SRO7 ブラックナイト
富樫倫太郎
中公文庫
現代社会の闇
おもしろい。児童虐待と老人介護の問題を扱っている。虐待され続ける児童、介護でクタクタの家族の心に悪魔が生まれるさまがていねいに描かれている。最後は大どんでん返しがあり、スッキリする。
0投稿日: 2017.09.22アンダーグラウンド
村上春樹
講談社文庫
テロリズムの恐怖
地下鉄サリン事件に巻き込まれた人達のインタビューから成る。どのような人生を送って来て、どのように人生を狂わされてしまったか。テロリズムの恐怖を伝えている。また、様々な人の生き方、考え方を擬似体験できる。
0投稿日: 2017.08.15江戸川乱歩傑作選 鏡
江戸川乱歩,湊かなえ
文春文庫
幻想的なテイストの本格推理小説
文句なしにおもしろい。湊かなえさんが選んだ珠玉の江戸川乱歩作品。幻想的なテイストの本格推理小説ばかりを集めてある。特に、「石榴」は裏の裏をかくトリック、「人間椅子」は不気味さが爆発。どれも、大正、昭和初期に書かれたと思えない新鮮な印象。後世に読み継がれるだけのことはある。
16投稿日: 2017.01.29『陰陽師』のすべて
夢枕獏
文春文庫
陰陽師ファン必読の書
陰陽師ファンにはたまらない。ファンの座談会や、野村萬斎のインタビューなどどれも魅力的。特に、獏さんと歩く『陰陽師』京都案内がおもしろい。ゆかりのある貴船神社、蝉丸神社などが写真付きで紹介されている。それらが陰陽師を読んで、頭の中に描いたイメージと近いものがあり、驚いた。夢枕獏さんの筆力のすごさを感じた。
18投稿日: 2017.01.21ローカル線で温泉ひとりたび
たかぎなおこ
コミックエッセイ
ほっこりするな〜
おもしろい。温泉+ローカル線+ご当地グルメのマンガ旅行記。北海道、道後温泉、下呂温泉などなど。地元の人ご用達の温泉公衆浴場も多く紹介されている。そこでの地元の人とのふれあいが描かれており、ほっこりする。ローカル線、ご当地グルメの魅力も満載で、いつかトレースしたいと思う。
13投稿日: 2017.01.21神々の山嶺 上
夢枕獏
角川文庫
山に人生をかけた男
山に人生をかけた男が描かれている。とにかく熱い。加えて、登山シーンが圧巻である。夢枕獏さんも登山をやっておられるらしく、嘘がない。エベレスト登山史の謎を追うミステリーが並行して進み、ページをめくる手が止まらなくなった。他の人生を経験するという読書の醍醐味を感じた。
15投稿日: 2016.11.23武田信玄 風の巻
新田次郎
文春文庫
正真かっこいい
武田信玄がますます好きになった。戦がうまく、歌もよく詠み、美しい女に囲まれ、カリスマ性にあふれる。刃向っても、降参すれば手厚く迎え、裏切る者や、反抗し続ける者は皆殺しにする。正直かっこいい。こんな人物になりたい。
16投稿日: 2016.10.14翳りゆく夏
赤井三尋
講談社文庫
まさかのラスト+人間ドラマ
おもしろかった。20年前の誘拐事件を東西新聞の窓際社員梶が洗い直す。当時は重要でないと思っていた事柄が少しずつリンクして行く。そして、まさかのラスト。最後まで謎が解けなかった。また、梶を始め、誘拐犯の娘、東西新聞の社長、元警部等がこの誘拐事件に振り回されながらも、前向きに生きて行く様が描かれ、人間ドラマとしても秀逸。
15投稿日: 2016.09.10後妻業
黒川博行
文春文庫
憎めない悪役たち。「人間って、ほんまあほやなぁ」
おもしろかった。資産家の老人の後妻に入り、彼の死後、遺産を総取りするのが後妻業。それを生業とする小夜子が主人公。彼女と結託する結婚相談所の所長を始め、悪い奴が次から次へと出て来る。彼らは金をだまし取るのは朝飯前で、金のためには殺人もいとわない。でも、なんだか憎めないんだよね。みんな金がほしいという欲望に正直な”純”な感じがするし、各人に愛嬌がある。全ての会話がユーモラスな大阪弁で進められるのも一因。作者の「人間って、ほんまあほやなぁ」という気持ちが伝わってくる。
17投稿日: 2016.08.25SRO6 四重人格
富樫倫太郎
中公文庫
キラークイーンの男版登場
じわじわおもしろかった。四重人格の殺し屋が近藤房子顔負けの活躍をする。ようやく彼女に匹敵するキャラクタが現れた。途中SROのメンバーの私生活が描かれ、少し長く感じるが、後半怒涛の殺人ラッシュ。度胆を抜かれる。このシリーズこれからもまだまだ続く予感がする。
19投稿日: 2016.07.13