
幽霊伯爵の花嫁1(イラスト簡略版)
宮野美嘉,増田メグミ
ルルル文庫
共に生きよう。会いに行くよ、ヤックルに乗って級のおもしろさ。
墓守の幽霊伯爵ジェイクと、幽霊伯爵家に嫁いだ美少女のサアラとが心を通わせるストーリーです。 女性主人公なので女性向けライトノベルでしょうが、普段少年向けラノベしか読まない私も非常に楽しめました。 幸せな結婚というテーマのとおりに、幸せとは何か、不幸とは何かを軸にしてストーリーが進みます。 主人公のサアラがとても魅力的でした。 男が女を守って幸せにするタイプの結婚を拒絶し、幸せは人から与えられる既製品ではなくて自分自身が積極的にかかわって創造していくものであると考える彼女はたくましいと思いました。 彼女からすれば幸せであることとは、自分自身と他者との関係から積極的に作り上げる能力を持つことであるから、不幸というのは無能力であり最大の侮辱に当たります。 彼女の幸福創造論に納得さえしてしまえば、六章の最後でジェイクが頓珍漢なことを言ってしまってサアラを激高させるところなどは、読んでいるこちらまでがジェイクのアホ!分かってやれよ!と思ってしまうくらい感情移入してしまいました。 ラストも良かったです。
5投稿日: 2014.06.07おジャ魔女どれみ16
東堂いづみ,栗山緑,馬越嘉彦
講談社ラノベ文庫
懐かしいです。
魔法は極力使わないというコンセプトはそのままに、物語の語り手であるどれみを中心にして、高校生が直面するような悩みとその解決を一話完結で綴る短編集です。 アニメを見ていても思いましたが、魔法は便利だけど、それと引き替えに失うものの方がずっと大きいからできるだけ使わないというのは良いですね。 アニメの放送終了から十余年、高校になった彼女たちの続編が出るなんてこの作品がいかに多くのファンに支えられているかの証左ですね。 それにしても馬越さんのイラストがすばらしいと思いました。
1投稿日: 2014.06.07東雲侑子は短編小説をあいしている 電子DX版
森橋ビンゴ,Nardack
ファミ通文庫
面白いといえば面白いです。
読みやすいのでスラスラと読めますが琴線に触れるかと言われるとそうでもないように思いました。 ストーリーに目立った起伏はなく、イケメンとかわいい子がくっつくというごく普通の展開以上のものは感じられませんでした。 作品内で「エレンディラ」という短編集が登場し、ヒロインの東雲が絶賛していたので気になって購入しました。読んでみたところ、そこまで面白いとも思えなかったので本の好き嫌いは食べ物以上に人に依存することを再確認できました。
0投稿日: 2014.06.03アンブロークン アロー 戦闘妖精・雪風
神林長平
ハヤカワ文庫JA
早く続きが読みたいです。
グッドラックのラストで愛によって対ジャムの切り札へ進化した零と雪風に、ジャムが新たな戦略をとるというストーリーです。 人間社会から疎外されているように感じ、機械になろうとしていた零が、ジャムとの戦闘を通じて自らの価値を見いだし、それ故に雪風との関係性を再構築した前作に続き、今回も抽象度は高めです。 人間であることが自分の唯一無二の存在価値であることに気がついた零は、どこまでも人間であろうとし、その人間の認識能力を雪風たち戦闘知性の認識能力と合わせることでジャムに立ち向かいます。 零と雪風が独立して存在し、それぞれ人間の認識と機械の認識を補完し合いながら、それぞれの存在価値へ敬意を払うところは、シリーズの初めからは想像もできない境地のように思えました。 作中ではそれが愛だとされ、今作ではジャムはその愛を知るためにジャムなりの世界認識能力を用いてあれやこれやと画策します。 そのため人間と機械知性とジャムの三者の認識論を中心としてストーリーは進んでいきます。 しかし、最後は、その抽象的な思考による戦闘が実際の物理的な戦闘機の戦いにまで巧妙に落とし込まれ、最後の最後まで手に汗握る濃密な空中戦が展開されるところは、ただ感服しました。 特に、特殊戦機の面目躍如である速さが中心となるところはとてもうれしく思いました。
0投稿日: 2014.05.30のうりん
白鳥士郎,切符
GA文庫
私には合いませんでした。
漫画では大文字は気にならないのですが小説だとかなり気になりますね。 ヒロインの女の子のしゃべり方に違和感を覚えました。
0投稿日: 2014.05.26俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している
春日部タケル
角川スニーカー文庫
センスが合わなかったですね。
空から降ってきた美少女がブリッジで着地したり、遊王子謳歌という名前だったりと、とにかく作品と私のセンスがまるで合いませんでした。
0投稿日: 2014.05.26ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
大森藤ノ,ヤスダスズヒト
GA文庫
私には合いませんでした。
まずこの作品を読み始めて、とても読みづらいと思いました。 主人公「僕」の一人称視点と、「僕」を含めた他のキャラクターを俯瞰する神視点が、頻繁に入れ替わり、ストレスを感じました。 また、憧憬という普遍的な感情を特殊化してやたら神聖視するスタンスに違和感を覚えました。 リアリティの基礎をゲーム世界に置いているため、共感できる部分がありませんでした。
5投稿日: 2014.05.25おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!
村上凛,あなぽん
富士見ファンタジア文庫
自分の失敗をエンタメに昇華させた良作です。
タイトルからよくあるラブコメを想定していたのですが、中身は実体験をもとにしたフィクションで、非常にリアル。 作者が人生を切り売りしながら真剣に書いた物だというのが伝わってきました。 キャラクターの悩みのリアルさ故に引き込まれました。 主人公の柏田の行動に、これやるの自分だけじゃなかったのかと安心しました。 ライトノベルのあとがきは変に狙ったものが多くて好きにはなれないものが多いのですが、このあとがきには笑わせてもらえました。
2投稿日: 2014.05.23デート・ア・ライブ 十香デッドエンド
橘公司,つなこ
富士見ファンタジア文庫
よくあるラブコメです。
異世界から来た彼女とデートをするラブコメです。 現代日本を知らない異世界ヒロインにいろいろと教えながらデートしたり、バトルしたりというよくあるやつでした。 蒼穹のカルマが面白かった分だけ期待していたのですが、こっちはあまり私の好みではありませんでした。
0投稿日: 2014.05.19ストライク・ザ・ブラッド1 聖者の右腕
三雲岳斗,マニャ子
電撃文庫
厨二設定が心地よいです。
最強の吸血鬼〝第四真祖〟、ホムンクルス、西欧教会、獅子王機関などなど専門用語が目白押しです。 先行作品で言えば、「ヘルシング」に似ていると思います。主人公の古城は新米警官のセラスで、敵キャラはアンデルセン神父ですかね。 内容に関しては、古城が戦うことを決意する王道ストーリーで、読んでいて面白いです。 ただ、魔族が歴史にいつ出現したのかが不明なのが残念でした。特に吸血鬼は、最弱の吸血鬼でも現代の戦車や戦闘機並に強いらしいので、出現時期によっては人類は滅ぼされていたに違いないと思います。 あと、紘神市は西欧教会のアレを、どうやって手に入れたのか?日本にある別のもので代替できなかったのか?等が気になりました。
0投稿日: 2014.05.18