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八月の御所グラウンド
八月の御所グラウンド
万城目学/文藝春秋
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総合評価

614件)
3.9
136
271
156
16
1
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    万城目学が高校駅伝を題材に小説を書いて、しかも直木賞を取ったというニュースを見かけ、是非読んでみたいと近所の書店に駆けていって購入。 件の、高校駅伝を題材にした短編と、真夏の不思議な草野球大会を題材にした表題作の短編から成っている。そして私が期待した都大路の方はボリュームとしてもとても少ない。どちらかというと表題作がメインなのだろう(とはいえ、前後の小説はほんの2行分くらいでつながっていた)。 どちらも、この世のものではないものとの遭遇を中心に、そこから広がっていく温かなコミュニケーションがとても心地いい。そしてどちらの作品も、不思議な体験をきっかけに、今までの世界の見かたがほんの少しだけ変わって、成長していく。ジュブナイル小説みたいな感じでもある。 ボリュームとしても、内容としても気軽に読めるものだし、なにより嫌な思いは一切しない。悪い人も出てこない。みんないい人。一生懸命に生きるいい人だから、読み終わった後ちょっと元気が出る。

    3
    投稿日: 2024.02.01
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    直木賞 受賞おめでとうございます 帯がど派手ですね 「ヒトコブラクダ層ぜっと」以来です 万城目ワールドにどっぷり浸かるのが楽しみで 大体の作品読んできました 京都!ですねえ、やはりいいですねえ 今回は高校女子駅伝の短編と草野球の中編 それだけで十分楽しませてもらいましたが やはり、出ました! 特に「御所G」に出現したモノは えっ、あっ! でした 時はお盆、五山の送り火の情景もいいなあ 二編、お香屋さんもちょっと絡ませたり…… あっという間に読み終わり、「そうだよねえ」 うなずきながら本を閉じました ≪ グラウンド  学徒出陣壮行式 ≫

    34
    投稿日: 2024.02.01
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    行くたびに京都は不思議な街だと思う。 歴史的建造物と最新のモダンな建物が全く違和感なく溶け込んでいて なぜか、この世とあの世の境目までもが あやふやな感じがして仕方がない。 この世の者では無いものの気配は、普通は怖いなと思うはずなのに 京都にいるとなんだかそんな違和感さえなくなってしまうのだ。 そしてこの小説は、まさにそんな京都での摩訶不思議な出来事を描いた物語。 まぁ、京都だったらあり得るかもね・・・と、 すんなりと小説の世界に入り込むことができました。 心に沁みる優しい物語です。

    5
    投稿日: 2024.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    森見登美彦ファンとして万城目学さんは気になっていたものの、なかなか縁がなく読んだことはなかった。今回直木賞受賞ということもあり初めて読んだ。 1作目は、読みやすいが直木賞受賞作とは俄に信じ難く2作目の伏線を張っているのか?と思う程。 2作目も設定は面白いが賞を取るほどかな~と読み進めていたが、中·終盤にかけては急激な展開にページをめくる手が止まらなかった。 沢田栄治と京都との思いもよらぬ接点に、作者もこれに気づいた時はニヤついただろうなと勝手に妄想してしまった。 大学入学後半年で戦死した学生が多数存在したこと、彼らにも野球や勉学等やりたいことは沢山あったのに戦争により絶たれてしまったこと、色々と想いを馳せることはあったが読後感はどこか爽やかで、何でもない日々をただ楽しんで生きよう、と前向きになれた。

    1
    投稿日: 2024.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    直木賞と分かって読んだ。一話目,私は好きだけどこれで直木賞はないだろうし二話目がすごいんだろう,と予想し読み始めるもこのペースで大丈夫なんかなと心配しながら読み進めたらすごい展開が待っていた。「ひょっとして」と気付いた後からはずっと涙こらえながら読んでた感じ。短いお話だし他の直木賞に比べたら物足りないという感想もあるかもしれないけど,私はとても好き。 追記。今日の新聞広告に「死んだはずの伝説の名投手とプレイボール」って書いてあって,そこバラしちゃうの!?と驚いた。その情報に触れる前に読んで良かったと私はとても思うのだが。

    1
    投稿日: 2024.01.30
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    真夏の早朝の御所グラウンドで草野球をすることになった大学生『八月の御所グラウンド』。高校女子駅伝をピンチランナーで走る絶望的に方向音痴の高校生『十二月の都大路上下ル』。京都が舞台で学校周辺も登場します。やさしくてせつなくてちょっとファンタジーな物語。京都ならこんなことあるかもしれない。

    2
    投稿日: 2024.01.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    スポーツものの皮を被せた京都不思議話。 まあ良い作品とは思うが、自分にはあわない。 どちらかというと初めのほうの短編の方がこのみだが、新選組はいらない気がする。

    3
    投稿日: 2024.01.29
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    俺が好きな万城目学ではなかった…… とはいえ綺麗な話だったし、青春の中にちょっと変な歴史モノが混ざりこんでくるあの構成は万城目節で良かったと思う ただテンポよくサクサク進むから面白いしすぐ読めてしまうんだけど、前回の直木賞「地図と拳」に比べて、なんというかパンチにかけている気がしてしまった…… まあパッケージからわかってたけれど、トンデモ万城目好きには薄味かもしれない

    2
    投稿日: 2024.01.28
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    第170回直木賞受賞作。 2部作からなる小説で、短編の『12月の都大路上下ル』中編の『八月の御所グラウンド』の2作。 両作共に読みやすかったです。ただ、設定は良かったのにファンタジーにする必要あった?っていう何とも腑に落ちない作品でした。私は短編の方が好き。 青春スポ根系に一手間加えた作品に仕立てたのでしょうが、私はどストレートが好きでして、帯見て分かってはいましたが、途中から変化球だったので、どうせやるなら終いまで書き切って欲しかったかなぁ。これが万城目ワールドなのは承知ですが、好みの問題です。

    111
    投稿日: 2024.01.26
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    初めての万城目作品。 文章は読みやすくスラスラ読める。 ファンタジーの混ざり具合がちょうど良い。青春度合いが強くて、こそばくてしんどい。今この時代に読むと、クリティカルに響く。

    6
    投稿日: 2024.01.25
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    直木賞受賞作品 すっごく面白くて一気読みでした 京都を舞台に不思議な現象が起こるところは『鴨川ホルモー』と同じ。 でも、今回の作品は、読み終わった後の余韻がすごい。ネタバレになってしまうので詳しく書けないのが残念ですが、収録の2作品とも、とても良かったです

    2
    投稿日: 2024.01.25
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    「なあ、朽木。俺たち、ちゃんと生きてるか?」 すぐには、答えることができなかった。 また新たな「万城目ワールド」が出現!

