去年の冬、きみと別れ

中村文則 / 幻冬舎文庫
(124件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
13
35
52
10
1
  • 読んだらきっと読み返したくなる

    2人の女性を殺した罪で死刑判決を受けたカメラマンと、彼のことを手記にしようとするライターの「僕」、その他事件関係者。それぞれの視点や手紙の形式で物語が展開していきます。
    ネタバレになるので多くは書けませんが、事件のあらましが大体わかってきたころ、ある章から脳内世界が一変し最初から読み返したくなること受けあい。
    作中でも芥川龍之介「地獄変」とトルーマン・カポーティ「冷血」が重要なモチーフとなっていて、人間の狂気とは‥と考えるとこちらも気になってきます。
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    投稿日:2014.03.07

  • タイトルと表紙と中身のギャップ

     想像していたストーリーと全く違っていて、裏切られ方が面白かった。
    読み始めてすぐに、歪んだ精神性の様なものを感じて、どこかで騙されそうと感じつつ
    状況を反復しながら読み終えた。
    残念なことに、芥川龍之介の「地獄変」もカポーティ―の「冷血」のどちらも読んだことがなく
    そこは想像するしかなかった。
     登場する人それぞれの心の歪みと迷いがこれ以上深く表現されていたら、読み終えるのは
    きつかったかも。そういう意味では「僕には無理」という語りのラストは落としどころかな
    と思いました。
     もう一度読み直してみたい1冊です。
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    投稿日:2014.10.13

  • あれ?恋愛小説じゃなかったの??

    恋愛小説かと手にとったらミステリーというか、サスペンスというか、猟奇的なタイプのやつでした。
    読んだ後の気分はあまりよろしくないかも。
    辻褄の合わないところなどはないので、よくできた作品、なのでしょうが、殺人の方法やら、性描写やら、男性向きですね、あまりいい気分ではありませんでした。
    ただ、誰が一番悪人か?と考えた時、すぐには思い浮かばないかな?と思うので、そういう意味では面白かったと思います。
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    投稿日:2016.04.14

  • 精神が浮遊してしまう感覚

    芸術が狂気を招くというのはけっして絵空事ではないと思います。「彼には欲望がない、いつも他人の羨望、模倣だった。」この表現にどきりとしました。本当の自分なんて確固としたものはないのかもしれない。そして物事の価値基準も。 この登場人物たちはリアリティに欠ける、いってみれば怪物ですが、彼らの行いはそれなりに必然性があるように見えます。人形師とか死刑囚の告白とか、中盤は江戸川乱歩の世界を彷彿とさせる古風な感じもありました。続きを読む

    投稿日:2016.06.27

  • なんだかよくわからなかった

    読み手を選ぶと思います。殺人者たちの心理描写を様々な角度、登場人物から描き、真相に迫っていきます。が、なんだか心理分析なお話が続いて疲れてしまいました。恐らく、江戸川乱歩のパノラマ島奇譚等に興味のある方はジャストミートな面白さだと思いました。続きを読む

    投稿日:2016.12.09

  • 編集の手が入っているはずなのに

    ページ数は、昨今のサスペンスにしては、非常に少なく、195頁
    そのため、すぐに読み終わるかと、思ったものの、予想以上に時間がかかりました
    原因は、文体
    序盤は上で書いたようにやたら句読点まみれで読み辛く、
    行間もなく一文挟んだだけでそこまでの描写が過去の時間軸扱いになるなど、
    編集の手が入っていて書き直されているはずなのに、
    流れが把握しにくく気持ち悪い

    後半は文体こそ普通になるも、読者を混乱させるためだけの描写が多く、
    前半でくどくどと言われた登場人物の内面はどこへやら
    そもそも、弁護士が無能でも死刑判決がでるような事件ではなく、
    どんでん返しのためだけに最初から破綻した筋書きが机の上で練られただけでした

    あとがきで著者の方は矛盾はないし伏線は張っていると自画自賛しておりますが……
    正直、狂気(笑)を免罪符にした異常者気取りばかりの薄っぺらなお話にしか思えません
    ただ、「見ていないときは…」の考え方はなるほど、と感心させられました
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    投稿日:2017.11.07

