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まくらたかさんのレビュー
いいね!された数238
  • まんが親(1)

    まんが親(1)

    吉田戦車

    ビッグスピリッツ

    本当の「イクメン」って、こんな感じじゃなかろうか。

    吉田戦車さんと伊藤理佐さんの漫画家夫婦。 その二人の育児を描いた漫画、吉田さん版です。 伊藤さん版の『おかあさんの扉』と対をなす作品です。 それぞれの目線で描かれていてどちらもおもしろいのですが、私は自分が男性のためか吉田さんに感情移入してしまうこちらの作品の方が好きです。 気取らない、かっこつけない男親の育児姿はどこかせつないのですが、なんとなくうらやましかったりします。 子どものいる男性はだいぶ共感できるんじゃないかと。 女性は、「男親って、しょうがないなぁ……」と思ってくれればよいかと思います。

    2
    投稿日: 2016.04.11
  • やわらかい。課長 起田総司(3)

    やわらかい。課長 起田総司(3)

    カレー沢薫

    週刊Dモーニング

    ゲスな純愛漫画

    彼女に振られ、初期EDに陥った主人公・起田総司。 そんな彼をあの手(パ○ずり)この手(ア○ル開発)で治そうとする女性たち。 この作品は、どストレートな下ネタに彩られた純愛漫画です。 この作者さんの作品では様々な名言が生まれているのですが、この巻にもやはり名言が含まれています。 「……好きなヒトが身体壊すほど傷ついてるのを見て……あなたそれを笑うの?」(起田を慕う同僚) 「カッとなって舐め回した 今は後悔している!」(起田が、女性に対して) 「私たちの片想いはまだ始まったばかりだ! To be continued!」(女性陣) 「好きってのはヤリたいってことだ!」(起田の同僚女性) 「よし てめえら 起田と一緒に泌尿器科(ガンダーラ)を目指すぞ!」「応!」(女性陣) 「女というのは嘘が巧くて計算高く タフで執念深い それは事実だ」「だが…………それ以上に」「優しい……」(起田) ……個人的に好きな台詞を抜き出して見たのですが、名言なのかなんなのか分からなくなってきました。 すみません。 どのような状況でこれらの台詞が出てきたのか、実際に読んでいただければ納得していただける気もするのですが。 ちなみに私は「あなたそれを笑うの?」のコマでちょっと泣きました。本当に。 ありきたりな恋愛漫画に食傷気味の人には是非読んでもらいたい作品です。 変化球ではありますが、こんなに直球で男女の本音を描いている作品も珍しいのではないかと。 読後、斬新な恋愛表現に目からうろこが落ちるか、本を地面に叩きつけるかのどちらかです。

    4
    投稿日: 2016.03.30
  • 読書狂の冒険は終わらない!

    読書狂の冒険は終わらない!

    三上延,倉田英之

    集英社新書

    マニア同士の会話は、楽しい。そして「本」はおもしろい。

    まえがきにも書いてあるのですが、この本は「王道のブックガイド」ではありません。 本好き同士が、それぞれに読んできた本や気に入っている本について話し合っているものです。 なので、話題にあがる本の中には多くの人が見向きもしないような、絶対に売れないような本もあります。 しかし、それがおもしろい。 名作やベストセラーなんかは自ずと目に入ってくるので何となく知っているものですが、そういったマニアックな本というものはこのような機会でもないと知ることができません。 素直に「本の世界って深いなぁ……」と感嘆することしきり。 またそれらの本について話し合う様が楽しそうで、こちらまで楽しい気持ちになってくる。 自分が知らない作家や本についての話でも、読んでいて楽しい気持ちになってしまうので、本好き同士の話しというのはスゴいものだなぁと思います。 電子書籍の書店レビューに書くことではないのかも知れませんが、この本を読んでいると、 「やっぱり電子書籍じゃなくて、紙の本を買おうかなぁ」 という気持ちになってきます。 電子書籍には電子書籍の良さがあって、私はいろいろ思案した挙げ句電子書籍に移行したのですが、お二人の話を聞いているとやはり紙には紙の良さがあって、 古本には古本の良さがあって、 そして町の本屋さんには町の本屋さんの良さがあるのだと思わされます。 この本を読んで、私は自分が気がついていなかった「本のおもしろさ」というものを知りました。 「本」が好きな人なら、読んで損はない本だと思います。

    4
    投稿日: 2016.03.15
  • 翔んで埼玉

    翔んで埼玉

    魔夜峰央

    花とゆめ

    笑っていいのか、よくわからない(けど好き)。

    完結している作品かと思っていたのですが、3話しかないのですね。 これはこれでよいのですが、ちょっと物足りなさを覚えます。 短い作品なので、単独ではなく他の単行本に収録されていたのかと納得。 いっそ『やおい君の日常的でない生活』を購入した方が、コストパフォーマンス的にも読み応え的にもよいかも知れません。 (この作品自体が尻切れトンボの様な感は拭えませんが) 基本的に埼玉県を(フィクションとは言え)ディスっている作品なので、埼玉県民ではない自分は笑っていいのかどうかよく分かりません。 いやまぁ、笑えるんですけど。 侮蔑の仕方がただの地味な差別ではなく、この作品ならではの荒唐無稽なものだから「現実とは全く関係ないんだな」という安心感が生まれて、遠慮なく笑えるのかなと思いました。 話題になるまでこの作品を知らなかったのですが、何というか、若干のBL要素あり。 そうですよね。『パタリロ!』の作者さんですもんね……。