    1
    投稿日: 2024.01.24
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    森見登美彦の作品しかりだが、京都が舞台の青春小説はユーモラスな登場人物が多いね。 非常に読みやすく面白い小説でした。

    2
    投稿日: 2024.01.23
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    御所というからには舞台は京都なんだな、くらいしか前知識無しに予約して読んだんですが…いやぁ、The万城目作品って感じで良かったです!女子高生の清々しい青春と、塞がりぎみの男子大学生の青春、そして京都らしい不思議と歴史の重さ。特に表題作は、短編なのに長編ほどの深みがあるといいますか…考えようによってはホラーなんだけど、怖さよりもひたすら切なさが押しよせてくる感じ。どちらのお話も京都ならではというか、万城目氏ならではのお話かと思います。直木賞受賞ばんざい!

    2
    投稿日: 2024.01.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    二篇のうち、個人的には「十二月の都大路上下ル」の方が好みでした。二篇は、「その場所に縁のある故人が何故か現れる」ことが共通しています。 表題作は現れた理由として、野球をしたかったから、と言えると思いますが、「十二月の都大路上下ル」は理由が分かりませんでした。前例に倣うと、何かやり残したこと、未練のようなものがあったのかと思いましたが知識がなく、新撰組知識を得た時に理解できるのかもと思いました。 二篇とも、心温まる、それでいてなんとも言えない不思議な気持ちになる、そんな作品でした。

    3
    投稿日: 2024.01.22
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    久しぶりに万城目学さんの本を読みました。 万城目ワールド健在ですねー 8月の御所グラウンドは、どうして過去からやって来たのか⁉️ 正体を話したらもう来なくなる… ハラハラの中で、それでも彼らは何処からかやって来るりる。 自分は、誰と野球をしているかも知れずに。 互いに親しみを持って真夏の朝野球に勤しむ彼らの姿に思わず涙する。 どことなく、ファンタステックさも感じる。 ほんわかするいい話だっかなぁ。

    1
    投稿日: 2024.01.22
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    京都を舞台として、女子高校駅伝と野球の2つのお話。青春だな〜。読みやすくて、サクッと読めた。ただ空想ファンタジーで、自分にはあまり刺さらなかった。

    20
    投稿日: 2024.01.22
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    直木賞受賞作ということで購入。 受賞作はめちゃくちゃハードルをあげて読むので、正直「こんなものか」と思ってしまった。個人的には短編集よりも1つの長編の方がいいかなと思った。 というのも本作は2編からなる短編集で、ある程度世界観は共有しているものの独立しているので、特に一編目を読んだときは「え、これでおわり?」と思ってしまった。一編目がかなりあっさりしている分、読者の多くは表題作である2編目の方がよかったと感じるのでは。 ここまで文句しか書いてないけれど小説自体はとても面白かった。 特に2編目はクオリティが高く、彼女にフラれたぐうたら大学生がひょんなことから野球大会に参加することになり、初めはノリ気でなかったのになんやかんやでのめり込んでいく様がコミカルにえがかれていた。 さらにそのままお笑い路線でいくかと思いきや、物語が進むにつれてシリアスな、しかも予想していなかった結末を迎える。 物語のスタートとゴールの落差が大きく、150ページくらいの中編にしては非常に読みごたえがあった。さらに読後がさわやかなのもいい。 というわけで☆4つ。 あとこれは独り言だけど、芥川賞や直木賞が「本をたくさん売るための」クリスマスセール的な位置付けにならないことを願う。 本が売れることも大切だけど、歴史的な文学賞だからこそ、いまのまま硬派な感じを貫いてほしい。 本屋大賞も同じで、「本屋さんがぜひとも読者に読んで欲しい本」をちゃんと選出してほしい。 結局なにがいいたいかというと、誰かを忖度したり政治的なあれこれが入らないことを願う、ということ。

    6
    投稿日: 2024.01.22
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    何かに命を燃やして今この時を生きている そんな風に生きられてるかなぁ 盆休み、借金のカタに草野球に参加することになった主人公。ゆるっと進む序盤にあまり入り込めずに読んでいたけれど、途中で気がついたある出来事から一気に万城目ワールドにはまった! 生かされている今、この時も大切に やりたいことがあったら全力でやらなきゃー!と心に火が灯りました

    9
    投稿日: 2024.01.22
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    表題作よりも並んで収録の第一話目の方が好み。しかし、初マキメだけにその展開は驚きで、戸惑いさえも感じてしまう。

    1
    投稿日: 2024.01.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まず一言、ホッコリしました。 京都を舞台に繰り広げられる、不思議な出会い。 京都という街はどこか魔法がかかっているのかと 幻覚を覚えさすほどとても不思議な雰囲気を醸しだしています。 「十二月の都大路上下ル」  本作は、京都の12月の風物詩でもある、全国高校駅伝をテーマに、女子部員たちの青春の物語。 駅伝を愛する者たちの、汗と涙が詰まったお話です。急に出走することになった、補欠の1年生の板東は、プレッシャーと彼女の弱点でもある、方向音痴に悩んでいた。ちゃんと走れるのか、出れなかった先輩のために、いざ本番、タスキが渡され、走っていると、目の前に謎のチャンバラ集団がいた。  「八月の御所グラウンド」  大学4回生の朽木は、あることで悩んでいる。その理由は、別れを突きつけられ、彼女のある言葉が忘れられないからだ。そんな朽木のもとに中学の同級生の多聞からある相談が、野球大会にでてくれないかという内容だった。それも早朝からの 野球大会で、参加する人々は、夜の京都を知り尽くした人々で、酒が抜けてない状態で、皆頑張る。その理由とは、ある伝説的投手が鍵を握る、感動のひと夏の物語です。  直木賞受賞おめでとうございます。万城目さんの 作品は、本作が初めてでしたが、ドラマでは何度か拝見しています。京都が舞台の作品が多い印象で、もっとたくさん読みたいです。

    49
    投稿日: 2024.01.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    短い一編と、中編の表題作からなる青春物かと思ったら、どこか寂しくほっこりする物語だった。 特に表題作の構成は素晴らしく、自分の中にも小さな火が灯った気がした。 登場人物のモデル(と言っていいのだろうか)について調べ、亡くなり方、当時の年齢、知識としては知っていたけど、自分がとうに過ぎたその若さに改めて思うところがあった。 多聞の「ちゃんと生きてるか?」は自分にも聞かれているような気がした。 直木賞受賞ということを知り読んでみたが、とても良い本に出会えた。 万城目学の本は今まで何作か読んでいたけど、また読んでみたいと思う。

    1
    投稿日: 2024.01.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読みやすく面白かった! シャオさんがお気に入り。 2編とも亡霊ファンタジーだったけど、 亡霊要素は要るのか?と思ってしまった。

    1
    投稿日: 2024.01.19
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    久しぶり万城目ワールドを満喫しました。短編2作。順番も絶妙。 1つ目の「十二月の都大路上下ル」は、続きが楽しみになるような終わり方で名残惜しい。 2つ目の「夏の御所グランド」は、心に残った。もっと読み続けたい。けど、「続きはないよ、読まなくても分かるよね」というメッセージを受け取った気分 この引きずり感がとても心地いいんです。 わかります?(^^) ちょうど読んでいる間に直木賞受賞のニュースが入り、自分が受賞した気分になって、よし!という気持ちに。

