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N.Yokoyamaさんのレビュー
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  • 銀河不動産の超越 Transcendence of Ginga Estate Agency

    銀河不動産の超越 Transcendence of Ginga Estate Agency

    森博嗣

    講談社文庫

    面白かった。

    なんというか、ほのぼのとして心温まる作品だった。 こういう作品、好きだなあ。 カテゴリーをミステリー小説にしているが、実際はなんといったら良いのかわからないので、ミステリー小説家の著者が書いたものとして、ミステリーにした。 でも、高橋君が銀河不動産に勤めてからの生活は、僕には非常にミステリーに感じられた。 森作品ではあまりジャンルのない作品だと思ったが、とにかく面白かった。

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    投稿日: 2021.06.06
  • 酒の日本文化 知っておきたいお酒の話

    酒の日本文化 知っておきたいお酒の話

    神崎宣武

    角川ソフィア文庫

    酒は神様の食べ物

    非常に面白かった。 酒は神様の食物であるということは、以前から聞いていたことだが、我々日本人の生活と深い関係を持ちながらも、昔は今ほど頻繁に飲むことができたわけではないことが興味深かった。本来は「ハレ」の日の食物であり、ある意味、現代人の我々は、かつてない贅沢をしているのではないだろうかと感じた。 本書は、酒と神の関係から始まり、製造方法や流通、酒宴の意味や社会との関係など、多岐にわたって酒に関する情報が散りばめられている。情報量が豊富で、少し消化不良気味だが、何度も読み返してみたいと思った。 こうした知識を仕入れて酒を飲むと、また違った気分で酒が飲める気がする。

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    投稿日: 2021.06.06
  • 社をもたない神々

    社をもたない神々

    神崎宣武

    角川選書

    日本の神々は自然信仰

    もともと、日本の神々は自然信仰であり、岩や樹木に何者かが宿るそのエネルギーに神秘性を感じて祀られる様になったのだとわかった。 本書は、いくつかのケーススタディを提示しながら、日本のカミ信仰についてわかりやすく述べられている。改めて、こうした昔からの行事などを見直して、日常生活との関わりを感じることができた。 この様な自然崇拝というか、自然に対する畏敬の念を持つ文化というものに興味を持ってきたが、本書を読んでますますこの様な文化が好きになったと思う。

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    投稿日: 2021.06.06
  • 工学部・水柿助教授の解脱 The Nirvana of Dr.Mizukaki

    工学部・水柿助教授の解脱 The Nirvana of Dr.Mizukaki

    森博嗣

    幻冬舎文庫

    理想的な生活

    森博嗣水柿助教授シリーズ第3作 水柿家にシェルティのパスカルがやってきた。最終作の本書は、結構パスカルのことが中心に描かれていた様な気がする。まあ、著者の日常の話を小説にしたということで、脈絡のない話だが、なんだか面白いというのが全体を通しての感想だった。よくわからないが、とにかく面白かった。 ただ、「お金があればないより良い」ということ、「お金がないと出来ないこともお金があればできる」ということは、非常に印象的だった。考えてみれば、自分は仕事をしているのは確かに生活のためで、食べていくに困らないお金があれば、仕事などしなくてもいいのにとは常々思っていることだ。また、どれだけ収入があっても、もっとお金が要ると思っている人は実はお金持ちではない、というのも魅かれる言葉だった。 著者の様な生活は理想的なのだろうな。

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    投稿日: 2021.06.06
  • 工学部・水柿助教授の日常 The Ordinary of Dr.Mizukaki

    工学部・水柿助教授の日常 The Ordinary of Dr.Mizukaki

    森博嗣

    幻冬舎文庫

    学生時代を思い出した。

    水柿助教授シリーズ第1作 これをミステリーと言って良いのかわからないが、とりあえずミステリーっぽいのが出てくるので、ミステリー小説とした。 助教授という役職は現在では存在しないが、これは著者が助教授だった頃の日常生活を創作仕立てで描いたものだろう。大学の研究室の雰囲気とか、学会での出来事など、学生時代を思い出して、懐かしくもあり、アカデミックな世界に進みたかったなと思いながら読んでいた。 特別に何ということもないが、とにかく面白かった。この頃から一応ミステリーは考えてたのか。

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    投稿日: 2021.06.06
  • 工学部・水柿助教授の逡巡 The Hesitation of Dr.Mizukaki

    工学部・水柿助教授の逡巡 The Hesitation of Dr.Mizukaki

    森博嗣

    幻冬舎文庫

    ミステリー仕立て(?)

