Reader Store
煙か土か食い物
煙か土か食い物
舞城王太郎/講談社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

415件)
4.0
137
141
86
17
2
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    おもろかったな〜… 舞城王太郎作品は毎回初めての読後感をもたらしてくれる… 四郎、善性と悪性のはざまを行き来していて面白いキャラクターだった

    0
    投稿日: 2025.10.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いつか読んでみたいと思っていた作家さんです。アクの強い文章とアクの強い展開ですが、想像していたより読みやすいです。密室もあるけど、それよりも、精神の迷い子の彷徨あるいは咆哮が心に沁みました。

    0
    投稿日: 2025.09.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    暴力は嫌だ。 特に家庭内の暴力は。 誰も助けてくれない。 自分で何とかするしかない。 だから四郎はERの外科医になったのだろうしボクシングを習ったのだと思う。 ただ暴力の後始末が出来たり暴力を暴力で抑えられたりしても救われなかった。 相手を赦すことと自分の感情を外に出すことが必要だった。 煙か土か食い物ではないのだと知ることが必要だった。 初めて読んだ舞城王太郎さんの作品。 独特な文体の疾走感とか事件の気味悪さとか推理を進めていく過程の面白さとかそういうものだけではなく人間とは家族とは愛とはというような純文学的な深さというか分からなさがあった。 続編があるようなので読みたいし他の作品も読みたい。 色んな小説や映画や音楽の名前が出てくる度にそれらを知っていたらより深く読めるのだろうなと思った。 英語も苦手なのでちゃんと理解出来ていないとも思う。 それでも面白く読めた。

    0
    投稿日: 2025.08.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    主人公の感情表現がストレート過ぎるくらいストレートで、詩的な言い回しをしないのでスっと入ってくる。ミステリー(?)小説らしいが、犯人の考察はほとんどせず一気に読み進めてしまった。読み進めさせられた。丸雄嫌い。

    0
    投稿日: 2025.08.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    まずは語り口がかなり独特。 舞城節ここに極まれり。 とにかく主人公奈津川四郎の意識の流れがとめどなく流れ込んでくる。 ミステリの形を取っているけれど、中枢に流れているテーマは家族。 仕掛けや言葉遊びなんかは本当に形だけ。どうでもいいんだ、と言わんばかり。 本質はそこじゃなくて、主人公四郎が父親を、兄弟を、母親を赦して、家族の愛を築き上げる作品だと思う。 父親が最後に斬りつけられたときに兄弟の名前全員の名前を呼んで、逃げろと言ったとき、 これまでのすべてをひっくり返すほどの、血のつながり、そして愛を確かめた四郎。 これがすべてだったんじゃないかと思う。 行動としては、一郎の妻と不倫したりと、純粋に番となるパートナーをまっすぐに愛することができずに、 ただただセックスを欲しがり、情欲のままに生きている主人公だけど、 最後アテナの下へと帰って、ぐっすりと眠るラストシーンはキレイだと思う。 レイモンド・チャンドラーやらなんやら、かなりぐちゃぐちゃと作品のなかで遊んでいる部分があるので 全部が全部を解釈しきることは時間の都合でやらないけれど、研究のし甲斐はある作品だなと思った。

    0
    投稿日: 2025.08.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    高校生の時 初めて読んで衝撃を受けました(笑) ノンストップで読ませる口語調の文章とバイオレンスかつアグレッシブな展開、一応ミステリのような形を取ってる独特なプロット。久々に再読したけどやっぱりいいですね。さてお次は『暗闇の中で子供』行ってみよう。

    0
    投稿日: 2025.06.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    Kindleで安くなっていたので再読した。 犯人に家を襲撃されて家族を滅多刺しにされて家が血の海になった終盤のシーン、ハンソンのmmmbopを歌いながら手際よく治療していく四郎のシーンが圧巻すぎた。ンンバップ……。

    0
    投稿日: 2025.05.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    こんな小説ってアリなんだ!って思わされる作品。さすがメフィスト賞。なんかいい話なかんじで終わったけど、これでいいのか?っておいてけぼり。事件的には解決してないような気がするけど、主人公の四郎としてはこれ以上ない解決だったんだろうなと思う。

    0
    投稿日: 2024.12.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    テーマは家族と暴力! 結構グロ注意な感じ。 この作家さん初めて読んだけど、文章の主張が強いというか、子犬に全力で顔を舐めまわされる時みたいに息つく間もなく主人公の思考をどんどん上に重ねられていくので、受け止めるのが大変だった笑 子犬のワルツを聞けば私のイメージは伝わると思う 笑 テーマは暗い感じだけど中身はそんなに鬱々としているわけではない。 被虐待環境下ではあるんだけども反骨心がありすぎて可哀想...(涙)って感じにはなりすぎない。もちろん環境的にはとても可哀想なんだけども。 この本にはとても昭和を感じた。平成生まれだから実際には知らないけれど、家庭環境がこんなのでも悲しみに浸りすぎずある種割り切って逞しく生きていくのが私の昭和のイメージと重なった。 この作家さん的にはこの本はどのジャンルなんだろう?ミステリーにするには一番大事な真犯人がモヤッとしてるから疑問。

    1
    投稿日: 2024.11.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ミステリーの傾向がそうなのかもしれないけれど、謎解きよりも家族愛の方がテーマとして前面に出ているのかなと思いました。 四人の兄弟とか、方言とか、ハンソンとかおもしろいなと思いました。 それはそれでいいんだけど、長い別れや神曲を下敷きにしてるのかな?なんか、まとまっていないように感じました。 未回収もありそうだし。 消化できてない気がするなぁ。

    2
    投稿日: 2024.10.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    天才舞城のデビュー作。 止まらない暴力の連鎖、その隙間から覗く優しさ、人の心の柔らかさ。 なんて美しい小説。 純文学ならこの人が誰よりも上手。 いつもそう思う。 これが噂のMaijoだ! 初期作品を読むのは初めてだけど、最後の方が映画っぽすぎる。もう少し後の作品の方が好き。 でも、くさいセリフに説得力をもたせる、という個性がもう発揮されていて、 これからの作品にはさらに純文学的な緻密な計算が施されることになり、 デビュー作で完結していない、というのもある意味で作家としての正解なのかもしれない。 ホルモンバランスが滅茶苦茶な時は相性が良い。うーん、わたしはやっぱり許せないな。 どちらかと言うと、二郎の悪意に傷つくところに胸がきゅーっとなりました。 人の心は柔らかい。 交通事故を見てしまった人が、その光景がトラウマになり、事故当事者を訴えた、という話をポッドキャストで聴いたことがあるけれど、圧倒的に先取りしている。 人間の記憶は失われないとも。 ただ取り出せなくなるだけで脳には残っていて、さらに記憶は思い出す度に書き換えられるから、 思い出すことのなかった記憶ほど完璧な形で残る。 最近妖怪やホラーばかり読んでいて、暴力への仕返しはスーパーナチュラルな方法ばかりだったので、暴力に暴力で返す。 その単純さに清々しささえ感じる。 本当は暴力的解決に共感したくないし、グロテスクな描写が平気になんてなりたくない。 でも読まずにはいられない。 地獄のような読書体験。でも、舞城だけは特別。 舞城の作品にはいつもめろめろなのです。 いくらでも賛辞を送れるわ。 それに暴力的解決はなんの解決でもない。 二郎のように、やりすぎないと意味をなさない。 普通の人はそこまでできないから、 他の答えが必要なのでは?という話。 真相は全然違うかもしれないけど、やっぱり舞城は女なんじゃないかなあ。 常識じゃなくて美意識で行動する男なんて、女の理想そのものじゃないですか。 でも小学生男子の描き方も上手だし、わからないです。 作者本人は関係なくて、わたしと好みが同じってだけかな。

    0
    投稿日: 2024.09.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    舞城王太郎面白すぎる…!なんだこの文体、痛いし怖いし共感できなさすぎる家族像なのに、面白くてやめられない!四郎視点の家族像がよく理解できるし、終わり方もよかった。シローイズファッキンアメージング!