    73
    投稿日: 2024.01.19
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    図書館で予約して手元に届いたその日の夜のニュースで直木賞受賞作と報じていて、なんとラッキーなタイミングで読めるのかと嬉しかった。京都を舞台の物語が二篇。どちらも興味深い展開で面白く読み終えましたが、特に御所Gの物語が印象的でした。不思議な気持ちになりました。今生きている事の大切さに思いいたりました。読みやすかった。

    25
    投稿日: 2024.01.18
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    第170回 直木賞受賞作 万城目学『八月の御所グラウンド』 感動の野球小説という触れ込みで、本書を読み始め、不思議なデジャブ感で思い出した! 一遍目『十二月の都大路上下ル』は、一昨年の『オール讀物5月号』 二篇目『八月の御所グラウンド』は、昨年の『オール讀物6月号』が初出だった事を。 その時の感想は、読み安く不思議な物語だったのですが、今回改めて本書を読んでみて、万城目学さんのストーリー展開、ミステリアスでありながら、ファンタジー そして最後に感動を与えてもらいました。 京都に行ったら、こんな不思議な体験が出来るんじゃないかなぁって思ってしまう程の良作でした。 改めて、直木賞受賞おめでとうございます。

    29
    投稿日: 2024.01.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前情報なしで読んだらまさかのライトなオカルトでびっくりしたけど、とても心の温まる話だった。あと要所要所でくすくす笑ってしまうシーンがあったのもとてもよかった。ひと夏のいい思い出を共有してもらった気分になった。

    3
    投稿日: 2024.01.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    直木賞候補作になっていたので読んだ。 表題作の八月の御所グラウンドは、都合良く現れた助っ人が幽霊なのではないか、というあたりは面白かった。

    2
    投稿日: 2024.01.14
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    二本の中編が収録された本書はわずか204ページ。あっという間に読み終えた。 駅伝を題材にした「十二月の都大路上下ル」は、方向音痴でいつもコースを間違えてしまう女子高校生が主人公。ファンタジックな仕掛けを挿入した必然性はあまり感じられなかったのだけど、それより何より主人公の走ることに対する懸命さ、ひたむきさがとっても素敵で、もうそれだけで十分満足だ。青春物の得意な万城目さんらしい作品だと思う。 表題作のほうは映画『フィールド・オブ・ドリームス』を想起させるような作品。彼女にフラれたばかりの主人公が、草野球の助っ人として早朝に呼び出され、ある奇跡を目撃するという趣向。こちらのほうはややファンタジー度が強めで、仕掛けに関しての納得感もある。さすがに読んで泣くことはなかったけど、なんだかんだやっぱり万城目さんらしい良い作品だなあと思った。 というわけで二作とも読後しみじみ感じ入ったのだけど、果たして直木賞はどうなのか。今回は鹿も猫もしゃべらないし、大阪全停止もしないし、長すぎないし中島敦は関係ないし、これまでの候補作の中では一番受賞に近そうではあるんだけど…。

    2
    投稿日: 2024.01.11
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    京都を舞台にした2つのストーリー。駅伝と草野球、どちらも真っ直ぐで気持ちの良いよくある青春スポーツストーリー…かと思いきや、不思議なファンタジー要素も入ってドラマや映画にでもなりそうな感じ。サクサク読めた。

    2
    投稿日: 2024.01.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    京都を舞台にしたちょっと不思議でちょっといいお話。少し短めの駅伝のお話ともう少し長めの草野球のお話。2編は別につながりはないので連作とかではないです。 一作目はそれぞれがいいキャラクターしていて、ちょっと不思議なお話がありつつ今度どうなっていくんだろう?!と思ったらそこで終わり。なんかもうちょっとあってもよかったんじゃないかと思いました。物足りない。 で、表題作のほうは・・・沢村栄治関連の「若くして散っていった学生たち」ありきで今ひとつ現代のお話と調和していなかった印象。こういうのが好きなんでしょ?みたいにありきたりな感動話っぽいというか。。。 つまらないわけでは決してないんだけど、読み応えみたいなものはあんまりなかったかな。

    2
    投稿日: 2024.01.09
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    いつものようなヘンテコなお話かと思いきや 最後にグッと持っていかれてしまいました。 映画化希望です。だけど誰がえーちゃん役をするんだ?

    1
    投稿日: 2024.01.06
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    久しぶりの万城目さん いつも外して来るところでグッときてしまう感じ。もっと前段階からのお話でもいいくらい、みんなが仲良くなってしまうのとかも読みたかったな

    2
    投稿日: 2024.01.06
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    新年1冊目! 知人に「万城目さんなのに爽やかで読みやすい」と薦められたものの、そこまで期待しておらず。何なら森見登美彦と一瞬ごっちゃになるくらい久々に万城目作品を読んだ。癖強京都が森見、若干読みやすい京都が万城目。 結果、良かった。 「爽やか」と言えばそうなのだが、その言葉ひとつで形容するのが惜しい。 京都だから成立する、不思議で、愉快で、違和感があるけど無くて、押し付けがましくなくて、しんみりさせて。蒸し暑いけど夜風が澄んでいて、蝉がミンミン鳴いていて、すっと心に風が吹く作品。 表題作と、「十二月の都大路上下ル」の2本立て(学生が主人公だったからか、森見氏が仄かに薫ったがすぐ消えていく)。 表題作がやはり素敵なのだが、「十二月の〜」も良かった。(女子全国高校駅伝を走る高校1年生が主人公だったが、丁度ニューイヤー駅伝を観ながら読破できたので御満悦)。こちらはファンタジーもあくまでエッセンス。青春のきらめきが眩しい短編作品。 ただひとつ言うならば、それぞれ8月と12月に読んだ方がいい。

    4
    投稿日: 2024.01.01
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    駅伝の女子高生のお話はなんとか最後まで読めたけれど、野球の話は読んでいてもなかなか進まなくて飛ばし読み。

    0
    投稿日: 2024.01.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『十二月の都大路上下ル』と表題作『八月の御所グラウンド』の2編を収載。 『十二月の〜』は全国高校駅伝大会を走る女子高生・坂東の物語。駅伝中継を見てると、沿道を並走する人が時々いるけど、なんと、新撰組と思しき着物を着た集団が斬り合いながら並走するという奇想天外なお話。万城目ワールドだなぁ、と思いながら楽しく読みました。 『八月の〜』は茹だるような暑さの京都の夏の出来事。友人からの勧誘?で夏の早朝に御所グラウンドで渋々草野球をする大学生、朽木の物語。人数が足りなくて困っている時に助っ人として現れた三人は実は第二次世界大戦で戦死した青年だった(しかも一人は沢村賞の沢村栄治!)。 私自身、京都には縁があるので、よく行った場所が出てきて懐かしく読みました。 万城目作品はずいぶん前に『鴨川ホルモー』、『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』を読んで以来です。また、未読作品を読んでみたくなりました。

