
凍りのくじら
辻村深月
講談社文庫
少し不思議な物語
人の奥底に潜む悪意、負の感情が際立てば際立つほど その対比としての温かさ大きく感じる 実に辻村さんらしい話でした
2投稿日: 2013.10.28
夜は短し歩けよ乙女
森見登美彦
角川文庫
実は…
おおむね好評を得ている話ですが 実は私、初めての森見作品としてこれを読んだ時はダメでした もう少しストレートな恋愛話を期待していたのが悪かったのか その奇想天外な世界に付いていけず、やっと読み切った始末 その後「ペンギンハイウェイ」などで森見慣れし、再読したらあら不思議 これは面白い! 「ペンギンハイウェイ」など読みやすい話と セットで読むと入りやすいかと思います
4投稿日: 2013.10.26
卵の緒
瀬尾まいこ
マガジンハウス
瀬尾さんらしい安心できる文章です
ある事情を持つ家族を描いた中編が2作 「僕は捨て子だ」、「私と七生は正しい兄弟じゃない」 印象に残る書き出だしですが、期待を裏切らぬ良い話でした
1投稿日: 2013.10.26
午前零時のサンドリヨン
相沢沙呼
創元推理文庫
高校生男女の日常の謎解き
高校生の男女の日常の謎解きに恋愛話が絡む 設定としては珍しくはないけれど、その分外れの心配がないかな マジックが物語の良いスパイスになっています
1投稿日: 2013.10.26
空飛ぶ広報室
有川浩
幻冬舎文庫
自衛隊の宣伝臭く厭味になってしまう事がないのが上手いところ
テレビCMを打つよりも ゴールデンタイムのドラマに協力映像を流すよりも よほど効果的な自衛隊の広報だと思います 恐らく読んだ人のほとんどが自衛隊に親しみを持つ事になるでしょうから
2投稿日: 2013.10.26
妖怪アパートの幽雅な日常1
香月日輪
講談社文庫
子供も楽しめる話です
重い話の後の息抜きにも良さそうだと思い買ったのですが いつの間にか子供(小学5年生)も読んでいて 「ねぇねぇ、2巻買わないのぉ」とせがまれました 子供と同じ本の感想を言い合える貴重な本です
3投稿日: 2013.10.26
七人の敵がいる
加納朋子
集英社文庫
痛快!PTAエンターテイメント
読み始めは主人公の強烈なキャラと何でも敵という姿勢に引きましたが 読み進めるにしたがい徐々に気持ちが解るようになっていきました 主人公に共感しながら痛快さを味わうのも良し 敵と言われないよう我が身をただすのも良し いろいろな立場の人に読んで欲しい話です
0投稿日: 2013.10.26
とある飛空士への追憶(イラスト簡略版)
犬村小六,森沢晴行
ガガガ文庫
戦いと恋愛、エンタメの王道です
息も吐かせぬ激しい戦闘シーン 一転、静寂に包まれる二人だけの夜 押しては返す波のようなリズムが心地良く 読後感も良かった イラストが入らない分電子版は自分でイメージを作れるし安くてお得かな
0投稿日: 2013.10.25
カクテル・テイル
馨歩
文蔵Books
Readerととても相性の良い本だと思います
バーカウンターに座り、目の前のカクテルのコラムを読みながら楽しむのも良し また、オーダーする飲み物が纏まらない時に 付箋付きのカクテルブックをとり出すという野暮をする事なく 「ジンはビフィータで」などとスマートに好みのカクテルをオーダーできるすぐれ物です
0投稿日: 2013.10.25
旅屋おかえり
原田マハ
集英社文庫
旅から戻り「おかえり」と声を掛けられた時の気分です
現実的に考えるとそう上手く行く訳ないだろう、といったところなのですが それがそう行ってしまうのが物語の良いところ 人の温かみに触れたいと思った時、表紙を開いてみて下さい ひとつだけ この物語の山場でのあっさりとした描写には不満が残ります その一晩で人の心に何が生じ、気持ちが変わったのか そこが抜け落ちていたのがとても残念 そこがきちんと描かれていれば文句なく★五つだと思うのですが
1投稿日: 2013.10.24
