
封殺鬼シリーズ 2 妖面伝説(小学館キャンバス文庫)
霜島ケイ,西炯子
小学館キャンバス文庫
2巻は般若
本巻の主人公は元気な女の子でした。気性もサッパリしていていいですね。聖との掛け合いも軽妙です。うんうん、封殺鬼はこうでなきゃね。 本巻の主題は女の恨み。般若です。コワイですねえ。 構成はミステリ仕立てでどんでん返しがあります。最後はハッピーエンドではありませんが、それなりに爽やかでした 封殺鬼シリーズでは重要な道具立て(と思うんですが)の本家がちょっとだけ出てきます。 本作は作者曰く外伝扱いらしいんですが、ちゃんと楽しめます
3投稿日: 2015.12.27
ニンジャスレイヤー第1部 ネオサイタマ炎上1
ブラッドレー・ボンド+フィリップ・N・モーゼズ,本兌有+杉ライカ,わらいなく
KADOKAWA
ケレン味だらけの怪作
近未来の世紀末でninjaが暴れます。忍者じゃありません。メリケンのフィルターが入った超人です。イメージとしては仮面ライダーの怪人に近いですね。舞台はネオサイタマ。埼玉も難儀ですね。トーキョーに近いが、強いイメージがないせいで、国内でも海外でもネタ扱い・・・。で、北斗の拳みたいなサイタマを舞台に、カリカチュアライズされた日本人が悪の組織に虐げられています。その悪の組織の手先がニンジャで、ある事がきっかけで復讐の鬼になった主人公(ニンジャ)がバトルしまくるっていう作品です 日本人が読むとかなり奇妙な作品ですが、立場を入れ替えてみると、欧州の人が日本のラノベを読んだら、おっぱいパンツだらけなので吐き気がすると思うんで、しょうがないかもしれません 作品のチープさ(狙った物だと思いますが)と、日本人が受ける道具立ての違和感を乗り越えると、バトルの描写やストーリーは結構面白いです。自分は2巻は読もうと思いませんが、色んな意味で一読の価値ありかと思います。 ま、素人さんにはオススメ出来ねえのは間違いないです
3投稿日: 2015.12.27
封殺鬼シリーズ 1 鬼族狩り(小学館キャンバス文庫)
霜島ケイ,西炯子
小学館キャンバス文庫
シリーズ第一巻はわりとフツー
長大な封殺鬼シリーズの最初の巻です。自分は「鵺子ドリ鳴イタ」から読み始めましたので、本編を読んでみたかったんです で、感想ですが、うーん、ふつうかなあ。聖と弓生のコンビは今も昔も変わらぬ関係とノリでとてもいいですが、他の道具立ての、陰陽師、鬼、結界など、現在ではラノベのパターンとして確立されてしまってますからね。今、デビュー作でこれだと、次は無いかもなあ・・・。文章とかはしっかりしてますので、読んで損したという気分にはならないですけどね。 明らかに読み切りとして書かれた雰囲気なので、もう少し読み進めてみようと思いました。
2投稿日: 2015.12.22
掟上今日子の退職願(単行本版)
西尾維新,VOFAN
講談社
死体にまつわる4つの短編
今日子さんが警察から依頼を受けていることは、前作でもしばしば言及されていました。本作は、4人の警部と今日子さんが関わった事件の短編集です。 警部達の設定に工夫がありますね。短編を4つ入れましたっていうだけではなく、全体を通してフフっと思えるネタを仕込んでくれてます。警部達のこともだし、これまでのシリーズでは、生の殺人はあまり扱わないような雰囲気だったのに、本作では全編死体がらみだったりすることもそうです。 登場時は完璧超人っぽかった今日子さんも、シリーズが進むにつれて、がめついとか、実はお茶目な?失敗するとか、キャラの彫り込みが進んでいると思います。個人的には、落下してビターンとなるシーンが一番良かったです。 あと、著者は本当に筆が速いですね。ラノベというと、どんどん新刊が出るのが特徴ですが、それにしたって、後書きでもう次の巻が仕上がってるみたいな事書いてるし。おっばいどきゅーんみたいなハーレムラノベでもこんな刊行速度は出せませんよ。最速なのは筆者の筆なんではと思いました。でも、読者としてはただただ嬉しい限りですね
6投稿日: 2015.12.17
掟上今日子の遺言書(単行本版)
西尾維新,VOFAN
講談社
中編で良かったんじゃないかなあ
1日で記憶が失われる忘却探偵という設定は、短編小説向きだと思います。なにせ1日以上引き延ばせないので、複雑な人間関係とかかけませんからね。本作は、長編となりますが、うーん、イマイチかなあ。トリックにはハッとしましてが、あれって別に短編のプロットでいいですよね。まあ今日子さんがコスプレしたのが見所でしょうか。 本作もやはりキャラ小説だとおもうんで、キテレツな新キャラも登場せず、今日子さんの新しい側面もあまりでずとなると、薄いコーヒーを飲んでる気分になりますね
0投稿日: 2015.12.14
蜘蛛ですが、なにか?
