
総合評価
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powered by ブクログ初めましての窪美澄さん。 まずはたくさん賞を取ったデビュー作から。 この本を紹介していた人がいて タイトルも気になったのも相まって読んでみました。 思春期のやりきれない気持ちを描くのが上手な人だなと。 それを支える周りの人たちの何をするわけではないのに、温かさを感じたり。 でもどうしようもない感情とか、それを理解しても周りがどうしようもできないことってあるよね。。。 なんか思春期じゃなくとも 人生終わるかもって思った瞬間を経験した人も多いはず。 そこから抜け出すのって結局自分自身でしかないんだよね。 窪さんの別の作品も読んでみたいと思いました。
3投稿日: 2026.09.22
powered by ブクログ気になっていた作家さんの初作品。 性と生にフォーカスした連続短編集でした。 やや前半は官能小説的な要素が強かったですが、最後は生に対する母の想いが綴られていたと思います。 ただ、個人的にちょっと前半が読みづらかったかなぁって気がしました。 もっとこの作家さんの本を読んでみたいと思います。
1投稿日: 2026.09.12
powered by ブクログ初読みの作家さん。 高校生男子と主婦がセフレの関係。 その旦那と姑がその二人以上に下衆な親子。 性の描写が直球過ぎるし、登場人物が皆んな残念な人々ですが、何故か引き込まれていくのは作家さんの文章力の力なのか。 物語は続き物ですが各章でメインが変わっていく内容。 後半につれて、深みに入っていきます。 圧巻は高校生男子の友達の章。 家は貧乏で父親は自殺。母親は他の男と別で暮らし、同居している祖母は重度の認知。そんな祖母を面倒見ながら、学校に通い、バイトで生活費を稼ぐという不幸の塊の中、SNSで主婦との関係動画が出回り引きこもりになった友達を誰よりも心配、味方になっている。その反面、その反面、その動画コピーを拡散する友達に協力する姿もあり、人間の弱さ醜さを生々しく描いています。 最後の章の高校生男子の母親も良かったです。 助産婦として、生命の誕生に携わる仕事の描写が尚更、引きこもっている息子と対比になって生きていく辛さが見えている感じがします。
54投稿日: 2026.08.25
powered by ブクログ目を背けたくなるような辛い現実、考えたくないこと、そういうどうにもならない苦しみを抱えながらも生きていくしかない。それが普通とは少し離れていたとしても。
3投稿日: 2026.08.15
powered by ブクログ窪美澄さんらしい描写満載。 思わず目を背けたくなるような描写や、生々しい表現、心のダークサイドを抉るようなストーリーなど、心穏やかに読める著書ではないものの、皆が背けがちな現実を的確に捉えていて引き込まれる、でも読後感は悪くない。不思議。
13投稿日: 2026.08.02
powered by ブクログ恋って走り出したら止まらんやん! って感じでずっと読み始めてから読み終わるまで ページをめくる手が止まらなかった。 桐島部活辞めるってよを思い出すような1人の少年を軸に5人の視点から描かれるストーリー。 他の人から見たらやめときなよって思う恋でも、恋してる本人からしたらその道でしか前に進めないんだってわかる気もする。 みんなやっかいなものを抱えて生きているし、バカな恋をしてきてるし、人に言えない過去もあるんだし、他人に悪意を向けるエネルギーがあるなら自分の人生のために向けるべきだと思えた。
12投稿日: 2026.07.30
powered by ブクログある町に住む人々の物語。自分は自分のことしか知らない。他人を知っていると思っても絶対に知り得ない。人には隠された感情がやはりあるし、仮に全く隠していなかったとしても他社が本人と同じ気持ちになんてなれない。なれないからこそ寄り添うということが重要なのかしら 複数の視点から語られる物語を読んでそんなことを考えていた。
0投稿日: 2026.06.10
powered by ブクログ前半は思わず官能小説?っと思ってビックリした。高校生と主婦の不倫。しかもコスプレ。ちょっと予想外で驚きと読めない展開。連作短編集でどの話も先が見えない生きづらさを感じるでも、いつかきっと反転するかもしれない。まだ先は見えないけど、なんとなく光が見えてきそうな。そんな感じる作品。2011年本屋大賞2位なんですね。
9投稿日: 2026.05.27
powered by ブクログとても良かった。 最初はえぐい性描写と年齢差のある男女(しかも高校生と大人)という設定に読むのはしんどいかもしれないと思って本を閉じようかと思った。 でも読み進めて良かった。 タイトルにあるようにふがいなかったり、うまくやれなかったり、なんでだろうって思ったり、でもそれでもそれでいいと思わされた。 苦しいと思いながら生きることについて考えさせられたし、自分を重ねることができた。 斎藤くんの冷やさないようにねという言葉や体にやさしく触れることができる技術がとても素敵だと思った。 最近立て続けに本を読んで思うけど、あまり喋らないけど何か考えている系の男の子像が好みらしい。特に斎藤くんは好きだなあと思った。 良太は外から描かれる様と内面が違う人のように見えるのが不思議だった。誰も彼も明るく見えても心のうちではいろんなことを考えているってことなのかもしれない。
1投稿日: 2026.05.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
それぞれのドラマ。あんまり明るい話ではないけど、 タイトルがそれを全部綺麗に、なんなら爽やかな風吹きそうな雰囲気にしてくれる。
0投稿日: 2026.05.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これが性であり生きるということなのか 過激な表現は最後まで受け入れ難かったが、飾らない生のあり方を見た気がする
0投稿日: 2026.05.06
powered by ブクログ正直、結構ずっしり重かったといった印象でした。 登場人物たちの心情はわからなくもないのですが、タイトル通りふがいないなと思ってしまいました。 結構賛否が分かれそうな内容ですが、自分にはあまり合いませんでした。
0投稿日: 2026.05.06
powered by ブクログ全部の章話はつながっているが主人公はそれぞれ違う。しかし、この物語を通して人間の持つ「やっかいなもの」がテーマになっている。私たちが日々感じているやっかいさ、それを見事に私たちに気づかせてくれる作品だった。初めはこの本のタイトル「ふがいない僕は空を見た」のふがいない僕の意味がよくわからなかったけど、「やっかいなもの」を持った私たちはその通り「ふがいない僕」なのだと理解できた。この作品がデビュー作だとは驚きだ。他の作品も読みたい。
9投稿日: 2026.05.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
はじめはかなり生々しくエロティックな描写に驚いたが、後半につれ、人々それぞれが持つ”性・恋愛”に対する欲求の果てしない”やるせなさ”に深く共感できた。 登場人物それぞれが、 誰かから見たら良い人生・生き生きとした人生 に見えても、個人個人のその”やるせなさ” のせいで、人生が時に大きく変わってしまうことがある。 この本は、何か、元気づけたり・エネルギーをくれるようなメッセージ性があるかと言われると微妙なところではある。 しかしながら、 「人間って、そういうものだよね」と、 個人個人については、私も完璧でなく、あの人も完璧ではないことを改めて受け止めることができるように感じた。 ”悪い出来事もなかなか手放せないならずっと抱えていればいい。オセロの駒がひっくり返るように反転する日が来る”
1投稿日: 2026.05.03
powered by ブクログ性描写は強烈で最初は圧倒されてたけど、それ以上に各々が想う気持ちに考えさせられてる。村田沙耶香が好きで併読中というのもあるのか、いろんな箇所で村田沙耶香味を感じてます。あんずが「〜だなあと思った」という書き方も村田さんの本にはよく出てくるし。全然別物なんだけどどこかコンビニ人間や世界99を思い出すんです。 やっぱり私は純文学が好きです。
