当にとんでもないやつだから、それ以外のところでは、とんでもなくいいやつにならないとだめなんだ 本当に伝えたいことはいつだってほんの少しで、しかも、大声でなくても、言葉でなくても伝わるのだ、と気付いたのは、つい最近のことだ。
2投稿日: 2016.12.04
powered by ブクログ個人的にとても好き。ここにはあまりにも人がいた。鬱屈した社会に、それでも赤ちゃんは生まれてくる。ふがいない僕は空を見たという題名がすばらしい。
2投稿日: 2016.12.03
powered by ブクログ読み進めるうちに夢中に、、 みんないろいろ抱えてて、それぞれが悩んでもがいて、それでも進もうとしてる。 最後は、いろいろあっても生きてることが素晴らしいと思えた。
2投稿日: 2016.11.07
powered by ブクログすごかった。ドラマを観ているみたいにはっきり映像が浮かんできた。きっと、こんなふうに悩んでいる人はいっぱいいると思う。
2投稿日: 2016.11.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2016年、53冊目です。 読み始めた時は、若い人の今様のSEXに対する軽量な考え方で、書かれていて、 私のような年配者の心情に寄り添ってくる言葉や心に問いかけてくるものを感じられませんでした。しかし、最後の「花粉・受粉」の話まで読み進んでいくうちに、少しづつ心に少しの時間留まる文節や、考えさせられるシーンや想像力を起動する文章が 出てきて、最後には、何かしら言いようのない”私の心の満たされないところ”に 寄り添ってくる感触を得るに至り、読了しました。 巻末の解説文を読んで、それが何なのかがはっきりするのです。 それは、私が抱える「やっかいなもの」なのです。 誰にも話すことができない、心の中にあるもの。 それは灰色掛かった煙幕の中に、確かに蠢く”恐ろしいもの”や”氷のように怜悧なもの”であり、決して温もりを持たない。また”真新しい薄紙のエッジが引き起こす痛み” のようでもある。捨て去ろうとしても決して心の中から無くすことができなくて、 今日まで、自分が養い続けた「やっかいなもの」です。 それを捨て去ることは、誰にもできない。ただただ、ともに息苦しく感じながらも、 生きていくしかないということ。 この本は、すべての文書を使って、それを伝えているのではないだろうか? なんか、久しぶりに超まじめな感想文を書いた。 2016/11/26記 続編 それは、私が抱える「やっかいなもの」です。 周りの人が、自分の思うようにふるまわないときに怒りを覚える。 相手が、自分より弱いものなら、その怒りをぶつけて相手を悲しませ、 こころに大きなストレスを負わすことで、気持ちを晴らそうとする。 心理学的に”MUST,SHOULD”と呼ばれる思考も要因なのでしょう。 つい一週間前に、自分の怒りを制御できない入社1年目社員に、 私は10年前くらいにようやく、その思考から抜け出したんだと、 話したばかりでしたが、ほぼ並行して、自身が直面した予想外の状況に、 ものすごく腹が立った。騙されていたと思った。うまく利用されピエロにされた と思える。なぜそう思ったのか、私が想定していた時間の流れに沿って、 相手が行動しなかったからか?私が一生懸命、身を粉にして心配し、 支援していた理由は、その人の生きる柱を立て支えてあげたい、 働いていく環境を整え、心が折れないように、気持ちが沈まないように 仕事ができるようにして差し上げたかった。辛そうに仕事をしているのを、 何とかしてあげたかったから。私の中に唯一あった良心だったかもしれない。 しかし、その人は婚活の一環で、今より楽な職場で仕事がしたかっただけでした。 さも私の仕事に興味があるような小芝居までして見せられました。 占いによると人に感謝される仕事が向いているそうですとか、 学生時代に居酒屋でバイトしてありがとうと言われたことが関係してますとかいってました。今考えてみると、すごくいい加減な動機で、「人に感謝される仕事」が したいと言ってきてましたね。私は、その時めちゃくちゃうれしかったが、 相手にしてみれば、「しめしめ」だったわけですね。 腹立つ。怒り心頭。怒髪天をつく。意趣返ししてやる。愛情の反対は無視です。 こんな感じで、恐ろしい考えがなんの堰き止めもなく頭に浮かんでくるのは、 私が残忍な性格だからでしょうか?それともMust思考で、相手が私に誠意をもって 行動すべきところをしてくれなかったから? どうでもいい気もしてきました。2016/11/10頃記、2016/11/26更新
2投稿日: 2016.10.30
powered by ブクログ登場人物たちが抱く「性」は、必ずしも救われるわけではないものの、「いつか、きっと」という希望を感じられる結末でした。 ―― http://bookmeter.com/cmt/59857435
2投稿日: 2016.10.23
powered by ブクログそれぞれの登場人物が抱えたヒリヒリした想い、がリアルで良い。一作目「ミクマリ」では、若干危ないイタいコスプレ人妻、的に登場する"あんず"が二作目「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」でその内に抱えた葛藤や血縁関係での悩みの一面を見せるなど、登場人物がリレー式に入れ替わることで様々な姿を見せる仕組みなのも面白い。
3投稿日: 2016.10.17
powered by ブクログ前半がR18的な感じがあり、外で読むのは若干気まずい。。 短編だけど、主人公が順番にリレーしていくのと、同じ一つの町で起こった出来事という田舎町(なのかな?団地とかあるし)の空気感は、読み進めるにつれて伝わってきて、嫌いではないものだった。一気に読みたくなる、、までののめり込みはなかったので星2つで。
1投稿日: 2016.10.01
powered by ブクログ「大人なんだからさ、しっかりしなよ。」(p.172 l.4) 焦点を当てているキャラクターに合わせた言葉遣いや描写の仕方、とてもキャラクターの個性を拘りぬいているなと実感! 女性に向けた作品!と謳っているけれど、ぜひターゲットでない人にも読んでもらいたい作品。 そして、内容はそうでもないけれど、書き方がスキャンダラスだなと感じた。
