レビューネーム未設定さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!
村上凛, あなぽん / 富士見ファンタジア文庫
オタクなラブコメ
6
6巻まで読んだ上での感想です
オタクな主人公が、見た目ビッチなヒロイン桃と(たぶん)繰り広げるラブコメです。
本巻では、主人公と桃が互いに抱いている誤解を解いて友人になるところまでが描かれます。つ…まり、まだまだ導入部で、どう見ても複数巻構成の第一巻という事です。新人のようですが、編集部は思い切りましたね。一読して凄く出来がいいので売れるという確信があったんでしょう。ま、面白いからね。あと、著者は女性なんですね。それにしては主人公(男)の心情などが良く掛けていて感心します。ラブコメに関して、女性作家が少年レーベルで出したものは出来が良い印象があります。少女向けのレーベルだと、男の描写が戯画的になりがちです。男性作家が女性向けレーベルで書いたら、おっぱいがデカイだけで中身の詰まってないようなヒロインじゃなくなるんですかねえ。
主人公は物静かで優しい和風美人の長谷川に憧れていて、ヒロインの桃は優しくてイケメンでオタクの鈴木にぞっこんです。双方が互いの恋路をいがみ合いながら応援しようとしてドタバタする所と、オタクな主人公がリア充っぽい桃にキモがられるところが笑えるポイントです。話もよくできてるし、主人公の恥ずかしい失敗も容赦なく書いてあって、とても面白いと思います。
少年向けの少女漫画的ラブコメラノベが読みたい人へ 続きを読む投稿日:2014.05.24
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掟上今日子の退職願(単行本版)
西尾維新, VOFAN / 講談社
死体にまつわる4つの短編
6
今日子さんが警察から依頼を受けていることは、前作でもしばしば言及されていました。本作は、4人の警部と今日子さんが関わった事件の短編集です。
警部達の設定に工夫がありますね。短編を4つ入れましたってい…うだけではなく、全体を通してフフっと思えるネタを仕込んでくれてます。警部達のこともだし、これまでのシリーズでは、生の殺人はあまり扱わないような雰囲気だったのに、本作では全編死体がらみだったりすることもそうです。
登場時は完璧超人っぽかった今日子さんも、シリーズが進むにつれて、がめついとか、実はお茶目な?失敗するとか、キャラの彫り込みが進んでいると思います。個人的には、落下してビターンとなるシーンが一番良かったです。
あと、著者は本当に筆が速いですね。ラノベというと、どんどん新刊が出るのが特徴ですが、それにしたって、後書きでもう次の巻が仕上がってるみたいな事書いてるし。おっばいどきゅーんみたいなハーレムラノベでもこんな刊行速度は出せませんよ。最速なのは筆者の筆なんではと思いました。でも、読者としてはただただ嬉しい限りですね 続きを読む投稿日:2015.12.17
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カンピオーネ! 神はまつろわず
丈月城, シコルスキー / 集英社スーパーダッシュ文庫
どこからこういう発想が出てきたのか
6
最高の一冊です。
まず設定がすばらしい。”まつろわぬ神”と”神殺し”という発想に脱帽です。それから主人公の能力がまたいい。ウルスラグナというのは始めて聞きましたが、とても面白いですね。特に黄金の剣の…発想はすばらしい。剣を使用するためには、相手のルーツを知らないといけないので、物語の中にルーツの探索というミステリーの要素と、相手の力の説明が自然に入り込むような仕掛けになっています。この二つのアイデアは初めて見る発想です。賞でもあげたいくらいです
ヒロインのエリカも生き生きしています。お人形ぽかったり、性格が壊れていて現実味のないヒロインが多い中、破天荒ながらも応援したくなる魅力があります
構成もいいです。最初にいきなり見せ場をもってきて、うまく背景説明につなげます。そして本番のストーリーがはじまりますが、ずっと怒濤の展開であきさせません。敵も凄くてバトルの迫力がありますが、一方で主人公の権能は使い方に工夫があるので読み応えがあります。クライマックスとなる勝利の切り札も、おっと驚く意外性がありますが、実は伏線がたっぷり張ってあるので、なるほどと納得できます
ラノベのファンタジー好きには是非オススメしたい 続きを読む投稿日:2013.10.12
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龍ヶ嬢七々々の埋蔵金1
鳳乃一真, 赤りんご / ファミ通文庫
なんか惜しい作品です
6
地縛霊と同居という状況や、七々々コレクション探索は良いアイデアです。都市版インディ・ジョーンズといいましょうか。
脇役その他にいらない設定が多いので、少し散漫になってると思いますが、全体としては面白…いです 続きを読む投稿日:2013.10.12
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のうりん
白鳥士郎, 切符 / GA文庫
農業高校を舞台にしたドタバタ
6
農業系の学園コメディは大体面白いですが、これもとても面白いです。声に出して笑ってしまいました
実体験じゃ無くて取材して書いたそうですが、ふとした描写がリアルで舞台に存在感があります。筆力あるなあ。そ…してなにより、ギャグがとても冴えてます。んで、ダブルヒロインが恋のさや当てしますが、小学生レベルです・・・。物語を引っ張るのは美人の方なんでしょうけど、アホの子に食われてますね。あ、下ネタ分大目です。次巻にも期待
あと、今気付きましたが、「らじかるエレメンツ」の人なんですね。いやーそうかあ。「らじかるエレメンツ」もいいですよ!本作から農業を抜いて下ネタを軽めにしたような作品です。 続きを読む投稿日:2013.10.01
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なぎさボーイ
氷室冴子 / 集英社コバルト文庫
躍動感があります
5
氷室冴子といえば、黎明期のラノベ、特に少女小説で圧倒的な存在感を示した作家です。どうも、1990年半ばで病にさいなまれ、そのままなくなられたようですね。代表作は「なんて素敵なジャパネスク」で、初期の「…クララ白書」も有名です。
読んだこと無かったので、なんとなく手に取りやすかった本作を読んでみました
いやー、おもしろいですねえ。こりゃ、当時の少女達が夢中になるわけです。題材はどこにでもいる少年少女の、基本的には一対一の恋愛物語です。
主人公のなぎさもヒロインもそれぞれ竹を割ったような性格で、読んでて気持ちがいい。思いが盛り上がるところや、ヤキモチ、ケンカとういういしい初恋が躍動感溢れる筆致で描かれています
ストーリーがポンポン進むのもいい。少女小説だと、手をつなぐだけで一巻使ったりしますからね。それでいて濡れ場のシーンも皆無で、おじさんとしては現代の少女達にも強くおすすめしたい。
もちろん、おっさんおばさんが読んでも面白いです
友人達も個性的でいいです。文体や行動がモロに昭和な感じで力が入りまくっていますが、昭和が遠くなった現代では、たとえば明治の物語のようにクラシックな感じになっています。10年くらい前の中途半端に古い作品より読みやすいかも知れません
星五でおすすめしちゃいます 続きを読む投稿日:2014.10.05