
アンティークFUGA 1
あんびるやすこ
角川文庫
3/6
子供と一緒にとても楽しく読みました ただ番外編を除き全6巻のシリーズにもかかわらず 前半3巻までしかここでは刊行されていません 後半3巻は何とか図書館で見つけて読みましたが 書店で見つけるのも困難な本なので 消化不良のまま終わる可能性が高く 内容は星4つでも、星1つにせざるを得ません
0投稿日: 2018.04.20桜風堂ものがたり
村山早紀
PHP研究所
本好きだったら絶対に見逃せない1冊です
「コンビニたそがれ堂シリーズ」「ルリユール」など ちょっと不思議でホッとする話を多く描いている村山さんですが 持ち味のファンタジー色を抑え 書店とそこで働く書店員を正面から描いた 本への愛があふれ出すような心温まる作品でした それにしてもこの本 本屋大賞にもノミネートされているにもかかわらず ここでもあまり話題に上がっていないように思えます すごく良い本なのですが… このまま埋没してしまうのは何とももったいない もっともっと多くの人に手に取って欲しい 作品中で書店員さんたちが、自分たちの思いを込めて 「四月の魚」という本を売ろうとしたのと同じように 宝物にもなりうる本で、心から応援したくなります でも、こうして気軽に電子書籍を購入できる事に 少しばかり罪悪感を感じてしまったりもして…
10投稿日: 2017.02.23猫弁と魔女裁判
大山淳子
講談社文庫
全てが繋がるハートフルミステリ、猫弁シリーズ最終巻
大好きだった猫弁シリーズもいよいよ最終巻 散らばったピースがカチリと嵌る快感が魅力のこのシリーズ 前作までで散らばり過ぎの印象を受けたピースがどう納まるのか また気になる亜子さんとの結婚話 興味は尽きないところ 少々駆け足気味の印象もありますが あの話は放置で!などとはせず一通りの回答がみられたのはさすが 弁護士が主役のシリーズで法廷シーンが最終巻まで出てこなかったのも いかにも猫弁らしくて面白いところですが その法廷シーンでの猫弁の立ち振る舞いに 彼の背負ってきたものの重さと、それに正面から対峙する姿勢が表れていて感慨深かく読んだ 気になる結婚話は 読んでみてのお楽しみと言う事で…
9投稿日: 2015.10.10武士道エイティーン
誉田哲也
文春文庫
ついに決戦の時きたる
良きライバルだった二人も高校三年生 積み重ねてきた全てにけじめを付ける決戦の時をむかえます 決戦、そしてそれぞれの道を歩き出す二人 高校生という子供とも大人ともいえないその瞬間だけの輝き その3年間に自分の目指す剣道を求め、紆余曲折を乗り越えて ぶつかりながら認め合いながら進む二人の少女の 大人のような打算がなく真っ直ぐで青臭くて爽やかな姿に感動を覚えます このエイティーンでは今までと違い 脇役たちにスポットを当てたスピンオフストーリーが挟まれますが なかには次のシリーズ最終巻に繋がる話もあるので必見です
6投稿日: 2015.09.26武士道セブンティーン
誉田哲也
文春文庫
二人に転機が訪れる
剛と柔 剣道も性格も対照的な二人も二年生となり転機が訪れます 我が道を突き進んできた香織には後輩ができ 自分以外の事にも気を配らなければなり また早苗は家庭の事情で他校に… 環境の変化に戸惑いながらも 一歩一歩確実に大人の階段を登っていく二人の姿が眩いばかりに輝き 同時に二人の成長が寂しくも感じられる今作 ますます二人から目が離せなくなりました
6投稿日: 2015.09.18武士道シックスティーン
誉田哲也
文春文庫
誉田さんの青春物
けっこうエグイものや刑事物の印象が強い誉田さんですが この作品や疾風ガールのような少女を主人公にした青春物も描いています なかでも剣道に打ち込む高校生活を送る二人の少女の姿を追ったこのシリーズは逸品 気性から剣道に対する姿勢、全てが対極にある少女二人の揺れ動く心を それぞれの視点から軽快に描いていますが この二人の思いきり噛み合わないやり取りの微妙な空気が何とも楽しく これからの彼女たちから目が離せなくなります
9投稿日: 2015.09.17私を知らないで
白河三兎
集英社文庫
不思議な魅力を携えた作品でした
リアリティーからは程遠い話なのですが 感情の隙間に入り込んでくるような文章に引き込まれる 不思議な魅力を持った作品でした 特に前半 人物像が出来上がって来るまでの成り行きに 心を躍らせて文字を追いました 思い切って話を紡いできた展開からいうと エンディングに少々弱さを感じましたが やっと掴みかけた光に背き闇に引き戻す事は酷なのかも知れませんね
6投稿日: 2015.09.08天使の卵 エンジェルス・エッグ
村山由佳
集英社文庫
あなたの感性は…
良い話なんです でも… 私がみずみずしい感性を失ってしまったのか 良い話をストレートに受け入れることができませんでした こういった切ない純愛小説はツボに嵌ると、それはもう大きな感動を呼ぶのでしょうが いったん外してしまうと妙に醒めて見てしまう恐れもあります 私はまさにそうで主人公の行動に共感は抱けず 逆に自分勝手さを感じてしまったところがあります もっと若いときだったら違う印象を持ったのかもと思いますが この本とは出合うのが遅過ぎたのかもしれません
6投稿日: 2015.08.28魔道師の月
乾石智子
東京創元社
独特な世界観を持つ乾石さんのハイファンタジー
独特な世界観を持つ乾石さんのハイファンタジー 上橋さんとはまた一つ違ったワールドを堪能できます 前作、「夜の写本師」にも登場した魔道師の青年時代が描かれています 前作が人の恨みや執念をテーマとしたものだったのに比べ こちらは悪意の象徴との戦いを描いていて いくぶんか読みやすく感じられますので 順番通り読むのも良いと思いますが こちらを先に読むのもアリかと思います
7投稿日: 2015.08.20村上さんのところ コンプリート版
村上春樹,フジモトマサル
新潮社
まとめて読み漁るも良し、空き時間にちょっと読むのも良し
あの村上春樹さんに直接メールで質問ができる特設サイト 「村上さんのところ」に寄せられた質問とそれに対する回答 全てが網羅されたコンプリート版 このサイトが開かれている時にはちょこちょこ覗き楽しんだのが懐かしく思えます じっくりと村上さんの名迷回答を楽しむのも良いですが 一つの質問と回答を読むのに1分もかからないものが多いので ホンの暇つぶし、重い物語の気分転換などにピッタリです ちなみに私が送った質問にも答えて下さり、この本に掲載されています
6投稿日: 2015.08.10