0投稿日: 2026.05.02
powered by ブクログ5つの短編「ミクマリ」「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」「2035年のオーガズム」「セイタカアワダチソウ」「花粉・受粉」が語り手を継ぎながら物語られる連作となっている。 1話目のミクマリ、セックスシーンが細かく描写されていて「いいの?」と思ってしまった。R-18文学賞大賞と知って納得。 官能的というより退廃的でやるせなさが残る。 全編がどうしようもない「欠落」「喪失」に軸が据えられていて人生の難しさを描いている。 登場人物それぞれが抱える苦難を美しく解決したりはしない、苦難を苦難のまま受け入れて生きていくんだ、というメッセージに受け取った。
1投稿日: 2026.05.02
powered by ブクログ悪い意味じゃなく人にオススメできない本。 なんとか自分自身でこの本と出会って欲しい。 登場人物全員が愛おしい。 1番気になったのは田岡さん。 あの人は誤解されたまま逮捕されたのか本当に犯罪者なのか読み取れませんでした。
2投稿日: 2026.04.24
powered by ブクログめちゃヘビー!重かった 全編読み応えあって面白かった 色んな性のかたちがあるなと… 個人的には、田岡さんいい人であって欲しかったし、実際いい人なんだろうけど、 神様がつけたオプションに本人も悩まされて… やってはいけないことをしてしまったけど、報われてほしい。
0投稿日: 2026.04.13
powered by ブクログ『ふがいない僕は空を見た』 窪美澄 「今日の産婦人科の医者が言ったみたいに、ぼくはぼくの人生を本当に自分で選んだか?」 人のやっかいなものをマイナスと書かず「過剰」として書いた作品。人間の生々しさこそを、まだ過剰として見れているうちは心がまだ暖かいのではないのだろうか。
6投稿日: 2026.04.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「女による女のためのR-18文学賞 大賞」受賞作。とってもおもしろいです。が、これよりよっぽどR18な作品がある中で、エロ本みたいな賞名はなんか嫌だなぁと思いました。連作短編で、話によって視点が変わり、斉藤視点だと不倫相手のあんずはエロいお姉さんといった風ですが、あんず視点で彼女が幼いころから周囲に馴染めず、夫や義母からの嫌がらせを日々受けていることが分かり、い、痛い。作中で夫と義母に罰が下されるわけでもなく、胸糞悪いです。連作短編が好きな人にはぜひ読んでもらいたい作品です。
0投稿日: 2026.03.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
セイタカアワダチソウの空 がすき! 田岡さんが小児愛者である自分のことを 神様はオプションをつけたっていう言い方。 あの表現が上手だなって思った。 車内が甘い香りでぬいぐるみが下に落ちていた。が今でもその気が治っていないことの伏線で、話が進んでいくと 田岡さんが、俺はとんでもないやつだからとんでもなくいいことをしなきゃいけないんだっていうところが切ない。責めきれない。 小児愛者でありながら、ヤングケアラーの良太へは本当になんとかしてあげたいという気持ちが溢れているのが読んでるこっちが胸が痛くなった。 良太が最後に意地悪な神様(田岡さんが神様からオプションをつけられたと言ったから意地悪なをつけたんだろうな)に田岡さんがどうか寒くないところにいますようにと願っている。読者の私でさえも良太が、田岡さんが、その救われ難い現実の中で、少しでも未来が明るくなりますようにと願わずにはいられない終わり方だった。 何がすごいってこれ短編でまとめてるところなんよなぁ。 この重さをこのページ数でガツンと殴ってくるように伝えてくる窪さん。エグいよ。
1投稿日: 2026.03.04
powered by ブクログ何を抱えていても、それがやっかいなものでも、そこに「いる」ということ。 「生きる」と思わなくても、そこに「いる」ということ。 思わぬ登場人物が、少し心を軽くしてくれることを言ってきた。
1投稿日: 2026.03.02
powered by ブクログ人ってみんなそれぞれ悩み抱えてるんだよなって、いつも明るい友達も、幸せそうに見える友達も、心の中はわからないよなって。 心の中に厄介なものを抱えながら、登場人物はそれでもみんな前を向いて生きてゆく姿に胸が打たれる。 高校生と主婦のコスプレSEX不倫。 字面だけみると不埒だけど、卓巳は普通に恋をしただけなんだよな。体から始まる関係だったけれども…。高校生卓巳の純粋さとかが可愛くもある、助けてあげたい。 セイタカアワダチソウの空 の団地の子、良太とアクツの話もこれまた胸にくる。認知症の祖母の面倒を見ながら、バイトして、学校に行く。ふがいないなんて、思わないでいいのに、誰かに助けを求めてくれれば良いのにって、それくらいすごく頑張ってる子なんだけど、頑張ってることにも気づいてないのか、生活するのにいっぱいいっぱいで。たくましいし色んな可能性を持っているはずの彼が貧困のせいで夢も希望も持てないなんてね。セイタカアワダチソウって植物を調べると、これがまた要注意外来生物になってて、嫌われる要素が多いこと…。辛すぎる。 ラストは卓巳の助産師の母の視点になり、生命が誕生する神秘に、純粋に涙が溢れた。命は尊いよなって、最後の章にして原点に戻った。傷ついた卓巳だけど、この母の元で育った彼なら立ち直り前向くことができるって思えた。 性描写はわりと過激だけど、この小説には必要だし、人間の本能が生々しく描かれていたのは、生命の誕生に繋がる意味を感じ刺激的でした。
21投稿日: 2026.03.01
powered by ブクログ最後まで救いがあるかないかわからないまま読み進めていたけど、すっきりした終わり方だった。章ごとの重さとか過去へのやり切れなさは残りつつ、出てきた人たちが前を向く力を獲得できてよかった。若者はこんなふうにたくましく生きてほしい。 二十歳くらいのときに読んでたらもっと感情がぐちゃぐちゃになってたかも。 性欲というやっかいで小さなたまごは、あたしのなかですでに孵化していて、それがたまごっちみたいに成長していくことを、あたしはそのときまだぜんぜんわかっていなかった。p.146
1投稿日: 2026.02.23
powered by ブクログ著者、窪美澄さんは、ウィキペディアによると、次のような方です。 ---引用開始 窪 美澄(くぼ みすみ、1965年 - )は、日本の小説家。日本ペンクラブ会員。 ---引用終了 で、本作の内容は、「BOOK」データベースによると、次のとおり。 ---引用開始 高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。やがて、彼女への気持ちが性欲だけではなくなってきたことに気づくのだがー。姑に不妊治療をせまられる女性。ぼけた祖母と二人で暮らす高校生。助産院を営みながら、女手一つで息子を育てる母親。それぞれが抱える生きることの痛みと喜びを鮮やかに写し取った連作長編。R-18文学賞大賞、山本周五郎賞W受賞作。 ---引用終了
118投稿日: 2026.02.21
powered by ブクログ辛い描写が多く読むに耐えないのに、ページを捲る手を止められずに、夜更かしして一気読みしてしまった。 かなり直接的な表現が出てくるけど、性と生の生々しさを伝えるのには必要な表現だったのかなと思う。 悪い出来事もなかなか手放せないのならずっと抱えていればいいんです、そうすれば、オセロの駒がひっくり返るように反転する時が来ますよ。いつかね。 この言葉の通り、登場人物達の人生も反転しますように。
29投稿日: 2026.01.31