    0
    投稿日: 2024.09.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    勢いと暴力がもの凄かった なぜか雑司ヶ谷RIPを思い出した 勢いが凄すぎて、回収されてないことが多い

    0
    投稿日: 2024.07.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ページにびっしりと文字が詰まっていて、圧迫感があって、翻訳本のような感じ。全体的にスピード感がありテンポが良いけれども、ほぼ回想なので本筋の話はほぼ進まず、不思議な感覚。 最後のセラピーを受け、「生きることは無駄ではない」ということを認識し始めた時からの主人公の心の動きがとても重く感じた。今までせき止めていた感情がようやく流れ出すのに、それもどこか第三者の目線。最後の「俺は~15時間経ったのにまだ起きない。よっぽど疲れていたんだね。」には、一体これは誰が言っているのだろうかと、ぞわっとした。

    0
    投稿日: 2024.06.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    学生の時に読了した衝撃の本。 まず圧倒的な文体。マシンガンを撃ち込まれているかのようなリズム感。展開も面白かった。 人は結局は、煙か土か、、になるかあ、確かに!

    5
    投稿日: 2024.06.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    すげーすげー。何がすげーって文体がすげえ。もう止まることなく留まることなくずっと思考が走り続けているようなこの文章なに読んだことないんだけどって本当にどこで読書を切り上げていいのか分からなくなって気づいたら読み終わっていたからビックリ。 人は死んだら煙か土か食い物。 とんでもない事件にとんでもない謎解きなんだけど、その中に家族とか暴力とか仕事とか親子とか色んなことが綯い交ぜになっていて今何の話してるんだっけと思いながら読後感はなんか爽やかでちょっと気持ちいい。 ほんと、不思議な本だった。

    0
    投稿日: 2024.06.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    文体が独特で疾走感があり面白かった。ミステリーとしては割とあっさり解決した感があるが、家族ものとしてかなり濃厚な内容だと思った。4兄弟と父親の確執や壮絶な生い立ち、繰り返される諍い、どれだけ酷い仕打ちを受けたとしても家族として嫌いになれない主人公の葛藤など、なかなか重めな話だが、文体のおかげで小気味よく読めるから不思議。ラストの四郎のスーパー医師っぷりはグッとくるものがあった。 ※ぬいぐるみのくだりで、出てくる動物が熊になったり象になったり所々違うことがあったのは誤植?

    0
    投稿日: 2024.05.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    サンディエゴで医者をやっている四郎のもとに、母親が事件に巻き込まれたとの知らせが届く。故郷に帰り、事件を解決しようと奮闘する物語である。 しかし、そこに舞城王太郎先生の直接脳に意味が届くような文体と、四郎を始めとする登場人物の清々しいほどの暴力、暴言、天才的な比喩表現でスイスイと読めてしまう。 小説、音楽、映画の名前が多数登場するため調べながら読みすすめるのも楽しかった。 親、兄弟、友達への愛、恨み、怒りがダイレクトに伝わってくる本当にすごい作品でした。

    3
    投稿日: 2024.03.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    何とも形容しがたい作品。 文体に関しては好意的なレビューが多いが、個人的にはあまり好きな文体ではない。改行が少なく登場人物の会話も続けて表現されているので正直読みにくく何度か挫折しかけた。自分の読解力がないせいもあるが・・・ 中盤~後半にかけて黒幕が判明したあたりもやや強引だった気がする。しかしテンポは良くなり最後はまずまず楽しめて読み終える事ができた。四郎の内面が想像以上に繊細であり、最期に救われたのは良かった。最初は★か★★であったが後半楽しめたことで★★★まで評価を上げた。 初読み作家さんであったが次作を読むかどうかは正直微妙である

    3
    投稿日: 2024.02.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    個性的な文体で、スピード感があった。あまり改行もなく、文量が多いが不思議と読みづらいということはなかった。主軸が傷害事件と家族の話。主人公の語りも含め好感を持った。タイトルが祖母のセリフというのも印象的だった。

    1
    投稿日: 2024.01.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    密度の濃い文章で、スピード感ある展開。 タイトルは、祖母の死に際の言葉 「人間死んだら、煙か土か食い物や」から。 とても印象的で収まりの良いフレーズなので、どこか古典に出所があるのかと思いましたが、舞城さんの創作のようですね。 アメリカで働く腕利の外科医四郎。本人は、神の一人とまで言う。そこへ、日本の実家から母親が事件に巻き込まれた連絡が入る。急遽、帰国。 久しぶりの実家で、母親も含めた5人の女性の殴打生埋め事件の犯人探し。 事件解決への見事な推理を展開しつつも、振り切った暴力描写に何故か溢れる家族愛。 時折、ハイテンションな軽めの会話が入るけど、作者の頭の良さが滲んでいるから認めましょう。 細かいストーリーは、もう考慮しないで良いです。 全体的に面白いって感じで、どこへ向かうかわからなかったラストも不眠症も治りそうでハッピーエンドかな? 動物占いは、すぐ気がつきましたが、あれは、算命学の一術式からの発想らしいですよ。算命も占星術と言われれば、そうなのだけど。

    69
    投稿日: 2023.11.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    初舞城王太郎でしたが、吹っ飛んだキャラクターメイクでガンガン押し切る小説かと思いきや、福井の土臭い田舎に舞台はさっさと移動し、血の因果というべきか、血生臭い暴力の連鎖で過去から現在へと紡いでいき、それでも将来へと希望を繋げていくというストーリー。 正直、間の過去編が長く、中だるみしてしまったし、ミステリー的な”ネタ”の部分も「ん?」という感じはしたのですが、純粋な読み物として不思議とドライブ感があって、楽しかったです。 実は四郎の医者という経歴自体嘘なのでは?というどんでん返しも想像してましたが、そんなことはなかったです笑

    0
    投稿日: 2023.11.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ドラえもんのくだり、いる? とか 警察車両の細工は誰の何だったの? とかの諸々に、 突っ込んだら負けなのだろう。 個人的にはやや苦手だがハマる人にはハマる独特の書き口にも、一つ一つに大した意味はないのだろう。 疾走するようにドバァーっとストーリーが展開していく中で、兄弟と父親に関する描写だけ丁寧に慈しみと悲しみを持って描かれていて、それが良かった。 兄弟全員が、自分のこと以上に兄弟のことに心を深く傷つけたたまま強がって生きてて、良かった。 ミステリー小説ではなく、もう何年も前に崩壊してしまった家族関係の再生と修復の物語。 テーマが明確な分、個人的には阿修羅ガールより面白かった。 ただ、主人公が明らかに厨二病なので、星三つです。

    1
    投稿日: 2023.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    延々と続くモノローグ。改行を忘れたのかと思わせる脳内の垂れ流し。なるほどこんなスタイルかと受け入れる。対数螺旋曲線やドラえもんやら出てきて、ちょっとミステリーっぽい。 ずっとこの調子だとしんどいかなと思ったが、TENの二郎の章になったところで様子がガラリ一変。暴力の応酬。酒鬼薔薇聖斗みたいのも出てきてデスメタルのよう。容赦無い暴力描写が続くが、あまりに続くのでそのうち平然と読めるようになってくる。 人は死んだら煙か土か食いもの。

    0
    投稿日: 2023.05.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    東西ミステリ72位。自意識の垂れ流しをミステリーの仕掛けの中に取り込むと言う意欲作です。ミステリーの体裁を取っているけど、私小説、それも家族の物語ですね。 途中の回想シーンも、含めて作品全体だと理解すると楽しめると思います(読んで不快とかそうじゃなくて圧が凄いです)。 "これが噂のMaijoだ"のキャッチコピーに偽りは無いですね。圧倒的な読後感でした。20代の多感な時期にこの本に出会えた人は幸福ですね。 蛇足ですが、舞城王太郎は"清涼院チルドレン"らしいです。清涼院流水さんが後世に残した功績って途方もないんでしょうね。☆4.4

