mogaさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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旬の魚を食べ歩く
斎藤潤 / 光文社新書
恐怖の一冊?・・いえいえ、おいしそうな一冊です
15
読んだのは2016年9月。ランチに新サンマが出はじめて「食べたい!」と言う気持ちが読書に反映。
でも、これはいけなかった・・。この本にでてくる魚たちがうまそうな事このうえなし。都会の安ランチではなく…、現場に行って食べる。それがかなわなければ高級店に行きたくなってしまう、コスト高?の一冊。 この先冬の大好きなブリが待っているのかと思うとコワいコワい。 続きを読む投稿日:2016.10.24
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夜市
恒川光太郎 / 角川ホラー文庫
横道にそれたら、そこにあるかも・・・
15
「夜市」と「風の古道」の2編。両作とも強い繋がりはないものの、千と千尋や遠野物語のマヨヒカ、桃源郷などと同じ、近くて遠い異界のお話。
本文中にもあるのですが、これは登場人物が異界で経験することに…よる「成長の物語」ではありません。読者の心をほんの少し揺さぶって、ほんの少しだけ不安にさせる・・・リアルな恐怖より不思議な不安を感じる上質なホラーだと思います。 なにかわからない胸のざわつきを体験したい方は是非!おススメです。 続きを読む投稿日:2015.08.19
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GOSICK BLUE
桜庭一樹 / 角川書店単行本
勇気凛々、へっぽこ従者が行く!
14
アメリカ編の2作目のようですが、REDより前のお話。こちらから読んでもまったく問題なし。 一弥とヴィクトリカがアメリカに渡って来た直後とその周辺のお話。舞台設定は「タワーリングインフェルノ(古い!)」…ってとこでしょうか。 相変わらず謎が謎なのかわからないのですが、いつのまにか主人公たちも読者(私)も大きな流れに乗ってしまうのはさすがのストーリー。最後の勝負も一ひねりでGOOD!。
このシリーズ、一弥&ヴィクトリカの仲が相変わらず微笑ましいのですが、とくに一弥君。戦闘力として強いわけはなく、勇気(りんりん?)と優しさで強さを感じるとてもよいキャラクターだと思います。この先の成長が楽しみな若者だなぁ。 続きを読む投稿日:2015.12.17
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遠野物語拾遺retold 付・遠野物語拾遺
京極夏彦, 柳田國男 / 角川ソフィア文庫
不思議は身近に。気付いていないだけかもしれません・・・
14
文化人類学とか民俗学といった学術的価値もあるのでしょうが、読んでいるとモヤッとした怖さ・・・分からないものへの畏怖・警告を感じました。土地神さま、天狗や妖魔、動物憑きなど、昔は普通であったかもしれな…いものが、時を経て語られるの理由はなんだろうと思いながら読みました。テロや核もずっと先の未来に、分からない、理解できない、【怖いもの】として語られるのでしょうか。
あまり深く考えなくても、不思議大好きな方は十分に楽しい内容ですし、京極様の整理でシンプルに分類されているので”オリジナル”より相当読みやすくなっています。巻末のオリジナルと無理に読み比べることもないと思いますが、それもまた一興。 続きを読む投稿日:2015.11.21
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西遊記(一) 実力狂時代の巻
邱永漢 / 中公文庫
三蔵法師のプロフィールって?
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邱様版初版は1959年。それなりに時間が経っているのですが、西遊記コンテンツは半世紀ぐらいではびくともしないのでしょう。ガン○ムもまだまだ小僧っ子ですね。^^
しかしそれも良い作品が創られ続けるか…らで、邱様版西遊記もまた良作の一つと思われます。 読みやすく、時々シニカルな表現も入れてストーリーを追えるのは、中高生以上、もちろん大人が西遊記を読み直すにはちょうどよいのでは。
1巻では、悟空の強さと三蔵法師の経歴が語られます。そういえば三蔵法師の出自って知らなかったなぁ。意外と俗っぽい素養があるのがよいです。(その俗っぽさが、《夏目雅子さん演じる三蔵が酒に溺れるシーン》を思い出させました。古いな・・・。) 続きを読む投稿日:2015.11.24
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ZERO 完結上中下巻セット【電子版限定特典付き】
麻生幾 / 幻冬舎
信じられるのはいったい誰だ!
14
相当なボリュームなので読み応え十分。前半の日本編では、日本警察内部の確執と外事警察、そしてZEROという組織の微妙な立場が詳細に描かれます。ひらたく言ってしまえばスパイなのですが、歴史的(?)、心理的…プレッシャーが凄い。組織の複雑さも相まって、誰が敵やら味方やら・・・。
そして、主人公峰岸の周りから大切な人が排除され始めて、話は急転直下。
中国編になると、不自然なほどのハードな逃亡劇。隠された任務。終盤の潜水艦アクション。最後に待ち受ける本当のスパイ。 特に潜水艦アクションは中々秀逸。これだけを主題に書いても十分面白い内容でした。
通して読んで、あれっ?と思ったのは、”題名ほど?”ZEROという組織がインパクトが無い事。中国国内の一大事も「本当にそれが成功する状況なの?」というところ。もう一度読む気力はないのですが、じっくり読めばもっと緊迫感があったかも・・・。 中国国内のパワーバランスに注意して読むとよいかもしれません。 続きを読む投稿日:2015.09.28