powered by ブクログ一章目を読み終わった時、こんなやばい官能小説を読んでいる自分が恥ずかしいなと思って一旦読むのをやめてしまった。でも日を跨いで本の残りの内容が気になってパラパラとめくってみたらとまらなくなった。ただの官能小説ではなかった。世の中にいるいろんな人のいろんな事情や気持ち。現実だったらキツすぎるが小説としてなら読めて良かった気がする。そして暗い話の中にみっちゃんという太陽のような存在が出てきてちょっとホッとした。
1投稿日: 2026.01.26
powered by ブクログ登場人物それぞれが悩みを抱え、生きることに痛みや苦しみを感じながら、それでも小さな希望を探し生きていく物語。 人それぞれ事情があってどうしようも立ち行かなくなり、過ちを犯してしまうこともある。みんな決して綺麗じゃない。清廉潔白な人などいない。 犯した過ちだけを切り取って見てしまえば、人は嫌悪し、断罪してしまうかもしれない。しかしこの作品では、そうせざるを得なかった状況や心情が丁寧に描かれていて、読みながら「自分だったらどうしただろうか」と何度も考えさせられた。 人は簡単に救われないし、きれいに立ち直れるわけでもない。それでも周りは関係を断ち切ろうとせず、側にいようとする。小さな世界の中で助け合って生きていく姿に、読後はどこか温かな気持ちが残った。 やらかしちゃった卓巳君の写真を見ながらみっちゃんが言った、「ばかな恋愛したことない人なんか、この世にいるんすかねー」という言葉が、この物語を象徴しているようで、妙に心に残っている。
12投稿日: 2026.01.19
powered by ブクログ確かに普通でない性描写にうんざりする瞬間もあるのだが、私は最後まで読んでよかった。最後の2つの話が好き。田岡さん、絶対ダメなことなんだけど、救われて欲しいし、福田くん、あくつ、卓巳には穏やかな未来がありますように。卓巳は、母親の大きな愛に包まれて育った。絶対優しくて素敵な大人になる。
1投稿日: 2026.01.10
powered by ブクログ「魔が差す」ようなかたちであふれだす欲望や衝動。それらは性欲や嫉妬などに絡んでいた。人間だからこそのどうしようもない部分だろう。「魔が差す」とは言っても、誰かや何かに追いつめられたりしたことで見つけた逃げ道としての行為であったりはする。そしてその行為の前後、主要人物たちは苦しみに見舞われていたりする。そういった人物ばかりではないけれど、それぞれすべての主要人物が、それぞれに割り切れない事情を抱え苦しんでいた。そういった連作長編だった。 人は、苦しんでいるのは自分だけで、他人は深い悩みもなく楽しい日々を送っていると思いがちではないか。たとえば「隣の芝生は青い」という言葉のように。でも、少なくない人々が、それぞれ苦しんでいて、それぞれの苦しみの源となる個別の事情を抱えている。失敗をしない人生はないし、誰かの失敗を背負う人生も珍しくない。人生にとって深い打撃となる失敗は避けたいものだけれど、えてしてやってしまう過失というものはある。そういった過失が関係する連作長編だった。完璧になんて生きられない。だからこそ、深い落とし穴に落ちることもないわけではない。巻き添えをともなって深い穴に落ちることも、なんら珍しいことではない。そういった連鎖関係も、この作品で意図して構成されているところ。この世界で暮らす人々は過失それだけを切り取ってみてしまいがちだからこそ、見落としている背景が書き込まれているところに読み手は惹きつけられる。日々の死角や盲点をそれとなく気づかせてくれてもいるからだ。 読み手はそんな人間関係のしがらみや抑えきれない欲望や衝動のその後を見せられて、はたしてどう受け止めるだろうか。紙一重で選んでしまった過失や、過失への巻き込みがなければ、いたって平穏にくらせていたに違いない人たちなのだから、彼等に対してそう簡単に割り切れる気持ちは湧きおこらないのではないかと思う。そして、過失を経たあとを描くからこその「ふがいない僕は」であり、すなわち過失の後を切り捨てないがゆえにできあがった物語なのだと思う。 これは、実世界では多くの人たちが興味を失うか、直視を恐れる部分ではないか。そこを描くことで、「生きること」が見えてくる。最後の章は主人公の家である助産院を営む母親が主人公だったが、そこで描かれる産みの苦しみは再生の苦しみともリンクして感じられた。この世に誕生するときに、赤ちゃんも母親もとても大変な想いをする。再生の過程とて同じことなのかもしれない。もう一度生き直すとき、もう一度立ちあがるとき、陣痛や出産の痛みや苦しみに通じるなにかを甘んじること。それは生きるか死ぬかの瀬戸際でしか成し遂げられないと覚悟を決めることだろうと思った。 しめくくりに最後の章で少しだけ登場する漢方医・リウ先生のセリフの場面を。 __________ リウ先生が白い歯を見せて笑い、すっと息を吸うと、まるで呪文を唱えるように言った。悪い出来事もなかなか手放せないのならずっと抱えていればいいんですそうすれば、 「オセロの駒がひっくり返るように反転するときがきますよ。いつかね。あなたの息子さんが抱えているものも」リウ先生が指をぱちんと鳴らした。(p296) __________ 長い苦しみの後に赤ちゃんが生まれるように、悪い出来事による苦しみも、いつか反転するときがくる。それはきっと、産まれること。再生なのでしょう。 というところですが、おまけとしてちょっとだけ記しておきたいことがあるので、それを。 自分の子どもがそんな大層なことをしたわけでもないのに褒めて喜んで、それがほんとうに心からそうしている様子なのがわかって、「この人たち、やっぱりどこかおかしいのかもしれない」と親を思うようなのって僕もあったなぁ、とちょっとさみしく思い出したのでした。「2035年のオーガズム」の章の最後からでした。中心人物である男子高校生と恋人同士になるかならないかの関係から発展を期待している高校生の女の子が主人公の印象深かった章です。でもそこで事件というか事故というかに見舞われる男子高校生の運命に振り回されていく。家庭問題も抱えていたり。
23投稿日: 2025.12.27
powered by ブクログ救えるわけでもないし、救おうともしていないが、存在を肯定しているというのがこの作品の良さであると思った。ドラマティックな展開はないけれど、細くても光が見えるような5編。私はセイタカアワダチソウの空が1番好きでした。
1投稿日: 2025.12.15
powered by ブクログ十人十色の人生がありました。 全員闇深い。 ただただ全員の闇の部分を知り、その時各々が感じたことをありのままに受け止める感じで読み進めました。 かける言葉が見つからず己の未熟ささえ見つけてしまった本でした。
1投稿日: 2025.12.03
powered by ブクログ人妻とイチャコラしてたら旦那さんに拡散されて大変なことになった高校生の話…でいいのかな? お金も貰ってるし買われてるから…未成年ナンチャラで捕まるのは人妻の方だろうか? ストーカーであっても働かなくていいよって言われたら結婚するもの? 色々疑問は出てくるが…楽しめました
0投稿日: 2025.11.25
powered by ブクログ心の埋まらない何かを埋めようとする時、人は性行動に出るのだろうか。性描写の多さや詳細さから、人間が持っている虚しさに一生懸命抗おうとする姿を感じた。 独立した短編だと勝手に思っていたので主人公が変わるタイプの連作で驚いた。 最後の主人公は誰だろう?と思ったら、卓巳母だったことに少しの驚きと、親側の弱さや葛藤も描いて締めてくれるバランス感になんとなくホッとした。
2投稿日: 2025.10.12
powered by ブクログ誰にでも生きにくさってある気がする 重松清さんが書いている解説がとても興味深い文章だったし、今の自分に寄り添ってくれた 「〈やっかいなもの〉を捨てられずにいるふがいない僕たちは、でも、その光がまぶたの裏に残っているうちは、人生や世界について少しだけ優しくなれるような気がする」
5投稿日: 2025.09.29
powered by ブクログミステリーしか読んでいなかったので 本屋でタイトルとR18に釣られて購読! ちょっとショックと言うか……… こんな本があるんだと(笑) 生々しい性描写は むしろ人間らしさを感じて感動してしまいました。 ミステリーから他の分野に視野を拡げてくれた大切な一冊! ちょっと気まぐれな気持ちでいいんで 読んでみて欲しいです!