    森博嗣水柿助教授シリーズ第2作 著者が、どの様にして小説家になっていったのか、ミステリー仕立て(?)の小説と銘打って書かれたもの。第1作に続いて色々なダジャレなどが散りばめられていて面白かった。この辺のなんだかよくわからない自由な文章表現は、作品にも反映されていることが良くわかった。 奥様とのやりとりなど、なぜだかわからないが、読んでいてとても面白かった。 次の作品にも期待したい。

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    投稿日: 2021.06.06
  • 血か、死か、無か? Is It Blood, Death or Null?

    血か、死か、無か? Is It Blood, Death or Null?

    森博嗣

    講談社タイガ

    百年シリーズを読み返したい。

    森博嗣Wシリーズ第8作 このシリーズも大詰めなのか、さらに面白くなってきた。 インドの次はエジプトか。ハギリ先生も色々連れ出されて大変な様だ。ヴォッシュ博士とペイシェンスが再登場し、楽しませてくれた。個人的に何と無くこのペイシェンスというウォーカロンのファンで、ヴォッシュ博士とのコンビで登場するのが楽しみになっている。しかもデボラに当たる様なトランスファがヴォッシュ博士にもいるとは(当然かな...)。 今回はついに、イル・サン・ジャックとの関係がかいま見える様な内容だった。当時の登場人物の関係も述べられ、また百年シリーズを読み返したくなった。とすると、やはりナクチュはルナティックシティなんだろうか。 登場する人口知能もだんだん増えてきて、人工知能同士の絡みもまた面白くなりそうだ。自作も楽しみである。

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    投稿日: 2020.12.27
  • ペガサスの解は虚栄か? Did Pegasus Answer the Vanity?

    ペガサスの解は虚栄か? Did Pegasus Answer the Vanity?

    森博嗣

    講談社タイガ

    ツェリン博士が,,,

    森博嗣Wシリーズ第7作 今回も非常に面白かった。北極の次はインドに出張なのかと思ったが、行く先行く先でこれほどトラブルに見舞われるハギリ先生という人物は実に興味深い。 まあ、先生のせいではないのだろうが、どうも余計なことに首を突っ込んでいく展開になってしまう様だ。 今回も少しミステリー仕立ての作風が、過去の森博嗣作品を振り返らせ、また以前のシリーズを読んでみたい気持ちにさせる。 ところで、ウグイの後任が彼女だとは、今後の展開が楽しみである。 ツェリン博士のことは少し衝撃的だった。何と無くそういう雰囲気を感じさせない人だと思ったのだが、せっかくナクチュから再登場してきたのに、ちょっと残念な気もする。 ところで、ウグイはしっかり登場していたので、今後もこんな感じで活躍して欲しいと思っている。 今回はまたペガサスという新しい人工知能が登場したが、これから毎回増えて行くのかな。

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    投稿日: 2020.12.27
  • 青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light?

    青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light?

    森博嗣

    講談社タイガ

    オーロラの魅力

    森博嗣Wシリーズ第6作 Wシリーズは未来の話なので、どちらかというとSFだと思っていたのだが、今回はなかなかミステリーっぽい部分もあって面白かった。ただ、やはり普通のミステリーとは違って人工知能の興味に関連するところが興味深かった。 今回は、マガタ博士登場。この方が出てくるだけでも、読む価値があったななどと最近は思ってしまう。ここまで時間も超えてしまうと、森作品の世界はどこまで拡大し続けるのだろうと思ってしまった。 オーロラのサブシステムがとった人間の姿が興味深い。ハギリ先生はやはり只者ではないのでは...。 しかし、ウグイの出番はこれから少なくなるのかな。

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    投稿日: 2020.12.27
  • 天空の矢はどこへ? Where is the Sky Arrow?

    天空の矢はどこへ? Where is the Sky Arrow?

    森博嗣

    講談社タイガ

    カンナはどうなるのか。

    森博嗣Wシリーズ第9作 今回も面白かったが、キガタにどうも思い入れをしてしまう。結構重要な役割で活躍したのだが、何と無くウォーカロンという立場からなのか、スキルに比べて危険度の高い役割になっている様にも感じられた。確かにウグイよりは適任かもしれんが...。ドキドキしながら読み進めるところだ。 前回から登場しているモロビシだが、あまり目立つ存在でもないかなと感じていたところ、読み返してみると案外活躍している。描写が地味なのか、ウグイやアネバネなどの様な強い印象を受けない。まあ、局員はあまり目立たない方がいいのだろうか。ハギリ先生とのコミュニケーションが、まだ少ないからかな。 今回もミステリー要素が盛り込まれた作品だった様に思う。ドンパチが始まるのかと感じたが、全く静かなもので、人工知能の奇想天外な振る舞いでタネを明かされた感じだった。 情報局の秘密のキョートの博物館での出来事は百年シリーズに繋がる興味深い内容だった。 今後、カンナはどうなるのか、登場するのか。

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    投稿日: 2020.12.27