2投稿日: 2016.09.26
powered by ブクログ2016/9/6読了。 斎藤くんの事件と、それを取り巻く人々のヒューマンドラマ。 友人、恋人、母親…人間臭くて、青春が本当に青臭くて面白かった。 表の顔と裏の顔。 本心と嘘 人間って愛らしい生き物だなぁ。 そういえばこれ、映画で見てたんだった…
0投稿日: 2016.09.06
powered by ブクログ20160826 解説で重松さんが書いているように最初の三行を読んで引き込まれました。「絶対これを読もう。」 最初から二番目と最後の章がすごく好きです。特に最後から二番目の章は読後すごく切なくなりました。 わたしはみっちゃんに惹かれました。ギャップにやられました。単純ですね。みっちゃん視点のお話はなかったですが、あったらおもしろいだろうな〜。みっちゃんのこれまでを想像するのも楽しいです。
2投稿日: 2016.08.26
powered by ブクログ本屋大賞2011年2位。連作短編集。不倫がばれて、ネットに盗撮映像を公開されて引きこもってしまう高校生の事件を中心としてその周辺の人たちを主役とした物語がつづく。登場人物のそれぞれが、家庭環境や内面的な問題をかかえており、苦悩するさまが描かれている。全編、比較的暗い話がつづき、状況が好転するわけではないが、それぞれの主人公が真面目に苦悩しているさまを温かく見守る視点で描かれており、不思議とさわやかな読後感が残る。小説っぽい展開はなく、ドキュメンタリーのように淡々と話がつづくが、どうしようもない人々を認めて受け入れる姿勢が清々しい。最初のほうがとてもエロくて若い人に勧めにくいので減点1。
3投稿日: 2016.08.09
powered by ブクログ色んなことに行き詰まってもがく人たち。 斉藤くんのお母さんが助産院をしてるから、そんな人たちと、取り上げられる真っ白な新しい命が対照的だ。 生きていれば真っ白ではいられない。少しずつグレーになって黒くなっていく。貼りたての真っ白な壁紙が外気に触れ時の経過で真っ白でなくなってくみたいに。ときに他人や自分の血にだって染まる。 うまく言えないけど、でもこの作品を読んでそれで良いと思った。 10代の頃は真っ白じゃなきゃ、って頑なに思ってたけど、今はそうは思わない。 ひととおり最後まで読んだ後はまた最初の「ミクマリ」から読み直したくなる作品。 ''「何をおいのりしているの」 「子どものことだよ」おふくろは目を閉じたまま言った。 「ぼくのこと?」 「もちろんあんたも。ぜんぶの子ども。これから生まれてくる子も、生まれてこられなかった子も。生きている子も死んだ子もぜんぶ」'' (2016.8.8)
3投稿日: 2016.08.08
powered by ブクログ取り柄のない、どちらかというと世間からDropしている人たちだけどなんとかどうにか生きていく。助産婦による出産が何か人間らしさを思い出させてくれる。
0投稿日: 2016.06.26
powered by ブクログ中学生の弟には貸せない小説笑 性描写がリアルでいけない物を見てる感覚しかない。 しかし、文書が面白くて結局最後まで読んでしまった。 読んでしまった、、て言うのが今の一番の感想かもしれない。 全体的に不幸なのに、置かれてる状況よりも感情に支配されている登場人物たちのお陰でそこまで暗い感じはしない。 ちょ、みんなクズすぎじゃね?って何回かつっこんだけど。笑 今の私では、結局は人間ってみんなバカでアホで優しいんだよね。という結論。 すごく人間味溢れる作品だとは思うけど、おすすめはしないかも、笑 また、年を重ねてから読んだら違う感想になるのかな、と思う。
1投稿日: 2016.06.24
powered by ブクログ随分前に読んだので覚えていないのだが、 当時書いた感想としては「暗い、汚い、でも上手い」と書いてある。 多分そうなんだと思う・・・。文章力がすごく高かったことだけ覚えている。
0投稿日: 2016.05.29
powered by ブクログ”男も女も、やっかいなものを体に抱えて、死ぬまで生きなくちゃいけないと思うと、なんか頭がしびれるようにだるくなった。”
0投稿日: 2016.05.27
powered by ブクログいや~ 仕事へ行く電車で開いた「ミクマリ」 (そうだった ℝ18文学賞大賞だった~)とちょっと焦ってしまった。 設定は奇天烈だけど溢れる若さと切なさが伝わってくるみずみずしい文章。 周囲が気になりながらも 一気に読めた。 他の章で「ミクマリ」主人公 斉藤君を取り巻く人々のそれぞれの事情がまた 赤裸々に綴られる。 でも なかなかハードな登場人物が多く、共感できるのは誰だったのだろう・・・・ セイタカアワダチソウの空・・・田岡さんはかわいそう過ぎた。
0投稿日: 2016.05.24
powered by ブクログ晴天の迷いクジラがすごく自然に入ってきたので、二作目のこちらを読んでみた。レビュー見ていると性描写にひるんだひとが多いんだな。同じようにわたしも結構ビビってしまった(笑) でも、とにかく面白い。性描写も、なんていうか、ひとが抱える暗い部分、あるいは恥になる部分になりがちだし、それを描くのはテーマに沿っているし、余分な部分とは思えなかった。ありがちなご都合主義がないし、全て解決して完璧に平和な日常になったとか、希望に満ちた感じで終わらないところもいい。わたしたちと同じように、これからもきっと登場人物たちは悩んで、苦しんで、死にたいと思って、でも少し思い直して、を繰り返して生きていくんだよなあ。
3投稿日: 2016.05.20
powered by ブクログ「ミクマリ」だけだと消化できないけれど、ほかの話を読み進めていくうちに全体が見えてきて、後半になるにつれてストーリーに深みが出てきました。 「世界ヲ覆ウ蜘蛛ノ糸」で、あんずちゃんの状況や心理が分かって納得した半面、「ミクマリ」でのミステリアスさがなくなってしまったのが少し残念。 一番好きなのは「セイタカアワダチソウの空」。
0投稿日: 2016.04.29
powered by ブクログ久方ぶりに作家括り読みしたくなった。 最初のR18とされる部分も特に気にならず。 連作短編としての作りもいい。 話の方向性、終い方も好み。 次は何を読んでみようかな?
