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千里眼の教室
松岡圭祐 / 角川文庫
千里眼シリーズ初の学園もの
3
「千里眼」新シリーズ第5弾です。
高校生1000人が校舎に籠城し日本政府に独立宣言!って、常識で考えれば絶対にあり得ませんよね。でもその常識がはたして本当に常識なのかどうか、疑問に思わせるところが、…松岡圭祐氏の小説のすごいところでしょうか?
この小説が発行されたのは2007年。そういえば高校の世界史とかの未履修問題やいじめによる自殺問題が取り沙汰されていた記憶があります。いじめ問題は今現在も続いていますが・・・時事問題を扱うことに長けている松岡圭祐氏ですが、教育問題に関しては、個人的に嵯峨敏也に挑んでほしかったなぁ~
新シリーズでは、いたるところに ちょっとしたトリビアがちりばめられています。例えば『源氏物語』 名詞が使用されている頻度の平均値と標準偏差値から、『宇治十帖』の途中からは紫式部ではなく他人が書いたのではないか、という数学的な仮説が紹介されています。後発のQシリーズやαシリーズにつながっていく感じがして、それがこのシリーズの面白さの1つの要因になっていると思います。 続きを読む投稿日:2014.11.15
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魔界転生 下 山田風太郎ベストコレクション
山田風太郎 / 角川文庫
歴史上の大剣豪 夢の対決!
2
残り6人の転生衆との死闘を描いた下巻です。
十兵衛と転生衆の勝敗を分けるのは、運と奇計と人の情動。
根来忍法僧、女忍者、柳生十人衆も入り乱れ、
壮絶な追跡戦、消耗戦の果てに
一人、また一人と 命を散ら…していきます。
ラスト、〇〇との決戦はしびれました!
(角川さん、下巻の表紙の十兵衛、眼帯が反対ですよね?) 続きを読む投稿日:2014.07.26
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トンコ
雀野日名子 / 角川ホラー文庫
どぎつくないホラー小説
2
3作の短編が収録されています。
「トンコ」
人間ではなく、豚さんが主人公。豚さんの視点で物語が進みます。
当然、豚さんからすると人間が恐ろしい存在となります。
人間が、ではなく、豚さんが読む(読めれば…だけど)、豚さんにとってのホラー小説です。
「ゾンビ団地」
ちょっと怖かった。
ゾンビがんばれ!って ゾンビ応援していた。
「黙契」
切なく哀しいお話でした。 続きを読む投稿日:2014.02.09
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万能鑑定士Qの探偵譚
松岡圭祐 / 角川文庫
莉子と悠斗が新潟に来た―――!
2
凜田莉子の見事な復活劇!
今後の展開がとても楽しみです。
村上木彫堆朱(ついしゅ)が出てきてドキドキ
村上市は以前住んでいたところなので…
新潟県人としても うれしい一冊でした。投稿日:2014.02.09
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十三番目の人格 ISOLA
貴志祐介 / 角川ホラー文庫
前半は心理学、後半は超心理学
2
圧倒的な怖さのリアリティーがあった『黒い家』に対して、こちらは相手の意識を読み取る特殊な能力や幽体離脱などの超常現象を扱ったオカルトホラー?でした。
ISOLAを追究していく過程で恐怖が増していきまし…たが、もしかしてもうクライマックス?と思うほど、ページ数にもの足りなさを感じました。でも、自分は十分に楽しめたかな。 続きを読む投稿日:2014.03.15
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特等添乗員αの難事件 V
松岡圭祐, 清原紘 / 角川文庫
特等添乗員αのいじめ事件
2
絢奈のラテラルシンキングで空振りまくるヤクザさんが
何ともコミカルで面白かった。
職場での「いじめ」が描かれている。
いじめの本当の辛さは、
された者にしかわからないかもしれない。
子どもや学生の頃…に「いじめ」にあった人が、
この本を読めば、きっと勇気をもらえるだろう。
那沖との仲がまた一歩前進もよかったが、
それ以上に、絢奈の生き方そのもの、
ひるまない意志の根底に触れることができたことが、
1番心にぐっときたなあ~ 続きを読む投稿日:2014.03.30