あきばさんのレビュー
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なぜ人と組織は変われないのか ― ハーバード流 自己変革の理論と実践
ロバート・キーガン, リサ・ラスコウ・レイヒー, 池村千秋 / 英治出版
必要があるとわかっていても変われない理由。それは自分を守ろうとする無意識の自分。
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多くの方は変わらなければいけない、または変わりたい、と本気で思っていても、実際には変わることができるのは少数。必要だとわかっていても、85%の人が行動すら起こさない。
それはなぜなのか。
それを、事例…をあげながら丁寧に説明すると同時に、それを克服するためのステップを提示してくれる本です。
マネジメントなど、組織・人を動かす立場にいる方や、そういった立場を目指す方にとってはもちろん、変わりたいと本気で思っている方には、すごく参考になる、新しい発見のある本田と思います。
この本で書かれているのは、その原因は、「自己免疫機能」という自分を守ろうする意識が働くから。
変わるためのアクセルを踏む(変わりたいと本気で思っている)と同時に、ブレーキも同時に踏む(別の理由で変わりたくないとも思っている)という状況が、無意識下で起こっている状況。
この無意識下というのが非常にやっかいで、自分が持っている固定観念や、こだわり、プライドが、表面化しているため、なかなか気づくことができない。
これを免疫マップというワークを通じて、自分で自分を認識し、徐々にそこから解放されていく過程を紹介。そして、これは組織においても同じです。
個人的には、これに本当に納得で、読みながら、自分の触れられたくない部分を、ぐりぐりいじられているような、辛い気持ちになりました。なかなか本を読んでこのような気持ちになる経験は少なく、それだけ真正面から人のずるさや、本能に向き合った本なのではないかと思っています。
もう少し早くこの本に出会いたかったと本気で思える本です。
実践までは、少し時間がかかりそうですが・・・。 続きを読む投稿日:2017.03.21
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生産性
伊賀泰代 / ダイヤモンド社
外資系にいた著者から見た、日本の企業の弱さ
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もちろん、日本の企業には、強いところは良いところはたくさんあるのですが、外資系にいた著者から見ると、この「生産性」の観点においては、
日本の企業の多くは弱く見える様です。
本書で指摘されている内容は…、納得できる内容が多く、いわゆる日本の企業で働く私には、耳が痛い内容も多かったです。
生産性は、インプットを減らすことに目が行きがちだが、アウトプットを上げることをしていかないとそもそも限界がある。
著者がこれまで携わってこられた採用領域を例に上げ、
生産性が上がらない障壁となっていることの一つとして、「経営者の見栄」を挙げているのは、興味深かったです。
そして、生産性を上げる方法を、インプットとアウトプットにおいて、それぞれ改善と革新という観点で整理をするやり方は、今後生産性を見るうえで、フレームとして使いやすい概念だと思います。ここで得られた知識をもとに、ちょっと実践をしてみようと思える本でした。そして、何%改善という積み重ねも大切ですが、〇倍にしよう、というレベルのものでないと、なかなか革新は生まれないですし、そういうことに挑戦をし続けること、考え続けることに、価値があるのかなと思った本でした。
生産性に関して、掘り下げられてはいますが、著者の専門である「人材」領域の話が多く、組織論や育成に興味のある方なら、より刺激を受けられる本だと思います。 続きを読む投稿日:2017.03.23
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部下を持ったら必ず読む 「任せ方」の教科書 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない
出口治明 / 角川書店単行本
仕事を任せるとは、どういうことか、どんな心構えが必要か。
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仕事を部下に任せるときの心構えはどう持てばいいのか。
そんなことにお悩みの方には、すごく学びの多い本ではないかと思います。
出口さんご自身が、人間はみんな一緒である、能力に大差はない、というスタンス…のもと、どうすれば組織が円滑にまわり、チームとしてのシナジーを生み出しながら、成果を最大化するのか、それをすごくわかりやすい言葉で、丁寧に説明してくれています。
テクニック論というよりは、スタンスをもとに、こんな風に進めていくのかいいと思いますよ、というやさしい問いかけになっています。
出口さんご自身が
仕事を任せる時には、どれくらいのことを期待して任せているのか。
どんなことをに注意してコミュニケーションしているのか。
動かす時のコツ。
など、詳細は本書で見てみてください。
このやさしい語り口と、ビジネスパーソンとして成果に厳しいスタンス、そして圧倒的な教養に支えられた知識、出口さんの本はいつも新しい発見をくれます。 続きを読む投稿日:2017.01.22
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あなた
赤川次郎 / 角川文庫
ちょっと不思議なお話でした。
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なんとなく読んでみた本なのですが、サクサク読めました。
物語にすごく引き込まれてしまう力がありました。ちょっとホラーな印象もあり、世にも奇妙な物語というか、人の想いの強さや、運命の不思議さを感じる本で…した。
内容は、ある男性が田舎の町で、女性を裏切り、上京。数十年後に田舎に戻ったところ・・・。続きは是非読んでください。
続きを読む投稿日:2016.01.07
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週末起業
藤井孝一 / ちくま新書
起業を考えている方に、寄り添って教えてくれる本です。
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書籍発行日が少し前のものなので、時勢のところは今と異なっていて合わないところもありますが、基本的な姿勢や、著者が伝えたいメッセージは、熱く、感化される部分もありました。
先が見えない中だからこそ、会…社に頼らず、自分で生きていける力を身に付けるべき。
そして、最初からリスクを負わずにできる方法があるなら、
それを試すべき。
自分がやりたいことを見つけるために、
事業の種の見つけ方や、事業を見つめなおす方法。
そして具体的な起業の雑務や知識を紹介してくれています。
起業を考えている方は一度読んでみる価値はあると思います!
ただ、最初に書いたように、少し前のものであることを踏まえて
判断する必要がありますが。。。 続きを読む投稿日:2015.10.17
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ゼロからわかる アインシュタインの発見
山田克哉 / 講談社現代新書
時間・速さは相対的なもの。普段は使わない脳の筋肉を使う本でした。
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ど文系人間の私にとっては、少し難しい部分もありましたが、筆者の方がすごく分かりやすくまとめてくれているので、理論の導入部分は何とか理解できました。
アインシュタインがどれくらいすごいことをやったのか…までは、正直ピンと来ていませんが、
時間・空間のとらえ方や、宇宙のとらえ方など、普段は使わない脳の筋肉を使っている様な感覚です。
アインシュタインがすごいというのはよく聞くけど、結局何をした人?
さすがに専門書は読めないけど、概要くらいは知りたい。
といった人には、読みやすい本で、おすすめです。 続きを読む投稿日:2016.09.03