0投稿日: 2016.04.16
powered by ブクログおさえきれない心と身体の衝動。そんなこと自分には起きないって、誰が言えるだろうか。日々の中にいくらでもひそんでいる闇。 人と人との関係や出来事を、4人の目線を通して進んでいくストーリー。それぞれ語り口も違うのだけど、一貫して作者の優しさが感じられた。
3投稿日: 2016.04.16
powered by ブクログ人が生まれそして生きる事と性は切り離せない。過激と思われる描写にも、どこかもの悲しさが漂い、人間ってホントやっかいだよね としみじみ感じさせられたり。 腰骨のあたりに手を添えて「ここ冷えてる」と言う斎藤くんには愛おしさを感じた。母の「この子をお守りください。」には、じんわり。
3投稿日: 2016.03.19
powered by ブクログ短編集だと思っていたが、連作短編集だった。 最初の性描写が激しくて電車の中で読むことに抵抗があったけど、全て読み終えた後だとそれも含めての生きることなんだと思える。 生きるには辛いこともあるけれど、それも全部抱えて生きていくのだ。
3投稿日: 2016.03.06
powered by ブクログ評価もいいと聞いて手に取った本だが、出だしからの「性描写」でひるんでしまった。高校生の斉藤くんが軸になり、その周辺の人々についての短編連作。生々しい描写の連続でなかなか話に入り込めなかった。けれど、終盤になって、ようやく物語に入り込む。人間なんだからこそ、時にはみっともなかったりするんだろうなぁ。斉藤くんと彼女は、許されない関係だけれども恋愛だったのだと思う。斉藤くんの母親が気持ちいいくらいに、かっこいい女性なのだ。この母親が存在していれば、斉藤くんは、きっと「空を見上げる」ことが出来るようになるはずだ。
0投稿日: 2016.02.19
powered by ブクログ読んだ後で斎藤くんの優しさがじんわりと来た。田岡さんの言葉が哀しい。みんなどこかでバランスを取りながら生きているということなんだな。
3投稿日: 2016.02.14
powered by ブクログ男子高生の「コスプレ・不倫事件」を全5編の共通の背景として、 各編の主人公が異なり、それぞれが難しい問題に向き合う物語。 山本周五郎賞とR-18文学賞をW受賞した作品です。 分かりやすいハッピーエンドはないので好き嫌いはかなり分かれると思います。 ただ登場人物の背徳感や孤独感の描写がうまく、読了後はある意味不満足でした。 不満足感に挑戦したい方にお勧めの作品です。
0投稿日: 2016.02.04
powered by ブクログ「ふがいない僕は空を見た」この題名が本当に合っている作品だと思う。複数登場する主人公の内、cosplayが趣味の主婦と付き合う、斉藤くんはまさにそれ。sexだけの関係であったはずなのに、ずるずると流されてしまい、最後には相手の主婦がなくてはならない存在になる。それが引き剥がされた時、公に明かされた時の不甲斐なさと言ったらない。 この事件をいろいろな人物からの視点で見ていくと、それぞれの思いがさらによく分かる。是非とも一気呵成に読んでいただきたい。
3投稿日: 2016.01.23
powered by ブクログ連作短編小説 R18なものも含むけど、後半の話はとてもよい そうなると、最初の性描写はそこまで必要だったのかなぁ?と思わないでもない ただ、最後のお母さんの話をぐっと深くするためにはそこまで描く必要性があったのかも?とも思う 人それぞれ欠けたところがあって、それでも生きていくんだよなぁ なんだかグッときてしまったけど、もしかしたら今の僕もどこか欠けた部分があるのかもね だから共感していい作品だと思ったのかも
0投稿日: 2016.01.08
powered by ブクログタイトルの言葉がいいなーと思っていて、先に「さよなら、ニルヴァーナ」を読んだけれど、同様にオムニバス形式の小説。 タイトルに惹かれた作品はだいたい自分的にはずれてしまうことが多いのだけど、これはとても良かった。 『水分』と書いて「みくまり」 主人公の斎藤くん、高校生ならではの良い味をだしてた。だけど普通と少し違うのはきっと、彼の母親が家で助産師をしているからなのかな。 誰にだって闇はある。あるけれどその闇を照らす光がどこにあるのか分からない。 どの話も全部に切なさや思いが込められてて、苦しくなるぐらいだったけど、自分的には『セイタカアワダチソウの空』が一番切なかった。 切ない、というよりは偽善の気持ちかもしれない。 斎藤やあんずたちは、ある程度の生活が保証されていて、その中での闇や苦悩が展開される。 それを間違いとは言わないし、大抵の人間はそれが普通なんだと思う。 でもセイタカとあくつは違う。彼らは生活が確実には保証されていないし、明日や将来の生活のためにしなければいけないことがある。 ただ、田岡さんがどっち側の人間なのか最後までよくわからなかった。彼は彼なりの正義で突き進んできているはず。 "どうか今夜、あの人が寒い思いをしていませんように。" 最後のセイタカの言葉は、きっと誰にも届かないんだろう。
3投稿日: 2015.12.23
powered by ブクログ初っ端読んで官能小説みたいやと思った笑 誰でも醜い部分も持ち合わせていて、そんなそれぞれの登場人物に人間味を感じた。アルツハイマーのおばあちゃんの話がいいらしいんだけど、その前に返しちゃったからもっかい読み直したい。
0投稿日: 2015.12.11
powered by ブクログ切ない。名作。 最初の章では、なんだこの高校生!とちょっとひく感じだったけど段々良くなってくる。みんなが心の奥に澱のような物を持っている。泣いても拗ねても毎日生きていかなくてはいけない。足掻いて生きていくのだ。
0投稿日: 2015.12.05
powered by ブクログ女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞した「ミクマリ」を含む5編の短編からなる連作短編。初っ端からかなりどぎつい性描写がありそのインパクトが強い作品だが、読み終えた後はそれさえも必要な物語の核となっていることに気がつく。 登場人物皆が、手放したくても手放せないやっかいなものを抱えていて、それでも生きていく姿が胸に迫ってくる。 斉藤君も、あんずも、福田君も、七菜も、斉藤君の母もそしてその周りの誰もが愛しくて、読後は、全ての人間に優しい気持ちを持てるようなそんな作品だった。
