竜の柩(1)聖邪の顔編
高橋克彦
祥伝社文庫
斬新なアプローチ
昔話や言い伝えとしか捉えていなかった古事記や日本書紀が、古代文化とピラミッドはたまた龍などと絡み合ってこの様なSFファンタジーとなったことに驚きました。 神話の神様の名前は読みずらく馴染みもなくチョット閉口しましたが、展開が早くグイグイ引き込まれました。どれだけの文献を基にされたのだろうと妙な感想を持ちました。と同時にPCで本当かな?とひも解き、疑いつつ読んだりと倍楽しめた気がします。 シリーズ化されてるみたいなので他のシリーズをさて置き、こちらにはまりそうです。面白い!
2投稿日: 2013.12.26黒い家
貴志祐介
KADOKAWA
あとあとまで残ります
ハラハラドキドキ、ゾクゾク、ゾワゾワ、気持ち悪いです。 タイトルは黒い家ですが、頭の中はallカラーの状態。 けれどやめられない、息を殺して読むという感じ。 読んだのは少し前ですが、今思い返しても残酷な場面だったなと思い出せるほど。
0投稿日: 2013.12.20雀蜂
貴志祐介
角川ホラー文庫
短編なのに騙された
「雀蜂」のタイトルを見てすぐさま「天使の囀り」が頭をよぎり、今度はどんなストーリーが展開されるのか…と期待に胸ふくらませて読みました。 場所は別荘、そこだけ。 建物と敷地に数名の登場人物、それだけ。 なのに、ストーリーの中にストーリー、更に…と蜂の巣に入った気分です。 テンポと展開のスムーズさに騙されながら、あっという間に読み終えました。 こうしたバイオロジー系を題材にした話好きです。 名うてのストーリーテラーだなあと思います。
2投稿日: 2013.12.18京都の謎・戦国編
高野澄
祥伝社黄金文庫
面白い!はまってしまう
このシリーズ2冊目ですが、とても面白い。興味深い。 日本史の奥深さを改めて感じさせてくれます。 とてもテンポの良い文章が好きです。 茶道の話では、先に読んだ「利休にたずねよ」の内容がストンと胸に落ちました。 繫がった!という感じです。 各章簡潔にまとめられているので、他の歴史小説をも面白くさせてくれると感じました。
1投稿日: 2013.12.15神様のカルテ
夏川草介
小学館文庫
やさしく、ほろり
医療現場や人の生き死にが絡む話なのに全く重くありませんでした。 やさしい情感のある文章だなあ、という印象をもちました。 設定は、まだ若い夫婦と想像しながら読んだのですが、ちょっとでき過ぎた夫婦像かなという感想も残りましたが、ほろりとさせられました。
1投稿日: 2013.12.12人民は弱し 官吏は強し
星新一
新潮社
負けない生き方
話は明治から大正。 星一さんの理想を追い求める生き方、バイタリティに煽られるように読みました。 当時は今とは比べる事の出来ないくらい激動の時代だったのだなと改めて思いました。 経済・政局に絡む政治家、官僚は当時よりも進歩しているのかどうなのか。 色々なことを考えさせてくれる、今の時勢にぴったりの本ではないでしょうか。 老いても、若ければなおさら生きることに前向きになれる気がします。 この本を出版されたことは凄いことだと思います。
1投稿日: 2013.12.11六号室
チェーホフ,中村白葉
グーテンベルク21
やっとトライしました
昔から一度チェーホフ読んでみたかったんです。 やっとトライしました。ですがやはり難解でした。 感覚としては伝わってくるのですが‥ 日本語訳が時代がかっていて更に立ち止まりながら読んだ、という感じです。 ヒッチコックを思い出しました。
0投稿日: 2013.12.02新・京都の謎
高野澄
PHP研究所
楽しい!京都に行きたくなる
雑学系かなと思いつつ読んでみると、とんでもない!とても詳しく簡潔に書かれています。それに馴染みやすい文章でウイットがあり楽しかったです。所々、古地図の挿絵などがあったら空想の世界が更にひろがったのにと、ちょっと残念。次京都に行くときは地図の見方も変わりそう。立札も真面目に読む気がします。行ってみたい京都!そう思わせる一冊です。
0投稿日: 2013.12.02プリズンホテル 1 夏
浅田次郎
集英社文庫
愛すべき登場人物
泣きました。 笑いました。 愛を感じました。 浅田作品の虜になって早や2年。なぜこんなにも心の襞に染み入る作品が書けるのか、敬服します。どの作品を読んでも、ため息混じりに…泣かせるなあと呟く自分がいます。
1投稿日: 2013.11.12シューマンの指
奥泉光
講談社文庫
しんどかった
ミステリアスなタイトルとクラシック音楽が題材ということで、興味を持って読み始めたのですが…。うんちくと文脈の流れを削ぐ程の横文字の多さに、何度挫折しそうになった事か。 回想録?と疑問を持ちながら、途中から常人の文章ではないかもという気持ちが湧いて、何とか最後まで辿り着いた感じです。 後半は意外性もありましたが、何しろ、前半がしんどかったので盛り上がりに欠けた感が否めません。古典音楽に造詣が深ければもっと楽しめたのかしらとも思いますが、残念でした。
0投稿日: 2013.11.10