    0
    投稿日: 2023.05.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    お名前は見かけていましたが、その名前故に避けていたところがあります。だって、なんというか狙っている風のネーミングというのでしょうか、ちょっとふざけている?感を勝手に感じていたのです(作者名も作品名も)。読む前から「キャッチーな外面で内面をごまかしてはいないか?」という疑念がありました。 でも、やっぱり名前が、そしてタイトルが、気になるのです。そして、いくつかの機会をやり過ごしたのち、この度とうとう購入に至りました。 結論としては、自分の思い込みは大いに翻りました。 ・・・ な、なんなの、この作風は? 感想をぎゅっと絞ると、これです。 主人公は米国で救急外科医として勤務する奈津川四郎。彼のキャラ設定がもうアクがあり過ぎます。数日間ぶっ通しでメスを握り、神業的外科手術を夜通し成功させつつ、ふとした合間にセ〇レ看護師の下半身をまさぐる。 そんな彼の母親が頭を殴打され日本へ緊急帰国するのですが、出身の福井に帰ってもこの破格のキャラが大暴れ。かつての級友を連れまわす(もう連れ去りに近い?)、義理の姉とよろしくしけこむ、気に入らないやつには暴力を振るう、友人を使って公権力に入り込む等々違法行為スレスレのもうやりたい放題。 そしてこのような横暴が主人公目線の独白調で方言?も交えて、改行なく語られるのです。さらに合間合間に横文字の禁忌ワードの数々。その文体はドライブ感・疾風感が強く感じられ、嫌みな感じの一歩手前くらいで絶妙に抑えられているようにも見えます。というより、あまりに常軌を逸しているため、つい笑ってしまう、ギャグマンガ的なシュールさすら感じてしまいました。 ・・・ そんな物語ですが、実は犯罪予告を解くDetectiveものの展開であり、密室犯罪のトリックもあり、悲しい家系的暴力の因縁があり、それらを超克して最後はきれいに大団円を迎えるというものでありました。つまり一言でいうとぐいぐい読ませるし、面白い。 エンタメを標榜するメフィスト賞受賞は伊達ではありません。 登場人物の個々のキャラが強く、展開も早いので意識しづらかったのですが、物語のピークが分からず気づいたら終わってた、でもキレイに終わってた、という読後感です笑 ・・・ ということで初舞城作品でありました。 アクの強い作品で読者によって好き嫌いが分かれそうな気がする作品でした。私はそうでうすね、結構好きです笑 なんか他の人からえー?って言われそうですが。 でも娘や息子に読ませるかっていると・・・、そうですね、たぶん黙っていると思います笑。 ダメと言われると余計に読んでみたくなる人、そもそもヒールとか露悪的なものが好きな人には楽しむことが出来るエンタメ作品だと思います。話の分かる大人にはお勧めの作品。

    1
    投稿日: 2023.01.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    テーマは暴力と家族愛。ミステリーを期待して読んだら全然ミステリーではなかったけど、これはこれで面白かった。圧倒的なスピード感で最後まで一気に読めてしまった。こういう文章を書ける人に憧れる。

    0
    投稿日: 2022.12.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2001年デビュー作。出だしから最後まで凄まじく疾走。この感覚は経験したことがない。改行なく文字で埋め尽くされた頁に怯みますが口語基調なので読みやすい。文字の密度が主人公から次々に湧き出てくる想いと同調して、こちらの読むスピードも加速していきます。

    0
    投稿日: 2022.11.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    主人公は米国の救命外科医奈津川四郎。母が連続事件の被害者となり帰国、事件解決に向けて暴走する。物語の根幹となるのは親子の確執。バイオレンス強めのミステリー。

    14
    投稿日: 2022.10.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    NINEまでは作者と主人公の癖の強さについていけず何度か断念しそうになったが、TENで奈津川家の過去が深く掘られていくとようやく四郎の全体像がなんとなく掴めたので、同じ気持ちの人たちはどうにか断念せずに読み進めてほしい。全体像を雰囲気だけでも掴めたら、あの躁状態に近い気持ちについても推し量ることができ、内容が前よりも噛み砕きやすくなると思う。 初めは主人公は実際には力もお金も女も無い男が心の内飲みで強い自分を演じているのかと思っていたが、話を読み進めていくとルックスも頭も良く、一般的に優れた人物であること、それでも四郎を始め兄弟も父も祖父も突飛な性格であることなど、想定外でかつこれまで読んだことのない展開が多く、夢中になってからはとてもおもしろく読むことができた。 今回舞城王太郎作品に初めて触れたので、また別の作品も読んでみたいと思う。

    0
    投稿日: 2022.10.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     死ぬことと眠ることは似ている。目を閉じて動かなくなる。四郎がなぜ眠れなかったのかというのは、人は死んだら何も残らない(=煙か土か食い物)ということへの恐怖がそうさせていたわけだが、それは単なる精神ストレスというよりも、眠ること≒死ぬことというアクション的な比喩で提示されていたように思う。しかし皮肉なことに、人間は眠らないと生きていけない。眠らないことが死ぬことに繋がってしまう。  上述の「煙か土か食い物」という呪いは過去にかけられている。過去にかけられたこの呪いは「未来への恐怖」とも言いかえることができる。恐怖たる未来を取り除くのではなく、その恐怖そのものを切開し、縫合し、あくまで「未来への恐怖」だけを治療する。何も残らなくても何かが残る。過去に何が起きても我々は今日や明日や明後日をこそ生きてゆく。たとえば手術とはそのためにあり、たとえば事件推理とはそのためにある。

    0
    投稿日: 2022.10.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    語り口は軽い感じなのにハラハラでドロドロでグログロだった笑。あ、真犯人、割りとあっさり怪しく出てきちゃいます??って思ったけど、期待は裏切らない。

    0
    投稿日: 2022.09.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    最高。基本ユニークな表現とセリフで笑わせてくるのに、最後の四郎怒涛の緊急施術の嵐で涙ぐんでしまった。 ヘンテコミステリーを求めてこの作品を手に取ったのに、ド級の家族愛パンチを喰らってしまった。奈津川兄弟大好きだ!

    0
    投稿日: 2022.08.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    暴力、性欲、狂気、生と死、そして家族愛! 疾走感とリズミカルな文章に浸れる傑作 #煙か土か食い物 海外で外科医をやっている主人公は、母が事件に巻き込まれたと連絡を受ける。急いで日本に戻って事件解決のために尽力するが、彼の家庭環境は壮絶だったことが明るみになっていく。猟奇的な殺人と家族のゆがんだ関係性は解決に至るのか… 猛烈なバイオレンス、スピード感で迫る本作。これがうわさの舞城節ですか。 改行がほとんどなく、文章が襲い掛かってくる感じ。まるでスラッシュメタルやメロコアパンクの音楽を聴いているような感覚に陥りますね。これは癖になる、読む手が止まらない。なんだこれは! しかも猟奇性あるあふれる言葉、冗談めいた言葉、死に関する言葉が次々出てきても、嫌な気分にならない。不思議な感覚。 登場人物も強烈な人たちばかりで、気がふれた変態やおかしな人が次々登場。まともな人がいねーよ。 お話としては、なんとか起承転結が追えるという感じで、一応はエンタメ小説ですね。ミステリーとしても不可思議で、正直凡人には意味が分からないです。 本作の一番の魅力は、なによりテーマ性ですね。哲学や純文学に近い。 何が言いたいのか、分かるようで全然分からないのですが、ただ「愛」と「死」だけは強烈に伝わってきました。 日々つまんないなーとぼやいている人は、是非一度このドライブ感を体験してみてほしい。おすすめです!

    61
    投稿日: 2022.07.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『淵の王』がなんかよく分からないけどすごく良かったので、他の作品も読んでみたくなった舞城王太郎。 奈津川四郎は、不眠症で腕のいい外科医だ。サンディエゴの病院で働いていて、女にはモテモテでセックスだってし放題。あるとき、日本にいる彼の母親が何者かに殴られ、土に埋められて意識不明の重体だという連絡が入る。四郎の地元では同じ手口の事件が続いていて、同一犯の仕業である可能性が濃厚だという。 日本に帰った四郎。彼はもちろん四男だ。一郎二郎三郎。名前が覚えやすくて親切だ。それにまずわたしは感動した。ちなみに二郎は失踪して行方知れず。 飛び切り冴えてる脳味噌を持つ四郎は、この事件の犯人を突き止めるべく動く。 バイオレンスに続くバイオレンス。果てしなく続く暴力の描写は色鮮やかで、やることはとことんえげつなく、傷は気が狂いそうに痛そうだ。ラストなんて本当に笑っちゃうくらいすごい。 こっちを先に読んでいたら『淵の王』は読まなかったかもしれない。これが面白くなかったというわけではない。むしろ面白かった。だけど暴力の描写が多過ぎる小説は、読むと魂が疲弊するのだ。 順番間違えなくてよかったと思った。 色んな顔を持つ作家なんだな、彼は。