0投稿日: 2015.11.23
powered by ブクログ「高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。」裏表紙の紹介文の1行目を読んだ時点ではだいぶ怯んでおり、こんな噛み締めるような、余韻を残す読後感が待っているとは思いもしなかった 毎日あんまりうまくいってない、ふがいないわたしも空を見上げて、生きてかなきゃ
0投稿日: 2015.11.18
powered by ブクログ再読。この小説に出てくるのはどうしようもない人達ばかり。自分の周りにいたとしたら もっとちゃんとしろよ!と言ってしまうような。どうしようもないその人を受け止め、受け入れ、理解者となる周りの人達。表面的なことはどうであれ、その人そのものが好きで大事だから味方になれるんだろうなと思う。 駄目な人達をそのまま描いているだけなのに読み終えると清々しく、ひとりひとりに愛おしさを感じる。
0投稿日: 2015.10.29
powered by ブクログ想像と違い、青春小説。 あんずが主人公ではなく、 登場人物それぞれの 葛藤が描かれていて、 ドライなんだけど ぐさぐさ刺さる。
0投稿日: 2015.10.25
powered by ブクログ闇を抱えたどうしようもない人達がどうしようもない世界の中であがいてる様子が淡々と書かれていますが、とにかく綺麗です。特に文章と言葉遣いが。 自分が抱えているやっかいなものってもどかしい程にこべりついているんですよね。気がつく必要なんてないですけど、気にし過ぎでむず痒くなってしまった人達にはおすすめです。どうしようもない
0投稿日: 2015.10.17
powered by ブクログ性欲と生欲に揉まれ、もがき苦しむ人々をそれぞれの視点からの短編で取りまとめた構成。 露骨な 性描写は人によっては嫌悪感を覚えるかも。過去の過ちや失敗を受け止めてそれぞれの道を進めという事なのだろうか?正直、読了後イマイチあまり心に響かなかった。巻末の重松清の解説で多少理解しいえた部分はあるが。。。 まだまだ、この作品の奥深さが分からない僕がふがいなかったかもしれない。お後がよろしいようで。。。汗
0投稿日: 2015.10.06
powered by ブクログ再読。久々に読んだら結構えげつない、というか直接的な描写だな。。。映画を見たのであんずは田畑智子、卓巳は永山絢斗のイメージだった。
0投稿日: 2015.09.18
powered by ブクログR18指定に多少抵抗があったが、読んでよかったと心から思った。登場する人たちは皆、他とは違う(という表現はよくないかもしれないが)面を持っていたり、少し生い立ちがかわいそうだったりする。そんな彼らが生きていく中でやらかしたり、悲しいことがあったり、壁にぶつかったりする様子が細かく描かれていて、目が離せないけれど読んでいて少ししんどいようなそんな気持ちになった。わたしの今までの人生にはこんな大きな出来事、何一つ起こってないし、どうしようもない程追い詰められたこともないので、感情移入してどうすればいいかわからなくなってしまった。特に人の役に立っているわけでもなく、これといって価値があるとは思えない今の自分だけれど、大切に生きようと思える作品だった。
0投稿日: 2015.09.14
powered by ブクログ先入観なしに読んだから最初のエロい性描写にびっくり。 でもいっきに読んでしまった。 切なく深い、良い小説だった。 重松清氏の解説もすごく良かった。
0投稿日: 2015.09.10
powered by ブクログ一人一人の登場人物が、交差している。 悩みを持つ人は人それぞれ、真剣に悩んでいる。性と生と向き合う人達。 ほの暗さも抱える私達。
0投稿日: 2015.09.09
powered by ブクログ登場人物みんな、おかしな一面を持っている。 多分読者である私にもその一面があって、ギリギリのところで事件にならずに済んでいるんじゃないか。と思わされた。 そして世の中には普通の顔をしていても、事件になるかならないかギリギリを保った人がきっと沢山いて、そういう人間の”どうしようもない”ところをこの作品はよく受け止めているなぁと思った。 この手の話が一歩社会へ出れば間違いなく嘲笑の対象となる。 しかし、多くの人が人間の危うさを実は感じているような気がして、それをこの作品は”こんなこともあるよね”と言うテンションで書いていて人を救う力がある小説だなぁと思った。 この作品を読んで窪美澄さんが大好きになりました。
3投稿日: 2015.08.21
powered by ブクログR18指定があるらしく、なるほどなるほど、エロい。エロい描写がとてもとても繊細でカットソー生々しく、興奮した読み始め。 その中にそれぞれの葛藤だったり思いがひしめきあう内容。 どうしようもない自分との向き合い方が、四人人それぞれ綴られる、しかも、その四人はいろんなところで交差する物語。 なかなか夢中にさせます。 あとがきの重松清、これがまだ一つの物語のようになっていて、読んでて重松清さすが。と、思わざる得ないあとがきでした。笑
0投稿日: 2015.08.12
powered by ブクログあまり好きじゃない小説だった。性の本、最初の2話は特に重かった。短編ではないけど、第一人称がそれぞれ変わる。 ホントは奥深く生きることとかを深く考えるのだろうけど、表面上の話を読み進めるだけで辛かった。
0投稿日: 2015.08.11
powered by ブクログ性の話と言うイメージしかなくあまり読もうという気になれなかったけど、読んでよかった。人が抱えてるどうしようもなさとか、あるよなあ。そんな色々を抱えて生きていかないといけないんだよなあ、って。救われないような話にみえるけど、読後はなんだか穏やかな気持ちになった。重松清さんの解説もとてもよかった。
0投稿日: 2015.08.08
