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パドラッパさんのレビュー
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  • つぼやきのテリーヌ The cream of the notes 2

    つぼやきのテリーヌ The cream of the notes 2

    森博嗣

    講談社文庫

    100の抜き身のコトバ集

    「電子書籍の対語としての印刷書籍」という話をtwitterで知って読んだ、文庫書き下ろしのエッセイ集(の電子版)。相変わらず一語一語がシャープ。電子書籍からの収入は微々たるものと言う話をあちこちで聞いていたが、森先生は年々1ケタ伸びで、既に1/3に達したそうだ。 これからの本は、印刷する必要は無いのだからスペシャルなのが増えるというお話に、願望も込めて同意。はたしてReaderStoreはそれに対応できるだろうか。どうもこちらは印刷書籍のロジのアナロジーから抜けきれず、KDPの独壇場になっていくように見えて仕方ない。革新に期待したい。

    4
    投稿日: 2014.01.17
  • 虚空の逆マトリクス INVERSE OF VOID MATRIX

    虚空の逆マトリクス INVERSE OF VOID MATRIX

    森博嗣

    講談社文庫

    ミステリィの幕の内弁当

    森先生の短編集ははじめて読んだのだけれど、実験的な作品、着地点を見失ったようなの、単純におもしろおかしいの、有名人(S&M)の1エピソードなど、振り幅の広さが楽しかった。旬のトピックを取り入れることがあるのも発見でした。

    2
    投稿日: 2014.01.17
  • なぜ少数派に政治が動かされるのか? 多数決民主主義の幻想

    なぜ少数派に政治が動かされるのか? 多数決民主主義の幻想

    平智之

    ディスカヴァー・トゥエンティワン

    いろいろ問題があったことを認めつつ、ワンランクアップへ向かう姿勢に好感

    民主党への政権交代と崩壊および東電原発事故があったからこそ分かってきた政策決定プロセスの現状と課題を、自己批判も踏まえつつ整理し直した内容。特に議員立法が骨抜きになる様子がよく分かった。5年前の期待を再構築する姿勢に期待したい。 それにしても、新書にやたら多い「なぜ〜のか?」という安易なタイトル付けをしてしまったことが残念。私としては、このタイトルを見ただけでマイナス2ポイントぐらいなんだけど、世の中そうでもないのかなぁ

    1
    投稿日: 2014.01.05
  • バブルの死角 日本人が損するカラクリ

    バブルの死角 日本人が損するカラクリ

    岩本沙弓

    集英社新書

    一国経済と国際金融の両視点を合わせ持って

    リアルなマネー経済の現場感覚と歴史的な考証とが結び付いた説得力と面白さを堪能した。付加価値税はそもそも戦後欧州で輸出産業への還付目的でできたこと、アベノミクスなどと話を混ぜず整理する手法など、補助線の引き方の切れ味が見事でした。

    1
    投稿日: 2013.12.20
  • 叙情と闘争 辻井喬+堤清二回顧録

    叙情と闘争 辻井喬+堤清二回顧録

    辻井喬

    中公文庫

    ほとばしる思いに引き込まれた一冊

    なんとなく、謡うようにビジネスをされていた方と思っていた。創造性の豊かさという点では外れてないにしても、ご本人が自己同一性の苦しみと書かれている通り、活動性の調整に一方ならぬ苦労があったようだ。この知性溢れる世代は過去のものなのだろうか… 合掌

    0
    投稿日: 2013.12.10
  • 基板に書いたメッセージ ハックできるシンセmonotronはなぜ生まれたのか?

    基板に書いたメッセージ ハックできるシンセmonotronはなぜ生まれたのか?

    坂巻匡彦

    カドカワ・ミニッツブック

    会社と社会を面白くした話。

    Makerさんと育てたハックできるシンセmonotronの物語。BtoCの行き詰まり感を突破する鍵になったのが、Makerな若いエンジニアの少しのわがままとベテランのコラボレーションで、それが凄い広がりを持ったという心温まるお話でした。

    1
    投稿日: 2013.11.27
  • ジエンド・オブ・イルネス 病気にならない生き方

    ジエンド・オブ・イルネス 病気にならない生き方

    デイビッド・B・エイガス,クリスティン・ロバーグ,野中香方子

    日経BP

    病気を本気で終わらせる大プロジェクトの序章になるか

    病気が無くなる日を見すえ、病気やがんという概念そのものを洗い直し、いまできること・できつつあることを綴った意欲作、実に面白かった。ITが医療を変えるとも力説されていて、それは医療情報のオンライン化という次元ではなく、身体と環境のビッグデータ構想に思えた。 本書のタイトルを巡るエピソードに、「健康と聞くと、まずいものを食べなさいと言われているような気がする」というフレーズがある。こういう本に興味を持つのは身体が弱くなってからだというのが現実だろう。けれど本書は、これからの社会と技術を創る人たちにこそ読んで欲しいと思いました。

    1
    投稿日: 2013.11.24