1投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログ窪美澄さんの作品は久しぶりでした。 性が中心のお話。 性欲とか妊娠、出産とか。 ほんとやっかいだなぁって思いました。 自分の思い通りにいかないですもんね。 そしてこの作品、解説が大好き重松清さんでびっくりしました。 素敵な作品、ありがとうございました。
97投稿日: 2025.09.08
powered by ブクログ最高だった。 久しぶりの読書。前読んだ時は冒頭から気分じゃなかったけど、2 、3日前ふと読んだときにちょうどハマって2日で読み切った。やっぱり本も映画も読むべき時期があると思うしそれがハマったときってすごい速さで読み終えるよなぁ。 まぁそれは置いといて、さよならニルバーナに引き続き窪美澄さんの作品は2作品目だった。 彼女の作品は、登場人物それぞれの視点から構成されるのね。すごくいい。 やはり自分は少し癖強めの湿度高めの恋愛ものにしびれる傾向にあるのかもしれない。 ななちゃんは、考えが少し自分と似ていて面白かったし、良太くんは、確かにこういう生活を送っている子はいるよなぁと思った、 辰巳くんはいろんな描写からほんとに繊細で良い子なんだなと思った。 もし自分の息子が辰巳くんだったら、どんなに素敵な息子だろうと、妄想しては涙が出た。 最近母親の気持ちが少しずつ想像できるようになって余計に。(子供いないけど) でもやっぱり、こういうのって安易に乗ってしまうと落とし穴にはまるよな。自分も流されやすいしよく変な噂されやすいから、こういうことされたときの傷はすごくわかるし、自分ももしかしたらこうなってたかもと思いながら読んでた。 辰巳くんは本当に繊細でいい子なのに、勿体無い。この意見のせいで、しばらくはずっと暗い人生になってしまうのではないかな。そして一生つきまとうんじゃないかな。濃度はわからないけど。これからの子なのに、本当に可哀想。 でもこういう子って実際にいるんじゃないかな 今この本がスッと入ってきたのは、もしかすると、主人公の辰巳くんが推しと重なったのが大きい気はする。ちょうど16歳の頃の推しと。 お母さんのターンでは推しが息子だったらどんなにいい息子だろうかと想像していた。ほんと変態だわ。ごめん。 本で泣けるってすごいよな。 女性作家好きかも。窪美澄さん、他も読んでみよう。
2投稿日: 2025.09.04
powered by ブクログこの作家は認めたくない人間らしさみたいなものを書くのが本当に素晴らしい。 生きていくうえで、自分に渦巻く見たくない、もしくは認めたくない感情を感じることがあるが、それを目の前で突きつけられる感じ。本書を読んで「気持ち悪い」と思うのは、鏡にうつる自分みたいなものだと思う。
1投稿日: 2025.09.02
powered by ブクログ短編からなる小説だが、その登場人物や内容にリンクあり。考えさせる系の小説でした。 ものごとに決定的な「犯人」とかいないけど、それでも自分のせいにして考えるのが偉いのでしょうか。それとも、多少は割り切るべきなのでしょうか。
0投稿日: 2025.08.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本作の内容は勿論だが、重松清氏の解説も素晴らしかった。 「喪失や欠落ではなく"過剰"を描き出す」 作中のリアルな性描写は、寂しさ、虚しさという飢えや渇きのようなものと捉えて読んでいたが、スポットは性癖や性欲に当たっており、なるほど、確かに過剰なものとの向き合い方を描いているのだなと考え直した。 そう思うと、刺激的だった内容も優しさのように思えてくる。「過剰」である部分を曖昧にする事なくしっかり描き出すのは親切ですらあると思った。 いい解説だけを集めた本つくってほしい
1投稿日: 2025.06.24
powered by ブクログ没頭する本に出会いたくてSNSで勧められていた窪美澄さんを知り、この本を手にしました。 冒頭を読んだ時点ではなんだろうこれは少年期の恋愛の物語なんだろうかと、少し残念に思いながら一度閉じました。しかしまた別の日にじっくり読み進めていき、どんどんどんどん引き込まれていき、なんとまあ私は浅いんだろうと思いました。 恋という題材を使って、主人公のその人柄が手に取るように伝わってきて、これがもうキュンとしてしまう。そして綺麗に終わらない、人間の性のどうしようもなさ。登場人物それぞれの生きてる日々が生々しくて、その中から拾える大切なもの。時折り、ハッとするような文章にも出逢い、日記に書き留めながら一気に読みました。 最後の話を読んでる時これで終わりだと思ってなくて、それに途中で気づいて少し寂しささえ覚えました。
1投稿日: 2025.06.18
powered by ブクログ2025/06/08~06/18 年上主婦とのコスプレセックスが流出した男子高校生。彼を好きな同級生の女の子。彼らと同じバイトをしていて認知症の祖母と二人暮らしをする同級生の男の子。
3投稿日: 2025.06.18
powered by ブクログこの作者の本、前半はなんか気持ち良くない内容で、これも途中で読むのをやめようかと思った。本屋大賞ノミネート作ということで、読んでいったら結構良かった。
1投稿日: 2025.06.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
想像以上に序盤からの描写が生々しくて ずっとこんな感じなのか、、、?と 心配していたけど、読み終わる頃には そんな心配も忘れてしまっていた。 「世界ヲ覆ウ蜘蛛ノ糸」は、 文章の書き方がなんだか気持ち悪かった。 話し手のはずが、全てが他人事な感じというか ちょっと不思議な感じ。 章が変わる度に、ここで繋がるのかーっ!と 驚かされました。
6投稿日: 2025.06.14
powered by ブクログこれはすごいデビュー作。 勿論フィクションだけど、 キャラクター達の人生が妙にリアル。 読んでてハッキリした結末では無いのに嫌ではない。 静かに訴えかけてくる感じ。 最悪な人生だとしても進むしかないと。 間違いだらけでも進むのよ。 と言われてる気がした。
44投稿日: 2025.05.30
powered by ブクログ性的描写が多くて、エログロが好きじゃないので読んでいて微妙な気持ちになってしまった。 生きづらい人たちを描きたいのは分かりましたが、エロシーンがどうしても受け付けずあまり良さを理解できない。
0投稿日: 2025.05.24
powered by ブクログ官能小説と知らずに家にあって読んだから、読み始めてびっくり。 初めての官能小説だったけど、想像と違った。 いじめやすそうな奴がいるからいじめるなんて悲しいやろ みんな幸せになってほしい
8投稿日: 2025.05.09
powered by ブクログ読み始めて官能小説?くらいの内容でΣ(゚д゚;)びっくりしたが、歪んだ恋愛に傷つきながら必死に生き立ち直って行く姿に夢中で読み進めました。不倫、ロリコン、コスプレ!みんな一生懸命に生きている!
