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このユーザーのレビュー
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ノーゲーム・ノーライフ 4 ゲーマー兄妹はリアル恋愛ゲームから逃げ出しました
榎宮祐 / MF文庫J
ひとやすみ
9
本巻では恋愛ゲームがフィーチャーされています。浜辺で水着もあるよ。
やっぱり最後はあっと驚くどんでん返しなわけですが、すごくパワーダウンしました。1巻のチェス、2巻のしりとり、3巻のオセロ(とFPS)…の発想はちょっと見た事が無いもので、SFファンには全員読んで欲しいくらいでしたが、本巻はラノベらしいサービスとそれなりの逆転劇といった所です。
まあ、作者もライトな巻にしようとしたと言ってるしね・・・ 続きを読む投稿日:2013.10.20
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掟上今日子の備忘録(単行本版)
西尾維新, VOFAN / 講談社
軽いミステリー、キャラの味付けはいかにも維新
8
ライトノベルはキャラ小説といわれます。そして西尾維新は当代一といえるほど、個性的なキャラ作りが上手です。キャラの名前の言葉遊びも楽しいですね
今日子、今日一日しか記憶を保てない女。厄介、ひたすら事件…に巻き込まれる不幸な男。特に厄介の事件巻き込まれ特異体質っていう設定にはプッと笑ってしまいました。名探偵ものの、彼らの周囲で起きる事件数って異常ですからね。名探偵コナン君なんて毎週殺人なわけで、つまり、年間50人死んでるわけで、一年の殺人数が400人程度の日本では、殺人の八件に一件はコナン君がらみなわけです。
そのいにしえから続く謎(ミステリー最大の謎と言っていいでしょう)を「体質」ですましちゃうのが、西尾維新らしくていいと思うんです
また、ノリが軽いのも西尾維新らしいです。本作では手がちぎれたり、片目が潰れたりしませんが、他の作品では主要キャラもかなりひどい目に合います。でも、なんだか軽妙でするする読めちゃうのが、この著者の特徴とも言えます。記憶を失うなんて境遇も何となく読めちゃいます。
内容は、忘却探偵が一日で事件を解決します!っていう内容の短編連作集です。最後の数件は連続して中編をなしています。厄介君は依頼人兼助手といったところでしょうか。基本的には失せ物探偵で、殺はなく穏やかに話が進みます。ミステリの質としては・・・うーん、どうなんだろう。詳しくないからよく分からないけど、ちょっと強引なような。
今日子さんが最初は型どおりのビジネスウーマンから、ちょっときつめの本性出しちゃうところとか、彼女の一挙一動を楽しむ小説になっています。もしシリーズ化されたら、彼女のキャラがもっと膨らみそうです
西尾維新のファンに。あるいは単純にラノベミステリーが楽しみたい人に広く勧めます 続きを読む投稿日:2014.10.18
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灰と幻想のグリムガル level.1 ささやき、詠唱、祈り、目覚めよ
十文字青, 白井鋭利 / オーバーラップ文庫
古参のRPGファンにおすすめ
8
オンラインRPGの世界に投げ込まれたという設定なのでしょうが、あまりにも隠していない感じがします。いや、現代のMMORPGでは、ゴブリン、ホブゴブリンといったモンスターはもはや登場しませんし、盗賊だけ…がバックスタブ出来るという設定も含めて、モチーフは古典的なTRPGでしょう
一方で、戦闘はひどくリアルで、登場人物の死も身近に感じられたりします。ストーリーも本巻に限っては奇をてらわない王道で、ぎくしゃくし衝突し合う若者達が徐々にまとまってパーティーになってゆくというものです。引っかかりも無く素直に読めます
読み始めは、ゲームの企画書でも読んでいるような味気なさでしたが、戦闘シーンから徐々に引き込まれました。最後は結構一生懸命に読みました。やはり著者は筆力ありますね
今後どのように物語が転がるのか分かりませんが、続きを読みたくなる出来でした。なんとかハッピーエンドで終わって欲しいですね 続きを読む投稿日:2013.11.29
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銀河パトロール ジャコ
鳥山明 / 週刊少年ジャンプ
名人芸ですね。あとドラゴンボールマニアは必携かな
7
ドラゴンボールの作者の小品です。この作品は、最初からここで終わるように作られてるんだと思います。脇道もないですが、尺足らずの雰囲気もありません。もう誰からもうるさくいわれないので、作りたいように作って…る感じです
といっても、この作品に関してはつまらないなんてことはなく、おもしろかったです。ストーリーは煽り文の通りで、鳥山明独特のちょっと抜けてる主人公がお約束の活躍します。古くさい感じがしますが、そもそも、ドラゴンボールの時点で絵柄もストーリーも古くさい感じでした。ここまで来ると、もやはクラシックと高級な感じに表現したくなります
本編は最後の方でちょっとドラゴンボールとリンクします。それから、悟空が地球にカプセルで打ち出された時の話が、短編として追加されてます、ドラゴンボールファンにはうれしいでしょう。
続きを読む投稿日:2014.07.06
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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
大森藤ノ, ヤスダスズヒト / GA文庫
ギミックが面白いし内容も負けてません
7
MMORPGを題材にしたファンタジーはかなりあります。本作もその一つ。背中に神聖文字でLv.1 力77→82などと書かれているとか、町がどこまでも深いダンジョンの上に立っているとかかなりそのまんまです…。
¥
作者が工夫したのはその先で、沢山の神様達が下界に降りてきておりノリノリで自分の教団をつくっているというところです。本書の世界観はギリシャ神話的ですが、あそこの神様達も全然人間できてなくて、無茶苦茶ですからねえ。いいアイデアで面白いです。なかでも、自分の恋心のためなら何でもしちゃう、美の神フレイヤは非常にらしくていいですね。物語にも深く絡んできます
タイトルが最近はやってる長めのタイプだし、仕掛けが凝っていて、アイデア先行でじり貧になってもおかしくないですが、実はストーリーもかなりいいです。年上のお姉さんに憧れる少年という感じですね。ダメ神様だけど、ベルのために必死に頑張ってくれるヘスティアを守るために必死に立ち向かうシーンなども熱くて良かったですね
本巻は導入部で先がありそうです。次も楽しみです 続きを読む投稿日:2014.01.06
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甘城ブリリアントパーク1
賀東招二, なかじまゆか / 富士見ファンタジア文庫
ボン太君がオッサンになっちゃった
7
著者はフルメタル・パニックで有名です。フルメタは本編はSFチックなマジなミリタリーアクションですが、短編集では良く出来たコメディでした。マジもコメディも上手ってのは珍しいです。本シリーズは作者のコ…メディの腕が遺憾なく発揮されてます
本作は、倒産寸前のテーマパークを切れ者のナルシストが救うという話です。ただのテーマパークではなく、中の人などいない本物の妖精達が運営している、というのがミソです。やってる事はとても現実的です。ビジネス書の特集を読んでる気分になります
フルメタにはボンタ君というマスコットが有名なんですが、どこからどうみてもボン太君の恰好をしたキャラが、モッフルという名前で出てきます。コイツがもろにオッサンで仲間のマスコットと居酒屋でくだを巻いたり、たたき上げの軍曹ばりにスタッフをまとめ上げたりします。
ファンタジックな道具立てにリアルなストーリー、可愛いキャラクターにオッサンギャグという逆転が楽しい作品です。
発想も面白いしギャグも冴えてていい作品でした 続きを読む投稿日:2013.11.22