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このユーザーのレビュー
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この素晴らしい世界に祝福を! 3 よんでますよ、ダクネスさん【電子特別版】
暁なつめ, 三嶋くろね / 角川スニーカー文庫
ラストの戦闘は必見
5
5巻まで読んだ上での感想です
本巻から、3人のヒロインに順番に光が当たる話になります。トップバッターはダクネス。
曰くありげな生い立ちも本巻で明かされますし、そのマゾ芸はもう達人の域です。戦闘では…、いつも役に立ってるんだか立ってないんだかよく分かりませんが、マゾ芸は常にヒロイン達の先頭に立っていますね
今回の幹部の名前はバニル。これまたものすごくいいキャラです(まあ男ですが)。いつも感心するんですが、ギャグなのにクライマックスまでの戦闘の流れがすごくいいですね。全員が活躍してます(ダクネスは主としてネタ方向ですが)。ラストシーンもズバッときまって本当にオススメです 続きを読む投稿日:2015.04.12
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ダブル・コントラクト1 鎖がつなぐ初召喚!?
香月沙耶, 椎名咲月 / ビーズログ文庫
ドタバタ、ロマンス、ファンタジー全部盛り
5
穴の無い作品ですねえ。聖獣召喚の儀式にあらわれた珍妙な生き物と、無愛想なイケメン男。それに続いてドタバタコメディがあって、アクション、そして黒幕は誰?というミステリ要素まで。好物ばかり入った弁当みたい…な作りです。でも、つながりもスムーズで無理矢理感はありません。ずっと喋らないイケメンが、急にラウラを口説いてる感じになったところなんか、うまい構成で不覚にもちょっとドキドキしました。
クライマックスもよかったです。サクリクスがこんな性格とは・・・。 続きを読む投稿日:2014.01.06
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重力ピエロ
伊坂幸太郎 / 新潮文庫
兄弟愛
5
本書の語り部は兄ですが、主人公は春ですね。春は芸術家で、独特な性格をしており、とても危ういです。放火の謎解きと同時進行で、春の過去、性格などつまびらかになっていきます。プロットは言ってみれば単純で家族…愛と過去との対決ですね。春の描写のディテールがとても良いので読み応えがあります。 続きを読む
投稿日:2014.01.07
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ふたりの距離の概算
米澤穂信 / 角川文庫
古典部シリーズ第五弾です
5
入部する予定だった大日向と千反田のすれ違いを、マラソン大会で走りながら奉太郎がどうにかする話です。
ミステリーは詳しくありませんが、この作品はジャンルとしては安楽椅子探偵に属するんだろうと思いますが…、その状況を作り出しているのがマラソン大会というのが、おっと思わせます。本シリーズは全体を通して、題材が殺人や窃盗ではないため、主人公の取り得る行動に大きな自由があります。「ふたりの距離の概算」では存分に生かした形となっています。
マラソンだと、推理に使える時間があり、場所もばらけるので、先頭の人間から順に後ろの人間まで1人ずつ聞いていくしかない。途中の描写もアクセントになり、読んでいて楽しいです。いいアイデアです。
結末は本シリーズらしくほろ苦く終わっています
結局、人間関係は変わらなかったわけですが、新入生の話ということで、月日が容赦なく過ぎていくのを感じました。ということは、最後は奉太郎達は卒業するわけですが、古典部はどうなるのかというのも気になるところです 続きを読む投稿日:2013.10.27
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Re:ゼロから始める異世界生活 7
長月達平, 大塚真一郎 / MF文庫J
どえらく盛り上がりました
5
ほとんど星5です。今回はとにかく死に戻りの絶望感と、逆転の一手がすごい。予想も付かないパズルが最後に組み上がります
脇のキャラもそれぞれ魅力的なんです。特にオッサン剣士の格好いいこと。
クライマッ…クスは大スペクタクルで、スバルも英雄的な働きをします。その働きも、彼が心の強さを皆にしめすというもので、とてもいいんだなあ
レビュー読み返して星5にしました。よく考えたら、これで5じゃなきゃおかしいわ 続きを読む投稿日:2016.05.01
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メルニボネの皇子
マイクル・ムアコック, 井辻朱美 / ハヤカワ文庫FT
ファンタジーの金字塔
4
大好きなエルリックサーガです。現代のファンタジーの礎は指輪物語ですが、エルリックサーガとエターナルチャンピオンシリーズもそれに次ぐほど重要な位置を占めます。たとえば、ロールプレイングゲームの元祖である…ダンジョンズアンドドラゴンズには、性格としてlawful(秩序)とchaotic(混沌)が選べますが、エターナルチャンピオンシリーズの、法と混沌の闘争という概念に影響されています。魔剣もそうですね。ストームブリンガーは実に存在感があって残虐で、とても印象に残ります。そのほか、パンキッシュなストーリーもファンタジーの世界を大いに広げたと思います。バッドエンドも良いですね
キャラクター造形もすばらしい。エルリックとは、栄華を極め退廃の極みにある滅び行く王朝の最後の王子、魔術と薬物無しでは三日と生きられぬ虚弱なアルビノ、魔法と剣の天才、憎むべきストームブリンガーが敵あるいは味方、しばしば親友から吸い上げる生命力に頼って生きてゆくしかない男。
「メルニボネの王子」では、エルリックが従兄弟であるイイルクーンと戦います。その過程で混沌の神アリオッホを呼び出し、ストームブリンガーを手にします。本章では、この世界における神、法と混沌の争い、他の次元、永遠の都市タネローン、黒の剣の年代記など、エターナルチャンピオンシリーズを彩るモチーフが登場します。ストームブリンガーの登場シーンはとても印象的ですね。
「真珠の砦」では、聖女みたいな少女が自らの夢にとらわれているのを、夢盗人と共に救う話です。ストームブリンガーはほとんど活躍せず、ムアコックの紡ぐ夢世界を堪能する話となります。まあ、こっちはファン向けの外伝みたいなもんですか。
自分はすっかりエルリックファンなんで、冷静なジャッジなんて出来ません。文句なしに星5で 続きを読む投稿日:2014.03.31