
どこの家にも怖いものはいる
三津田信三
中公文庫
めっちゃ怖いです…。
わたしのスマホで、777ページなのですが、一気読み必至です。ラッキーなページ数とは真逆の怖さで、読み終わった今も鳥肌が立っている状態です。 わたしは怖いもの好きではありますが、怖いものに来てもらいたくないので、どうかこの本に出てくる忌まわしい現象が起きないようにと祈るばかりです。 途中で作者がここから先は読み手の判断に任せる的な事が書いてあったのも、いや本当に怖さ倍増です…。 読んで良かったのかしら…。これ。 読まれる方は、ちょっと覚悟が必要かもしれません。もし少しでも自分がそういうモノに敏感な質だという方がいらしたら、避けた方が吉です。 怖いよう…。
0投稿日: 2017.10.15
テミスの剣
中山七里
文春文庫
登場人物それぞれの視点で考える
読みごたえがありました。 ずっしりと重く響いてくるボディブローのように。 最後は、書評のとおりどんでん返しでした。 わたし、まったく予想もしない人が犯人でしたもの…。中山七里さんの作品は良い意味で裏切ってくれるのです。それも毎回。 今回も、「また、ひっかかってしまった…。」という敗北感と、「良い話を書くなあ。」という驚嘆とともに、また新たな中山七里作品に手を出さずにいられないおかわりループに突入です^^ 切ないストーリーですが、読んで損はなしです。 おすすめです^^
0投稿日: 2017.10.15
島はぼくらと
辻村深月
講談社文庫
ささくれた心が癒える本
辻村さんの作品は楽しみすぎてぐずぐずと読むことができないわたしのなかでは特別な本です。 いつも「あ!」と驚く再会があるのですが、本作品も期待を裏切らず会えました。 ヒント:スロウハイツの住人です 冴島という150年に一度の周期で噴火する火山島の暮らし。きれい事ではない日常や老若男女それぞれの人生がぎゅっと詰まった作品でした。 どの世代の人が読んでも、共感できる部分があるのではないでしょうか。 今日これを読めて良かったです。仕事でささくれた心が一気に癒されました。 辻村作品、最高!
0投稿日: 2017.10.14
1リットルの涙 難病と闘い続ける少女亜也の日記
木藤亜也
幻冬舎
病と向き合うこと
人間の死亡率は100%。誰しも病には敵わない。そんなことはわかっていても生まれつき、後天的に身体が不自由になることの本当の意味を人は自分が当事者にならなければ知ることはできない。 自分で歩けること、話せること、歌えること、本を読めること、音楽を聴けること、当たり前でいて当たり前でない奇跡を私たちは普段忘れている。 限りある人生を無為に過ごすことの罪深さについて、考えてしまいました。 今日の自分より明日の自分が良くなるようになりたいと強く思いました。
0投稿日: 2017.07.09
君の膵臓をたべたい
住野よる
双葉文庫
オカルトじゃなかった^^
何の情報もなく、タイトルだけで選びました。 「あ、オカルトじゃないのか」が最初の感想。そしてどうやら泣かされるっぽい出だしに、泣くもんかの構えで挑みましたが、駄目でした。 いや~、鉄壁の涙腺を自負しているんですが、繰り出される攻撃に手も足も出ませんでした。 あと語り手の名前が最後の方まで出ない書き方は面白かったです。どんな名前だろうと想像するのが楽しかったです。 あと、色んな所で、「ほう…。」と感心してしまいました。時間をおいてもう一度読んでみたいです。 ★5で!
0投稿日: 2017.05.31
暗黒祭
今邑彩
角川ホラー文庫
4部作シリーズ 遂に完結!
どうなることかと思ってハラハラしましたが、おさまる所におさまってほっとしてます。 そして、後半の疾走感たるや。これでもか、というくらい神々しいまでの時空を超えたストーリーに、震えました。ここまで来るのに中弛みがあったり、自分をえいやっと鼓舞したり、宥めすかしながら辿り着いた甲斐がありました。 特に聖二、美奈代の最後のシーンは、圧巻でした。 聖二が幾代もかけて来た路を、一瞬で駆け巡るシーンの美しさは鳥肌ものです。 目の前にその光景がまざまざと浮かび、すごい作家さんだなと。惜しい人を亡くしたなとあらためて思いました。文句なしの★5です!
0投稿日: 2017.05.28
双頭の蛇
今邑彩
角川ホラー文庫
4部作シリーズ 第3弾!
いよいよ盛り上がって来ました! でも、前作のレビューでも触れたのですが、ヤマトタケルノミコト等に関する日本の神話などに辟易してまして、本作でも出てきたのでまるっと読み飛ばしました。 もういいっちゅーねん! ただ、それを差し引いても物語はどんどん盛り上がっていきます。 うわー、どうなるのかな^^ 期待外れにならないことを祈ります!では、次巻に入ります♪
0投稿日: 2017.05.13
「子供を殺してください」という親たち(新潮文庫)
押川剛
新潮文庫
衝撃的なタイトルそのままの…。
2時間ほどで読み終えました。 実は、私の知人に同じような経験をいま、まさにされている方がおり、その話を聞いては暗澹たる気持ちになっていたから、この本を読んでみようと思いました。 知人(男性)の子供は、多分高校中退か卒業した男の子です。 彼は、多くを語りません。「精神科に入院させた」、「腫れ物に触るように接している」、「しばらく距離を置くため一人暮しをさせた」などぽつぽつとこちらが水を向けた時に話すのみです。「あなたは?奥さんは暴力振るわれてない?」といった問いかけには無言でした。無言の肯定だと思います。 男の子が小学生から青年になる過程を私は知りません。まさか、そんな深刻な事態になっているなんて、思いもよりませんでした。でもこの本を読んで、私が考えている以上に、彼(私の知人)を取り巻く状況は厳しいのだと痛感しました。 でも知人にはこの本を読んで、なんて気軽に薦めることはできません。この本から幾つか得たヒントを忘れないようにして、知人夫婦の声にならない声を聞き逃さないようにしたいです。
8投稿日: 2017.05.06
神様が殺してくれる
森博嗣
幻冬舎文庫
このオチは…ダメ
なんともスケールの大きな話でありました。フランス、イタリア、ドイツ、台湾そして日本。 ひとりの美しい男を巡って、警察が、マフィアが振り回されます。 でも、このオチはいけません。私が許せない禁じ手のひとつなんですよ。 うわわ、どういうこと??と盛り上がった気持ちを一撃で吹き飛ばす感じとでも言いますか。 どんなに素晴らしく見えるトリックも、これ使われちゃうとね…。元も子もないんですよ。 てか、最後の最後まで語り手のバックグラウンドをどこの警察も知らなかった?そして当の本人さえその「可能性」に思い至らなかった? ウッカリ集団か! 私にとってはタイトル落ちでした。
7投稿日: 2017.05.06
翼ある蛇
今邑彩
角川ホラー文庫
前作より良いものの…。
後半の疾走感、半端なく良かったです。逆に早すぎて、「え?え?えー??」となりました。 ただ、いかんせん…。前半の女神信仰のくだり…。一応体裁は沢地逸子という英文学翻訳家の論文的なものになるのでしょうが、長い!長すぎ! 世界中の蛇信仰から竹取物語まで、まー長い。天照大御神もギリシャ神話もお腹いっぱいです。マジ泣きそうになりました。 でもこれを差し引いても続きが気になる。これ、まだあと2巻あるのです。 どうか、もう神話の話はありませんように。次出てきたら白目になります。
8投稿日: 2017.05.05