    7
    投稿日: 2023.12.31
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    駅伝で新撰組といっしょに走る女子、沢村栄治が投げる草野球もうデビュー作大好きな「鴨川ホルモー」を彷彿とさせる奇想天外なお話、京都を舞台におもしろい楽しく読めました。

    10
    投稿日: 2023.12.28
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    万城目学の八月の御所グラウンドを読みました。 最初は、高校女子駅伝で舞台は京都。 次がタイトルの八月の御所グラウンドです。 万城目学と言えば映画にもなった鴨川ホルモーですが、八月の御所グラウンドも舞台は京都。 彼女に振られて地獄のような暑い夏に京都に取り残された主人公が、友達に誘われ野球の試合に出ます。 友達が教授に卒業の交換条件として出されたのが、野球をして優勝すること。 人数が揃わないことを心配する友人に、教授が必ず何とかなると。 その助っ人とは。 なかなか面白かったです。 映画になりそうかな(^-^)

    9
    投稿日: 2023.12.28
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    この作者らしくこんなあり得ない状況を、よくもここまで面白い小説に仕上げるなと、さすが直木賞候補と思いました。時に手に汗握るスポーツエンターテイメントとして、時に青春友情物語として、また時に、ミステリーな怪談譚として、ユーモアたっぷりに楽しく読ませていだきました。

    17
    投稿日: 2023.12.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    170回直木賞候補作。いくらでも盛り上げて叙情的にうたいあげて、これでもかって書くこともできる気がするけど、すごくすごくすごく抑えられていて、だけどシンプルであっさりしているからこそ、余韻がすごい。読み終わってから泣きたくなった。

    2
    投稿日: 2023.12.23
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    「偉大なる、しゅららぼん」「鴨川ホルモー」等、奇想天外な話がたくさんで、大好きな万城目学さんの作品。 いつものように突飛な話ではなく、不思議だけど心温まる落ち着いた中編が2作。 これもまた好きだけど、ちょっと物足りなかったかな。

    4
    投稿日: 2023.12.23
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    久しぶりの万城目学、長編は微妙なサイズの中風呂敷を広げたドタバタコメディ感が強かったので最近離れ気味だったけど、今作は素直に青春小説していて読後感爽やかだった。 京都で野球?沢村栄治ってあの沢村賞の?これ以上引っ張るといろいろ辻褄が合わなくなりそうなところを上手くまとめた、中編短編のここがいいところ。うっかり冬に読んじゃいました、発売直後の夏に読めばよかったな〜。

    1
    投稿日: 2023.12.23
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    (2023/12/18読了) 好きな作家さんのひとり。しかし、今作も星3つ。 1日で読み終えたので面白くない訳じゃないんだけど、万城目さんはこんなんじゃない。もっとワクワクしてほんわかして、最後の着地点がちゃんとある、はず。 タイトルと同じ話の前に12月の話がある。登場人物は被らない。(被ってないよね?)どちらも、なんだろ、読後のこのモヤッとした感じ。 後のことは読者に考えさせる系でも無く。

    8
    投稿日: 2023.12.18
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    読みやすかった。 色々な本で京都は集まりやすいイメージが出来ているからか まあそういうこともあるだろうなで違和感なく進めた。 沢村賞、確かに名前は聞くけどその人を知らなかったなと。

    0
    投稿日: 2023.12.18
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    ちょっと不思議(霊関係の)体験する話。 だから8月なのかな… 元芸妓、たまひでママのチューが優勝商品なんて、女冥利に尽きるというもんです。

    9
    投稿日: 2023.12.15
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    何て、青春しているんだろう。爽やかさのみで、押し通して物語が書けるなんて、最高!この路線をブレる事なく突き進む作品群!明るく、楽しく、あでやかに!

    0
    投稿日: 2023.12.14
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    昨日、直木賞候補になったと報道された作品。 15年以上前にハマりまくった久しぶりの万城目学作品。中盤までは、とても爽やかなスポーツ青春物語。しかし、途中からやはり万城目学ワールドに。 破茶滅茶過ぎない塩梅ではあるが、優しい気持ちになる読後感は、これはこれでいい。

    29
    投稿日: 2023.12.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    真夏の、とてつもなく暑い中であろう中の描写からの中盤からの畳み掛けるような展開。 はっとさせられると共に切なく、心が形あるものならばギュッと掴まれるような、そんな気持ちで最後まで駆け抜けた。 切ないけれど、それでもなんだか読後はすっきりとした気持ちだった。

    1
    投稿日: 2023.12.12
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    『十二月の都大路上下ル』では新選組と走り『八月の御所グラウンド』ではえーちゃんらと野球。京都でしかあり得ない出逢いにグッときた。えーちゃんを調査。確かに切れ長の目に優しげな表情…涙が込み上げた。

    1
    投稿日: 2023.12.06
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    違う時代に生きていたら、もっと楽に人生を楽しめたのに。 って思う事もあるにはあるけど、昔の人にしてみたら、今の時代は彼等が夢見たような時代なんだろうな。 もっと、しっかり生きなくては!

    5
    投稿日: 2023.11.29
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    万城目学、京都へ帰る。ということでデビュー初期は京都を舞台に名作を多く輩出した著者久しぶりの京都小説。短編1作と中編1作が掲載されている。流石に不思議な世界を演出する方らしく青春小説の基本筋にプラスして変わった趣向がなされている。具体的にいうとネタバレになるのだが、うーむなるほどなあ、となる。ただ万城目さんは変わっているだけでなく青春小説を書かせたらめちゃめちゃ上手い。特に1本目の「十二月の都大路上下(カケ)ル」が良い。マラソン小説の醍醐味を十分に活かしつつ万城目ワールドに連れていってくれる。

    7
    投稿日: 2023.11.28
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    久々の青春ものの2篇(^^) 絶望的に方向音痴(笑)な彼女が全国女子高校駅伝で見たものは…… 京都御所の横にあるグラウンドで、早朝から開催される野球大会、たまひで杯、どうしてこんなことになったのか?不思議で仕方ないが、いつしか楽しんでいる(笑)なぜか?毎度9人揃わないのに、試合が始まる直前に揃ってしまう… いずれも摩訶不思議ですが、ちょっとほっこりする優しくて切ないお話でして(^^)

    1
    投稿日: 2023.11.26
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    万城目さんの描くファンタジーとても優しかった。京都を舞台にした高校駅伝と草野球大会の中編2話。戦争は若者の未来も夢も奪っていってしまう。今の日本は彼らが願った未来になれているのだろうか。切なくて泣けるんだけど優しくまとめられた作品でした。

