
問題児たちが異世界から来るそうですよ? YES! ウサギが呼びました!
竜ノ湖太郎,天之有
角川スニーカー文庫
世界観が面白いです。
困っている黒ウサギとジンを、通りすがりのヒーロー3人が手助けする水戸黄門的王道ストーリーです。 最後まで楽しく読みましたが、読み終わったあとで誰が主人公だったのかなと考えると、このキャラが主人公だと言い切れるキャラがいなかったような気がします。 形式的には十六夜なのでしょうが、いかんせん彼はいろいろと完成してしまっていて感情移入できる隙がないし、状況的にはジンのような気もしますがあまり見せ場がないのが残念でした。 十六夜の台詞回しや拳で戦うスタイルが、どうしてもスクライドのカズマにダブってしまいました。 とはいえ、神話をベースに作られた世界観は読んでいて楽しかったです。
0投稿日: 2014.05.16やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
渡航,ぽんかん8
ガガガ文庫
残念系ラブコメです。
私には合いませんでしたが、先行作品の「僕は友達が少ない」に似ていると思いますので、そちらが好きな方は読まれてみてはいかがでしょうか。
0投稿日: 2014.05.11はたらく魔王さま!
和ヶ原聡司,029
電撃文庫
アニメを小説にしたような感じです。
何かの手違いで異世界から現代の東京にやってきた魔王と勇者の掛け合いが楽しいラブコメです。 魔王城が六畳一間というアイデアは秀逸だと思いました。 ただ、物語の語り手の視点が神視点なので、キャラクターの感情や世界観は全て言葉で説明されるので読むのがしんどかったです。 箱庭を上からのぞき見する感じなので、アニメをそのまま文字で起こしたような感じです。 また、神視点なのでキャラクターが知り得ないことも読者は知れるわけですが、説明されない箇所が伏線ということが丸わかりなので、展開が読めてしまうのが残念です。 さらに、異世界では人間を狩っていた魔王が、東京ではおとなしくして、人に雇われたり人助けすることに対しては説明されないので魔王のキャラが空っぽの印象を受けました。 とはいえ、コメディ部分は面白かったです。
1投稿日: 2014.05.11変態王子と笑わない猫。
さがら総,カントク
MF文庫J
ラブコメの傑作です。
主人公の横寺はすがすがしいほどの変態で、束縛的フェチシズムに関してはもはや哲学を築き上げていて読んでいて面白いです。 周囲のキャラクターもまた変態が多く、彼らの予想できない言動がユーモアにあふれていて飽きずに読めます。 またストーリーの最後には、ラノベにつきものの覚醒イベントがありますが、主人公があさっての方向に覚醒して、予想もしていなかった斜め上を行く壮絶なラストが期待を裏切らず良かったです。
1投稿日: 2014.05.09人類は衰退しました1(イラスト簡略版)
田中ロミオ,戸部淑
ガガガ文庫
文章が味わい深いです。
妖精さんとの何気ない会話が面白い作品です。 言葉選びが楽しく、平凡な世界が面白おかしく描写され、良かったです。 特に、ワッフルを、世界で一番おいしい格子模様と表現している点にセンスを感じました。
0投稿日: 2014.05.06だから僕は、Hができない。1 死神と人生保障
橘ぱん,桂井よしあき
月刊ドラゴンエイジ
店頭でこれを買うには勇気がいりますね。
電子書籍の良いところは、レジに持って行かなくて良いところですね。 私にはこれを本屋で買う勇気はありません。 メインターゲットの男子中高生も、これを店頭で買うのは恥ずかしいのではないでしょうか。 主人公の良介が性欲を奪われ、それを取り返すために努力するストーリーです。 ただ、性欲そのものを奪われてしまった状態というのが想像しづらく、性欲がないといいつつ性欲全開だったり、そもそも欲がないならどうしてそんなに異性に執着するのか、いまいち分かりませんでした。
1投稿日: 2014.05.06はぐれ勇者の鬼畜美学
上栖綴人,卵の黄身
HJ文庫
主人公が強いバトルものです。
異世界の魔王を倒し、もといた世界に戻った主人公の暁月が、テロリストの陰謀に巻き込まれるストーリーです。 異世界からの帰還者たちは能力者として集められ、それぞれの国の国防に従事させられる仕組みになっています。 また帰還者の中には一国の軍隊よりも強いといわれる人物もいます。 一人の人間が、国の軍隊全部よりも強いという歴史上体験したことのない世界を描こうとする気概がすごいと思いました。 能力者の設定までは納得できるのですが、そうすると能力者たちの敵は、敵国の軍隊と能力者となるはずなのですが、なぜか訓練では異世界のコカトリスと戦い、それがクライマックスとなっています。 異世界の能力の鍛錬だから異世界の化け物と戦うという論理は分かりますが、どうにも異世界と現実世界とのギャップが大きくてすんなり物語に入っていけませんでした。 また暁月の決めのセリフが、スクライドのカズマに似ていて、どうしても気になってしまいました。
0投稿日: 2014.05.04ココロコネクト ヒトランダム
庵田定夏,白身魚
ファミ通文庫
五人の人格が入れ替わるのは並大抵の努力では書けないと思います。
何を目指してストーリーが進んでいるのかがはっきりせず、読むのが大変でしたが、男女入れ替わりものが数ある中で、五人の人格が入れ替わるものはそうそうなく、書くに当たって緻密な計画をされたのだろうと思います。
0投稿日: 2014.04.29東京レイヴンズ1 SHAMAN*CLAN
あざの耕平,すみ兵
月刊少年エース
良作だと思いました。
主人公の春虎が、陰陽師の道を進むことを決意する物語です。 前作の『Dクラッカーズ』や『BLACK BLOOD BROTHERS』はあまり合わなかったのですが、東京レイヴンズは面白かったです。最後まで夢中で読みました。 特に、キスから始まる怒濤の展開が面白かったです。 設定に関しては、きっちり練られていて良かったです。先行作品で言えば、『帝都物語』を現代風にアレンジした感じでしょうか。 ただ一つ不可解だったのは、魂の転生に関して、前世の記憶がない状態で果たして魂が転生したと言えるのか、また転生したと証明できるならそのロジックについて説明して欲しかったのですが、そういう説明がなかったのが残念でした。
1投稿日: 2014.04.26神明解ろーどぐらす
比嘉智康,すばち
MF文庫J
プロローグが秀逸です。
主人公・十勝の下校エピソードを綴った連作短編です。 タイトルのとおり、道草を食うことが主題になります。 一ページにも満たないプロローグがあまりに面白かったので、このレベルの会話が続くものと思いましたが、本編は普通のラブコメでした。 内容がどうというよりも誤植がひどく、ヒロインの千歳キララが丹下まりものことを「丹下」ではなく「キララ」と呼ぶ箇所が四カ所ほどあり、誤字なのか、自分の勘違いなのか分からず、何度かページを戻して確認したりしました。 仕事が雑だと思いました。
0投稿日: 2014.04.23