powered by ブクログ今年の新潮文庫の100冊(http://100satsu.com/detail/index.html?book139141?love)に選ばれていたので、読んでみることにした。 第24回山本周五郎賞受賞、2011年本屋大賞2位。そして2012年に映画化されている。 5作の連作長編作品。 なかでも、印象深かったのは「セイタカアワダチソウの空」。 主人公の境遇は、かなり厳しい。同居する祖母は認知症が進んでいるが、実母はほとんど家に帰ることがない。生活費を置いていくが、それを回収しにきてしまうこともあり、彼自身が生活のためにバイトを掛け持ちしている、という状況。 祖母が床を水浸しにしてしまったり、近隣の家に入り込んで、勝手に食べ物を食べてしまったり・・・。 コンビニバイトの先輩に助けてもらって、勉強はどうにかついていけるようになるものの、その先輩も問題を抱えていたり・・・。 他の作品も救いの面が少なく、読んでいて気分が晴れることは少なかったものの、斎藤くんのお母さんが営む助産院で新しい命が誕生していくことが挟み込まれることで、「希望」が見いだせる作品に向かっていると感じた。 2015.08.02読了
0投稿日: 2015.08.06
powered by ブクログ人は生まれながらにして、やっかいなものをつけて生まれてくる。生(性)と向き合う人々の物語。 冒頭、ちょっと下劣な性描写に戸惑いながらも、読み進めるうちに単なる男女の物語ではない、深い内容が見えてくる。基本的には高校生が主役(目線)の物語であるが、かなり大人の年代が読んでも共感の持てる作品。 ただ、本当に読むべき世代は・・・?個人的には非常に楽しませてもらった作品。 「最近の高校生は本当にこんな感じなのか・・」と疑問には思うが。
0投稿日: 2015.08.04
powered by ブクログ凄まじい話。 助産院の母を持つ少年は、ある日知らない女性に誘惑され、性に目覚める。 その人は夫もいる女性。 少年の友人、先生達も含め登場人物それぞれの目線でも描かれており秀逸。 少年と快楽に耽る主婦にもまた理由が有り行為に及んでいる事もわかる。闇を見事に描いている。
0投稿日: 2015.07.27
powered by ブクログ新潮文庫の100冊に選ばれていたので。 ミクマリだけはR-18文学賞受賞のときに読んだことがあって気になってはいたのだけれど。 連作になっているとは思わなかった。 短編集だけれど、ぜんぶ合わさって作品になっている、すごくいい本だと思う。 救いがないというか、わかりやすいハッピーエンドではないので、読んでいてけっこうしんどかったけれど、すごくよかった。 斉藤君しあわせになってほしい。
0投稿日: 2015.07.27
powered by ブクログコスプレ主婦のセフレと不倫した高校生がリアル炎上騒ぎになってしまう話と、彼の友人、母親などが登場する話。 読後、人生はまったくもってうまくいかないけどまあ生きていくしか無いなあと強く思った。 幼いころ団地ぐらしだった身としては、福田くんを応援したい!
0投稿日: 2015.07.23
powered by ブクログ最初の2話ぐらいがちょっとキツイ。なんだこれっていう感じで、最後の方でまともな感じになってきた。自分には合わない小説なのかもしれない、共感できる部分はほとんどなく救いのない話ばかりに思えた。
0投稿日: 2015.07.15
powered by ブクログ第24回山本周五郎賞受賞、本屋大賞2位(2011年)。 ・ミクマリ・世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸・2035年のオーガズム・セイタカアワダチソウの空・花粉・受粉 連作短編 。 福田くん視点のセイタカアワダチソウの空から特に好き。 人の描き方がうまいっていうか深いなあ。
0投稿日: 2015.07.13
powered by ブクログ悲惨な話ばかりだけど、皆後ろ向きではない。同情を誘うのではなく、社会を批判するのではなく、ただ現状を引き受けている。それが大きな優しさのような気がする。
0投稿日: 2015.07.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
性・・・っていうより、母親がテーマの短篇集だと思った。 だって全ての短編に一貫して登場する斉藤くんがマザコンなんだからしょうがない。 でもマザコンっていいことだと思う。日本じゃ否定的だけど、イタリアでは孝行息子と呼ばれるらしいし。 少なくとも斉藤くんは自分を母親が死ぬ思いをして産んだことを知っている。 彼は助産院の息子で、日常的にお産に立ち会っている。子供を生む母親の強さに憧れていて、同年代の女の子にはまだ惹かれない。だから、コミケで出会った子どもじみた主婦と関係を持ち、彼女が母になるって気付いた途端に猛烈に恋をしちゃう。 そんな斉藤くんがよくわからないままセックスをし、一皮むけた大人になると思ったらもう少しガキのままでした、っていう感じに終わる。(代わりに、彼の周囲の人物はのきなみ成長する。) 斉藤くんみたいな泣き虫の男ってすごくモテそう。 セイタカとあくつの話はジュブナイル調で懐かしかった。二人がビラ巻いたのはなんとなくわかる。 弾むような明るい文章で、元気が出た。
0投稿日: 2015.07.04
powered by ブクログ図書館で。なんとなくタイトルを覚えていたので。 う〜ん。物語の主人公になれない男子・女子だって色々あるんだよ!っていうお話なのかな。とは言えオタクでああいうのって居ないとは言わないけど結構少数だと思う。二次元を愛する女性は三次元で満足するのだろうか?難しい問題だ。 とは言え。とりあえず性は聖であり生である、という昔読んだフレーズを思い出しましたが聖ではないなあ、この登場人物たちは。なんか自分勝手な人たちばかりで自分をどれだけ正当化しようとか自分は悪くないと声高に主張しているような小説でどれもナンダカナーと思いながら読みました。好きになれないな、こういう作品。
0投稿日: 2015.07.03
powered by ブクログ冒頭から電車内で読むのを憚る内容だったのだが R-18受賞作品なるものだったのか。。。 登場人物は共通しているのだが、話し手が毎回変わる為 二度読みしたくなる。 主観と客観を両方覗くとこんなにも登場人物への印象が変わるのか、と。 読書感想文を書くとなると困る 色々盛り沢山な話だが物語としてごちゃごちゃな感じはせず。
