み完成人さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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Another (下)
綾辻行人 / 角川文庫
―そういう「現象」ですから
2
まぎれもなくホラー小説です。
ミステリーと思って読むと、オチがあまりにも唐突で、
推理も解決もへったくれもないかと・・・
自分にとってはアンフェアに感じました。
ホラーミステリーと自分で勝手に思って
…読んでしまったのが悔やまれます。
それ以外は、長編ながら意外とサクサク読めて、
小説の世界観に惹き込まれました。
―――来年度は どうなったのかな? 続きを読む投稿日:2014.06.21
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大延長
堂場瞬一 / 実業之日本社文庫
夏の甲子園、もうすぐですね!
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夏の甲子園 決勝戦 再試合が舞台です。単なる試合の勝負話ではなく、両校の監督、選手はもちろん、他に解説者、後援会、学校関係者といった多くの人たちの視点から試合が描かれ、それぞれの思いが交錯する、読み応…え十分な人間ドラマとなっています。野球に限らず、学生の時にスポーツの世界で勝負に真剣切った人なら、この小説に熱く共感できるのではないかと思います。
2007年に初版発行ということは、2006年の決勝引き分け再試合の駒大苫小牧 対 早稲田実業がモデルでしょうか? あのマーくんとハンカチ王子の投手戦です。
新潟県人の私としては、2009年の日本文理 対 中京大中京の決勝戦が思い出されます。6点差で迎えた9回裏二死走者なしから、打者一巡の猛攻で1点差まで詰め寄ったあの試合です。
小説以上に多くの感動と奇跡のプレーを生んでいる甲子園。もうすぐ夏の甲子園が始まります。今年はどんなドラマが見られるのか、この小説を読んで さらに期待が高まりました。 続きを読む投稿日:2014.07.29
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十三の呪 死相学探偵1
三津田信三 / 角川ホラー文庫
ちょっと期待はずれでしたが・・・
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三津田信三氏の怪異譚『赫眼』に収録されていた
短編の1つ、「死相学探偵」という言葉に
興味を引かれたので読んでみました。
死相が視えるだけで 原因までは判別できない。
よって、死の謎を推理で解明してい…き、依頼人を守る。
だから「探偵」なんですね。納得。
第1巻らしく、主人公 弦矢俊一郎の
死相が視えるようになった生立ちや
探偵事務所を開くことになった経緯なども語られます。
呪いを扱った内容なのに、あまり怖くなかったのが残念。
呪いの謎の解明は、中々に読み応えがありましたが、
ホラーとしてもミステリーとしても 今一つだったかな?
けれど、祖母ちゃんが素敵すぎるし、相棒?の猫の登場、
事件の背後にある影の存在、俊一郎の失われた過去等、
今後の展開の伏線らしき気になる描写もあり、
次巻も読んでみようと思います。 続きを読む投稿日:2014.08.23
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六蠱の躯 死相学探偵3
三津田信三 / 角川ホラー文庫
シリーズものとして面白くなってきたかな?
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第3巻は、警察からの依頼を受け、
連続猟奇殺人事件の謎に挑みます。
理想の女性の体を造り出す呪法「六蠱(むこ)」という
オカルト要素がメインとなっていますが、
ホラー度はかなり薄めで あまり怖くはあり…ません。
反対にミステリー要素が強かったです。怪しい人が多く、
動機も含めて 誰が犯人なのか最後まで分からず。
容疑者や関係者を一堂に集め、「さて、みなさん-」と
ビブリアの栞子さん並みに饒舌になり、
二転三転させて事件の真相を暴き出す様は、
毎度のパターンながら なかなか読み応えがあります。
シリーズを追うごとに徐々に強まりつつある黒術師の影。
そして、祖母ちゃん、曲矢刑事、新恒警部、猫の僕にゃん
と、脇を固めるキャラが出そろったようですが、
何かが足りない・・・そう、ヒロインがいない!
ま、まさか、祖母ちゃんがヒロインですか?
若いヒロインの登場を期待して、
次巻も読んでみようと思います。 続きを読む投稿日:2014.08.30
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千里眼 キネシクス・アイ 上
松岡圭祐 / 角川文庫
すべての始まり
2
「千里眼」新シリーズ第10弾・上です。
岬 美由紀 小学校6年生のエピソードが語られます。
今まであまり詳しく語られることのなかった、岬家の様子が描かれ、なんだかホッとします。小6からすでにメフィス…ト並みの心理戦、駆け引きを経験して、というよりは才能でしょうか。大胆な行動力と正義感は、すでに持ち合わせていたのですね。国語のテストの文章に感動して問題を解く時間が無くなるなんて、凛田莉子を彷彿とさせます。
千里眼としての岬 美由紀の人生が始まった日ともいえる、
あの日、あの事件が描かれます・・・
岬 美由紀の思考や感情さえも
瞬時に読み取ってしまう機械「キネシクス・アイ」
人と機械の戦いにどう決着をつけるのか、
運や偶然に頼るしか対抗する術は無いようですが・・・
っていうか、もし運や偶然で解決したら、
Readerを2階の窓からほん投げます!ってくらいの
熱い気持ちで、これから最終巻?を読みます! 続きを読む投稿日:2015.01.03
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千里眼 優しい悪魔 下
松岡圭祐 / 角川文庫
最終回のような 一抹の寂しさ
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「千里眼」新シリーズ第9弾・下です。
岬 美由紀とジェニファー
ダビデとジェニファー
そしてダビデと岬 美由紀・・・
今回はいろんなことに決着がつきましたね。
別れ 旅立ち・・・ぐっときました。
ラ…ストのダビデの優しさにウルッときちゃって、
男の自分でも、ほ、惚れてしまいましたよ!
クラシックシリーズの天才マジシャンと
水晶体のあの女までもが登場し、
ある意味、最終話で大団円って感じでしたが・・・
一ノ瀬恵理香、李 秀卿にも登場してほしかったなあ~
クラシックシリーズが友里佐知子、鬼芭阿諛子との決着
新シリーズがメフィストとの決着
と いったところでしょうか。
さて、新シリーズも残すは1作「キネシクス・アイ」
岬 美由紀 最後の闘い?に刮目しようと思います。 続きを読む投稿日:2014.12.30