    8
    投稿日: 2016.03.15
  • 壇蜜×西原理恵子の銭ゲバ問答「幸せはカネで買えるか」【文春e-Books】

    壇蜜×西原理恵子の銭ゲバ問答「幸せはカネで買えるか」【文春e-Books】

    西原理恵子,壇蜜

    文春e-Books

    自分は壇蜜さんについて誤解していたのかも。

    西原理恵子さんが苦労人なのは他の作品で知っていましたが、壇蜜さんが負けず劣らず苦労人だったとは、まったくもって知りませんでした。 (失礼ながら、「年齢の割にグラビアで成功してる人」ぐらいの認識でした。) 終盤、「戻りたくない場所があるから、人は走り続けることができる」ということを二人がおっしゃってて、様々な苦労を乗り越えてきたからこそ出てくる言葉なのだろうなと思いました。 男女関係やお金のこと、率直な物言いが非常に小気味よいです。

    5
    投稿日: 2016.03.13
  • いとしのムーコこどもばん【むりょうばーじょん】

    いとしのムーコこどもばん【むりょうばーじょん】

    みずしな孝之

    イブニング

    こどもががよめるって、だいじです。

    テレビアニメも放映されてるので、原作の漫画に小さいお子さんも興味を持つかと思います。 けれど原作は、ムーコの台詞以外(人間の台詞)は普通に漢字で表記されてるんですよね(振り仮名もない)。 何となく雰囲気で分かるものの、やっぱり全部読めた方が楽しいに決まってる。 なので、この「こどもばん」はよい試みかと思います。 でもまぁ、一番よいのは、元の作品の方に全部振り仮名を付けてくれることだとは思うのですが。

    4
    投稿日: 2016.03.06
  • Spotted Flower 1巻

    Spotted Flower 1巻

    木尾士目

    楽園

    ある意味、憧れの夫婦生活。

    オタクなダンナと、そうじゃない奥さん。 奥さんは現在、妊娠中。 安定期に入って「夜の生活」も大丈夫なのだけど、ダンナさん、妊娠発覚以来1回も手を出してこない。 そのことがどうにも気になる奥さん。 あの手(コスプレ)この手(ダンナさんがプレイ中のアダルトゲームに便乗する)で何とかそういう方向に持って行こうとするのだが、はたして……。 そんな感じの作品です。 「オタクあるある」と「妊娠中あるある」の両軸で進む、大人のラブコメかと。 ダンナさんをその気にさせようとする、奥さんの頑張りがかわいらしくて仕方ありません。

    4
    投稿日: 2016.02.24
  • おかあさんの扉

    おかあさんの扉

    伊藤理佐

    オレンジページ

    比類なき育児エッセイマンガ

    マンガ家の伊藤理佐さん。 同業の吉田戦車さんとご結婚されて、晴れて40歳でご出産されました。 この作品は、伊藤さん吉田さんご夫妻の、一筋縄ではいかない育児四コママンガです。 なんと言うか、大変なんでしょうが、その大変さを伊藤さん流の笑いに変えてるところが素直におもしろいです。 もちろん育児が中心なのですが、それ抜きにしても伊藤さんと吉田さんと、周りのひとたちがおもしろい気がします。 子育て経験者も、未経験者も分け隔てなく楽しめる作品だと思います。

    4
    投稿日: 2016.02.23
  • オチビサン 1巻

    オチビサン 1巻

    安野モヨコ

    AERA

    「ふりがな」が、ない……。

    作品としてはほんわかとした雰囲気であたたかく、ちいさい子供にも勧めやすいなと思っていたのですが、改めて読んで台詞に振り仮名がないことに気がつきました。 率直に言って、もったいない。 振り仮名があれば、小学校に上がる前の子供にも読んでもらえるかなと思ったのですが。 オチビサンと犬のナゼニやパンくいたちの、季節感を大切にした穏やかな日常。 内容としては万人にお勧めできます。

    2
    投稿日: 2016.02.18
  • 蹴球少女(1)

    蹴球少女(1)

    若宮弘明

    good!アフタヌーン

    お色気路線全開

    メインの女性キャラが訳もなく裸になるという、ある意味サービス過剰な作品です。 さりげなく、と言ったものではなく、羞恥心なく主人公にせまります。 それがこの作品の魅力の一つでもあるかとは思うのですが、もうちょっと抑え気味でもよかったのではないかと思いました。 メインキャラである藤崎鈴がサッカーがうまいのは、「秘められた過去」がありそうなのですが、脱ぐのは一体何故なのか……。 サッカー好き、美少女キャラに抵抗がないという方なら楽しめるかと思います。

    2
    投稿日: 2016.02.14