    3
    投稿日: 2022.06.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった。初の舞城王太郎作品。煙か土か食い物。文章が詰まっていて、少々読みにくいものの、慣れてしまうと主人公の思考を丸々追っているかのようなドライヴ感が楽しめる。自分とは似ても似つかない主人公だが、その一体感は必然的にとても読者に近い距離にあるものだと思う。又この小説はキャラクター小説とも言えるほど登場人物の背景がある。魅力的なキャラクター達が、その背景をもとにどういう感情で動いているのか。創作の物語という点からはごく当たり前のことなのだが、それが忠実的にこなされており、後半になればなるほど面白かった。

    0
    投稿日: 2022.06.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    正直前半は独特の文体に乗りきれず読みづらさを感じたが、後半物語の回転が速まるにつれて小気味良いリズムに乗って転がるように読めた。 終盤に起きる悲惨な事態、あの瞬間のために四郎は医者になったのだとなんだか泣きそうになった。 それに窮地を救うのが四男末っ子であることもアツい。

    0
    投稿日: 2022.04.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    2001年。第19回。 覆面作家。タイトルの意味は「人間死んだら、火葬されて煙になるか、土葬されて土になるか、最悪動物に食べられるか」しかないじゃん。ってこと。 四郎が主人公。アメリカ外科医。母が殴られて埋められる猟奇事件の被害者になったということで、帰国。福井へ。 文字数がハンパない。改行

    0
    投稿日: 2022.03.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ずーっと読んでみたかった、舞城王太郎。 あっちこっちのブログでみんな紹介されてるし。 すごく面白そうだし。 句読点がないのね。 「、」が。 読みにくいんだけどすごくスピード感があって 昔中学生の時に読んだ、村上龍の「コインロッカーベイビーズ」を思い出した。 本を開いたら改行してなくて白いとこがない。 でもそういうのって好き。 得した気分。スピードに乗って読めるし。 ががーっと読んでしまった。 気がついたら終ってた。 お母さんが連続凶悪事件の被害者になって サンディエゴから飛んで帰ってくる天才外科医で不眠症の主人公。 いい感じ。 ここのファミリーの話がまた猛烈。 話は勝手にするする進んでいくし もう、ダラダラする暇なく突き進んでしまったって感じで目茶目茶面白かった。 はまっちゃうよなぁ、そりゃ。 てな訳でがんばって次々読んでいこうと思います。

    0
    投稿日: 2022.02.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これは新種の文学だろうかと思う程面白い。 ミステリーが霞む程、遠慮の無い四郎の一人称。私は爽快感すら感じました。 これぐらいイカれてても大丈夫だよね。取り繕うから綻ぶんだよ。でも取り繕わなければ、色々と面倒なのよ。 あぁ、面白かった。 「インザプール」も適度な脱力感があって、違った面白さがあります。気になった方はぜひ。

    0
    投稿日: 2022.01.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    かなりの文量があるのに、ススッと頭に入ってきました。内容は、多少あれ?っとなるところや突拍子もないところがあったけれど、文章のスピード感がそれらを気にさせなかったです。 バイオレンスなストーリーと疾走感ある文体が合わさってできる独特な雰囲気が好きになりました。作者さんの他の作品も読んでみたいです。

    0
    投稿日: 2022.01.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    かっこいい小説でした。 文章なのに速度があって、文章なのに音量が大きい。舞城王太郎さんの文章が癖になります。 どんどん物語が加速していくのも痛快で、最後は自分の手元に返ってきて終わるような話の運びも好みでした。 最後の一文の切り上げ方まで、ぱんと手を叩いて終わるようなキリの良さがあって本当にかっこよかったです。 好きな小説です。

    2
    投稿日: 2021.07.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    20年前とは思えん作品だった(いい意味で) 暴力!暴力!グロ!暴力!て感じだけどちゃんとミステリだし家族の話だし全部伏線回収してくれる。 モノローグがやたらと煩いけど気づいたら話がすっごい進んでてビックリする。 濃ゆい本だな〜…。

    2
    投稿日: 2021.05.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    癖のある文章だったけどスピード感あってあまり止まらず読み進められた。痛いシーンが多いけど(特に二郎の復讐シーン)徐々に慣れた。おもしろかった。

    0
    投稿日: 2021.05.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでみて、世の中にはまだまだ私の知らない面白い本が大量にあるんだわ……!月4冊じゃとてもじゃないが読み切れないわ……!と痛感。 とにもかくにもテンポが良い。今まで知らなかった文体とテンポ。一応分類的には推理小説になるんだろうけど、いやがっつり推理してるから推理小説なんだけど、なんていうんだろう、私がイメージする推理小説の淡々とした感じは全くなくて、深夜の国道をガンガンに音楽かけて爆走してる、みたいなおかしなテンションになる文章なんだよね。ヘイとにかく読んでみてくれマイディア!って、主人公と同じテンションで叫びたくなるくらいとってもよかった!笑あり、涙あり、って言うよりもっともっとアップダウンが激しい。推理パートの躁状態のときはニヤニヤして、シビアな部分では憎悪を噛み締める、でも一貫してハイテンション。 終わり方も実にスカッとする。深夜の国道をガンガンに音楽かけて爆走した挙句派手にクラッシュしてぶっ飛んで爆笑しながら放り出される!というような小説でした。舞城王太郎、他の作品も読んでみよう。割と読むのに体力はいるけど常にアドレナリンがドバドバ出て滅茶苦茶楽しかった!

    0
    投稿日: 2021.02.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「読書したいけど何を選んでいいかわからない」という相談を受けた時には迷わずこの作品を薦めているし、読んだ人の反応がめちゃくちゃに良い。 これは普段読書に慣れてない人でも読み進められる舞城氏の持つ優れたスピード感とリズム感によるところが大きいのではないかと感じている。 本作はデビュー作であるため「俺の才能を見てくれ!」と言わんばかりの勢いを感じる作品(まるでロックバンドの1stのような)であり、エンタメ文学と純文学の融合を果たした天才作家誕生の瞬間が描かれている傑作だと思う。 舞城氏の影響を受けた作家が少なくないことからしても、過小評価されすぎであると思ってしまう。

    2
    投稿日: 2021.02.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ハードボイルド。 オラオラな主人公が周りのみんなを使って、頭脳で謎を解くっていうパターン。 生活環境って大事。 ちょっとなんで?って部分もあったが、 スピーディーで読みやすかった。 復讐は復讐を生むだけだ。

    6
    投稿日: 2021.01.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    壮絶で野蛮で乱暴で、2度と読みたくないくらい怖くて辛くて不快だけど、とても美しい作品。 完璧です。素晴らしい。 圧倒的文圧という噂は聞いていた。 常に躁気味で発狂寸前の主人公奈津川四郎のモノローグは滅多に改行されないから、見開きの全空間が文字で埋まってるって意味での文圧はあるけど、リズムがいいし表現が的確なので読むには全く苦労しない。その上疾風怒濤の展開なので、ストレスをほぼ感じない。ヤカラ感いっぱいの福井弁がこの疾走感を更に煽る。 このスタイルの新しさ(といっても約20年も前の作品)の引力に持っていかれた。 母親が連続主婦殴打事件の被害に遭い、アメリカで外科医をしている四郎は急遽福井に帰国。犯人に自ら復讐するため、元同級生を巻き込みながら真相に迫っていく。 …って文字にすると全然違う。こんな行儀の良い話じゃない。 きっと、ミステリの仮面を被った、「家族」というものの逃げようのない狂おしくも愛しいしがらみを書いた作品、と言った方が当を得ている。 一郎、二郎、三郎、四郎の4兄弟と、父親丸雄との関係が語られるにつれ、男社会の野蛮さにただただ慄かざるをえない。正直、怖い。 特に二郎の暴力性が執拗に回想される下りは、あたしミステリ読んでたはずだよね?って気分にさせる。 暴力、虐待、折檻…そうした家族関係に覚えのある人はとても読めないのではなかろうか。身に覚えのない私でさえ辛かったもの。 巻き込まれる同級生のルパン、マリック、白碑と四郎の、お互いの黒歴史を知り尽くした上での関係がまたイイ。 んで、ミステリ的な謎は高等なのに出てくるそばから惜し気もなくすぐに解決する(四郎が頭いいから)ので、清々しいことこの上ない。 ミステリに不可欠の名探偵は一応出てくるけど、ホントに名探偵ぽいのに全くの脇役だったり、ミステリ的にもいろいろ型破りだ。 マリックのくだりは堪らなく切ない。俺に解けた謎をあいつが解けないはずはないという信頼感、毒親を持つ者同士のシンパシー、限りなく犯人に近いという猜疑心、そうした複雑な感情と、あっという間に失ってしまった哀しみは、読んでるこっちも堪(こた)える。 クライマックスは、ミステリ的には伏線の見事な回収なんだけど、切り刻まれた家族を縫うシーンの四郎は、自分のこれまでの人生は今日この日のためだったんだ、という天からの「啓示」を得たんだと思う。 とにかく、何もかも繋がる。 何もかもに何らかの答えが与えられる。 美しい作品だった。

