ことくさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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フラジャイル(8)
恵三朗, 草水敏 / アフタヌーン
岸先生、もちっと優しくして。
8
いや、泣きはしませんが、良いお話でした。前巻から引き続き指揮者の父娘のストーリー、読ませますね。父親っ子にはグッときます。
音楽っていいなぁ…。その曲を思い出すだけで、キラキラした時間に戻れますものね…。
世の中のパパさんたちは、娘さんにこれぞという曲を贈ると素敵だと思います。
岸先生、悪人面ですが善き人ですね。上司だと恐いけど。病理の世界でも患者と強く繋がっていると感じたストーリーでした。
ちなみに私が父から貰った曲はザ・プラターズのアルバムでした。当時はLPレコードでしたが、CDで買い直しました。煙が目に染みます。 続きを読む投稿日:2017.03.25
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7年目のツレがうつになりまして。
細川貂々 / 幻冬舎単行本
幸せになって良かったな~
8
このシリーズは、これまで紙で読んでいました。読んでいた場所は心療内科の待合室。私も、仕事のストレスからうつ病と診断されていました。
それまで、「うつなんて自分には全く無縁だよね~」と思っており、仕事…は忙しくこなしながらも、そんな日常に満足していました。そのうちリストラや業務改革などで仕事量はひとりで処理できる量を上回り、何があってもどこでも眠れる自分が不眠になり、これまで出来ていたことがどんどん出来なくなっていきました。
ツレうつは、全くその時の自分と同じで、何回も何回も読みました。全部同じじゃないけれど、共感できるところはたくさんあり、少し気が楽になりました。
今では大好きな読書も出来て、レビューも書けるようになり、音楽も少しずつ聴けるようになりました。
(バラエティーなどのうるさいTVはまだ苦手です)
うつのおかげで無くしたものもたくさんありますが、その代わり得たものもたくさんあります。
プラマイでいくとマイナスかもですが、それでもいいのだ、と思います。
本作のツレさんは既に寛解されており、作者であり妻の貂々さんは、明るくユーモラスに当時のこと、現在のことを描いておられます。うつってどんなかな?という興味がある方は気軽にお手に取って頂きたいと思います。 続きを読む投稿日:2016.09.22
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賭ケグルイ 6巻
河本ほむら, 尚村透 / 月刊ガンガンJOKER
待ってました‼
7
首伸びちゃいましたよ。待ちわびすぎて。
このコミックの醍醐味はなんと言ってもオリジナルのギャンブル。
私自身はギャンブルには無縁の生活を送っていますが、ギャンブル漫画は大好きです。
今回の夢子のギ…ャンブル相手は、想定外でした。
「え~。。。コイツかよ~。。。」と多少ガッカリしたものの、いつの間にか引き込まれ、気付けば最終ページでした。
いや~、読ませますね。それで、頭も使います。なに?これ書いた人天才じゃね?
それに、次巻の予告のワクワクすること。ヤバそうな新しいキャラがいっぱい♪
これって、このコミックがまだまだ続くってことですよね~。嬉しすぎる。
そして、なんとアニメ化らしいですよ!こちらも嬉しいお知らせですね。やっぱり面白いマンガだということの証明になりますよね。
このコミックはまだまだ6巻。大人買いするなら今ですよ!
さて、私はこれからスピンオフに取り掛かります。至福~。 続きを読む投稿日:2017.02.22
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お前たちの中に鬼がいる
梅原涼 / 主婦の友社
なかなか魅せます!ドキドキミステリー
7
ややっ。大変な新人さんの本を読んでしまいました。
梅原涼さんは、最初Kindleでこの作品をセルフパブリッシングされて、その後Amazonで電子書籍化され、主婦の友社から紙媒体での書籍化と、まさに男版…シンデレラストーリーを実現された方なのですね。
あらすじは書籍説明にありますので省略しますが、謎が謎を呼ぶ設定で問答無用で物語の中に引き込まれました。
登場人物は少ないのですが、本編は主人公の彰以外女性で、「えーと、この人は誰だっけ…。」と頁を行きつ戻りつしながら読んだので少々時間がかかってしまいました。私のスマホで1448頁とかなりの長編でしたが、ボリュームを殆ど感じさせず、頭をフル回転させて読める大変面白いミステリーでした。
付録として掲載されている短編集は、本編に絡んでいるので、これを読んでやっと完結。読了感爽やか~という気持ちになりました。
この作者の方、本業は別におありになるようなので、執筆活動はなかなか大変かと思いますが、次回作が出たら是非とも読みたいですね。 続きを読む投稿日:2016.07.20
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追憶の夜想曲
中山七里 / 講談社文庫
またしてもどんでん返し…。すご過ぎる。
7
法外な報酬を要求する悪徳だけど辣腕弁護士の御子柴。その御子柴が何故か、既に夫殺しで16年の実刑を言い渡されている主婦の弁護を引き受けます。
普段の御子柴ならぬ振る舞いに首を捻りながら読んでいくと、最…後の最後にまたもやどんでん返しが待ち受けていました。
でも、誰も救われない結果に何て言うか複雑でしたね…。
しかし、最初は何も出てきそうにない所から、御子柴は地道に根気よく証拠を集め、ある結論を導きだします。事故犠牲を伴っても、弁護の手を緩めない悪名高き弁護士御子柴。格好良すぎます。
最新刊、読まないわけにはいかなくなっちゃいました。まんまとハマってしまったなぁ。
中山七里氏は、寝食を忘れてるほど、面白い本を書きたいと仰っているそうですが、書けてます。一気読みせずにはいられないですもの。
文句なしの★5です。 続きを読む投稿日:2016.09.14
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絹の変容
篠田節子 / 集英社文庫
二代目ボンボン社長の大失敗譚
7
イヤ…。怖かったです…。マジで。
虫嫌いで怖がりたい方、オススメです。
私のスマホで328ページ、ボリュームとしては多くないのですが、中身が濃いです。
包帯屋の二代目社長、長谷康貴が、祖母の遺品の中…から美しく小さな絹織物を見つけてしまったことが悲劇の始まりでした。ただの包帯屋で終わりたくないという康貴の小さな野心が、まさかの大惨事を引き起こしてしまいます。
普通の養蚕からは生まれない、特別な野蚕からしか採れないまばゆく輝く絹糸を大量生産すべく、バイオ・テクノロジー技術者の芳乃に夢を託した康貴でしたが、新たに生まれた蚕はとんでもない厄災をこの世にもたらしてしまいます。
小学生の頃、教室で蚕を飼っていましたが、私は怖くて近づけませんでした。繭は触れたのですが、幼虫と成虫はもう勘弁でした。私のようなヘタレな方は恐怖で震え上がると思います。
そしてなんとも言えない、恐らくバッドエンディングなのでしょう。未来に課題を残す形で終わります。
二代目ボンボンは、真面目に家業を継ぐべし。決して生態系を崩すようなことはしてはいけないのです。
彼のもたらした大惨事、興味を持たれた方は是非見届けてください。死んで詫びても足りません。 続きを読む投稿日:2016.09.25