
発明マニア
米原万里
文春文庫
ありえないから面白い
当時の時事ネタへの超辛口な批判や、環境破壊を食い止める方法や、大好きなペットと快適に暮らすための工夫などなど。 「無理無理」 「ありえない」 「ばかばかしい」 と思いつつ、ちょっとニヤッとしながら読み進む。 中でも私のお気に入りは、『故ローマ法王ヨハネ・パウロⅡ世の秘密大発見』の章。 ヨハネ・パウロⅡ世は、どうやらマザー・テレサに恋をしていたらしく、こっそりとマザー・テレサのパンツを盗み出し、肌身離さず持っていたという。“聖女の肌に直接触れた布地の神々しい力は、悪霊から守ってくれると信じだから”。 もちろんこのお話は米原さんのエイプリールフール用の作り話なのだが…。 こんなことを日々空想している米原さん。 もっと長生きして、もっと発明してほしかったな…。
1投稿日: 2016.08.16
1億1千万のわたし
山下和美
モーニング
今読んでもドキドキ
この作品がマンガ雑誌に連載されていた時、毎週ドキドキしながら読んでいた。 ハーフで目立つ容姿にコンプレックスを持つ引っ込み思案な主人公が、あるカメラマンとの出会いをきっかけに、ガラッと世界が変わる。 出会う人によって、人は強くなれるし、やさしくなれるし、キレイになれる。 少女時代に読んでもドキドキしたけど、おばさんの今でもドキドキ。
0投稿日: 2016.08.06
続 数寄です! 1
山下和美
YOU
数寄屋での暮らしその後
漫画家山下和美さんが、建築途中の数寄屋へ無理やり入居してからのお話。 暮らしながら着々と完成していく様子。 完成をご近所さんも楽しみにしていて、数寄屋を通じた円満な関係が築けている様子。 美しい数寄屋を守るための飼い猫との共存。 まだまだ“和を楽しむ数寄者”への道は遠いのだけれど、山下さんの挑戦は続く。 この巻以降はまだ電子書籍化されていない。 待ち遠しい。
0投稿日: 2016.07.11
パレード
吉田修一
幻冬舎
イマドキの若者
いつの間にか寄せ集まってマンションの一室で暮らしている男3人、女2人。 いつの間にか自分にとって居心地のいい場所になっている。 でも、上っ面なんだよな。 本当の自分がどんな人間なのかわからなくなって、一緒にいるために都合のよい自分になっている。 50代のオバサンの私が若者の頃は、もっと濃厚な仲間関係があったような気がするのだけれど…。 イマドキの若者の関係って、こんな感じなの? 全然共感できない。
2投稿日: 2016.07.06
数寄です! 3
山下和美
YOU
最後の最後もドタバタ
数寄屋建築中に、東日本大震災が起こった! ご近所では、瓦が落ちるなど少なからず影響があったが、数寄屋は無傷。 耐震性もバッチリ証明されたのだった。 そして、色々と大人の事情があって、すべてが完成する前にお引越しを断行。 相変わらずドタバタな山下さん。 大工さんの間でも本格的な数寄屋造りは珍しいようで、技術の継承に貢献もしたようです。
0投稿日: 2016.06.29
数寄です! 2
山下和美
YOU
建築が始まった!
いろんな困難はありましたが、良い土地も見つかり、やっと数寄屋の建築が始まった。 地鎮祭、基礎工事、木材の調達、棟上げ式などなど、へぇ~なことがいっぱい。 このまま順調にいくのかな?
0投稿日: 2016.06.23
数寄です! 1
山下和美
YOU
ホントに建つんかいな?
「和風」ではなく、「和」そのものの家を建てよう! 断崖絶壁から飛び降りる覚悟で、数寄屋造りの家を建てる決意をした山下さん。 ぼんやりした彼女は、数々の試練に直面するが…。 このままで、ホントに建つんかいな???
0投稿日: 2016.06.22
ピルグリム〔3〕 遠くの敵
テリー・ヘイズ,山中朝晶
ハヤカワ文庫NV
最期の武器は“愛”
「サラセン」への鍵を握っていたのは、意外な人物だった!!! 彼の過去を突き止めた「わたし」は、しかし大きな壁にぶちあたり、その後の足取りは杳としてつかめない。 その頃、「サラセン」はテロ計画の最終段階を終え、決行まであと数日。 追えども追えども捕まえることができない「サラセン」に、「わたし」は罠を仕掛けることに。 「わたし」に残された武器は“愛”。 第1巻から第3巻まで、一見関係なく見えていた物が、重要なピースになっている。 第3巻のスピード感はハンパないぞ!
1投稿日: 2016.06.16
ピルグリム〔2〕 ダーク・ウィンター
テリー・ヘイズ,山中朝晶
ハヤカワ文庫NV
糸口も見つけられない
「サラセン」のテロ計画を阻止するために、「わたし」は再び諜報の世界へ引き戻された。 与えられたコードネームは「ピルグリム」。 唯一の手がかりのトルコへ、現地で起こった米国人富豪の死を捜査するFBI捜査官という名目で潜入する。 現地の女性刑事を半ば脅し、捜査の協力を取り付けるが、「サラセン」に繋がる糸口も見つけられない。 その間に、「サラセン」はテロの計画を着々と進めている。 「わたし」は「サラセン」を見つけることができるのか? 「サラセン」側は着々と計画を進めるのに、「わたし」とのスピード感の違いが明らか。 地球上の中からたった一人を見つけるのって、難しい。
1投稿日: 2016.06.16
ピルグリム〔1〕 名前のない男たち
テリー・ヘイズ,山中朝晶
ハヤカワ文庫NV
第1巻は、まだまだ導入部。でもこれからが…
米国の諜報機関に採用され、闇の活動を続けていた「わたし」。 9.11をきっかけに諜報に限界を感じた「わたし」は、引退を決意する。 名前のない「わたし」が再び名前を取り戻し、普通の生活を始められるのか…。 ここにもう一人の重要な登場人物がいる。 サウジアラビアの王族に父親をなぶり殺され、復讐を誓う「サラセン」 しかし、「近くの敵」を倒すには、それを支援する「遠くの敵」を倒さねばならないという啓示を受け、 米国へのテロを計画する。 第1巻は、この二人の来歴が描かれ、そして「サラセン」が計画を実行し始める。 第3巻まであり、それぞれが400ページ近くある。 第2巻からは本格的なテロとの戦いになるだろうから、この先が楽しみ。
1投稿日: 2016.06.05
