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竜馬がゆく(八)
司馬遼太郎 / 文春文庫
竜馬ロス
2
竜馬最後の大仕事、大政奉還へむけて京都・土佐・長崎・福井を駆け回る。
大政奉還がなった直後に暗殺されちゃうなんて、竜馬はこのために天から使わされた人間だったのだな。
「薩長連合、大政奉還、あれァ、ぜん…ぶ竜馬一人がやったことさ」
後に勝海舟が語ったが、同時代に稀有な人材が多く出たことは間違いない。
西郷隆盛・小松帯刀・桂小五郎・高杉晋作・中岡慎太郎・後藤象二郎・岩倉具視、そして竜馬が師と仰いだ勝海舟。
誰一人欠いても事は成らなかった。
けれど、倒幕後の日本を見据えていたのは竜馬ただ一人だった。
あぁ、とうとう終わってしまった。
竜馬ロスに陥っている。 続きを読む投稿日:2016.03.25
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西遊記(八) ああ世も末の巻
邱永漢 / 中公文庫
やっぱり私は『西遊記』を知らなかった
2
とうとう最終巻。
夢に見た天竺国は故郷長安と変わるところがなく、盗賊もいれば化け物も出る。
菩薩様のお膝元でも袖の下を要求されたりと、三蔵法師御一行様は菩薩様に直談判する!!
やっとのことで三蔵経を手…に入れた御一行様、無事に長安に辿り着いたかと思いきや…。
あれ?西遊記ってこんな終わり方だったっけ?
やっぱり私は『西遊記』を知らなかったのですねぇ。 続きを読む投稿日:2015.09.14
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幻想郵便局
堀川アサコ / 講談社文庫
なんだろ、この癒され感
2
探し物が得意なアズサが「ご指名」を受けて働き始めた登天郵便局。そこは「あの世」と「この世」をつなぐ場所だった。
早速、郵便局を開くにあたって土地神様と契約を交わした木簡を探すことを頼まれるのだが…。
…裏庭のお花畑の門から、死者は「あの世」へ旅立っていく。
郵便局の窓口では、生者が功徳手帳に自らが行った善悪を記帳してもらう。
死者と生者が普通に行き交っている不思議なゆる~い空間。
殺されて怨念となりお花畑の門を通ることができない真理子さんや、土地神の狗山比売やら、結構おどろおどろしい登場人物もいるのだけれど、登天郵便局の他の職員やアズサ自身のキャラが癒し系だからか、なんだかほわんと癒される。 続きを読む投稿日:2015.11.08
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嫌われる勇気
岸見一郎, 古賀史健 / ダイヤモンド社
人生の軌道修正を
2
人間関係に悩みを抱える青年が、ある哲学者を訪ね問答を重ねる。そんな対話形式をとりながら、アドラー心理学とは何かをまとめている本。
人生の悩みは全て人間関係から生じている。
けれど、人生の諸問題はシ…ンプルである。
自分が変われば、自分のまわりの世界は全く違ったものに見える。
では、どうすれば自分が変われるのか?
題名は「嫌われる勇気」となっているけれど、他人の評価を気にせずに、自分に自信を持ち、「今この瞬間」を大切に生き切ることが重要なのだ。
随分前にカウンセリングのお世話になったこともあったけれど、その時にカンセラーに言われたことが、この本を読んでいて「うん、うん」と再確認できる。知らず知らず、アドラー心理学を実践していたのかもしれない。
時々読み返して、人生の軌道修正をするのも良い。 続きを読む投稿日:2015.01.11
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竜馬がゆく(一)
司馬遼太郎 / 文春文庫
まだまだ“薄ぼんやり”
1
竜馬の幼少から江戸での剣術修行時代が描かれている。
世の中に攘夷の気運が起こり始めている頃だが、竜馬はまだまだ“薄ぼんやり”している。
それでも人を惹きつける魅力は天性のもので、後日「ああ、あの時の……」と関わった人々の記憶にはしっかりと残っている。
これからどんなふうに竜馬が目覚め始めるのか、次巻以降が楽しみ♪ 続きを読む投稿日:2016.02.07
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まぐだら屋のマリア
原田マハ / 幻冬舎文庫
間違いなく“善い”お話
1
登場人物の名前が「マリア」「シモン」「マルコ」「キリエ」、舞台が「まぐだら」ときたら、キリスト教のニオイがプンプンして、“善い話”に違いないでしょ。
と読み始めたら、予想に違わず善いお話。
死に場所…を探して紫紋が辿り着いたのは、尽果というバス停。その先にたたずむ「まぐだら屋」を一人で切り盛りするマリアのあたたかさに、紫紋は生きる決心をし、まぐだら屋を手伝うことになる。
しかし、マリアも過去に地獄を経験していた。
待っていてくれる人がいる。
どんな状況でもあたたかく迎えてくれる家族がある。
それが血が繋がっていても、いなくても…。
家族っていいな。 続きを読む投稿日:2016.11.06