    1
    投稿日: 2023.11.22
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    京都を舞台に行われるスポーツを題材にした短編、中編1篇ずつを収録。 短編は全国高校女子駅伝に出る、とんでもなく方向音痴な高1女子が主人公。 レース中に遭遇する場違いな一団の存在を除けば、普通にスポーツ青春もの。 中編は祇園のクラブのママのご褒美を争い30年以上続く草野球大会。 借金と焼肉をダシに友人からの頼みで参加する主人公。 メンバーは9人ギリギリで、揃わなければ不戦敗となるが、不測の事態があってもなぜか(強力な)助っ人が現れる。 最終盤で件の友人が言う「俺たち、ちゃんと生きてるか?」の一言が沁みる。

    1
    投稿日: 2023.11.21
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    駅伝の方は爽やかな青春モノで、野球の方はファンタジー感がありつつも、京都の夏の暑さや、野球場の臨場感が伝わってきた。どちらの話もその先がどうなったのか、想像させられるものであった。

    1
    投稿日: 2023.11.18
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    表題作のほか、『十二月の都大路上下(カケ)ル』 なんでもない日常が描かれているはずなのだが、京都という場所柄なのか、時期がそうさせるのか、現在と過去の境界がある時曖昧になる。それが特別なことではないのが不思議であり、切なくもある。魂が留まっでいる気配を感じる。

    1
    投稿日: 2023.11.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    京都を舞台の短編、中篇1篇ずつ 都大路を走る高校女子駅伝と新選組、8月に毎年御所グラウンドで行われる草野球と戦争で亡くなったリ野球ができなくなった人たち、つまり死者が現在の自分たちと一緒に存在し彼らの人生を生きているのが不思議と違和感なく面白かった。 短編の方は何で新選組?と思ったが、御所グラウンドの方の死者たちの無念を思うと主人公たちでなくてもいろいろ考えさせられた。

    2
    投稿日: 2023.11.08
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    急遽駅伝のアンカーになった女子高生と借金のかたに草野球に参加することになった大学生を主人公にしたスポーツ青春小説2篇。どちらも現実ではあり得ない不思議なことが起こり、最後は爽やかな感動に包まれます。

    1
    投稿日: 2023.11.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久しぶりの京都が舞台の万城目さん作品。 最初の「十二月の都大路上下ル」を読んだ時には、これはこれで青春だったし、京都っぽいし良いのだけどもっとぶっ飛んだ万城目さんが読みたいのにーと思ったけれど二作目の表題にもなってる「八月の御所グラウンド」を読んで、「万城目さんごめんなさい」と思ってしまった。ぶっ飛んだ作品ではないけど、切なくて京都ならではで、とても良かった。 沢村賞は知っているけど、沢村栄治という人がどれだけすごかったのか、どんな最期だったのかも知らなかったので、泣きそうになってしまった。 これはお盆の頃に読むべきだったな。

    11
    投稿日: 2023.11.07
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    面白かった。万城目さんの作品なのでまたとんでもない話かと思ったら、ほどほどのさじ加減の不思議さで違和感なく読めた。こんな感じの作品をもっと読みたい。

    1
    投稿日: 2023.11.03
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     万城目学さんは、京都を中心にした青春小説で、非日常の万城目ワールドなる世界観で人気を博しているらしい。これまで未読でしたが、本作は如何に‥。  表題作「八月の御所グラウンド」の他に「十二月の都大路上下ル」という短編が収録されています。率直に言って、本作は思いの外面白かったです。  切なさと味わい深さという点では「八月の〜」、清々しさでは「十二月の〜」でしょうか。個人的には、後者の女子全国高校駅伝で都大路を走る女子高生の短編の方が、より魅力的でした。  駅伝並走って、新撰組の応援?悪戯?(未読の方は意味不明でしょうが、是非ご一読を!)  2篇とも京都の歴史と街並みを感じさせてくれる作品で、日常の中に非日常を取り込み、さり気なく読み手を前向きに、そして爽やかにしてくれる物語でした。  いにしえの都人が暮らしていた京都。京都だからこそ成り立つ、生者と死者が交錯する無理矢理感のない展開に、心がじんわり温かくなる不思議な読後感がありました。  万城目さんの瑞々しい繊細な感性が、程よい京都所縁の虚構世界を通じて見えないものを見えるようにしてくれ、更には忘れていた大事なことを思い出させ気付かせてくれている気がします。  青春×スポーツ×京都の小説ですが、どこか静かで控えめ、ノスタルジーと爽やかさが共存する秀作だと思いました。

    85
    投稿日: 2023.11.01
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    京都を舞台としたファンタジー的色彩のスポーツ小説2篇。ペーソスの効いた感動作。 京都を描けば右に出るもののいない万城目学。「十二月の都大路上下ル」は都大路の高校駅伝、「八月の御所グラウンド」は野球と学徒動員を絡めた作品。 いずれもほんのりペーソスの効いた作品。

    1
    投稿日: 2023.10.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    短編と中篇の少し不思議な2作品。 2個目の「八月の御所グラウンド」が良かった。 ここで終わるのか〜続き気になる〜となるけれど、これはこれでいい終わらせ方なのかも。でも読みたい(笑)シャオさんが良い。 ラストのメッセージもズンっと響いた。

    1
    投稿日: 2023.10.30
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    スポーツを題材にした表題を含む2作品。どちらもフワリと万城目ワールドが入っておりました。夢を見ているような、幻を見ているような感覚でジンワリと心温まる内容でした。それぞれの登場人物達のその後を知りたいと思った一冊。続編があるとしたら是非、読んでみたいです。

    1
    投稿日: 2023.10.28
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    それなりに楽しめはしたけれど、とってつけたようなファンタジー具合に必然性を感じなかった。万城目さんの良さが十分出ていないように思う。

    1
    投稿日: 2023.10.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「プリンセス・トヨトミ」以後の作品がもうひとつだったのでしばらく遠退いていたが、本作を読んで久しぶりに著者らしい作品で京都に戻って来てくれたという感じだ。2作の短編で1つは方向音痴の女子駅伝ランナーの話で何と新選組の幻を見ながら走るという話、もう一作は御所にあるグラウンドで行われる真夏の野球大会、そこに現れる三人の助っ人、そこに現れたのは沢村栄治をはじめ大戦で命を落とした英霊たちなのか、次の最後の試合に現れるかどうかまで分からない、正にフィールド・オブ・ドリームスだ。数多の死者で出来上がった京都、京都人にとってはさもありなんなのだろうか。

    2
    投稿日: 2023.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2篇の短編集。 最初の女子高生の駅伝の物語が青春ファンタジー。 2作目は、振られた男がうだるような真夏の野球大会に巻き込まれる冒頭から、ぶっ飛びマキメワールドが展開されるかと思いきや、読ませるノスタルジックなファンタジー小説でした。朽木くんは元サヤに収まったのだろうか。

    8
    投稿日: 2023.10.19
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    ぶっ飛んだそうだいな万城目ワールドを期待しすすぎていたせいか、なんだか拍子抜けしてしまった。物語自体はとても面白いのだが、短編ということもあってパンチに欠ける。 野球に興味がないと面々と綴られる試合の描写も妙に色褪せてしまった。駅伝の方が好きだったかな。謎の正体の斬り込みは野球の方が面白かった。