8投稿日: 2025.05.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった。 R-18文学賞大賞、山本周五郎賞受賞作。 年上の主婦と不倫してる男子高校生斉藤くんと、不倫相手であるあんず、斉藤くんに恋する女の子、斉藤くんの友人、母親の物語。それぞれがそれぞれの問題を抱えながら生きている姿が描かれている。 あんずの気持ちに共感した。 家庭では不妊治療を迫られて(不妊治療を暗に強要するって人の体をなんだと思ってるんだろうと思う)ちゃんとした奥さんを演じなきゃいけなくて疲れたんだろうな。斉藤くんとの時間が自分を解放する時間になってたんだろうなと思った。だから、最後カメラに撮られてることを承知で斉藤くんと会ったんだとおもう。 社会も同じでみんな色んな事情を抱えてるんだろうなと思った。 それを私が気にかけた所でなにも変わらないし変えられないから、相手の抱えた事情に配慮しつつ自分を一番大切にするしかないんだろうなと思った。
1投稿日: 2025.04.17
powered by ブクログ冒頭にインパクトのある日常(高校生目線)ではじまり、 編ごとにそのまわりの人たち目線で描かれる、 珍しい構成だった。 平凡から逸脱した設定はやはり読んでるだけで 非日常が味わえ、経験値が上がったような、 想像力の幅が広がる気がして好みではある。 ただ、読み終えて何か変わったり、価値観が変貌した感じはなく、少し変わった年齢の離れた先輩と飲み行ったような感覚。
1投稿日: 2025.04.11
powered by ブクログ20250406 どうしようもなさをそれぞれに抱えた登場人物 救いはしない。庇うわけでもない。ただ、認める。 厄介なものを体に抱えて、死ぬまで生きていかなくちゃいけない、という一人ひとりの生を、黙って見つめる。人生を讃美はしない。肯定でもない。
3投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログこの作品の感想は難しいかも。 5編の短編集。 性の表現がかなり際どくダメかなと思いつつも読み終えた。 性と生。 人生思うようにいかない。 気持ちが暗くなるが最後はまあ前向きに。 良い作品なんだろうけど私的には苦手だった。
4投稿日: 2025.03.29
powered by ブクログ性行為の描写が生々しくてそれぞれの性からその人に移入できた。最初は短編かと思ったけど、それぞれがそれぞれの視点で描かれていて面白かった。 個人的には、半分で良かったと思う。後半はアナザーストーリとしてみたら面白かった。
1投稿日: 2025.03.14
powered by ブクログどの話にもやるせない人間のさがを感じた。誰しも自慢できる過去ばかりではないものを抱えながら生きていることを改めて考えさせられた。 あと岡本夫婦のその後がどうなったのか読みたかったな。
1投稿日: 2025.02.14
powered by ブクログもう少し大人になったらまた読みたい。今の私には少し分からないような、理解できるけどしっかり頭に入ってこないような感じがある。でも好きな本だった。 解説の、「僕たちはいつでも、愛読する作家の作品から、人生や世界の肯定のしかたを学んでいる。」という言葉が好き。読書をしたら自分の価値観が広がってこの世界をもっと好きになれるから、私はこれからも本を読み続けたい。
4投稿日: 2025.02.08
powered by ブクログ1作目の「ミクマリ」がいきなり生々しくてうおっとなったけど、2作目以降を読み進めるうちに卓巳くんとあんずの印象も変わってくる。これは、しんどいな〜〜と思いながら一気に最後まで読んだ。 文庫版の重松清さんの書評がとてもよかった。「不充分さを抱える人たちの『過剰』を描く」、まさにそんな小説だった。たまたま最近友人とした「全てを覚えてしまう病気があるんだって」「忘れるんじゃなく?人間の機能が亢進する病気ってあるんだね」「忘れる機能が落ちちゃうってことじゃない?」という会話を、なぜか思い出した。
2投稿日: 2024.12.28
powered by ブクログなるほどR-18の連作長編というのはこういうことなんだ。スピンオフを重ねるドラマのように、話が展開し、立場が変わることによってガラッと景色が変わっていく。
12投稿日: 2024.12.06
powered by ブクログ情景・心情描写のうまさが印象的。著者の使う言葉からその景色がはっきりと頭の中でイメージされる。作中では性的思考・行動のどうしようもない部分で失敗や苦悩、ヤングケアラーなどの問題が語られる。
31投稿日: 2024.11.26
powered by ブクログ人間の「性」について、 決められたゴールもなく、 解決策もなく、 ただその流れに身を任せて登場人物が 行動していく様を書いた物語。 読む者がこの小説に何を思うのか、 何を重ねるのか、各々自由で、 正解なんてないことを教えてくれる。 ただ、みんな自分や家族、 何かを守っているようにも見えた。 時にはプライドや誇りも感じさせ、 時には欲望や貪欲な欲の部分を放出させる。 (序盤は欲笑) 「人間の生き様」を筆者の独特な表現で 書き綴っていて面白かった。 他の作品も読んでみたい。
4投稿日: 2024.11.17
powered by ブクログ高校生で読みましたがその時の複雑な心境、生きづらさには共感した。でも、これを読んだから何か得られたかといったら私には何も思いつかない本だった。
2投稿日: 2024.10.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
登場人物ごとに視点を変えながら続く連作の短編。 テーマはおそらく、性とか生とかそんな感じ。 高校生の斉藤君が半ば若気の至りで人妻のあんずと関係を持ってしまい、それがバレて街中にばら撒かれてしまうと言った流れ。 最終章の母親目線はとても素敵なことが書かれていて良かったんだけどそれ以外は基本胸糞悪い。 不倫の様子を隠し撮りし、バラまく旦那や隠し撮りを知りつつ行為に及び、アメリカに逃げるあんずも、友達の顔をして裏でばら撒きに加担する友人も全てが気持ち悪い。 一度のミスやゴシップを逃すまいと囃し立てる世間の気持ち悪さがよく描かれた作品。
5投稿日: 2024.10.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
r18受賞作 ここまでしげきてきじゃないとあかんのか… 学生と不倫するアニオタ、コスプレしてセックすしてるのを次の編では夫にバレて、次の編ではそれがネット公開され高校生は学校行けなくなる、彼女とはセックスしてもらえない悲しさ、次の編では友達がネット画像をばら撒く、その塾の先生が子供へのセイカガイで捕まる 人の欲望と醜さの話が繋がっていて面白かった 20250912再読ミクマリのみ 場面転換、あんずとの不倫、母親の助産院、プールのバイトと彼女、父の家出と水分神社が、上手い文章で繋がっていく…
3投稿日: 2024.10.22
powered by ブクログ文章が読みやすく、あっという間に読み終わりました。 それぞれの人が抱えてる問題が苦しいながらも前に進んでいく様子が描かれていました。 問題を抱えながらも生きていくことの大切さを伝えているのかなと思いました。 最終的にはどう解決したのかハッキリされていないところが私はモヤモヤしますが、あとは読者の想像の中で描かれていくということでしょうかね〜
4投稿日: 2024.10.22
powered by ブクログ予備知識なく読み始めたら、最初から性描写で、電車の中で読み始めた私は、ドギマギしてしまった。そうだった、これは「女による女のためのR-18文学賞」の大賞作品だったのだ。BSのテレビ番組「あの本読みました?」で紹介されたのを見て、手にとったのに、そんなことも忘れてた。 高校生斉藤くん、そのセックスフレンドで人妻の里美(あんず).斉藤くんの同級生松永七菜、あくつちゃん、セイタカこと福田くん、そのバイト先の田岡さん、そして斉藤くんの母親の助産師。なんだかみんな、見えない蜘蛛の糸に絡め取られてるみたいに、生きづらい毎日を送ってて、泥沼に足を掬われて動けないような物語が続く。結構、苦しい。ほんとうに生きるって厄介だとつくづく思うのに、小さな喜びが散りばめられてるから、読むのをやめられなかった。
1投稿日: 2024.10.06