0投稿日: 2015.06.17
powered by ブクログ長い間積んでいた本。 5編の連作。 R18文学賞受賞作品ということで、初めの話は中々刺激的ですがエロより切なさが勝っています。 5編とも繋がりは勿論あるのですが 一つ一つの話の雰囲気というか色がガラリと変わるので、全く飽きる事なく読めました。 空気感はどの話も一緒なのですが。 私は4話目が一番グッときたかなぁ。 繊細な切なさが物凄く伝わってきて うまいなぁーと。 他の作品も読んでみます。
2投稿日: 2015.06.04
powered by ブクログ年上の主婦と付き合う高校生の斉藤くん。官能的なシーンは多いですが、生きることの痛みや悲しみ、友人や家族の秘められた愛情が伝わってきました。一話毎に視点が替わる連作集はやはり引き込まれます。【第8回R-18文学賞、第24回山本周五郎賞、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10・1位、2011年本屋大賞2位】
3投稿日: 2015.05.30
powered by ブクログ2011年本屋大賞2位 高校1年生の男の子を中心として周囲の人たちの「性」との葛藤を描いたお話。 『女による女のためのR18文学賞受賞』ということで「どうせエグい性描写でも描かれているだけだろう」と些か敬遠していたが、深かった。 読み始めはやはりどギツい性描写があって「心の闇を性描写で表しているのだろうか」程度にしか見えなかったものが、途中から「環境によって歪められるっていうことが言いたいのだろうか」に変わり、最後には誰しもが持つ『やっかいなもの』との付き合い方の問題となる。 巻末の解説が非常にわかりやすく「なるほどぉ」と納得です。 お粗末な解説が多い昨今ですが、さすが重松清氏!
0投稿日: 2015.05.04
powered by ブクログ性と生が絡み合う。 コスプレ、不倫、不妊、様々な家庭環境や問題を抱える高校生とそれに関わる人達。 抑えきれない衝動や哀しいくらいに重たいものを背負っていたりする。 でも、悪いことばかりじゃないと思えたりもする。 なんかすごいなぁーと思った1冊。 2815.4.29
0投稿日: 2015.04.29
powered by ブクログ身近な人が突然いなくなってしまったり 人並みにできない何かに躓いたり 下卑た笑い声 貧乏 理解を得られない性癖。 男も女も生きる事はままならない事ばっかりだ。 それでも続けていれば。 ふがいない僕や私。 それでも見上げた空は途切れたりしない。
0投稿日: 2015.04.28
powered by ブクログ「わかんないことばっかりだよ。恋愛とか、セックスとか、女の人のこととか、自分のこととか・・・」。性描写が多く、けだるさが残ります。 斉藤君を中心とする登場人物は、皆傷だらけで、性にあがきながら人生をもがいています。人間の存在の卑小さを見せつけられるのですが、タイトルにある「ふがいない」という言葉は、そういった卑小さを受け止めつつ、受け入れて包み込む、そんな絶妙な着地点です。 4つ目の話に出てきた田岡さんが印象的でした。どんな人間でも、中には「獣」が潜んでいるのだと思います。それと共に、どう生きていくか・・・。助産院での女の人の絶叫シーンなども、そういった「獣」の面を心象づける効果的な演出です。
0投稿日: 2015.04.26
powered by ブクログ私は助産師で本の裏表紙の解説の助産院という文字に惹かれて購入しました。 どの話も丁寧に性と生について表現されていてあっという間に読み終わりました。 特に最後の花粉・受粉では助産師、助産院のリアルな姿が描かれていたのではないかと思います。作者の窪さんは本当は助産師なのでは?と疑いました。笑 最後の方の卓巳の「大きな声で泣いたら、赤んぼうたちが驚くからさ」という言葉に続く場面では号泣してしまいました。また、お母さんのように大きな何かに祈る気持ちを忘れず明日からまたお産の場に臨みたいと思います。何年後かに読み返したい作品です。
0投稿日: 2015.04.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
どういった話が知らずに読み始めたら… 最初の話がかなりの性描写で 最後はどうなってしまうのか心配になったが、 その後は各登場人物の視点でそれぞれの 心情を印象的なエピソードを交えて 描かれており最後まで読み切ることが出来た。 全ての登場人物がどこか欠如がある人達。 どこかで挫折したり、 屈折した思いがあったり。 普通このままだとネガティブな気持ちで終わりそうに なるが、最後にはかすかな光を感じた。 本当にかすかな光だけども。 一番印象に残っているのは 田岡さんの「おれは本当にとんでもないやつだから、 それ以外のところでは、とんでもなくいいやつに ならないとだめなんだ。」というつぶやき。 本当のところはどうなのかは置いておいて、 ああ、こんな考え方もあるんだなぁと。
0投稿日: 2015.04.10
powered by ブクログ読み始めのコスプレの性描写でこれから先はドロドロな世界で終わるのかなと思ったら全然違った。性と生を重ねて描いてる心に響く内容だった。登場人物やその家族がどこか欠けて危なっかしくて病的。でもそれぞれ魅力があって応援したくなる。斎藤くんの家が助産院だというのも希望とか未来に繋がってる気がする。いい本に出会えて良かった。
4投稿日: 2015.04.06
powered by ブクログ17歳の時に本屋で見つけて興味が湧いたけど、R-18ということでその時は保留。19歳になってからやっと読んだ。 ちょっと過激な恋愛小説だと最初は思っていたけど、予想とはるかに違った。登場人物のストーリはどれもリアルで衝撃的。ひとりひとりの生き様が、描かれていた。 特に、セイタカアワダチソウの空は涙が出るほど胸を撃たれた。 当たり前だけど、人にはそれぞれの人生があって、そのそれぞれの人生を自分で歩むしかない ということを改めて強く感じた。 とてもやるせないし綺麗なものとは言えないけど、それぞれの人生を一生懸命生きている登場人物たちは とても美しいです。 この本を読んで、私はその美しさを ありのまま受け入れることができる人間になりたいと思いました。 読んでよかった。
