N.Yokoyamaさんのレビュー
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ここまでわかった! 日本書紀と古代天皇の謎
『歴史読本』編集部 / 新人物文庫
日本書紀をじっくり読みたくなる
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非常に興味深かった。
古事記や日本書紀の神話の部分は、確かに神話ということで作り話だと軽んじてしまうことがあるかもしれない。しかし、その神話を読み解くことで、当時の政治思想や風俗などが浮かび上がって…くることがわかった。
古代の日本の天皇については、興味を持っていたし、古事記と日本書紀で記述の異なるものがあり、その理由も知りたかった。なんとなくわかった部分もあり、もう少し関連する文献を読んでみたいと思う。
意外と通説だと思われている話も、実はよく読んでみるとそうではないのでは...と思う様な内容もあり、面白かった。
もう少し、じっくりと日本書紀を読んでみたくなった。 続きを読む投稿日:2020.11.29
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私たちは生きているのか? Are We Under the Biofeedback?
森博嗣 / 講談社タイガ
サイバー空間というのが面白い。
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森博嗣Wシリーズ第5作
今回は、特に激しいドンパチはなかったが、3人ともテルグに集まったときは、ちょっとやばいのではないかとドキドキした。毎度のことながら、最初からだれかが死ぬ(あ、助かったのだ…ったか)様な物騒なことが起きるわけだが、電脳空間ともいうべき特殊な場でのやりとりが多く、激しい戦闘シーンはないものの、物語は面白かった。
デボラとハギリ博士の友情の様な絆の様な奇妙な関係は、今後も面白い展開を見せてくれるだろうと期待できる。ウグイとアネバネのテルグでの、いつもと違った描写はなかなか興味深い。 続きを読む投稿日:2020.11.29
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偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか
マリオリヴィオ, 千葉敏生 / 早川書房
天才の失敗は偉大だ。
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非常に興味深い内容だった。
どんな天才でも、必ず失敗はあるということがわかったが、天才は「転んでもタダでは起きない」を地で行くのかもしれないと感じた。本書で紹介される有名な科学者の失敗は、単なる…間違いに留まらず、周りに強い影響を与えるものだと紹介されている。
本書で紹介される科学者はいずれも馴染みがある名前だが、ダーウィン、ポーリングは分野にあまり詳しくないので、読んでいて新鮮だった。また、ケルヴィン卿といえば、物理学者だと思っていたが、地質学者でもあったのだなと知らないことがわかって良かった。
ホイルとアインシュタインの話は、割とその方面の書籍などを読んでいたので、復習の感じで読んでいたが、本書が「進化」をキーワードとして3つのテーマでまとめられていて、前とのつながりを意識しながら読むと、また違った面がみられた様な気がする。
天才たちの失敗は、「偉大なる」失敗なのだと実感した。 続きを読む投稿日:2020.10.07
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「無限」に魅入られた天才数学者たち
アミール D アクゼル, 青木 薫 / ハヤカワ文庫NF
集合論を勉強したい。
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非常に面白かった。
無限については、僕も学生時代に可算無限と連続体に興味を持っていたこともあり、久しぶりに知的好奇心をそそられ、読むのに夢中になった。連続体仮説も興味があったが、結局学生時代を終…えると、興味もいつの間にかなくなり考えることもなくなった。
この本を読んでみて、そういえば連続体仮説というのはどう決着がついたのか、という疑問を思い出したが、結局現状の数学体系では真偽をはっきりさせることはできないということがわかった。カントールは答えのない問題に苦しんでいたというところで、なんともいえない気持ちになった。
クロネッカーとカントールの確執の様なものは、昔からどんな分野でもあったが、やはり今後はこういう権威による排斥などはなくなってほしいものだ。
カントールとゲーデルの例から、「無限」にのめり込んで行く学者はどうも精神を病んでしまうらしいが、あまりにも頭が良過ぎて考え過ぎてしまうのか、「無限」という存在がそうさせる魔力を持っているのか、興味深く感じた。
また、集合論について最初から勉強したいと思った。 続きを読む投稿日:2020.10.07
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神は数学者か?──数学の不可思議な歴史
マリオ リヴィオ, 千葉 敏生 / ハヤカワ文庫NF
世界は数学でできている?
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この世界の出来事は、数学を用いて非常にうまく記述できる。これは単なる偶然なのか、数学の力というのが伝わってきて、非常に興味深かった。
自分も学生時代は、物理学を勉強していた身であり、物理現象を記述す…るにあたって、数学が非常に強力なツールであったことを感じていた。まさに、数学は自然を記述する言語であった。しかし、どうしてそうなのかは考えたこともあったが、特に追求することもなかった。
本書を読んで、そんな学生時代の疑問が思い出された。この宇宙を記述する言語として、数学がこれほど強力なのは神が数学者だからかというような思いも湧いてくる。しかも自然科学だけでなく、人間社会の現象も数学で記述されるのは非常に興味深い。
古代の幾何学から始まって最新の数学まで、自然や社会との関わりをたくさんの例をあげて解説されている。普段疑問に思っていても、深く考えたことのない内容なので、また何度も読み返して考えたいと思った。 続きを読む投稿日:2020.10.07
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ウォール街の物理学者
ジェイムズ・オーウェン・ウェザーオール, 高橋璃子 / 単行本
物理学の手法も経済に利用できるのか
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面白かった。
金融関係のことは良くわからないが、物理学で研究されている手法を経済に利用するというのが興味深かった。
そういえば、大学の素粒子論の研究室の先輩が、学位を取ってから金融関係の会社に就職…した話を聞いたが、数学や理論物理の人が金融関係に進むのも、結構前からあったのだろう。本書は19世紀のパリから話が始まるが、物語的に語られていて読みやすかったと思う。ちょっと金融関係の数学にも興味が湧いた。ただ、ゲージ理論などの説明はあれでわかるのかなという疑問は残った。
著名な物理学者の名前も出てきて、改めて物理や数学と金融の関係に興味を持った。 続きを読む投稿日:2020.10.07