馬場翁,輝竜司
カドカワBOOKS
なろう系魔物転生
「小説になろう」出身のラノベが山ほど出版されています。本シリーズもそのうちの一つです。なろう系のほとんどが、MMORPG世界に転生して、さらに自分のステータスやスキルが見えてるってとこまでがお約束です。 本作で珍しいのは、主人公が蜘蛛ってことです。まあ、魔物に転生ってのも一つのテンプレらしいのですが。 実は自分はweb版は読んでまして、とても面白かったので書籍も買ってます。現在、web版は終盤にさしかかって説明回がつづいており、中だれです。しかし、最後に盛り上がって終わるだろうと思います。 んで、主人公は蜘蛛です。更に雌?です。ですから、おっぱいもパンツもほぼ登場しません。魔物同士のガチンコサバイバルバトルが描かれます。これが面白いんだな。自分は魔物転生というのは始めて読んだのすが、ストーリーの先が読めないし、とてもスリリングでした。本巻では、シリーズでもっとも印象的な敵のアラバも顔見せしますし、もの凄く印象深いアノグラッチ戦も含まれてます。楽しめること間違いなしです。 本作の見所のもう一つは、全体のプロットと構成がちゃんと考えられていることです。それが分かるのはだいぶ先の話で、今は気付かぬうちにボロボロとばらまかれている伏線が、終盤でズバーンと解き明かされます。途中に唐突に紛れ込む、白々しい学園ファンタジーも後々重要になるんです。その辺は本巻では「つまらんな・・・」と読み飛ばしてもオーケーです。後で、必死に読み返すことになりますから。こういう構成は、締め切りとか売上とか考えなくてよい「なろう系」だから出来たことかも知れませんね。 製品化に当たっては、web版に準じて、こまかく章分けしてますが、これはいいと思います。あとで、なんども読み返すのが楽になりますから。でも、ま、結局、一番読み返しやすいのはweb版でしょうね・・・ 本作は、キッチリ練り込まれた上で書き始められた物語なんで、書籍化でもweb版との差別化のための改定は難しいかもしれません。が、細かい所を設定に沿って分かりやすく変えています。あと、シュンのペットに大きめの変更があったりします。2巻以降加筆があるかもしれませんね 自分は挿絵はほぼ気にしないんですが、本書は何しろ、登場人物が、蜘蛛や、カエルの化け物、ゲジゲジ系化け物、ハチ系化け物etcですから、挿絵画家がどうするのか楽しみでした。うーん、まあこんなもんかなあ。頑張ってはみたんだろうなあ。
5投稿日: 2015.12.10
盾の勇者の成り上がり 3
アネコユサギ,弥南せいら
MFブックス
メルティと逃避行
相変わらず身を削るような戦いをするナオフミです。主人公をひどい目に合わせた王様「クズ」と王女の「ビッチ」ですが、とにかく改心する気配がありません。ナオフミを追い込み続けます。 第三の波をなんとか退けた時に、新たなキャラであるグラスが登場して、この世界の抱える危機についての長い謎解きがはじまります。 後半はメルティが登場して彼女を守って逃避行します。いやあ、クズとビッチのクズっぷりが潔いですなあ。 本巻から「なろう」版から話が変わり始めます。書籍版を売るので多少は変えないとまずいという事なんでしょうね
1投稿日: 2015.10.11
盾の勇者の成り上がり 2【電子版書き下ろし付】
アネコユサギ,弥南せいら
MFブックス
裏ヒロインフィーロ登場
本作のヒロインはラフタリアですが、裏のヒロインは間違いなくフィーロでしょう。 本作はいわゆる「なろう」系として、MMORPG丸出しの世界観を持っていますが、主人公の性格や、相手をまったく攻撃できないというキャラづくりが独創的です。そして、このオリジナリティの最たる物がフィロリアルのフィーロだと思います。荷車を引いていないとおちつかない飛べない鳥とか訳が分からなすぎです。それからフィーロの性格がまたいいんだなあ。みんなでフィーロを愛でましょう ストーリーは相変わらずハードで、ちょっと主人公死んじゃうんじゃない?、そんなに自分を痛めつけなくても・・・とハラハラします
1投稿日: 2015.10.11
盾の勇者の成り上がり 1【電子版書き下ろし付】
アネコユサギ,弥南せいら
MFブックス
ヒロインはマジで奴隷
「小説家になろう」というサイトで連載されていた小説を商品にしたものです。いわゆる「なろう」系です。つまり、MMORPGの世界へ異世界転生して、露骨にレベルやスキルという概念があって・・・という話です なろう系は結構読んだのですけど、本作品はトップクラスの面白さだと思います。ちゃんと完結して、話しが閉じたのもいいですね。「小説家になろう」版を全部通して読んだ評価は4.5くらいでしょうか。 さて、本巻はナオフミが盾の勇者として召喚されて、いきなり試練に遭ってすっかり性格がひねちゃって、という話です。雑草から這い上がるのです。でもって、目つきも悪く、周囲の誰も信じられなくなり、憎しみの感情のあまり物の味も分からなくなった主人公は、なんと女の子を奴隷として買ってしまうのです。そこら辺からヒロインに凍てついた心を溶かされるくだりはとても感動的です。この巻が一番面白いかもしれませんね。とても工夫のあるストーリーでした
1投稿日: 2015.10.11
ダンジョン飯 2巻
九井諒子
HARTA COMIX
ややストーリー寄りになりながらも、とても面白い
ダンジョンの魔物を料理して食うという、かなり変わったアイデアのギャグマンガの2巻です。 1巻の感じだと、仲間を助けるという目的は遥か遠くに吹き飛んでいて、延々と料理し続けるようなノリでしたが、2巻ではちゃんと目的地に進みます。ちゃんと終わりが見えるストーリっぽくなりますので、自然と仲間達の設定も掘り下げられます。そのあたりの内容をスパイスとしつつ、相変わらず魔物を料理して食べてます。もう数巻で終わりそうですが、ちょうどいいかなと思います それにしても、ありふれたダンジョンのネタが、料理というフィルターをかけるとこんなにも面白いのかと、作者のイマジネーションには相変わらず脱帽です。ゴーレム野菜畑とか最高ですね 期待を裏切らぬ巻でした
2投稿日: 2015.09.29
