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mag2000さんのレビュー
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  • 髪結い伊三次捕物余話 幻の声

    髪結い伊三次捕物余話 幻の声

    宇江佐真理

    文春文庫

    大好きなシリーズ

    遺作「竃河岸」を読んで、またここに戻って来た。ここではまだまだ二人には迷いがあり、結果を知っていても読者としてはやきもき。第一巻ではわりと悲しい事件が多い。私は日々の暮らしに追われ、目先の安心や快楽にとらわれる。人にとって本当に大事なものはなんだろうね、と問いかけてくれるような時代小説だ。

    1
    投稿日: 2016.01.04
  • 花もて語れ(4)

    花もて語れ(4)

    片山ユキヲ,東百道

    ビッグスピリッツ

    「本を読むこと」を教えてもらった

    劇中劇に主人公が重なり、下手な映画よりもずっと臨場感があり感動します。朗読するハナの声が聞こえてきそう。このマンガの表現は驚きに満ちています。視点の転換の方法は朗読だけでなく、ふつうの読書においても有用です。貴重なことを教えてもらって、なおかつ楽しい。芥川作品「トロッコ」は読んだことがあるけど、こんなふうに心に描けるまでには読み込んでいなかった。上っ面を読んだだけだった。

    1
    投稿日: 2015.07.21
  • 花もて語れ(1)

    花もて語れ(1)

    片山ユキヲ,東百道

    ビッグスピリッツ

    予想以上におもしろい

    りっぱな文学案内だと思います。宮沢賢治、藤村詩集、ブレーメンの音楽隊。主人公の朗読をみごとに表現していて、漫画の可能性を見なおしました。ハナちゃん純粋でかわいい。弱そうで強い。けっこう巻数あるようなので、続きがたのしみです。

    3
    投稿日: 2015.07.19
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

    夜明けの縁をさ迷う人々

    小川洋子

    角川文庫

    イービーでかなりやられた!

    「教授宅の留守番」「イービーのかなわぬ望み」「涙売り」「パラソルチョコレート」「ラ・ヴェール嬢」。すごい威力だ。小川洋子はおそろしい。すばらしい。いやらしい。上品なのにぞっとする、この人にしか描けない世界をさまよいました。

    2
    投稿日: 2015.06.17
  • 潜在光景

    潜在光景

    松本清張

    角川文庫

    清張作品独特の不安と恐怖

    時代、ジャンルが違うと言えばそれまでだが、最近のイヤミス小説なんて足元にも及ばない迫力の小説。短編といえども不安や恐怖の加速のタイミングと大きさはさすがに清張作品で期待を裏切らない。終始イライラ、イライラしている「発作」の不安定な感じが引きずられるようで不快で怖い。「鬼畜」の映画は見たことがあるが、「潜在光景」はまだなので見てみたい。とにかくどれも終わり方がうまくて、読後もどっしり来るのである。ほかに「鉢植えを買う女」「八十通の遺書」「雀一羽」どれも傑作。

    1
    投稿日: 2015.05.31
  • 「消せるボールペン」30年の開発物語(小学館新書)

    「消せるボールペン」30年の開発物語(小学館新書)

    滝田誠一郎

    小学館新書

    いつも私のそばにあるもののお話

    いつも便利に使っている文具の話なので興味を持って読んだ。私たちはとても高度な技術で作られたものを何気なく使っているのだ。インクのしくみはとてもわかり易く説明されていて面白かった。パイロットもセーラーもペン会社は船乗りの製図のための筆記具の研究から始まったとは。周りに知ったかぶりしたくなる内容満載です。

    2
    投稿日: 2015.05.29
  • 死のドレスを花婿に

    死のドレスを花婿に

    ピエール・ルメートル,吉田恒雄

    文春文庫

    やっぱりおもしろい

    アレックスを読んだ後だったので、ソフィーの章はプロローグだなとすぐわかる。そしてタイトルからも展開はだいたいわかってしまう。でもそこに至る過程と動機が気になって、ぐんぐん読み進めてしまった。欧米人ってこんなに安易に薬に頼った生活をしているのか?いろいろ事件は起きるがだいたい警察だってそんなにぼんくらではないだろう?と突っ込みどころはある。でもミステリーの話の中の話だからぜんぜんOK。執拗な行動のわりには動機がちょっと弱いように思うけど、それもまぁまぁしかたがないかな。

    6
    投稿日: 2015.05.22
  • 贖罪の奏鳴曲

    贖罪の奏鳴曲

    中山七里

    講談社文庫

    注意!中山七里作品中毒性あり

    続編『追憶の夜想曲』のほうを先に読んでしまったが、これでやっと御子柴弁護士の事がわかった。ソナタとの関係もはっきりして音楽が根幹に触れることにも納得。この作家、どんでん返しの帝王は最初から終りまでぐんぐん読ませてくれる。文章もとても巧みだ。渡瀬・古手川コンビも悪徳弁護士もそして事件の当事者たちもくっきりと頭の中に浮かび上がってくるし、場の緊張感も伝わる。リーガサスペンスとしても人間模様としても満足。

    3
    投稿日: 2015.05.03
  • 銀の匙 Silver Spoon(1)

    銀の匙 Silver Spoon(1)

    荒川弘

    少年サンデー

    わけありのような主人公

    好評をよく耳にするので読んでみたら、予想を上回るおもしろさ。主人公の男子は家から離れたいなんて、何かわけありそう。まだ一巻なのでわかんないけど。夢を持って充実している友達の中にいたら、自分をかえりみて焦るというか空虚というか、そんな気持ちとてもわかる。

    3
    投稿日: 2015.04.15
  • 銀の匙 Silver Spoon(2)

    銀の匙 Silver Spoon(2)

    荒川弘

    少年サンデー

    先生方が魅力的

    登場人物たちが好きになってきた。もうこの漫画のトリコになってしまったかもしれない。ちっちゃい校長先生と中島先生が好きです。あとタマコも。ピザ!ピザが食べたい!

    2
    投稿日: 2015.04.15