powered by ブクログなんだかなー。 表現がいい意味で生々しい。登場人物が人間らしい暗さを持っていた。 読んでいて救われる部分がある一方、自分には体験出来ない暗さに触れてしまって、苦しい気持ちにもなった。
1投稿日: 2024.10.05
powered by ブクログ中学生ぶりくらいに読んだ。 中学生の時は、これを読んで号泣した記憶がある。多分その時は、世の中のことをあんまり知らなくて、経験もなくて、ぬくぬく育ってて、こんな世界があるのか、こんな生き方をしてる人たちがいるのか、っていう、でも不安定さに謎に共感できる、いろんな感情で泣けたのかな、と思った。自分も不安定だったのかなとかも思った。 28歳の今、涙は全く出ないけど、とにかく生きていこう、って中学生の時より強く強く思えた。自分も大人になる過程でいろんなことを経験して、うまくいくこともいかないこともあるって自分で分かって、それでも生活を続けていくしかないって分かって、もがいたり受け入れたりしながら生きている登場人物をすごくフラットな目線で見るようになった気がする。人生いろんなことがあるよね、っていう、衝撃じゃなくて親しみの気持ちでこの作品を受け止めるようになったのかな。 良いことも悪いことも、生きていけば、突然オセロみたいに変わる。良いことも悪いことも続かない、一生懸命働いて、たまには休んで、ゆっくりお茶を飲んで音楽を聴く。 生きていきたい。人間特有の、いろんな「やっかいなもの」を抱えて。 重松清の解説が読みやすくて良い。 「なにより惹かれたのは、どうしようもなさをそれぞれに抱えた登場人物一人ひとりへの作者のまなざしだった。救いはしない。かばうわけでもない。彼らや彼女たちを、ただ、認める。官能が、哀しみとともに濃厚ににおいたつ世界を描きながら、作者はきっぱりと、清潔に、登場人物の「性(せい/さが)」を受け入れ、それを「生」へと昇華する。…どう生きるか、生きてなにをするのか、なんのために生きるのかという賢しさではなく、ただ生きて、ただここに在るー「ただ」の愚かしさと愛おしさとを作者は等分に見つめ、まるごと肯定する。その覚悟に満ちたまなざしの深さと強さに、それこそ、ただただ圧倒されたのである」 官能的で哀しい、性を生に昇華させる。うまいこと表現しすぎてて度肝ぬかれた。さすがです。 単行本化される時にけずられたという、「この世界はでも、そんなに最悪でもないんだ。多分。というかそう思いたいし。」という言葉が良い。そう書かなくても、5作品すべて読み終えた後にそんな風に思える。
1投稿日: 2024.09.29
powered by ブクログ山本周五郎賞を受賞した本はいつも面白いと思うんだけど、今回も大当たり。 一章目を読み終わった時は、果たして最後まで読み切れるのかと不安になったけど、そのまま最後まで集中して読了。 読んだ後、感動でボーッとしてしまった。 どの世代が読んでもいい話だと思います。 窪美澄の本はまだ2冊しか読んでないので、これからが楽しみ。
1投稿日: 2024.09.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
はじめての窪美澄作品。とにかく読みやすい文章で一気にひきこまれてしまって、最後までとても読み応えがあった。前半は本当に切なくて苦しかったけど、後半は家族愛にやられた。(もちろん後半も苦しかった) たくさんの物語の主題となる「喪失」がこの本もテーマではあるけど、まったく飽きずに読めたのはきっと喪失の行き着く先を見せず、ただ登場人物たちが生きていく姿を力強くあらわしていたからかなと思った。そしたら解説の重松清さんも、わたしの言葉よりもっと分かりやすくて丁寧だけど、同じようなことを書いてて共感で首がもげそうになった。窪さんの他の作品もいろいろ読んでみたい。相変わらず文章が素敵な重松清さんの本もひさしぶりに読みたくなった。
2投稿日: 2024.08.20
powered by ブクログニルヴァーナの人でしたか!生々しくて良かったです。生きてればいっかぁと思った。し総じてどうかと言うよりも今この時の誰かの思いやりとか、優しさとかが沁みる気がした。沁みるというか、そのアンバランスさが人間っぽいのかなと思った。
2投稿日: 2024.07.30
powered by ブクログR18文学大賞を知り、同賞を代表する1冊と思い、読み始め。 恵まれないのではなく、やっかいなことと折り合いを付けていきていくには。。。家族、性、経済生活を焦点を当てながら、決して人間讃歌の綺麗事に染めない、潜在意識を顕在化させてくれる素晴らしい作品。文字の運び、文体も非常に読みやすく、同著書の直木賞作品含め、近年のものを直ぐに読みたくなった。
1投稿日: 2024.07.29
powered by ブクログまた漥さんの本を読みたいと思った。何歳になっても不安定で揺れ動くことは沢山あるんだなあ。最後にたくみと良太が笑っててよかった。
2投稿日: 2024.07.04
powered by ブクログ高校生が主婦と不倫。それもちょっとレアな体験なのに…別れた後に気づく本当の気持ち。彼を取り囲む、様々な思いが、まさに青春だなぁって思えた作品でした。最後の章での、親子愛には、鼻の奥がツンとしました。
2投稿日: 2024.06.13
powered by ブクログそれぞれ一生懸命に生きている登場人物に、心の中でエールを送りながら読んだ。 人生上手くいかないことばかりでも、前を向いて生きていかないとねと思わされた。 みんな苦しい状況ばかりでなんだか切なくなるけど…。 最初、性的な描写がかなり濃厚で驚いたけど、この物語の本質は全然そんなところじゃなかったので、ためらわずに読み進めて良かった。
2投稿日: 2024.06.12
powered by ブクログなんだろう 消化不良だった 生きづらさを抱えてるにも関わらず、形は違えど前に進むところに感情移入できなかった でも少し先にまた読み直したい
8投稿日: 2024.04.27
powered by ブクログ人間の多面性が垣間見えて みんなぐちゃぐちゃで苦しいけど 人ってそういうもんだよなぁ、と。 誰しも「やっかいなもの」を抱えて生きているし、 ふがいない。けど、それが愛おしい。
3投稿日: 2024.04.20
powered by ブクログ生まれながらにどうしようもないバックグラウンドを抱えてしまった彼ら あまりのやるせなさに胸ぐらを掴まれたような感覚になりながら読む箇所がいくつかあった。 やはり、これから生まれてくる子どもには、誰でもに望まれながら祝福されながら生まれてきて欲しいな、なんてことを考えた。 しかし、どんな人間でも、そこにその人だけのバックグラウンドがあり、その人の思考があり、 それだけでその人は尊く愛おしいのだ。 状況に抗おうとするのではなく、受け入れつつそこでもがく彼らをみて、そう思わされた。
4投稿日: 2024.04.17
powered by ブクログはじめは、何だこりゃエロ小説か、、みたいな感じで始まったけど、それそれの人の深いところまで踏み込んでいくすごい小説だった。 よくある連作ではあるけど、文体やリズムも書き分けて、それぞれが読みやすい。最後の章は感動した。 この作家さんは初めて読むけど、この作家さんを発見できて良かった。久しぶりに読み応えのある小説でした。
3投稿日: 2024.04.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