0投稿日: 2015.03.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
帯に「女による女のためのR-18文学賞大賞」と書いてあったし、映画の情報もなんとなく知ってから読んだのですが、エロいなどという感情よりも 嫌な人にじくじくとセクハラを受けているような不快感と居心地の悪さを感じて、読むのをやめようかとも思いました。 ですが!! 「セイタカアワダチソウの空」を読んで福田君に共感し、そこから一気に物語の中に引き込まれました。 その後、この本を含め窪美澄さんの本を3冊読みました。
0投稿日: 2015.03.26
powered by ブクログ世の中にも自分の内側にも、自分ではコントロールできないことがたくさんあって、苛立ったり泣いたりすることもあるけれど、そこから逃れられないのであれば、否定せずに抱えていればいい。ということもある。
0投稿日: 2015.03.15
powered by ブクログ何年か前、単行本が出た時に読みかけたのだか、セックスシーンに辟易して読了しなかった。 ふと思い立ち、改めて読み直してみたが、印象は大きく変わった。 この本は、どうしようもない人の生を描いていたのだ。
0投稿日: 2015.02.20
powered by ブクログ決して綺麗なお話ではなかったが、 生きていく上で直面する生と、性。 相手が自分に対して持つ嫌悪。 自分が相手に対して持つ嫌悪。 自分には遠いような、でも 心では深く頷いてしまうような。 人間、生きる者としての何かを 感じた作品でした。
0投稿日: 2015.02.05
powered by ブクログ命の大切さ。 生きていくことの 怖さを 知った。 しっかり 生きる。 2015.1.29
0投稿日: 2015.01.30
powered by ブクログ映画を先に見てしまったからな。 映画はよかった。あんずとむらまさを軸に、 他の役、助産師も同級生の団地の子も、コンビニの先輩も。 映画を見てなかったら、読まなかったかもしれない。 だから、映画に出会って、本も読めてよかった。 不妊治療してるのに、高校生との不倫。 「こんな気持ちのいいセックスのあとにこどもが生まれたら幸せなことだ」というようなコメントには、 映画でも本でも引き込まれた。背景もふくめて、性だけでなく命を感じられた。
0投稿日: 2015.01.25
powered by ブクログR-18文学賞大賞。 のっけから性描写バリバリだけれど、官能小説じゃない。でも電車じゃなくて家で読むことをオススメする。 それぞれの登場人物がゆるやかに絡まっていくのがすきだった。それぞれの話で、変わる語り口も。 底無し沼のようにドロリとした質感の小説だけれど、最後の話で救われた。
0投稿日: 2015.01.18
powered by ブクログ2015年1月14日読了。人妻と逢引を続ける男子高校生・不妊に悩む人妻・家庭環境に悩む高校生たち・産院を経営するシングルマザーたちの、「やっかいな」性を抱えた日常。重く張りつめたような文体に切実感があり、一気に読み終えてしまった。何か重要なことで悩んでいるときに窓の外のちょっとした景色に焦点が当たったり、服装のものすごく些細なところが気にかかったり。我々にとっての「リアリティ」ってのもそんなところに現れるものだと思うし、小説のリアリティも「いかにディテールを積み重ねて本筋の描写を際立たせるか」というところにあるのだろうか。
0投稿日: 2015.01.14
powered by ブクログR-18文学賞大賞、山本周五郎賞W受賞。セフレが主婦の高校生、望まない不妊治療を受ける女性、痴呆の祖母と暮らす高校生、助産師をしながら女手一つで息子を育てる母、それらがリンクした連作集。本屋でふと目について購入。R-18だけあってところどころエロいですが そんな事より切ない。どのお話も切ない。続きが気になって一気読みしました。この作家さんまた読んでみようと思います。解説は重松清氏でした。
0投稿日: 2014.12.30
powered by ブクログぼちぼちですね。 つながりがある5つの短編小説でした。 とりあえず読みやすかったですが、 ぼちぼちした感じが否めない。 多分、物語に違和感を感じすぎるのか、 単純に合わないのかもしれませんね。
0投稿日: 2014.12.18
powered by ブクログ不倫とか、ショタコンとか、性とか、生の話。 R18って書いてあったけど、エロいのは初めだけで、途中からは全然だった! みっちゃんの「ばかな恋愛したことない人なんて、この世にいるんすかねー」 たしかになー
0投稿日: 2014.12.06
powered by ブクログ映画が少し気になってたので読んでみました。終始気だるい感じかと思って読んだら最後は少しだけ明るい感じでした。救いがないような不倫のお話だったので最後まで気だるさを残して終わって欲しかったような…。あんずの行き場のない感じが心にできた空洞に気遣ずふわふわしてしまってる、せざるおえなかったのかなと思いました。
0投稿日: 2014.12.04
powered by ブクログ幾つもの人生がリンクし合うことでいや増す人間の魅力を、見事に表現している作品です。これはちょっと、今までにない読後感だぞ…。 コスプレイヤー主婦とのSEXにのめり込む高校生。 姑に赴任治療を強いられ諾々と従う嫁。 彼氏の浮気映像に胸高鳴らせる女子高生。 ホモ疑惑のあるイケメンに勉強を教わる高校生。 そして、ふがいない息子を持った助産婦。 一編一編だけに注目すると、人間の身勝手さや宿業のようなものを痛感してしまうような内容です。 正直言って、然程魅力のあるキャラクタ達でもないですし、読んでいて胸躍る・心地良くなる・驚きがある物語でもありません。 ただ、視点を変えて語られる彼等のストーリーが、あまりに生々しい現実味を章を経る毎に肉付けされていくような読み応えに、すごく惹かれたのも事実です。 いつまでも彼等の日常の中の非日常を追って行きたくなるような、不思議な気分になってしまったのでした。何だろうなあ、この感じ。 語り手を変える連作短編集って珍しくないのに、こういう風に「物語の内容」じゃなく「登場人物達から受ける印象の変化」に注目したくなったのって、初体験じゃないかしら〜(°_°)
