みかさんのレビュー
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竜馬がゆく(一)
司馬遼太郎 / 文春文庫
まだまだ“薄ぼんやり”
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竜馬の幼少から江戸での剣術修行時代が描かれている。
世の中に攘夷の気運が起こり始めている頃だが、竜馬はまだまだ“薄ぼんやり”している。
それでも人を惹きつける魅力は天性のもので、後日「ああ、あの時の……」と関わった人々の記憶にはしっかりと残っている。
これからどんなふうに竜馬が目覚め始めるのか、次巻以降が楽しみ♪ 続きを読む投稿日:2016.02.07
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ブラフマンの埋葬
小川洋子 / 講談社文庫
一緒に散歩に出掛けませんか?
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芸術家が集まる<創作者の家>の管理人の僕のもとに迷い込んできた、傷だらけの子犬。
碑文彫刻家の助けで、“ブラフマン(謎)”と名付け、それから一緒に暮らし始めた。
小川さんの文章は本当に美しく、うっとり…と読み進んでいく。
ブラフマンとの森の散歩は情景がありありと目に浮かび、一緒に森を楽しんでいる感になる。
“ブラフマンの埋葬”という題名に現わされているように、最後は悲しい結末になるのだけれど、
一緒にブラフマンと散歩に出掛けませんか? 続きを読む投稿日:2016.03.27
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まぐだら屋のマリア
原田マハ / 幻冬舎文庫
間違いなく“善い”お話
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登場人物の名前が「マリア」「シモン」「マルコ」「キリエ」、舞台が「まぐだら」ときたら、キリスト教のニオイがプンプンして、“善い話”に違いないでしょ。
と読み始めたら、予想に違わず善いお話。
死に場所…を探して紫紋が辿り着いたのは、尽果というバス停。その先にたたずむ「まぐだら屋」を一人で切り盛りするマリアのあたたかさに、紫紋は生きる決心をし、まぐだら屋を手伝うことになる。
しかし、マリアも過去に地獄を経験していた。
待っていてくれる人がいる。
どんな状況でもあたたかく迎えてくれる家族がある。
それが血が繋がっていても、いなくても…。
家族っていいな。 続きを読む投稿日:2016.11.06
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破裂(下)
久坂部羊 / 幻冬舎文庫
原作・ドラマとも秀逸
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心不全の新しい治療法を研究している香村助教授。しかしそこには致命的な副作用があった。
一時的に心不全が改善され、健康体を取り戻すが、心臓破裂という最期を迎えるのだった。
そこに目を付けた厚生省官僚の佐…久間。心臓破裂を隠し、“ぴんぴんポックリ”と名付けて高齢者への治験を推し進める。
医療ミス、超高齢化社会、安楽死、治療法の研究開発。
てんこ盛りのテーマだけれど、混乱なく、ぐいぐい引き込まれる。
以前NHKでドラマ化されたが、ずいぶん原作と変わっている。
しかし、テーマが絞り込まれ、ドラマとしては秀逸。
同時期に放送された民法の『無痛』とは大違い。
さすがNHKは丁寧な作り方をしていると、両方の原作、ドラマを見て実感した。 続きを読む投稿日:2016.09.07
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竜馬がゆく(五)
司馬遼太郎 / 文春文庫
京都は騒がしいが、まだ機は熟しちょらん
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ますます京都が騒がしくなる。
「池田屋の変」
「禁門の変」
それでもまだ機は熟していないと思っている竜馬は、相変わらずわが道を行く。
勝海舟を介して西郷隆盛と会いまみえる。
さあ、役者は揃ったぞ!
ま…すます次巻が楽しみ。 続きを読む投稿日:2016.03.10
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竜馬がゆく(二)
司馬遼太郎 / 文春文庫
竜馬、目覚め始める
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なりゆきから、水戸藩と京都の三条家の密使と一緒に旅をすることになった竜馬。攘夷のために命をかける密使の姿に、薄ぼんやりしていた竜馬も目覚め始める。
しかし、攘夷を目指す武市半平太の思想には違和感を感じ…、とうとう土佐藩を脱藩し、自らの路を模索する。
カッコいいぞ、竜馬。惚れるぜ!! 続きを読む投稿日:2016.02.12