高校生がドラッグの密売組織の構成員となって簡単にドラッグが入手できる世界なのに、外は普通の日本という世界観にあまり馴染めませんでした。 キャラクターが多く、誰がどうしたいのかという目的が散漫になり、読み進める上でのモチベーションがうまく保てませんでした。 この巻だけでカタルシスを得るのは難しかったです。

戦争を終わらせることができる宝を見つけ出すという明確な目的を持ってキャラクターが冒険するので、最後まで迷うことなく読めました。 主人公のヴィルは傍観者的な立場なので、あまり感情移入ができなかったのですが、戦闘機での空中戦描写はとてもリアルで面白いと思いました。 読み終わったあと、ラストのお宝は、実際に第二次世界大戦中に見つかったものがモチーフだと知り、少しびっくりしました。

とても面白かったです。リリアン女学園高等部の「スール制度」や「ロザリオ」といった独自の設定をうまく生かしながら、学園生活の中で起こる普遍的な葛藤がリアルにかつ丁寧に書かれています。 そのため、新鮮みを保ちつつ、主人公の祐巳に感情移入しやすく、最後まで面白く読めました。