    6
    投稿日: 2023.10.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私自身、著者の数年前に同じような境遇で学生生活を送っていた身として、当時バイトしていた居酒屋チェーンの店舗対抗ソフトボール大会が御所グラウンドで開催され、御所の敷地内でそんなことができるのか…! と驚きつつ参加した記憶を、表題作を読みながら鮮烈に思い出した。 いわば、京都を舞台とした万城目版「フィールド・オブ・ドリームス」。 もう一作の「十二月の都大路上下ル」の方も、いわゆる霊的な存在が登場するライトな青春怪異譚であるが、新選組が西大路を南にひた走り下ル必然性が、日本近代史に関する知識が私に不足しているせいかピンと来ず、まあ読み易い話だったかな、で終わってしまったのがいささか残念。 「人間、借りた金は忘れるが、貸した金は忘れない」と穏やかに世の心理を説いた。 (中略) 「タダより高いものはないのだよ、朽木君」と本日二つ目の世の真理を告げた。

    1
    投稿日: 2023.10.17
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    万城目さんの新作。 京都を舞台にした作品2篇。 現実の場面を舞台に不思議なことが起こるのは想像力が掻き立てられて嬉しい。 今回も2篇ともにそういうお話。目に見えない何かにパワーをもらって何かを乗り越えられたりパワーが発揮できる。 不気味ではなく、そういった存在に会いたくなる話なのがなお良い。

    0
    投稿日: 2023.10.16
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    万城目さんお得意の壮大なほら話ではないんだけど、こんな優しいじんわりくるお話も好き。 摩訶不思議な秘密は全部ばれない方が粋なのでしょう。 舞台が京都だし、時期もお盆だし、こんな出来事があるかもね、と納得してしまうのが万城目さんの世界。 過去作品のお馴染みの店とか出てくるところもにやっとなった。 戦争は人生を狂わせる。 容赦なく残酷に。 当たり前の日常がいかに幸せなのか、 小説の最後に主人公達と同じように私も感じ、うだる暑さの中グランドに立って彼らを応援したくなりました。

    2
    投稿日: 2023.10.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いつもの万城目さんの奇想天外な話とはすこし趣の違う話が2話。高校女子駅伝において、急遽都大路を走ることになった方向音痴の急造アンカーと真夏の御所Gで行われる草野球(たまひで杯)を行う学生の青春物語。鴨川ホルモーというよりホルモー六景を円熟させたような青春物語。謎の新撰組とえーちゃんの正体はハッキリとはかかれていないけれど、情緒のある少し不思議な話が京都の町並みと相まって想像をかき立てられる。新撰組が駆けていったのは謎だが、えーちゃん達は単純に野球がしたかっただけなのだ。万城目さんはやっぱり京都が似合う。

    3
    投稿日: 2023.10.10
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    彼女に振られ、殺人的な暑さ、八月の京都に残された大学生の朽木は、借りのある友人・多聞に頼まれて野球の試合に出ることになる。多聞は卒業するために教授のお願い「たまひで杯で優勝すること」を叶えなくてはならないのだ。朝の6時から御所グラウンドで試合する。かき集めたメンバーは、研究室の友人や、多聞が夜のバイトでお世話になっている派手なスーツや金髪の人たち。試合が進むごとに、参加するのは野球が好きな人だけになって人数が足りなくなり困っていると、どこからともなく現れる助っ人。えーちゃん、遠藤くん、山下くん。すごい球を投げるえーちゃんは、何者なのか?本当にあの人なのか?京都ならそんなこともあるかもしれないと思わせられた。みんな野球がやりたかったんだ。みんな生きたかっただろうな。生きたかった若者がたくさん亡くなった戦争の酷さに胸が痛んだ。

    6
    投稿日: 2023.10.10
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    私自身が京都出身、草野球を実際にプレーしているので、帯に興味を持ち手にしましたが、面白くて一気に読んでしまいました!! 京都を舞台とした2部構成からなる小説。 1部は高校駅伝の短編、2部は草野球の中編で共通しているのは京都が舞台ということ。 特に印象に残ったのは3点。 ①2部目のエンディングに驚いたこと。 雨で試合が流れてしまい、沢村栄治ともう一度どのように会うのかドキドキしてページをめくりましたが、試合ないんかーいって結末でびっくり(笑) ②1部・2部両方で京都の舞台が詳細に描かれていたこと。大学時代まで京都に住んでいたため、ついつい、懐かしいなあと思ってしまうくらい事細かに京都の良さが出ていて思わずニヤケました。 ③2部目の草野球の舞台の京都の暑い夏が言葉巧みに色んな表現で表されていたこと。

    0
    投稿日: 2023.10.08
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    駅伝選手に急遽選ばれた女子高生の話と御所グラウンドで行われる野球の話。出てくる登場人物全員好きになるし優しくて少し切なくなる。野球好きやのに彼の背景を全然知らんくて無知を恥じる。この夏が続いてほしくて、何度も来てほしいと祈りたくなる、夏嫌いの私が。

    1
    投稿日: 2023.10.02
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    久しぶりに万城目学さんの本を読んだ。新聞の本広告を見て面白そうだと思い買ってみた。いままでの万城目学作品とは少しタッチは違うものの、やっぱり万城目ワールドは根本的には変わってないです。京都をよく知っているので、そういった意味でも2作品とも楽しく読めた。都大路の駅伝の話しは「うん⁈これで終わり?」みたいな感じの読了感だったが、御所グラウンドの野球の話は読みごたえがありました。じつは私は御所グラウンドで31年前に大学の連中でソフトボールをしたことがある笑。それにしてもメルヘンな話しだった。トトロのくだりが途中にありましたが、たしかトトロのコピーが『この変な生き物は日本にまだいるんです』だったと思うが、この御所グラウンドの話しは何かそんな感じの話しだったような気がした。みんなの周りに昔の人々が普通に暮らしていて見える人には見える(教授や朽木やシャオや多聞をはじめとする野球メンバーには見えてたってこと?だと思う)と言うことなのかな。。 御所グラウンドの野球の話しは読了感が爽やかでよかった。