9投稿日: 2014.12.03
powered by ブクログ最初の物語をきっかけに、時間の軸は一つでその事件を始まりとして、主人公が物語が変わっていくお話。いろんな小説を読んでると、主人公以外のストーリーが確かにあるわけで、そのストーリーを知ることで、小説全体がより一層深い味わいを持つもことになり、テーマが腹に落ちる気がするし、安心する。人はなんだかんだといっても、みんな同じだなって感じる。どうしようもないなって感じ。どうしようもないから、誰かの力を借りて生きてかないといけないし、自分のしたことはきちんと受け止めて、前を向かないと。 どうしようもない人たちと、それでも前を向いて現状を受け止めて、必死に生きてる人たちの対比を考えさせられたかな。
0投稿日: 2014.12.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
◎作者はきっぱりと、清潔に、登場人物の「性(せい/さが)」を受け容れ、それを「生」へと昇華するための五編の物語を重ねていくのだ。〜ただ生きて、ただここに存る。 地球が透明でふわふわな蜘蛛の糸に覆われていて、そこを情報が行き交うたびに、ぴかぴかと光るのは、ちょっときれいかも。 幼稚園の年長さん その瞬間、シュッとマッチをすったような音 彼の自由な生き方を無責任におもしろがって結婚したくせに、子供が出来た途端、夫や父親としての責任を彼につきつけた。
0投稿日: 2014.11.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
男子高校生と主婦の不倫とその結末を背景に、本人たちとそれを取り巻く友人、家族らに起こる出来事を綴った連作短編集です。 現実味がなく突っ込みたくなる場面もありましたが、それも良い刺激となってテンポ良く読み進めることができました。 生々しい性描写があり、R18賞であったりもしますが、読者のハードルを上げるものであり、勿体ないと感じます。性がひとつの主題ですが、妊娠や出産も含めた人の営みとしての性であり、性描写がなくても十分に成立したと思います。 この物語の登場人物たちは自分の意思ではままならないものに振り回されながらも、前を向き、自分の道を進むことを選びます。彼ら同様、ままならない現実に右往左往する私たちへの励ましに満ちた物語でした。
0投稿日: 2014.11.16
powered by ブクログ印象的なのは高校生の性欲の湧きだしと、ニュータウンの描写である。短編か長編かなんとも言えない。誰か1人の1人称で語ってほしいが、そうなると本作品は成立しえない。「あたし」の多用はいい感じがしない。
0投稿日: 2014.11.08
powered by ブクログ2014/10/31-11/4 最初の方はもう読んでて辛かった。本屋大賞候補作ってこんなもんかと。 ただ途中からは少し巻き返したように感じる。どこか角田光代(だっけ?)の描く特に希望も感じられない人間の書き方に似ていると感じた。 それにしてもオタクを巻き込むと本屋大賞候補作にはあがってくるのかな?と訝しむ今日この頃。
0投稿日: 2014.11.04
powered by ブクログ男子高校生とコスプレ主婦の不倫関係の話が第一話。第一話は軽いノリで明るいタッチでしたが、第二話以降、登場人物の家庭や友人関係のドロドロとしたところが描かれています。みんな人には言えない何かを持って生きているんだ、そんなことを感じました。
0投稿日: 2014.11.03
powered by ブクログ読み始めてすぐからきわどい内容でしたが 読み進めていくうちに、どうなっていくのか 凄く気になっていく。 でも、最後はこれで終わり?って感じでした^^;
0投稿日: 2014.11.02
powered by ブクログ読み進めるうちに初めの嫌悪感が少しずつ薄まっていく。人を嫌いになるのはほとんど、状況を、その時の気持ちを、しょうがないことを、知らないだけだからなのかも。でも若者を消費するのはいけない事だと思った。 1番印象的だったのは団地の子の話。これを同じような境遇だった人が読んだらどんな風に感じるんだろう。他の編には自分と似た状況にいる人も出てきた。同じ本を読んでいても、他の人は自分と違った立ち位置から眺めているってことに気付いた。
0投稿日: 2014.10.29
powered by ブクログ性というのはやっかいだ。性に関しては、それぞれの違いを個性という言葉で収めてしまうのは社会が許さない。周りと違ったら、周りに合わせないといけないから、ダメってわかってるから、不甲斐ない。
0投稿日: 2014.10.24
powered by ブクログ人生は幸福よりも不幸を感じることが多い、という言葉をどこかで聞いたことがある。 タイトルを見て長編かと思っていたが、中身は短編集で、背表紙にある表題作は見当たらなかった。5つの視点から見る世界はどこを取っても良くないこと、悪いことが大抵続く。そんな中を生きていくことを正面から見つめるようなそんな作風。登場人物は皆どこかしら過去や性格に問題があって共感はできなかったが、それは作者がただのハッピーエンドで終わらせて話しを畳むのでなく、この後も人生は長く続くその一片を読者に共感させない程度に距離を突き放しつつも見守らせるための作風なのではないかと思った。
0投稿日: 2014.10.20
powered by ブクログ人間の過ごす時間を色褪せたものとするのは、あきらめだと思う。自分の過ごす時間を色彩にあふれたものとするのは意志が必要だし、心折れることもあるが、それらがキラリと可能性を照らしていることで救いのある本になっている。 ばかで、でぶで、ぶすで、不妊の変態主婦(本文より引用)だから姑や夫に大事に扱われなくても仕方がない、家が貧しいから勉強ができなくても仕方がない、お兄ちゃんより頭が悪かったからしかたがない。 仕方がないと言ってしまうと全部が仕方なくなってしまう。仕方ない状況で、仕方がないとあきらめるのか。それを理由にせずに新しい自分の生活を掴み取るために、一歩踏み出すのか。 今の自分を変えられるのは、自分の意思だけだ。
2投稿日: 2014.10.12