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ブクログレビュー

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  • マッピー

    マッピー

    このレビューはネタバレを含みます

    控訴しているとはいえ、ある程度罪を認めた連続殺人犯を取材するライター。
    なぜこのような猟奇的犯罪を犯したのか。
    しかし被告・木原坂雄大は、ライターに自分の内面を教える代わりに、彼自身の内面を自分に教えてほしいという。

    雄大の唯一の肉親、姉の朱里が出てきてから、物語は不穏の度を増していく。
    そこに、モデルとなった人の本質を本物以上に現した人形を作る人形師の存在がまた、捉えどころのない不安をあおる。

    雄大は何を隠しているのか。
    それがわかった時に、事件はすっきりと解決するのか。
    落としどころを探りながら読んでいたら、全く違ったところに着地した。
    最初からすべては明らかにされていたのに。

    事件の構造としては面白かった。
    けれども、明らかにされるその手法が…ちょっと退屈でした。
    せっかく丁寧に組み立てられた物語が、最後は棒読みのナレーターで終わってしまった。
    そこが残念。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.06.30

  • ひでぽんZ

    ひでぽんZ

    200ページ弱の短い物語だったのでサラッと読めた。
    自分の読解力が足りないのかいまいちわかりにくかった。
    途中まではワクワクしながら読めたんだけど後半はちょっと説明的すぎたかなぁって感じがした。

    投稿日:2019.06.29

  • 花

    ミスリードに誘導するためか「彼」「彼女」「男」「女」が多用され1人1人の個性や特徴を掴むのが一苦労。この作品に関してはそんな作業をすること自体が徒労なのかもしれないが、登場人物の誰にも馴染めないまま物語は進み、事件の真相も衝撃的だったとはいえ、それすらも本当に信じていいのかと疑ってしまう不思議な作品でした。続きを読む

    投稿日:2019.06.07

  • nkmr

    nkmr

    とあるライターが、女性2人を殺害した死刑囚の男のもとへ面会に行く。死刑囚である男や男の姉、彼らに関わっていた奇妙な人たちに取材をするうちに浮き彫りになっていく、不気味な事件の真相とは。
    
    初の中村文則。でた、文体が抽象的で、不必要に感じる性的描写…私の苦手な村上春樹テイストだー。どうせみんなサイコパスナンデショ?
    と、何度か読むのをやめようと思いながらだらだら読んでいましたが、全っ然違う!後半面白さに取り憑かれて、ページをめくるスピードが前半とは比べ物にならないくらいに速まり、息切れしそうになりました。

     東野圭吾や伊坂幸太郎のような人情的なミステリーの面白さとは違い、ストーリーだけでなく、文の構成にトリックが仕掛けられており、騙されるというより、惑わされます。

    読み終えて表紙をパタンと閉じたときに謎が解ける、タイトルのセンスにも惹かれました。そしてそのまま、また始めから読んでしまうという中毒性ありです。

    とても良かった。しかも読みやすい。中村文則さんの本、また読みます。
    続きを読む

    投稿日:2019.05.20

  • いくほ

    いくほ

    このレビューはネタバレを含みます

    自分の読解力の乏しさに幻滅しました…
    解説を読み何となく分かったような、とはいえ確信もなく、ネット上の解説を読み確信を持ったもののその場では「あーね( ˘ω˘ )」程度の感想だったのですが、
    その後ふとした時に思い出しては、ぞくっと言うかワクワクと言うか「あ、すごい」と思うようになり
    その度に、この感想をリアルタイムで抱けなかったことを残念に思います。読んでその場で「ああー!そういうことだったのか!」と膝を打ちたかったです。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.05.19

  • noriko5100

    noriko5100

    中村さんの小説は初読了。ミステリーで重い内容なのにさらっと読める。。が、1回じゃ完全理解出来ない不思議な話。本筋に関係ありそうなキーワードが実は全然関係なかったり、その逆もあったりと多面性のあり、つかみ所のない感じが中毒性あり。ほかの作品も試してみたい続きを読む

    投稿日:2019.05.14

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