    12
    投稿日: 2023.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

     『バベル九朔』に凝りて、しばらく避けていた万城目学作品。久々に手に取る気になったのは、200pちょっととボリューム控えめだったから。失礼ながら。  帯によると、2編からなる本作は、デビュー作の『鴨川ホルモー』以来、16年ぶりに京都が舞台だそう。京都×青春感動作? 『鴨川ホルモー』も青春物の要素があったが。さほど期待せず、時間潰しに読み始めたことを告白しておく。  まずは「十二月の都大路上下(カケ)ル」。京都の冬の風物詩である女子全国高校駅伝。27年ぶりに出場する高校の補欠の1年生部員が、急遽出場することになった。走るのは最終5区。絶望的に方向音痴な彼女は、無事にゴールできるのか?  スタートが近づき、腹を決めた。そんな彼女に見えてきたのは…。横を走る他校のランナーに食らいつく。短いながらも濃密で、息づかいが聞こえてきそうな、青春物の好編だ。京都らしい演出だが、そっちの要素は必要だったのかなあ。  続いて「八月の御所グラウンド」。彼女に振られ悶々としていた大学生が、草野球の助っ人、というか数合わせで呼び出された。謎の草野球大会たまひで杯の成績に、呼び出した彼の卒業がかかっているという。渋々早朝のグラウンドに行くと…。  この大会、メンバーが9人揃わないと不戦敗だが、なぜかタイミングよく助っ人が現れる。中国人留学生が指摘した彼らの正体とは。そっちの要素が大きな意味を持つ。その名は知っていても、「彼」の置かれた背景に、己の無知を恥じる。  なぜ「彼」なのか。なぜ舞台が京都で、季節は真夏なのか。すべて腑に落ちるが、おい、こういう終わり方かよ。これはこれで悪くはないか。素直にじんわり沁みる2編だった。『鴨川ホルモー』ほどぶっ飛んだ作風ではないが、万城目さんはようやくホルモーの呪縛から解放された気がする。大作でなくてもよいのだ。

    0
    投稿日: 2023.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    京都を舞台にした、ちょっとファンタジーなストーリーがほっこりしました。 プロ野球選手の沢村栄治が現代に現れ一緒に野球をしたら? 草野球みたいな感じなのに、何だか白熱した試合になってワクワクしました。 「あなたには、火がないから」 そう言われて彼女に振られた朽木。でも、沢村栄治に出会い、確実に何かが変わった気がしました。

    7
    投稿日: 2023.09.29
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    12月の京都高校女子駅伝の話と8月の草野球の話しの二篇 どちらも京都なら起きうるかもしれないと思わせる話。 8月の方は、野球をやりたかった3人の思いが切ない。 万城目さんらしい摩訶不思議はちょっぴりだったけど、心がほんわか温かくなった。

    14
    投稿日: 2023.09.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初読。図書館。帯に「京都が生んだ、やさしい奇跡。」とあるがまさにその通り。底冷えの冬の女子全国高校駅伝と灼熱の夏の伝統の?草野球の中編2編。駅伝はスポーツ小説風に始まるがそこはやっぱり万城目さんのファンタジーが入ってきて、それでも冬の熱い物語だった。草野球は因縁のありそうな雰囲気からファンタジーに移行しながら、8月という季節を存分に生かした展開で少し寒くなる夏の物語。ずしりと泣けるし、中国人留学生を配置するあたりが秀逸。万城目さん、もっとスポーツ小説書けばいいのに、と思ったけどよくよく考えれば書いてたね。

    0
    投稿日: 2023.09.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ほんわりとした読後でした。新選組が出てきたあたりで万城目ワールドを実感します。青春に少し不思議を重ねて、明るい読後でした。読みやすい万城目さんでした。

    1
    投稿日: 2023.09.27
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     過去が同居する京都では、不思議なことが起きてもおかしくない。  万城目学が書く京都2編。 ・十二月の都大路上下ル  全国高校駅伝女子チームの補欠として京都に来たサカトゥーこと坂東は、前日に先輩の体調不良でアンカーを任されることになった。  しかし彼女はとんでもない方向音痴。  本番でも、右に一回だけ曲がるだけなのに、左右どちらに曲がればよいかわからなくなってしまう。  走りながら、ふと歩道を見ると、誠の旗を掲げた一団と並走している。  しかし、歩道の人たちにはその一団が見えていないようだ。 ・八月の御所グラウンド  友人の五回生、多聞が持ち込んだのは、卒業との引き換えに野球大会に出場して優勝することという、教授との取引だった。  その取引に巻き込まれ、八月のクソ暑い京都で朝6時から野球をやる羽目になっている。  最初は9人集まっていたが、次第に夏休みで欠員が出始め、早々に人が集まらない。  そんな中、たまたまそこにいた人たちで9人が揃った。  その集まった補強メンバーが投げた一球の威力はすごかったが、その人が沢村栄治にそっくり。  調べていくと、助っ人の3人は、すでに亡くなっているのではないかという疑念が出てくる。  過去と現在が地続きで繋がる京都。  そんな土地だからこそ、何かが起こるのではと思わせてしまう。

    0
    投稿日: 2023.09.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    京都の女子高生駅伝の全国大会に出場。1年生で前日変更でアンカーを走ることになった。 走っている途中に新撰組のかっこうの男達が歩道を走っている。他の人は見えてない?テレビ中継にも映っていない。 翌日、競り合った選手に偶然あった。彼女にも新撰組が見えていた。 来年も出場して出れなかった仲間を連れてくると違う 八月の御所グラウンド 教授に卒業させてもらう為に草野球大会優勝を依頼された留年生の友人。野球経験なしだが、人数合わせで参加。ドタキャンで人数不足。たまたまきた台湾女子留学生。たまたま自転車で通りかかった3人。3人の活躍で勝利。3人素性調査。 京大生の学籍は太平洋戦争で学徒出陣で死んだ学生? 工場で働くえーちゃん、沢村栄治にそっくり バイトの山下君は教授の知り合い70才ママの兄ににている もうこないかと思ったがやってきた 試合は負けてしまい確認できず 大文字焼きを見ながら友人に話す 教授はママの兄に会ったと口をすべらしたこと

    0
    投稿日: 2023.09.25
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    全国高校女子駅伝を舞台にした「十二月の都大路上下ル」はレースに臨む不安や興奮、友情が鮮やかに。「八月の御所グラウンド」は「鴨川ホルモー」のような振り回される大学生のゆるっとした空気感が描かれている。どちらも共通しているのはスポーツの熱量と楽しさ。半ば無理やり舞台に上げられた主人公がそれぞれに楽しみを感じ、全編に通じる「不思議」にシフトしていく。 「八月の〜」は人数合わせで成立したチームがみんな野球が好きで楽しくて取り組んでいる、と思ったら仕掛けられた謎に苦しくなる。ただ野球を楽しみたかったから、その一言が胸を打った。

    0
    投稿日: 2023.09.23
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    2編、京都が舞台。 どちらも京都を舞台に、まさに著者らしい作品! 「八月の御所グラウンド」 野球と歴史の知らなかった出来事を知ることができ、このまだ暑い時期に、そしてこの時代に読めたことは感慨深い。 奇天烈だけれども、奥が深い、余韻を残す秀作だ。

    14
    投稿日: 2023.09.21
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    2023.18th これぞ万城目学!という感じの作品でした(*゚∀゚*) 特に「八月の御所グラウンド」はじ〜んと感動すらする傑作ではないでしょうか。 まさか沢村栄治とは…! 久しぶりに万城目先生の作品でワクワクドキドキできました。ありがとうございます(つД`)ノ