    3
    投稿日: 2020.09.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    理不尽に対する怒りと不信と暴力と、その向こう側にある圧倒的な光と愛が詰まったお話だった。 熱量がすごい為、止まらずにあっという間に読める。

    3
    投稿日: 2020.05.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    なかなかクセが強い。 よって手にする人によってかなり評価は分かれるだろう。 正直、私は手にして読むのがしんどかった。 (というか子供の頃の回顧録が長過ぎて中だるみしてしまった) 後半に入り圧倒的なスピード感が心地よくなり、最後は一気に読み進めてしまった。 独特な文体と、スピード感は著者にしか描けない世界感だと思う。 人は死んだ後、煙(燃やされる)か、土(土葬される)か、食い物(動物たちのエサ)になる... 説明 商品の説明 腕利きの救命外科医・奈津川四郎に凶報が届く。連続主婦殴打生き埋め事件の被害者におふくろが? ヘイヘイヘイ、復讐は俺に任せろマザファッカー! 故郷に戻った四郎を待つ血と暴力に彩られた凄絶なドラマ。破格の物語世界とスピード感あふれる文体で著者が衝撃デビューを飾った第19回メフィスト賞受賞作。(講談社文庫) これが噂のMaijoだ 小説界を席巻する「圧倒的文圧」を体感せよ! 腕利きの救命外科医・奈津川四郎に凶報が届く。連続主婦殴打生き埋め事件の被害者におふくろが? ヘイヘイヘイ、復讐は俺に任せろマザファッカー! 故郷に戻った四郎を待つ血と暴力に彩られた凄絶なドラマ。破格の物語世界とスピード感あふれる文体で著者が衝撃デビューを飾った第19回メフィスト賞受賞作。 内容紹介 腕利きの救命外科医・奈津川四郎に凶報が届く。連続主婦殴打生き埋め事件の被害者におふくろが? ヘイヘイヘイ、復讐は俺に任せろマザファッカー! 故郷に戻った四郎を待つ血と暴力に彩られた凄絶なドラマ。破格の物語世界とスピード感あふれる文体で著者が衝撃デビューを飾った第19回メフィスト賞受賞作。(講談社文庫) これが噂のMaijoだ 小説界を席巻する「圧倒的文圧」を体感せよ! 腕利きの救命外科医・奈津川四郎に凶報が届く。連続主婦殴打生き埋め事件の被害者におふくろが? ヘイヘイヘイ、復讐は俺に任せろマザファッカー! 故郷に戻った四郎を待つ血と暴力に彩られた凄絶なドラマ。破格の物語世界とスピード感あふれる文体で著者が衝撃デビューを飾った第19回メフィスト賞受賞作。 内容(「BOOK」データベースより) 腕利きの救命外科医・奈津川四郎に凶報が届く。連続主婦殴打生き埋め事件の被害者におふくろが?ヘイヘイヘイ、復讐は俺に任せろマザファッカー!故郷に戻った四郎を待つ血と暴力に彩られた凄絶なドラマ。破格の物語世界とスピード感あふれる文体で著者が衝撃デビューを飾った第19回メフィスト賞受賞作。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 舞城/王太郎 1973年福井県生まれ。’01年、本作品で第19回メフィスト賞を受賞しデビュー。’03年、『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    0
    投稿日: 2020.04.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    サンディエゴにある総合病院に勤めている腕利きの外科医・奈津川四郎のもとに、母親が事件に巻き込まれた連絡が入る。連続主婦殴打生き埋め事件として行われていることをしった四郎は復讐のため、犯人をさがしはじめる 「アメリカに生活の拠点を置いている」「不眠症」の一人称形式文章という感じ(イメージだけど エログロバイオレンスあり、それが文章量で一気に押し流されていく読後感。ミステリとしては?が浮かんだけれど。

    0
    投稿日: 2020.01.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分の読書経験の原風景、本の魅力を知る旅の土台になった作品の一つ。 舞城王太郎の大傑作。疾走感、緊張感、ミステリー、ギャグ、暴力、大円団 これぞ舞城ワールド。

    1
    投稿日: 2019.12.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    あらすじ 腕利きの救命外科医・奈津川四郎に凶報が届く。連続主婦殴打生き埋め事件の被害者におふくろが?ヘイヘイヘイ、復讐は俺に任せろマザファッカー!故郷に戻った四郎を待つ血と暴力に彩られた凄絶なドラマ。破格の物語世界とスピード感あふれる文体で著者が衝撃デビューを飾った第19回メフィスト賞受賞作。

    1
    投稿日: 2019.11.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    羊象ライオンが羊熊ライオンになるとこがあってどっちなのよ。そしてドラえもん回収した? 溺れるナイフの菅田将暉調(方言)に当て嵌めて読んだマザーファッカーー!!Yeah

    2
    投稿日: 2019.10.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    夏川四郎はサンディエゴに滞在している腕利き医師。 ある日、母親が事件に巻き込まれたとの連絡を受け、故郷へと舞い戻る。 連続主婦殴打生き埋め事件の被害者となった母親。 どうにか見つけ出してやろうと四郎は動き出す…。 ***** 前半の印象。 何か小説の”ラップ”みたい…。 いや、カタカナがおりこまれているということだけではなく、息継ぎ早の文章、まるで急流の動き。 スピードを感じた。 推理モノ…というわけでもない?? けっこう”謎の答え”はスパッ、と答えだけ提示される感覚。 メインともいえる、四郎の家庭事情はけっこうヘヴィー。 でも、暗くはならない。 影はさすけれど。 えぐい…と感じる表現も多少はあるものの、最後の方で一気に読ませ、少しほろりとさせられてしまった。 ひとつの希望、それを支えにして、ひとは生きる。 初めて読んだ、舞城さんの作品。 前に購入だけしている本もそろそろ開かなきゃだ。

    2
    投稿日: 2019.07.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    うむ、うむ、うむ。文章の切れ味は、凄いものがあります。これこそ舞城王太郎、という、独自さ。それはもう、ビシバシと感じますね。こう、圧倒的な個性は、バシバシ。そこはもう、素直に凄いと思いますね。これが俺の文章だし、ってのを、間違いなく感じました。デビュー作で、これか。いやあ、凄いなあ。 一番近いかな?と思うのは、町田康の文章の感じ。それと、近いものを、感じる。即ちパンクな感じ?で、町田さんの文章が、ちょっと古い時代の、セックス・ピストルズ的、クラッシュ的パンクさ。ゆったりしたスピード感、だとすると。 一方、舞城さんの文章は、最近のパンクっぽい気がする。なんか、ヒップホップ入っている感じ?電子音楽入ってる感じ?バッチバチのスピード感。町田さん、鈍行だがなんだか凄いスピード感ある。舞城さん、新幹線かリニアかコンコルドか、まじパネえスピード感、って感じ?あくまでも自分の受けた感じでは。 ただ、ごめんなさい。内容としては、小説の面白さとしては、こう、ごめん。全然感じませんでした。話の面白さ、登場人物への感情移入、「この話の続きをなんとしても知りたい!」という欲求、などは、読んでいる間、ほぼほぼ皆無。「なんだかなあ~。まあ、どうなってもいいけど。どうにかなるんでしょ?きっとまあ」って思いばっかりでしたね。 最悪の言い方してすみませんけれども「早く終わらねえかなあ。読み始めちゃったから、まあ、最後まで読むけど。はよー読み終えて、次の小説にとりかかりたいんだす」って思いながら、読んでました。ホンマすまん。まあ、ただ単に、今作品の舞城さんの作風は、自分にはトコトンあわんかった、というだけのことなんですが、、、とにかく、肌に合いませんでしたね。ごめんなさい。自分が悪い。でも、どうしようもない。俺にはあわんよコレ。という作品です。 とにかく、読んでいて、文章には文体には、間違いなく「スゲエ」と思ったけど、内容には、一切心動かされなんだ。そういう作品でしたね。マジごめん。どーしよーもなかった。そう思っていた自分を、偽ることはできへんのや。すまんです。 色んな謎解きとか、そこらへんも、まあ、全然どーでもよかったですね。なんか、全て「まあ、どうにかなるんでしょ?」としか読んでて思わなかったのは、ホンマにあかんよなあ。ビックリするほどに、感情移入できなかったなあ。 あ、でもあれだ、女性連続殴打生き埋め犯人?の犯行動機、が、臨死体験をした人の「すげえハッピーな幸せな体験談」を聞きたかったから、という理由は、なんだかバチバチにイカれてて好きでした。あれ?犯行動機、って、そこですよね?違うのかな?自分は、そう理解しました。明らかに狂ってる犯行動機だと思うんですが、そこに、なんらかの自分の気持ちの快感、救いを見た犯人の気持ちは、なんというか、斬新、というかおもろい、というか、理解できる気がする。それを理解できる気がする、というと、なんか、自分もヤバい、って思っちゃうんですけれどもね。 あと、タイトルは好きですね。「煙か土か食い物」「Smoke,Soil or Sacrifices」なんで「食い物」が「Sacrifices」なんだろうなあ。「food」じゃないの?なんで「犠牲」「捧げもの」なの?そこがイマイチ分からなかった。その訳の意味を、理解できませんでした。ごめんなさい。でも好きなタイトルです。

