【感想】阪急電車

有川浩 / 幻冬舎文庫
(3222件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
1402
1128
405
52
25
  • 関西人は、必読

    「阪急電車」という強力なローカル色があるので
    大阪・兵庫地域以外の人には、ちょっとなじみにくいかもしれない。
    私も関西人だが、今津線に乗ったのは、今まで3回か4回だからだ。

    ただ、その「なじみ」さえ気にしなければ、
    とおりすがりの人々の間に生まれた、ささやかな交流を
    心温まる視線で描いた傑作で、
    映画もこの原作も甲乙つけがたい魅力がある。
    私は、映画は映画館で2回観た。
    原作は、文庫本と電子書籍のダブル購入である。

    今津線に位置する某大学のOBも必読だろう。

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    投稿日:2013.11.09

  • 心温まるラブストーリー

    一駅分の話が短く、サクサク読めて面白い。それぞれに出てくる人々が少しずつリンクして、一人一人の物語が電車の中に幾つも出来上がっている。上りと下りの間には半年程度の時間があって、前半で芽生えそうだった恋が発展していたり、傷ついていた人が希望を持って頑張っていたりと、その経過も楽しめた。心が温かくなるような読了感でした。続きを読む

    投稿日:2014.04.14

  • 序文がじわっと効いてくる

    不思議な目線の小説だな、と思った。だって、「阪急電車」に乗っている人の目線で語られるのかな、と思うではないか普通。だが序文はこんなものから始まっている。

    「阪急宝塚駅は、梅田(大阪)へ直接向かう宝塚線と、西宮北口で神戸線へ連結する今津線が『人』の形に合流している駅だ。」

    これは、「乗客」は普通意識しない形である。
    (今津線に乗り換える時も考えたこともなかった!)
    この後に目次があり、あとはもちろん乗客目線の話になっていくし、そちらが本編である。
    オムニバス形式で、いろんな人がもやっとつながっているような・・・
    いや・・・もやっとではなく・・・

    ここで序文が効いてくる。

    そうか、人の形につながっているのか。

    謎解きでもなんでもないんだけれど、謎が解けたような、
    やわらかな爽快感。
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    投稿日:2014.09.09

  • オムニバス・ラブストーリー

    良く出来たオムニバス形式のラブストーリー。ええ話読ませてもらいました、て感じ。東京じゃ山手線とか東横線とか「線」とそっけないのだが、関西じゃ阪急電車、南海電車と「電車」で情感がある(と大阪出身の知り合いが主張していた)。「阪急電車」というタイトルがまさにそれ。「本読み」としては、図書館とか書店で運命の相手と巡り合う、ちうのが大いなる理想で、まさしくそれでまとめてくださりました、と。続きを読む

    投稿日:2013.10.01

  • 舞台設定が絶妙です

    都会過ぎず田舎過ぎない片道わずか15分のローカル線と言う舞台がもう絶妙
    他人との間に壁を作りひたすらスマホと睨めっこの山手線では
    こんな温かみのある話は生まれなかったでしょう

    複数のストーリーがオムニバス形式で絡み合いながら進む話
    少し甘味を付けたミルクティーでも飲みながら一気読みがお奨め
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    投稿日:2013.10.29

  • 視野が狭くなってしまった時に読みたい

    映画みていないのですが、いまさらになって読みました。
    さまざまな登場人物がいて、それぞれの駅(章)ごとに視点となる人が変わります。
    次々と駅が変わって、続きが気になるけど次に行ってしまったり、そう思ったら折り返して戻ってきたり。

    自分の思い出と重ねてみたり、世の中って、
    いろんなひとのいろんな人生が重なってできてるんだなーと思いかえさせてくれます。
    続きを読む

    投稿日:2013.10.05

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ブクログレビュー

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  • LULU

    LULU

    ずいぶん前に映画になったこの作品。
    知っているけれど読んだことがなかったので手に取ってみた。


    兵庫県宝塚市と西宮市を結ぶ、阪急電車、今津線。

    各駅ごとに登場する人物が、本当にいそうで、とてもリアル。
    皆、それぞれに事情があって、人知れず悩んでいる。

    そんな乗客たちが、お互いに少しずつ関わりあい、影響しあい、次の一歩を踏み出す勇気や希望を見いだしていく。


    自分が悩みの渦中にいる時、得てしてまわりが見えなくなっているものだ。
    そんな時に、ふとかけられた言葉でハッと我に返る。
    それがとてもまっとうで、納得できる言葉だったりすると、一気に希望が見えてくる。

    この作品に流れている一本の芯のようなものは、そんな『まっとうな言葉』で表現される。

    全体的にほのぼのとした雰囲気の中にスカッとした読後感。

    とても心に残る作品だった。
    続きを読む

    投稿日:2024.07.12

  • ミガワリノ•ベーコン

    ミガワリノ•ベーコン

    読みやすくておもしろかった
    普段生きていてすれ違う他人の人生を考えたことはないけれど、当たり前にそれぞれの人生があるっていうことを再確認させてくれた

    投稿日:2024.07.12

  • ポータくん

    ポータくん

    ピア・サポーターズKさんのおすすめ本です。
    「ひとつの電車を舞台とした物語です。偶然同じ時間に乗り合わせた乗客たちが、一期一会の出会いを通して大切なことに気付けたり新しい一歩を踏み出すきっかけになったり、人と人との繋がりの温かさを感じます。ストーリーはリンクしていますが、短編集のようになっていてとても読みやすいです。」

    最新の所在はOPACを確認してください。
    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00509965
    続きを読む

    投稿日:2024.07.09

  • ぱち公

    ぱち公

    最初はそうでもないなぁ、と思ってたけど、読んでいくうちにみんな繋がって、ただただ良かったなぁと思えた。

    投稿日:2024.07.09

  • 橋本

    橋本

    このレビューはネタバレを含みます

    日常にあるささやかな恋愛物語でした。通っている図書館に気になる子がいて、偶然電車であって仲良くなって…。どこにでもありそうな、でも僕自身が憧れてしまう恋愛です。すべての章が恋愛話という訳ではなく、登場人物の行動が少しずつ互いに関係しているのも読んでいてとても面白かったです。

    また2010年出版の作品ということで身近な時代の変化を感じました。具体的には電車のなかでの娯楽に携帯電話と本と音楽が挙げられている点です。今はスマホが多いでしょう。電車には端から端までスマホが展示されている、と日々感じています。私も出品者の一人です。ですがこの本を読んで、これらスマホのなかにも人々の違いがある、という当たり前のことに気づけました。ニュースを見ている人もいれば、動画を見ている人もいる。媒体がスマホ一辺倒になっただけで、人々の電車内の娯楽はあまり変化してないのではないのかな、と考えました。

    読みやすくて、素朴な恋愛に憧れて、読んでいてとても楽しい一冊でした。心に余裕があるときは画面や本から視線をあげて、電車内を見回してみようと思います。
    是非読んでみてください。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.07.08

  • よす

    よす

    最寄り駅が門戸厄神で生まれ育った者です。

    梅田と三宮間の喧騒から少しずつ離れていく、この区間独特の空気感が駅になぞられていて絵が浮かんできます。
    登場者に感情移入もできて、ラブコメ要素もチラホラあって良いエンターテイメントでした。続きを読む

    投稿日:2024.07.08

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