斉藤卓巳 放課後に『むらまさ』のコスプレをしてあんずが書いた台本どおりにセリフをしゃべり、セックスする。友達に無理矢理連れて行かれたコミケであんずにナンパされた。あんずとのセックスに夢中になる。 岡本里美 あんず。何かのアニメのコスプレをして、『むらまさ』のコスプレをした卓巳とセックスをする。人妻。夫婦共に自然に妊娠しにくい体で不妊治療を受ける。中学も高校も女子校で、いじめららながら過ごしてきた。大学で初めてセックスをし、声をかけてくれた男の子全員とセックスをした。コスプレ衣装を作るようになる。 卓巳の母 助産師。家で助産院をしている。若い恋人ができたとあって出ていった夫とたまに会っている。 福田良太 卓巳の同級生。夏休みに市民プールで卓巳と監視員のバイトをする。認知症の祖母と団地で二人暮らし。父はくびをつった。母親は離れて暮らしている。新聞配達、コンビニバイトを掛け持ちしている。 松永七菜 卓巳の同級生。D組。卓巳が高校に入った時から好きな女。期末試験あとに卓巳に告白して付き合う。将来は助産師になりたいと言っている。 純子の友達。 木村 お料理ブログランキングで常に十位以内にランクインている。 岡本慶一郎 里美の夫。製薬会社でMRと呼ばれる営業の仕事をしている。大学のとき少しだけ演劇サークルにいて、衣装を自分たちで作っていたためミシンも裁縫もひととおりできる。 岡本マチコ 慶一郎の母。里美に早く子供を作れとプレッシャーをかける。 くるみ コミケで知り合った友達。 あくつ 松永の友達。アニメオタクの姉からネットのコスプレ掲示板で話題になっている卓巳の写真を松永に見せる。良太のバイト仲間。同じ団地に住んでいる。 松永優介 七菜の兄。勉強ができる。フリーセックスの宗教団体の施設に行っていた。 日向 優介の同級生。 田岡良文 良太のバイトの先輩。二十代後半。過去は塾の先生をしていた。でかい病院の息子で高級マンションで暮らしている。 みっちゃん 助産院で働いている。お産の介助だけではなく、入院中の産婦さんたちの食事づくりを担当している。 リウ 駅前の古ぼけたビルの漢方薬局の先生。 野村千栄 卓巳の担任。家庭訪問に来たのに、妊娠を見破った。
2投稿日: 2024.03.25
powered by ブクログ窪美澄の2冊目。これが2009年デビュー作だった。現在を切り取りながらこの人もいるよなと思わせる見事な人物描写。その中でも私には助産師の母親の現場に立ち続ける姿が心を打った。まさに今ここを生きていこうとする人が立ち上がっている。今後も読み続けたい作家に出会った気がする。
4投稿日: 2024.03.06
powered by ブクログ性描写の多い作品だったが、若者の苦悩と大人の苦悩その2つの面が垣間見える良い小説であった。 きっと読む年代によって解釈や読後感が変わるのではないかと思う
2投稿日: 2024.03.04
powered by ブクログ窪さんの、こういう読後感とても好き。 4作目ということもあって信頼と実績で安心して読めました。 誰しもが持っている、どうしようもない弱さと歪みとをこんなにも誠実に描き出すのすごすぎる。 それを受け止めながらも、自分らしさをあきらめずに顔を上げるようなイメージで、ゆっくりジワジワと心に温かいもの広がり、心からのエールを送りたくなる気持ちになる。 うまく言葉にできないけど、解説が素晴らしく言葉にしてくれていた・・・(大感謝) ここだけの話、結構生々しい性的な表現はあるんだけど、それがあるから読み進めやすい気がしました。笑 ページ数も少なめだし半日で読破。 最後のシーンでは卓巳と一緒に号泣!! 勧めにくいけど、大オススメ!読んで!
3投稿日: 2024.02.25
powered by ブクログふがいない。みんなふがいないんだな、と思った。厄介なものがあって当たり前だし、そこから逃げられるけど逃げられないっていうのも当たり前なんだな、と思った。 登場する人たちがみんな優しくて、そんなことまでしなくていいのにと思う場面が何度もあった。とんでもないものがある人はそれ以外をよくしていかないといけないのか。 いろんな人の深いところまで感情や思考を知ることができた。
3投稿日: 2024.02.23
powered by ブクログ様々な家庭環境における親と子供それぞれの葛藤を描いた作品。 本作は短編集。 各話の主人公はそれぞれ近しい間柄であり、1つの大きな出来事をそれぞれの主人公目線で描いているため、実質長編のように1つの繋がりがある物語となっている。 冒頭はかなり過激な性的描写からスタートする。 その為「この内容最後まで読めるかな、、」という不安もよぎるが、そういった描写は一時。 あくまで各主人公の心の葛藤などがメインとなっている。 人妻と不倫をしている男子高校生。 本人の葛藤やそれをとりまく親、友人の葛藤などややダークな内容が多いため読む事が辛い部分もあるとは思うが、それぞれの心情を細かく描いている。
13投稿日: 2024.02.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『夜に星を放つ』を読んで、窪美澄さんの他の本も読みたいと思って手にとった一冊。 この本に出てくる登場人物はそれぞれが人生の分岐点にいるように思えます。 その中で人生をどう捉えるかとなった時に、1人の人物が『良いことも悪いことも長くは続かない』 『オセロの色が反転するように突然変わる』という言葉がありました。 これは本の中だけに限らず、自分が生きてる人生にも同じことが言えるなと感じました。 人生の見方が変わったなんて言い方は大袈裟ですが、少し人生を楽に生きるヒントに出会えた一冊でした。
2投稿日: 2024.02.14
powered by ブクログ色々な感情を知って、がむしゃらに生きていく高校生の男の子の話だけじゃない。 結婚しても、助産師で成功してるように見えても、色々な出来事が自分に起きて、自分のふがいなさを感じるのが人生なんだと思う。 向き合って生きていく人間らしさが溢れている作品だった◎
2投稿日: 2024.01.31
powered by ブクログ最初は不快さが先行してしまって、正直読み続けられるか不安だったけど、連作短編で主人公が変わっていくごとに見方が変わっていってあっという間に引き込まれた。 最後には風が吹き抜けていくようなすっきりとした読後感を得ることができた。 あんずさんのことを肯定はできないけれど、彼女が救われる方法があるといいなと願わずにはいられなかった。
1投稿日: 2024.01.20
powered by ブクログ思ったより官能的な表現が多くややお腹いっぱいになりつつ、、 「性」と「生」のテーマそのもの。 人間ってそれを抜いてはやはり語れないのよな、と感じた。 性に向き合い、逃げ、乗り越え、受け入れ、というところを描ききり、その上で読者に判断を任されているような、計算された余白を感じた作品。 映画もみたくなった。
3投稿日: 2024.01.06
powered by ブクログ窪美澄さんのデビュー作である本作。窪さん特有の後ろ暗い事情を抱えた人物を繊細かつリアルに描く作風が見られ、この作品が改めて窪さんの原点であると感じました。 本作は助産院の息子である主人公と、その友達や関係者、家族の物語。構成としては5編からなる連作短編集。主人公は高校生でありながらも、バイトと称して、人妻と不倫を行う。そんなある日、高校の同級生から告白され、改めてその関係性を省みるという流れ。 全編を通して、性的な描写やそれに関することが多いです。しかも、それが生々しくもあり、読む人によっては途中でギブアップしてしまうかもしれません。しかし、本作を通して、その生々しさこそがリアルであって、それを認めるってことも必要なのだなと思い知らされたような気がします。 みんな誰しも「やっかいなもの」や「後ろ暗いもの」を抱えているっていうことを強く意識させられる作品で、ドラマチックな救いや救済は描かれていないけれども、それらとの向き合い方を示してくれるようなそんな作品であるように感じました。
65投稿日: 2023.12.23
powered by ブクログのっけから官能小説的な場面が多く辟易としてしまう部分が多分にあったが、ストーリー自体は面白く引き込まれていくという不思議な作品でした。構成としてはよく見かける登場人物それぞれの一人称的な視点からの物語りだったので、読み返すとまた面白いかもしれないと思いつつ前述の感想があるのですぐには読み返さないと思います。 あとがきの部分でなるほどなーと思うところが多く、そこを意識しながらなら読み返しても面白いなーと思いました。
1投稿日: 2023.12.21
powered by ブクログセイタカアワダチソウの空がよかった。 良太の抱える家庭問題、田岡さんの光と闇、その後の世界線を想像したくなるような奥深さ。 花粉・受粉では心身ともにボロボロな斎藤くんが気の毒だったけど、リウ先生の悪い出来事も抱えていればいつかオセロのように反転する、斎藤くんの災難は花粉が受粉したようなものと斎藤くん母に伝えるシーンが好き。 そして読み切ってから、タイトルのふがいない僕は空を見たという言葉を反芻。 斎藤くん、立ち直ってまた恋ができますように。
2投稿日: 2023.11.25
powered by ブクログ露骨な性描写には耐性があるものの、なんか違う感というか…好みではないので飽きた作品。 子供嫌いもあるかも。 お母さん視点は少し面白かったかな?
