【感想】ガダラの豚 III

中島らも / 集英社文庫
(129件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
32
45
38
5
0
  • いつの間にか呪術に引き込まれていく

    民俗学の大生部教授が周囲を巻き込みながら呪術師と闘う3部作の完結編。
    「1」ではすべてにトリックがあるという立場での謎解き。日本の新興宗教と闘う
    「2」では実際にアフリカで呪術師バキリと闘う。この時は暗示や洗脳など含め条件付きで呪術容認の立場だった。
    そして今回はいよいよ帰国しての完結編である。バキリも日本に潜入している。読んでいるといつの間にか呪術に引き込まれ不思議な力は当たり前の世界観になっていく。
    ところどころで発するバキリの日本人に対する批判が結構奥深い・・・「毎日ありもしない不幸を造りだしては、それに対する呪薬を売っている。アフリカでは貧しいもの同士が妬み合っているが日本では満ち足りたもの同士が妬み合っている」
    中島らもさんの深い思いがバキリに乗り移ったような切なく悲しい雰囲気なのだが何故か笑ってしまう評判通りのエンタメ作品であった。
    続きを読む

    投稿日:2017.09.08

  • 徹底したぶち壊し感

    ここまで書くのかというのが正直な感想。悪魔のような呪術師バキリによって、登場人物が残酷な方法で次々に殺されていく。死の直前の人が見ている情景など息を飲む。1、2作目で情が移っているので、忍びない気持ちがする。でもこの徹底したぶち壊し感が中島らもさんなんだよな。続きを読む

    投稿日:2015.04.24

  • 1~3巻 まとめ感想です

    ずばり、
    オカルト、冒険、推理、格闘小説です。

    他の人のレビューにもある様に、洗脳だのブードゥーだの、結構おどろおどろしています。
    新興宗教がどうしたとか、ちょっと今時では描くのをためらわれる様な内容でもあります。

    が、軽妙な文章と、ジェットコースターの様な展開、冒険につぐ冒険です。

    登場人物たちがまた良いのです。

    ラストまで読むと、続編があるのか?

    と期待してしまいます。 冒険小説が好きな方にはおすすめです!
    続きを読む

    投稿日:2015.04.03

  • 再度、書き直し…

    ※セット販売されてた頃、購入。
      感想書いたけど、消えてましたので
      再度書きます。でも、3巻とも同じm(__)m

    最近の作品でいえば「ジェノサイド」を
    思わせるようなスケールが 壮大、かつ
    伏線の細かさ。
    3巻の長ったらしさは感じない。
    冒頭から考えれば「何のこと?」と
    思えるような多岐にわたる話しの
    素材が 途中から、ドンドン合体していく。
    残念なのは、作者さん…
    亡くなっておられるのですね。
    この手の作品をかける書き手を
    最近は見かけないので、それだけが
    本当に残念で仕方がありません。
    続きを読む

    投稿日:2015.01.24

  • バイオレンスへ。お好みでどうぞ・・・

    ちょっとバイオレンスにシフト。心の闇(Ⅰ)とか文化のギャップ(Ⅱ)からの変化に、私は少々引き気味でした。 でも結末は気になるので、一気読み。 あれ?本文中にあるテレビと大衆への評価どおりか。・・・ ウーム、まずいなぁ。続きを読む

    投稿日:2014.11.24

  • ふー

    読み終わった。3巻にも及ぶ長い長い冒険だった。カルト的人気がある作品として納得。

    投稿日:2014.08.01

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ブクログレビュー

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  • さくら

    さくら

    かなりの長編だけど、面白くてページをめくる手が止まらなかった。
    呪術が世界中でどれだけまだ身近にあるかわからないけど、色々調べてみたくなった。

    投稿日:2024.04.25

  • ハナモト

    ハナモト

    このレビューはネタバレを含みます

    堂々の完結!最後はらもらしい笑笑。が....人が少し死に過ぎたかもしれないな..せめてレイと清川、ミラクルを生かして欲しかったなぁというのが本心...これじゃあ劇だよもう。とりわけ“呪術”の雑学は大幅に深まったことに違いない、2章まではよかったんだけど..解説でも言われてた通り1章目は日本で起きた最大の宗教事件をパロ化したものでそのプロセスを舞台のみ変えたのが2章と言った感じだったかな、伏線がだいぶ回収されてない気もする。読みやすいことには間違いない。最後の
    参考資料の量見て驚愕、らも氏の熱量と博識さが伝わる代表作には間違いないものだったといえる

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.05

  • fastrocktail

    fastrocktail

    1993年に刊行した中島らもさんの長編スペクタクル小説。もう30年以上の時を経て今ならこれはスマホとか電子機器で色々対応できそうだなとか思う部分もないことはない。だが引き込まれて読んでしまえる冒険活劇が広がり、これは是非映画化して欲しいなと思った。早い段階で英訳していれば、もしかしてハリウッド映画になっていたかもしれない。最後については色々感想はあるだろうが、私はらもさんのハッピイエンドなお話しが好ましくいと思う。もっと生きて楽しい話を聞かせてくれていたらよかったなとつくづく思う。続きを読む

    投稿日:2024.01.25

  • ケンシロウ

    ケンシロウ

    面白かった〜。
    呪いとは何か。奇術か、トリックか。文化か。集団幻覚か、催眠か。あるいは本当に超然としたパワーがあるのか。そういう呪いに関する問いや疑念を物語の根幹に据えたまま、読みやすい文体と膨大な知識で長編エンタメにまとめ上げた一作でした。特にⅡ部、アフリカでの呪術文化や呪術合戦はすごく面白かった。


    ●あらすじ
    魔神バキリの呪術パワーを奪え!テレビの取材でケニアを訪れた主人公を待ちうける驚天動地の大事件。呪術師、詐欺師が入り乱れ、痛快無比の大活躍。日本推理作家協会賞受賞作。(解説・長島信弘)
    (集英社ホームページより抜粋)
    続きを読む

    投稿日:2023.10.06

  • kanamami

    kanamami

    読み出したら止まらない。
    この本の魔力も相当なものです。。
    読んでる最中、私までユラユラグラグラ呪われてるような気分を味わうことができました。
    一応ハッピーエンドだったので、この本を母が薦めてくれたのも納得。。いや、相当やばかったですけど。。

    巻末のずらりと並んだ参考書籍が、物語の厚みを物語ってました。どれか読んでみたいです。
    中嶋らも、すごすぎ…!!!

    最後までまさかの展開。麻薬やばすぎ。
    ありとあらゆる呪術?ネタ。人間の心って、ある意味ちょろい!!気をつけないと何かに洗脳される。誘導される。操作される!催眠術からダウジング、アフリカの毒、、、怖くて興味深いです。
    続きを読む

    投稿日:2023.09.23

  • リボーンボンボン

    リボーンボンボン

    まさかまさかの展開。なんという力。1のお坊さんが個人的に好きだったので、ここで力を見せてくれたのが嬉しかった!夫婦の関係性や生きる力にパワーをもらった。
    こんな作品を書けるなんて、すごい作家さんです。参考文献の多さもあり、ものすごい勉強をしているのだろうな、と尊敬。こんな風に楽しませてもらい、感謝しかない。続きを読む

    投稿日:2023.05.28

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