    2
    投稿日: 2019.07.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    終盤へ向かっていく文章の勢いが素晴らしい、カーレースのような乱暴な速度で展開していく。家族の形というのは、皆それぞれだけれど、愛が故の屈折を強く感じた。暴力や暴言は当然良くないが、目も体も本能には勝てない。

    2
    投稿日: 2019.07.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    改行のないギッシリ詰まった文字にいきなり胸倉をつかまれます。目を離すな、気を散らすな、読み落とすな。突然出てきた数式とグラフにヒャッホーと叫び声をあげたくなったのに続く暗号を楽しむ暇も与えられず、あらためて地面に叩きつけられたように与えられる痛み。家族とはなんだ、愛とはなんだ。暴力とはなんだ、連鎖とはなんだ。頭の中はぐちゃぐちゃで、泣きそうになりながらページをめくりました。メフィスト賞らしい、ミステリでくくっては勿体ない作品。全ての設定の妙に、読後は長距離走を走り切ったような疲労と満足感が残りました。

    0
    投稿日: 2019.06.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初の舞城王太郎。おもしろかったー。 改行のないスピード感と疾走感のある文章で、読んでいる方まで変なテンションになってくる。内容もぶっ飛んでいてバイオレンス度が高めだが、どこかさわやかささえ漂っている。 こんな不思議な作品と出会えたこと自体がうれしい。

    3
    投稿日: 2019.05.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    男!男!男!男!男!暴力!暴力!暴力!暴力!暴力!疾走する文体に彩られためくるめくバイオレンス冒険譚。この作品の何がすごいかと聞かれればそのバランス感覚と言うことができるだろう。苛烈な暴力描写は軽快な文章によって緩和され、しかしその軽快な文章もまたライトノベルのような薄さや甘さを帯びることはなく独特のビートを刻み続ける。ミステリーとも冒険モノとしても読むことができるかもしれないが、この小説の根底にあるのはどうしようもない「愛」だと思う。そんな不器用なテーマを暴力でくるんで血で煮詰めてチャッチャッチャッチャッとミステリーをまぶしたような、そんな作品。4兄弟と父親を中心にしたキャラクターの個性もブッ飛んでいるし、絶え間なく登場する福井弁の響きも心地よい。早くも2019年度最強の良書に出会ってしまったかもしれない...

    4
    投稿日: 2019.03.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    圧倒的なスピード感。ビートの効いた文体で、ミステリー小説として立派に成立する内容をあえて既成の分類を打ち破る威力でグイグイと読者を引っ張る力強さがある。既成概念としての分類など、著者にとっては無用なのかもしれない。 読む者は著者の文体のビートに乗せられて、ぐんぐん読み進むことができる。段落も細かくは分かれていないし、読点も多くない。今一度既成概念的な物言いをすれば「読みにくい」ということになる。もちろん読みにくくはない。一度読み始めてしまえば、速度をともなった独特のリズム感ある文章は、するすると読めてしまう。すなわちここでもまた、既成概念は通用しない。 読み終えた後、血と暴力にあふれ、スラングすら使うことをいとわない物語を読んだにもかかわらず、踊り出したくなるようなテンションになる。不思議だ。何もかもが初めての出会い、という意味で新しい。今まで舞城作品をいさかか敬遠してきたことが、ただの時間の濫費とすら思えてくる。 このスプラッシュな文体の裏側に、実はときに血なまぐさくなるけれども、深遠で根源的な内容がしっかりと描かれている。ジェットコースターばりのスピード感に、途中はややもすれば恐怖感を覚えるかもしれないが、とどのつまり残るのは爽快感ではないだろうか。そして、流れに乗って一気に読んでしまうけれども、しっかり爪痕を残していく物語なのである。

    2
    投稿日: 2019.02.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アマゾンレビューの「文圧に圧倒される」という言葉に興味を持ち読んだ。実際改行もなくびっしりと紙面を埋め尽くす文字の量に最初はビビるが、それを読ませる力があった。あっという間にラストまで駆け抜けてしまう。医療行為も暴力もセックスも家族の問題も過去の話も殺人も全てがスピーディです。

    2
    投稿日: 2018.10.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    講談社界隈の作家が大嫌いで、アナグラムで謎を構築する小説も大嫌いで、登場人物に変な名前付ける作家も大嫌いだからかなり構えて読み始めたのに、単純に面白かった/ 尖ってる/ これくらいなら素直に褒められる/ 谷川ないし、キョンの原点はこの作品にある気がする/ そんな感じ/ でもミステリは嘘ばっかのご都合で、そんなことはまあどうでもいい作品なんだけど、そのくらいは目ぇつむって読んでやらあと思わせる勢いがあったね/ 正確にミステリではない

    0
    投稿日: 2018.10.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     ミステリーとしてはメチャクチャだけど、「小説」としては最高だった( ´ ▽ ` )ノ  ドライブ感というかトリップ感というか、不眠症という設定を最大限に活かして、脳内の一部分だけが妙に研ぎ澄まされていたり、時間感覚が混乱してたり、視野が狭窄していたり、「異常感」の描写がべらぼうにうまい( ´ ▽ ` )ノ  かの「タクシードライバー」のオマージュとも言えるし、作中でも触れられてる町田康にも似てる( ´ ▽ ` )ノ  タイトルがまた秀逸だね( ´ ▽ ` )ノ  ナンノコッチャ?、と惑わせておいて、説明されれば100%納得( ´ ▽ ` )ノ  衒学的でスタイリッシュでオタッキッシュで、厨ニ病患者にはたまんないだろうね、こういうの( ´ ▽ ` )ノ  他の作品も必ず読むよ( ´ ▽ ` )ノ 2018/07/19

    2
    投稿日: 2018.07.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    評判が高いし、文章に勢いがあるとのレビューで期待したが、『ベルカ、吠えないのか?』の古川日出夫に感じたほどの驚きはない、内容はとっても幼稚な印象を受けた。これが新しいといえばそうなのかもしれないが、著者2冊目でその凄さがわかるのか?(西加奈子の経験から笑)

    1
    投稿日: 2018.04.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    家族愛。忘れられない言葉がところどころにある。暴力で隠されてる真ん中に純粋な愛を感じた。いつでも優しく寄り添ってくれる本。

    1
    投稿日: 2018.03.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    猟奇事件被害者母の復讐に奔走することを通じ主人公が家族関係への蟠りを解消する話だと思う。憎む父の命を救えて安堵し泣いたことやひどい不眠が最後に解けたことなどが分かり易い。カウンセリングで本心を話して号泣する場面・家族に復讐した二郎を許す語りが特に好き。 憎しみつつも本当は凄く愛している家族が、死ぬと無価値に消えてしまうことを恐れていた。しかも主人公の人生には暴力が当たり前に存在していて死の気配は常に近かった。終盤、皆生きているし別に死んでも心に生かしていいんだと合点して家族(≒自分)を受容した流れがいい。 スピード感があり、かけあいが面白くてどんどん読める。肯定感が薄かった故にか主人公が破天荒なのも面白い。政治に医療に官僚に詳しい著者が、いったい何をしてる人なのか気になる。 雑感としては、脇役が可哀想だったw探偵もマリックも死ぬし、探偵もウサギもなぜ出した?wって感じ。事情があるにしても子どもを守れなかった、守ろうとしているようにも映らない母親はひどい奴だと思う。虐待の連鎖に遭った二郎がとても可哀想。 あと、リアルならそんな田舎の中学校にこんな頭良い人間が多数偶然集結するはずないなぁと思った。