0投稿日: 2023.11.17
powered by ブクログ各章ごとに主人公が変わり いろんな角度からいろんな人の感情が見えて 一つの事柄にこんな多くの人が関わって 感情が絡んいるのがすごく楽しめた。
1投稿日: 2023.11.09
powered by ブクログ最初は性描写がリアルで官能小説を読んでいるような気にもなったが、読み進めていくうちに登場人物の暗い背景に現状を重ねることで物語の深みが出た。各章ごとに登場人物が変わり、同じ出来事を視点の違う人物が読み進めていく展開は驚きも多く、読みながら思わず声が出てしまった。登場人物も多く複雑な関係ではあるものの、人物相関図を今すぐ書き出せるほど内容が鮮明に頭に入ってきた。そういう点では読みやすい本だと思う。 最後に解説を書かれていたのが重松清さんで驚いた。丁度この本を読む前に重松さんの小説を読んでいたのもあるが、比較的易しい表現で温かなストーリーを書くことの多い重松さんがこの本を手に取り、どんな考察をし感想を抱いたのか気になって仕方なかった。過剰な部分に焦点を当てた表現に着眼しており、思わずそのシーンを読み返した。
1投稿日: 2023.10.26
powered by ブクログきっと同じ町内でも扉の内側ではこんなことが普通に起こってるかのようにリアルで重い世界……でもスラスラと読める。 ただただ福田くんが笑える数年後を過ごしていて欲しいと願いました。
10投稿日: 2023.10.23
powered by ブクログ短編連作集。最初のミクマリがR18文学賞受賞作品。 性描写が多いので混んでる電車内では少し読みづらいかも。でもあまりエロスは感じなかったのは、それぞれかかえている事情があるからかな。 あとがきで重松清さんがかかれているように、性と生の話で、読後はなんとなく、せっかく生まれてきたのだから生きることを少しでもたのしもうと思えた
11投稿日: 2023.10.15
powered by ブクログ連作短編集だけど、タイトルと同じ名前の作品はない。でも、タイトルみたいな気分になる、いい意味で泣きそうになる読後感でした。 初めは性の表現がストレートだなぁと思って読み進めてたけど、それだけじゃない。それぞれにつらいことを抱えながらも、生きていく登場人物に引き込まれます。 2011年くらいに発刊されてるけど、今読んだらなんかリアルで響きます。 文庫版読んだんですが、重松清さんの解説も秀逸です。
0投稿日: 2023.10.14
powered by ブクログ高校1年生の齋藤くんは年上の主婦と週に何回かコスプレしながら性行為をしている。やがて、齋藤くんは年上主婦に会いに行くのは快楽のためではないと気づく。第1話の「ミクマリ」は女による女のためのR-18文学賞受賞作。始まりの文章がやや過激な性描写で「あぁ、R-18文学賞っぽいなぁ」と思った。とはいえ「女による~」の受賞作は2・3冊しか読んでないので本当はよくわからない笑。 ただ「ミクマリ」だけを読んだだけではすっきりしなかっただろう。5話からなる短編連作。最後の「花粉・受粉」まで読み終えて やっぱり窪美澄の作品好きと思った。 助産師の母親を持ち時々出産のお手伝いをする齋藤くん。ある日の出産に立ち会い 生まれてきた男の子をみて「おまえ、やっかいなものをくっつけてきて生まれてきたね」と言う。 この本の登場人物みな 何かしらの「やっかいなもの」を抱えて生きている。それは性癖、性欲、性別でもあるし、親や家庭環境でもあるし。わたしたち誰もが持っていであろう「やっかいなもの」。こいつとどう付き合って生きていくのか。 みっちゃんの言った「ばかな恋愛したことない人なんて、いるんすかねー」って言葉が好きだ。齋藤くんとあんずの恋は不倫だしね。松永の恋も不毛だし。頭のよすぎる松永兄はフリーセックスの宗教信者になっちゃうし笑。でも、窪さんの作品の登場人物を嫌いになれない、というか 愛しく思えてくる不思議。それは「ばかな事」とわかっていても それを抑えられないほどの感情に出会えている主人公たちが ちょっと羨ましいからだと思う。親のネグレクトから認知症の祖母と二人暮しをしている友人の福田も齋藤くんのビラをばら撒くくらいしないと 憂さは晴らせなかっただろうね。本当にばかなことだけど。齋藤くんの優しさも 松永の真っ直ぐさも 福田の強さも 大好きだ。 松永が齋藤くんを好きになった理由にはキュンときた。背の低い松永が 手の届かない位置にある物を取ろうとしていたら 後ろからひょいと松永を抱えあげる齋藤くん。自分が取ってあげるんじゃなくて、松永抱えるって♡ しかし、意中の相手じゃなかったら ちとビビるか笑。 そんな優しい齋藤くんが 「花粉・受粉」で やっと声を出して泣けたことに泣けた。 ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 今、図書館の窓際でこれ書いてるだけど 窓の外でお昼寝してる仔猫がいてめちゃくちゃかわいいっ!人が近くを通ると警戒してビクッとしてる笑 目が離せない(♡´▽`♡)
40投稿日: 2023.10.03
powered by ブクログ5つの短編小説だけど全ての話がつながっているのが面白い!次は誰目線の話かな?と楽しみながらあっという間に読める。不器用だけど一生懸命生きている5人の主人公たち。どちらかというと、日陰で生きる彼らのなんともやるせない話なのだが、人生ってそういうものかもしれないなぁ。不思議と優しい気持ちになれるお話です。
2投稿日: 2023.10.02
powered by ブクログめちゃ面白かった ストーリー自体はあんまし明るい話ではないし、R18指定もあるしですが それぞれの話がそれぞれの色で面白かった 登場人物の人たちが次の話では主人公になり、切ないストーリーを連なっていく 特に気に入ったのはセイタカアワダチソウでした 堪らないほど切なかったです 気に入ったのは「あくつさん」主人公にはなっていないんですが、名バイプレイヤーとして存在感出しまくりですごく良かったです
0投稿日: 2023.09.27
