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hazu-haya-yuさんのレビュー
いいね!された数580
  • 光

    道尾秀介

    光文社文庫

    大人になった子供たち

    子供目線なのに妙に大人びた言い回し。少しあった違和感も話が進むにつれて解消されていった。妙に冷静な観察、邂逅。出来すぎとも思えるけれど、懐かしさあり共感を呼ぶ作品だった。

    0
    投稿日: 2017.09.17
  • メビウス・レター

    メビウス・レター

    北森鴻

    講談社文庫

    裏の裏

    これまで読んだ物とはひと味ふた味違いました。登場人物についてあれこれ書くと面白さが半減すると思うので書きません。 伏線が色々有って... 私は最後まで読み違えてました。 やられた❗

    0
    投稿日: 2017.07.11
  • うさぎ幻化行

    うさぎ幻化行

    北森鴻

    東京創元社

    残念!

    今までの北森作品とは少し趣の違うもの。 こんな男の人いるかね?と男性像に疑問。 思いを寄せる義理の妹ともう一人のウサギさん。 こうした男に惚れるかな、こんな事まで企んじゃうかな。。。 とすべて消化不良な感じです。 構成が昇華しきれてないような印象を受けました。

    11
    投稿日: 2017.02.08
  • 主よ、永遠の休息を

    主よ、永遠の休息を

    誉田哲也

    実業之日本社文庫

    昔の事件が頭をよぎり、痛々しい

    今時の若い子はこうして喋るわね、と感じるくらい会話はテンポがいい。 読み始めて暫くは、ストーリーはこう展開していくのかなと考える余裕もあるくらい読みやすかった。 ただ過去の事件がクローズアップされる頃から、かつて実際に合った猟奇殺人事件が頭をよぎる。 現実の事件は細部にわたり詳細知ることは無い分、物語の中で読み手の想像が膨らんでいく。 軽妙さから次第に狂気のシーンへと変わっていくあたり引き込まれるけれど・・・ 何というか・・・胸くそ悪い。 犯罪小説は作り事とわかっているから残忍な話もある程度耐えられるけど、子供が中心になる性犯罪小説は 痛々しいのひと言。 事件の話がこれ以上緻密に練り上げられていたら、読み切る事は出来なかった気がする。 チカちゃんの最後の言葉にホッとした気分です。

    11
    投稿日: 2017.01.22
  • NHKスペシャル 超常現象 科学者たちの挑戦

    NHKスペシャル 超常現象 科学者たちの挑戦

    梅原勇樹,苅田章

    NHK出版

    硬い

    取材っだったかな。 まじめに取り組んでるなと思いましたが、ドキュメンタリー番組の迫力や臨場感はなかった。

    8
    投稿日: 2017.01.20
  • 沈黙のひと

    沈黙のひと

    小池真理子

    文春文庫

    逝く者と残される者

    30代小池作品を何作か読みましたが、濃密な恋愛話と世間離れしたようなバブリーな雰囲気 (振り返るとそんな印象)に、途中で飽きてしまい長い長い時間が経ちました。 この作品、衝撃を受けました。 私が年をとったせいでしょうか。 完治しにくい病にかかった家族を持ったせいでしょうか。 両親が高齢で病に侵されやすくなったからでしょうか。 若い頃、老いることに微塵もなかった不安が今は嘘のように、残りの生き方を考えるようになりました。 男の生きざま・人生と、図らずも営んだ二つの家庭。 家族のそれぞれの思いと病に侵され動くことも話すことも出来なくなる男・・・。 主人公衿子を通して語られる父、母、後妻の家族、介護、老人の性。 作者のお父様をモデルにしたとのことですがここまで内容を昇華させるに、どれほどの葛藤を乗り越えられたのでしょう。 人生の始末の付け方。望むようにはいかないのが人生。超高齢時代をどう生き抜くのか。 課題を与えられたように思います。

    10
    投稿日: 2017.01.19
  • 雪が降る

    雪が降る

    藤原伊織

    講談社文庫

    さらりと読める

    初めての作家さん。これはタイトルから入った。 この一年が激動な年でゆっくり活字に目を落とすことがなかった。 読んだ種類は家族の病気に関する本のみ。 久しぶりに本を読んでみようという気になって、探してみると目に留まったのがこのタイトル。 短編6編、短い。読みやすい。他で似たようなストーリーがあったなと感じないでもなかったけれど 深く掘り下げられて重くなることは無かったので、読書をしてみたいという心持ちにはちょうど良かった。 短いけれど、登場人物の心の襞は織りなされていた。 長編になったらもっと読み応えがあったのでは…とも思う。 個人的には表題の「雪が降る」「台風」「ダリアの夏」が好きでした。

    13
    投稿日: 2017.01.10
  • 壊れた脳 生存する知

    壊れた脳 生存する知

    山田規畝子

    角川ソフィア文庫

    健康を過信しない

    家族が突然病に陥る…とうことがある日突然わが家に降りかかった。 回復を祈る気持ちと不安に押しつぶされそうになる気持ちが、押しては返す波のように 途切れる事のない日々。 重症であったため入院は長期にわたり、日々小さな変化に希望を見いだし共に乗り越えてきた時間。 脳は未知の領域に溢れている、神経可塑性、蘇生する等々どれだけの本に希望を見出し、 また見いだそうとしてきたことか。 著者の実体験にもとづいた内容は、間もなく退院するまでのここ数か月どれだけ励まされただろう。 これから、本人が高次脳機能障害という目に見えない障害も抱えて生活していく為の、家族として 心構えも貰ったように感じている。 駄目かもしれないと言われていた、視力、記憶、言葉も少しずつ回復している。 前途多難かもしれないけれど、「笑いは薬」で乗り切っていこう。 脳は不思議だ!

    11
    投稿日: 2016.10.30
  • エコイック・メモリ

    エコイック・メモリ

    結城充考

    光文社文庫

    今時の題材と犯罪を絡めて

    面白いのかそうでないのか、多忙な状況に陥り数か月もかかって読み終えた。 ネット犯罪と裏の世界と絡ませながら、巧妙に組み立てられていると感じはしたが、 話の最後になっても残った違和感は、主人公がカタカナ表記であること。 ネット社会を表現する手立て化とは思うがカタカナの名前を読むたびに、 ストーリーの面白さが褪せていく気がした。 姉の子供は登場しなくても成り立ったような気がする。 辛抱して最後まで読んだ、面白くないわけではない。

    9
    投稿日: 2016.06.27
  • 十角館の殺人〈新装改訂版〉

    十角館の殺人〈新装改訂版〉

    綾辻行人

    講談社文庫

    ここが元?

    改定前の初刊がおよそ30年前とのこと。 隔絶された場所での連続殺人て、これまでも似たような設定で多くのミステリー作家さんがtryした作品多くあったように思うけど、そのお手本となる作家さんなのかなぁ…という位、著者の名前も作品も知りませんでした (恥ずかしながら)。 携帯やパソコンなど全くない時代の話だったので、逆にいつもよりゆっくりと字面を追って読んだ気がします。最初「ン?」と引っかかったものがあったけどその「ン?」が日々起きる事件にかき消されて、最後騙されました。 素直に読めるミステリーでした。

    11
    投稿日: 2016.02.27