    2
    投稿日: 2018.03.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    舞城王太郎は、ミステリーの「ミクスチャーロック」だ! ミステリーを読んでいながら、まるでラップのリリックを読まされているような疾走感。それでいて重厚で、感情移入できる緻密なストーリー。 これが、噂のMaijoか。

    3
    投稿日: 2018.02.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     面白いです!  文章が軽快なロックを聴いているみたいに、グイグイと入ってくるので、スラップスティック的な印象を与えるけど、内容はかなりヘヴィーでシリアス。  ちょっとグロい表現もあるので、そういうの苦手な人は避けた方がいいかも(映画化されたら間違いなくR指定されるだろうな)。  推理小説としては、「おいおい」と突っ込みを入れたくなる箇所も正直あるし、不安定な印象も受ける。  それと作者の個人的趣味嗜好を押し出している箇所(レイモンド・カーヴァや町田康に対する記述など)はやはり素人臭いというか、ちょっと遊び過ぎという気がしないでもない。  その点が少し残念だったので星4つなんだけど、一読の価値はある非常に面白い作品だとお勧めできます。

    4
    投稿日: 2018.01.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ミステリとしては星3つくらいだが、純文学としてはとても出来が良いと感じた。とにかく文章力が並外れている。読んでいて気持ちがいいテンポの良さ。不道徳的なシーンが多いので人によっては気分を害するかもしれない。だがそこがいい。 読後、タイトルの意味に納得する。

    3
    投稿日: 2017.10.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    もしラップ文学というジャンルがあれば、まさに第1号の金字塔的作品です。 前半までは傑作の予感、中盤から精神錯乱気味な展開に意表を突かれるが、最後まで勢いで読ませる。 ハチャメチャで面白い。

    3
    投稿日: 2017.10.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    よみはじめ、アクの強い文章と物語が苦痛でしかなかったけれど、ノリはじめたらもうメロメロ 四郎怒涛の救命シーンはアドレナリンがドバドバでて額に汗でも滲みそうだった

    1
    投稿日: 2017.10.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これは数年前読んでかなり衝撃を受けた型破りなミステリです。今読むとどうかなあ?と思って今回再読。やっぱり面白い! そして舞城王太郎、このデビュー作にして才能が爆発してます。天才だなあ、いや奇才という感じかな? ちなみに舞城さんは後に三島由紀夫賞なんかも受賞したりしてますね。 ミステリの形式で書かれてるんだけど、本質は濃すぎる血筋を持った家族の物語ですね。 そのあたり中上健次の世界にも通じるかな。暴力性というところも近いかも。それからトンデモ親父といっちゃてる息子4人のストーリーとして捉えるとカラマーゾフにもつながってくる。今は10章くらいのところを読んでるんですけど、次男の二郎の生き様はすごいなあ。その二郎と親父の葛藤がすごいんですよ。これはミステリの枠を超えてる小説です。バイオレンス大丈夫な方にかなりおすすめですよ。

    2
    投稿日: 2017.07.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    本当に圧倒的な文圧。 でも、胸の奥にある熱いものが込み上がってくるような、がむしゃらな感じが素敵。 ひどい父親だけど、ラストの展開で何か許しちゃうような。結局みんながみんなが憎しみあって愛し合ってるのかね。 ムンババあぁー!

    2
    投稿日: 2017.06.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    文章が圧倒的な力でもってぐいぐい迫ってくる。荒唐無稽のギリギリを何の躊躇もなく攻め込んでくるのには、度肝を抜かれました。

    1
    投稿日: 2017.05.11
  • ぶっ飛んだサスペンス。

    とにかく刺激的な作品だった。サスペンスなのだが暴力的な描写も多く、眠気も吹っ飛ぶような語り口であり、ついつい引き込まれるような魅力的な話だった。 主人公は腕利きの外科医でアメリカの病院で活躍しているのだが、とにかく攻撃的だ。人を治すことも傷つけることも両方得意なマザーファッカーである。その母親が連続主婦殴打事件の被害者となったため緊急帰国して謎解きに奔走するという物語。 主人公には兄が三人いるが曲者ぞろいで共通しているのはとびぬけてIQが高く、背も高く、喧嘩が強いということ。この四人だけで十分小説が成り立ちそうだ。特に次男はぶっ飛んでいて魅了される読者も多いのではないだろうか。 いろんな形として楽しめる小説だがとに買う刺激的なため飽きて眠くなるということがない。小説は退屈で眠くなるという人にもおススメだ。ただ闇も強いため、影響を受けやすい人は気を付けたほうがいいと思う(笑)

    2
    投稿日: 2017.04.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    僕はこの本をミステリとして読んだわけでして……だからたぶん評価はあまりたかくないわけですよ……まったくのアンフェアですしね? でも、結局のところミステリを読んだのかそうでないのかの判断が全くつかない。だから評価のしようがない。 ただ一つ言えるのは、べらぼうに面白い。メフィスト賞の中で一番ね。 きっと☆3が妥当。だってわけわかんないから。

    0
    投稿日: 2016.11.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    9/8 読了。 再読。舞城はただただ文章が上手くて抜群のドライブ感を武器にベッタベタで大文字の「愛」を書いてる人だなぁと改めて思った。

    1
    投稿日: 2016.10.08
  • 結構計算されたつくりなのか・・・

    初めての舞城氏の作品。 いじめや傷の生々しい描写も実は計算されているのか、その対比で後半のクライマックスが俄然際立ってきている。 主人公やその兄弟は冷血なヤツかと思っていたが、血が通った人間で良かった~と思える。 文体が読む人によって好みは分かれると思う。私は面白かった。 一気に読めます。

    3
    投稿日: 2016.09.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    文章がすごく特徴的で面白い。なんというか無茶な運転の車に乗せられて走っている感じの、、、変なんだけどリズムがあってついつい読み進めてしまいました。 内容的には、私は「こういう話」などという予備知識もなく、ただ漠然と読んでいたのですが、その話がが続くんだ?という状態のままどんどんストーリーが進んでいった感じでした。私はいったい何の話だと思ってこの小説を読み始めたのでしょうか(笑) とにかくなかなかおもしろかったです。かなり個性的ですね!他の作品も読んでみたいです。

    1
    投稿日: 2016.06.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    この作家さんの作品は本当にエネルギーが直接ガンガン来るようで読んでいて食い入る ミステリーの体をなしているが、中身は兄弟や家族の人情モノである 常識や倫理なんかすっ飛ばして感情と理論で立ちまわるのが清々しい

    0
    投稿日: 2016.05.23
  • 殴りかけてくる文章

    凄まじく暴力的でした。主役の思考、思想、それらの土壌になった過去、あと文体。超直感を働かせ謎をあれよあれよと紐解きつつ昏い暗い過去を回想する主人公に随随引き込まれるようにして読み進め、あとには妙にさっぱりとした読後感がありました。強烈なインパクトを残してくれる作品です。

    0
    投稿日: 2016.04.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    福井県を舞台にした小説を読んでいます 「家族とは何か」のテーマを中心に きつめの暴力描写や性描写を交えながら、犯罪推理まで 盛り込んだ感じ 人間は死んだら、煙か土か食い物 になるだけだから 家族は無意味と考えるより、人間は死んでも、生きていた証を残し、生きていても 死んで も 家族は引きつけ合う という 言葉には感銘した

    0
    投稿日: 2016.04.14
  • 癖になるスピード感!これが噂のMaijoか

    純文学っぽい文体にグロテスクなミスてーりー展開。 テンポよくさまざまな謎を解き明かしていく主人公の奈津川四郎。 最後に待っていたのは煙か土か食い物!続編の文庫化希望です。 さっそくリクエストしておきました。

