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千里眼 シンガポール・フライヤー 下
松岡圭祐 / 角川文庫
不安定な心で 活路を見いだす女
2
「千里眼」新シリーズ第8弾・下です。
上巻で張られた伏線が、(というか、伏線になるとは少しも思わずにいたところ)回収へと一気につながっていく終盤は、ハラハラドキドキしっぱなしでした。精神疾患でなくて…も、苦しい状況からは誰もが逃れたいと思うのに、ん~ここでそうくるか!と荒唐無稽ではありますが、岬 美由紀の強さを再認識した、読み応え十分のエンタメ小説でした。
表紙にF1が描かれているとおり、F1ドライバーとしての岬 美由紀が読めます。新たな敵「ノン=クオリア」という謎の組織も登場し、F1もストーリーも、そして岬 美由紀の心も疾走します。今後、メフィストとどう絡んでいくのか楽しみです。
「シンガポール・フライヤー」って、2008年に完成したアジア最大の大観覧車の名称だったんですね。上巻の表紙に描かれていました。この小説が発行されたのも2008年。新シリーズ第4弾のミッドタウンタワーもそうでしたが、新しいものや時事問題をタイムリーに小説に組み込むのが 松岡圭祐氏の作品の特徴ですね。 続きを読む投稿日:2014.12.13
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四隅の魔 死相学探偵2
三津田信三 / 角川ホラー文庫
ちょっと面白くなってきたかな?
1
半分くらい読んで ようやく主人公登場!
いつ出てくるのかと、途中で心配になりましたが、
その分、前半でたっっっぷりと恐怖に浸れました。
1巻に比べてホラー度がずいぶん高くなりましたが、
途中で犯人が分…かってしまって面白さ半減!
と思っていたら、実は・・・で、びっくり!
どうりで こんな私でも推理できたはずです。
作者さん、分かりやすいようにわざと書いていますね。
ちょっと悔しかったです。
でも、1巻のラストに登場した猫の「僕にゃん」、
可愛すぎます。俊一郎の良き相棒ですね。
刑事さんや祖母ちゃんとのやり取りも面白いので、
次巻も読んでみようと思います。 続きを読む投稿日:2014.08.25
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五骨の刃 死相学探偵4
三津田信三 / 角川ホラー文庫
読みやすさが魅力かも?
1
第4巻は、二段構えの無差別連続殺人事件の謎に挑みます。
「五骨の刃」という5つの凶器で起きた最初の事件。
そして、7カ月後に起きた第2の事件。
死相が出た人々との関連も含めて、
どのような繋がりがある…のか、謎が謎を呼び、
なぜ? どうして? とミステリー要素が全開です。
俊一郎が解明するまで分かりませんでしたが、
真相は微妙・・・かな?
でも、惨劇の現場である「無辺館」の肝試しのシーンは、
ホラー度が高く、読んでいて怖かったです。
また、死相学探偵としての苦悩、限界が描かれ、
俊一郎の乗り越えるべき壁が浮き彫りにされています。
前作で望んでいた待望のヒロインも登場!
今後、俊一郎とどう絡んでいくのかも楽しみです。
霊能者として政治経済界に影響力をもつ祖母ちゃん
人と意思疎通を図れる不思議な猫の僕にゃん
主人公の失われた過去、そして謎の黒術師の存在
中高生向きのライトな内容、設定かもしれませんが、
難しいことをあまり考えずに楽しく読書ができる、
そんな読みやすさが魅力のホラーミステリーかな?
作者の三津田信三氏。
重厚な内容の他のシリーズもあるということなので、
そちらも読んでみたいと思います。 続きを読む投稿日:2014.09.05
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解体諸因
西澤保彦 / 講談社文庫
バラバラ殺人事件尽くし
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西澤保彦氏の作品を初めて読みました。
20年ほど前のデビュー作だそうです。
バラバラ殺人事件が題材ですが、
グロさを感じるのは表紙だけで、
笑えるもの、ほのぼのとしたもの?もあり、
理にかなった謎解き…のストーリーで
けっこう楽しく読み進めることができました。
ですが…9編の独立した短編集と思っていたら、
それぞれの短編が最後の話で繋がる連作短編集でした。
登場人物や事件の内容を確認するのに、
あわてて再読することに・・・
私みたいに記憶力に自信がない方は、メモを取るか
一気読みをお勧めします。 続きを読む投稿日:2014.07.05
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海の底
有川浩 / 角川文庫
非現実的な設定だけど人間関係は現実的
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『塩の街』『空の中』と読み続けて『海の底』を完読。
人とのかかわりの中で少年たちも少女も成長する物語。
有川さんの作品をもっと読んでみたいと思いました。
『クジラの彼』に空と海の番外編が掲載されている…そうなので、読むのが楽しみです。 続きを読む投稿日:2013.10.28
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赫眼(あかまなこ)
三津田信三 / 光文社文庫
おっかねかった・・・
1
表紙の赫に惹かれて つい買ってしまった。
8つの短編と合間の4つの超短編で構成されている。
作家である「僕」の伝聞や回想で、
昭和を感じる怖い話が語られていく。
ホラーというよりは怪談・・・
怪異譚と…いったほうがしっくりする。
たぶん創作なのだろうが、
実話っぽいところが何とも… た ぶ ん ・・・
最初の表題作『赫眼』が、
最後の話で繋がっていて ぞくぞく…
最後の話『死相学探偵』はシリーズ化されている。
読んでみたいと思った。 続きを読む投稿日:2014.06.07