    2
    投稿日: 2016.04.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み始めてまず思ったのは、「ああ、今時のイキがった若者の話か、しかも医者ね。感じ悪そうな予感。」しかもほとんど改行の無い文章が延々10ページ近くも続くので、読んでいてなんだか疲れる。 時々記述されるカタカナでの英語表現も鼻につく。 『アイムゴウイングバックトゥジャパン』 『ハートレス・しかもイージーでカンファタブル。』 『リドカイン。スカルペル。トラストミー、アイルソウアップヨアマザファッキンアス!』 うーむ、とうなりつつもだんだんこの文章のテンポに引きずられ、しまいには無中でむさぼり読んでいた。 これが作者の意図したところだとしたらまさに術中にハマってしまいました。脱帽。 設定にかなり無理があったり、丁寧さに欠ける印象も拭えないが、これでデビュー作というのだからたいしたものだ。 題名の意味はしばらく謎であったが、主人公四郎の祖母である龍子の言葉でした。 たまにはこういう本で息抜きするのもよし。

    0
    投稿日: 2016.03.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大学生の時に初めて読んで、こんな小説があっていいんだ、みたいな衝撃を受けた。 舞城王太郎を好んで読むようになったきっかけの作品。たまに読み返したくなって読み返す。 下品さや暴力的な表現が目立つけれど愛の話。

    0
    投稿日: 2016.03.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    推理小説かと思って読み始めたが、実際にはミステリ要素を加えつつ家族間の確執について書いた小説だった。俺が俺がとたたみかけてくる雰囲気の文体なので、読んでいてうんざりした。特に家族間の確執や暴力に関する描写は、自分の頭の中にある嫌なことを全部吐き出してやるという姿勢を感じずにはいられなかったのだが、このような書き方ではなく、もっと冷静かつ客観的に書かれていたら、家族間の確執については興味深く読めたかもしれない。ミステリとしては、なぜ「ドラえもん」だったのかとか、野崎と二郎のつながりや二郎の現在の状況について何を根拠にわかったのかとか、いろいろ疑問が残り、強引な印象だった。 何年か前に『阿修羅ガール』を読んだ時にこの作家は自分には合わないなあと思い、今回は気を取り直して別の作品を読んでみたのだが、やっぱり自分には合わなかった。

    0
    投稿日: 2016.01.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初めて読んだ舞城王太郎作品。本書は主人公の独白のような形で書かれていて文章は口語体。とにかく文圧が凄い。暴力的なストーリーで人を選ぶかもしれないけれど、Maijoを体験したい人は最初の数ページでも読んでほしい。

    0
    投稿日: 2016.01.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初舞城。始めのうちは、このスピード感溢れる文体(読点がほとんどない)に乗り切れず読みづらく思い、後半はそれ程気にならなくなった。この世界観がまるでジョジョのようでした!ただ残念な点は、まだ読んでいないレイモンド・チャンドラーの名作『ロング・グッドバイ』のネタバレが描いてあるということ。あ〜ぁ・・

    0
    投稿日: 2016.01.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    外国で医師をしている主人公の母親が連続主婦殴打生き埋め事件に巻き込まれ、急遽帰国する。戻り次第、犯人探しになるが、特殊な家族の問題に直面する。 過去から続く家族の因縁を感じながら、スピード感溢れる物語、主人公が天才でご都合主義といわれればそれまでだが、気にせず読み進められた。 満足です。

    0
    投稿日: 2015.09.16
  • 駆け足で読まされる、そんな作品

    アメリカで腕利きのERドクターである奈津川四郎が母親が巻き込まれた事件を期に帰国し、類い稀なる行動力と推理力を発揮して事件の核心に迫っていきます。随所に出てくる幼少期の思い出、奈津川家の中や外で繰り返し描かれる暴力的なシーンに圧倒され、絶望的な気分になりますが、怖くて目が背けられずぐいぐい物語に引き込まれていきました。 1度読んだだけで放心状態。2度見てあらためて細かいトリックに納得。 読点が極端に少ない文体のせいか、作品自体が『ホラホラもっと読め』と言っているような気がしました。 独特な文章に当てられ、読了後はどっと疲れました。 ちょっと変わり種のエンターテイメントを楽しみたい方にオススメです。

    0
    投稿日: 2015.09.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    甘えと依存と逆恨み、あと逆恨みじゃない普通の恨みで ぐっちゃぐっちゃドロッドロの家庭がまず存在し それがなんだかよくわからない 連続主婦殴打事件にまき込まれるという ミステリのようでミステリでない ちょっとミステリ風の小説だ 次男はゆがんだ形の愛を父親に向けていて 父を殺したくもあり、父に殺されたくもあり ひょっとしたら母を邪魔に思ってるかもしれない暴力的変態 つまりなんらかの承認、あるいは証明を欲しているが 主人公である四男は そんなもんなくても愛によって人は自由だと直感しているらしい それはだからファザコンとマザコンの戦争なんだな とてもおもしろい ただ、主人公のトラウマにあたる「煙か土か食い物」 ってやつの扱いがなんだか とってつけたファッショントラウマみたいでアレだ くるってる

    4
    投稿日: 2015.09.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    凄いスピード感とバトルもの?!と思うようなシーンが多い推理小説(笑)男の暴走と癒しと愛を求める物語でしょうか?激しすぎて彼らの言葉や行動に苦笑いしながら読んでしまいました(′ʘ⌄ʘ‵)2015.07.21読了

    0
    投稿日: 2015.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    独特な文体。推理物っぽくいろいろ手がかりや暗号が出てくるが、ご都合主義すぎる。暴力的な場面も多いのも好きじゃない。おすすめはできないなあ。

    0
    投稿日: 2015.07.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    自分にはことごとく合わなかった。 日常会話を英語で生活している身にはちょいちょい挟み込まれるカタカナ英語で安っぽいスラングが小っ恥ずかしく、その都度しらけてしまった。 で、どうやってこの事件は引き起こされたのかを教えてくれ!!

    1
    投稿日: 2015.07.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    たんたんと読み進めることができる。ただ、ドラえもんが使われた理由がわからなかった。もう一度読んだらわかるか?

    0
    投稿日: 2015.06.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    4ページ以上も改行が無かったり、1ページ丸々読点が無かったり、 かと思うと突然改行が続いたり、何だかテンポのよく分からない本。 同じ人が全部書いたのか?って疑問を持つぐらい。 テンション高くて、なんだか薬やってる人が書いてるみたいな。 暴力シーンが多くて、北野武監督が映像化しそうな感じ。 テンポで言うと、宮藤官九郎っぽいか。 急展開が多いのもちょっと。 なんでそいつが犯人だって気付いたのさ?そりゃ根拠が薄すぎるよ、みたいなね。 細かいこと考えずに勢いで読む本だなぁ。

    0
    投稿日: 2015.05.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    すべて四郎の独白形式で進んでいく物語。 饒舌やなあ。。 四郎さん、よく喋る喋る。 改行がないことで、文字に捲し立てられてるような気すらしてくる。 そして、最初は鼻につくなあと思ってた彼のナルシズムがだんだんかっこよくすら思えてくるのは不思議なことである。 読みづらさは話の加速とともに気にならなくなった。 真相に向かっていけばいくほど止まらなくなるほど面白い。 が、拗らせすぎた愛に共感することは、ない。 そしてバイオレンスが過ぎる。 んなあほなーーー!てことがいっぱい。 あと推理が多少乱暴なのではないかと。

    1
    投稿日: 2015.03.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    話の進み方が好きだった。四郎さんかっこいい。心に留めときたい文が幾つかあった。でも、あれは何だったんだ?てとこが残ってるので、もっかい読み返してみようと思う。

    0
    投稿日: 2015.03.09
  • 最初から最後までハイテンション

    アメリカはサンディエゴのERでチャッチャッチャとメスを奮う、奈津川四郎は天才外科医。 四郎と言うからには上に3人の兄がいて、一郎、二郎、三郎、それぞれ人並み外れた才能を持っています。 ある日、母が入院したという知らせを受けて帰国すると、連続主婦殴打生き埋め事件の被害者になっていたということが発覚します。復讐心に燃える四朗は、早速犯人捜しを始めますが・・・ 超人的な行動力と推理力で真相に迫る四朗に引っ張られながら、ラストまで一気読み必至のミステリ。 作中に差し挟まれる『ロング・グッドバイ』の一節も美しく、また読んでみようかなと思いました。

    7
    投稿日: 2014.12.15