    0
    投稿日: 2023.09.20
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    待望の万城目さんの新作です~! 本書は京都を舞台にした二作品・・ ・女子全国高校駅伝――都大路にピンチランナーとして挑む、方向音痴な女子高校生の物語「十二月の都大路上下ル」 ・借金のカタに京都御所のグラウンド(御所G)で行われる謎の野球大会に強制参加することになった大学生を描く表題作「八月の御所グラウンド」 ・・が、収録されております。 うん、いいですね~。 京都×青春=これぞ、私の大好きな“マキメワールド”の原点でございますよ! 1作目の短編「十二月~」では、レギュラーの先輩の体調不良によって、急遽駅伝大会に参加することになった、1年生の“サカトゥー”こと坂東さんの方向音痴っぷりのような独特のトボけた味わいの中に、ちゃんと走ることへの向き合い方や同級生への友情も描かれていて、爽やかな仕上がりになっています。 そして、沿道を並走する“新選組”(!?)という不思議現象も何だか京都ならアリなのかも?なんて思ったりもしますね。 そして、表題作の「八月~」が、これまた秀逸。 “たまひで杯”なる、草野球の大会に早朝から参加させられる朽木君と、“チーム三福”のメンバー&加えて“謎の助っ人”達が繰り広げる、“思わぬ熱戦”に読んでいる私も手に汗握っちゃいましたよ。 個人的には中国人留学生・シャオさんのキャラがナイスでした。 そして、お約束の(?)不思議要素、“助っ人”の方々についての考察にはちょっと鳥肌というか、結局真相は解明してはいないのですが、 「ああ、そうか」 「みんな、野球がやりたかったんだ」 ・・の台詞には、胸がギュっとなりました。 終盤の朽木君と多聞君が「五山送り火」を見ながら語り合うシーンも、胸にじんわりと切なさと優しさが広がっていくような思いで読みました。 “たまひで杯”の結果はどうなったのか、そこはわからないまま終わるのが残念ですが、送り火の灯が少しずつ消えていくような、しんみりと寂しいけれど何とも心地よい余韻に浸らせて頂きました。 二作品とも、温かな読後感ですごく好きだっただけに、もっと長い話で描いてほしかったなぁと、ファンとして勝手な要望を抱いてしまった次第です。 そういえば『あの子とQ』の続きはどうなっているんだろう(え?ありますよね?)、万城目さん、そちらもお願いしますよ~。

    26
    投稿日: 2023.09.17
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    短編と中編の2作品。共通点は「京都」という土地柄のみで他の関連性が見つけられませんでした。 個々の話は、著者が意図的に描いたのかはわかりませんが、他の著書と比較して読みやすくなった感がありますし、万城目ワールドは健在です。

    42
    投稿日: 2023.09.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    懐かしい万城目ワールド。 12月は、京都の街中を走り回るのは、鴨川ホルモーのオマージュかな。見える人にしか見えない新撰組が見えた時点で、キタ!と思ってニヤリ(笑) 8月は、京都の夏のに起こる不思議だけど、なんだか楽しい体験。たまひで杯というわけのわからない設定に、出た!と思ってクスクス笑ってしまった。 どちらもスポーツに純粋に励む青春の一ページに心が洗われた。

    2
    投稿日: 2023.09.12
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    久しぶりに万城目さんらしい京都の話を読めて嬉しい。サカトゥー、おもろすぎるわ。実際、大学の同級生に「とりまる」って読んだやつがいた。名古屋から来たやつやった。新選組も沢村さん一行も目的は不明なままだが、それが万城目マジックやな

    1
    投稿日: 2023.09.11
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    まさに「八月の」お話。 「十二月の都大路上下ル」の短編から始まり、「八月の御所グラウンド」と続く、全く別の話ながらなにか繋がりを感じる構成。 万城目作品ということで、「鴨川ホルモー」を思い起こす描写もありつつ、終始不思議な、それでいてほっこりする(京都らしく「はんなり」すると言えばいいかな?)いい物語でした。 なんとなく幸せな気持ちになれたのは私だけでしょうか??

    1
    投稿日: 2023.09.06
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    草野球を題材にした表題作と全国女子駅伝を舞台にした「十二月の都大路上下(カケ)る」の2編。 原点回帰というか、京都回帰。京都ならでは(笑)の「亡者」が現れる話ですが、そこは何せどちらもテーマが昼間のスポーツ、怖さは無く、どこかノスタルジーさえ漂います。変則モーションから繰り出される快速球という感じで、最終的にはきっちり爽やかで温かいスポーツ小説にしてしまうのが流石。少々小ぶりですが、如何にも万城目さんらしい作品でした。 どの登場人物も良いけれど、登場する女性陣がみんな妙にキッパリしていて好みですね。色気はありませんけどね(笑)

    1
    投稿日: 2023.09.06
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    都大路を駆け抜けるのも、御所グラウンドで野球をするのも現在生きている我々だけではない。 その場所にはその場所に関わった無数の人たちがいる。その人たちにはそれぞれ、その場所での思いがある。 青春というキラキラした時間を生きている人が、何かの拍子にその場所の過去の人たちと接点を持つことはあるような気がする。 「あなたには、火がないから」 と彼女に言われ別れを突きつけられた朽木は思う。 「彼女自身、迷い続け、ようやく言葉のかたちを得たものが、あの表現になった気もする。かつてあったはずの俺への気持ちが彼女からもうなくなった、という事実を俺は受け入れている。」 恋人との別れはこんなふうに思うしかないのかもしれない。でも、本当は、受け入れるだけではダメなのだ。 「なあ、朽木。俺たち、ちゃんと生きてるか?」 ちゃんと生きることは、関わりの中で意識された時、やっと現れてくるのだと思う。 ちなみに、京都は苦手だ。 自分の想い出が多すぎるせいか、いろんな人の想い出に関わる人や場所が多すぎるせいか、行くたびに気持ちがザワザワする。

    3
    投稿日: 2023.09.06
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    ZもQもイマイチな感じだったけど、Gもなぁ… それこそ、肩を壊して直球勝負が出来なくなった投手、な感がある。 商業作家的には、毎試合完封なんかしなくても、トータルで負けないプレーをしてればいいんだろうけど、小手先の投球でどこまで観客を満足させられるものか。

    2
    投稿日: 2023.09.05
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    京都で行われる女子全国高校駅伝大会に補欠としてやって来た坂東。とても方向音痴な彼女が、という話。大学生が朝6時から開催されるおかしな野球大会に参加させられ、という話。 なかなか面白かった。共通するのはある種の超常現象なのだけれど、むしろそれ以外のストーリーや登場人物の造形が良かった。

    1
    投稿日: 2023.09.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    駅伝と草野球大会の2編からなる物語。 どちらも不可解で、優しく、好転人生の青春話。 絶望的方向音痴な女子高生1年生。駅伝の選手に選ばれてしまう。なぜ自分なのか。 彼女に振られた大学生。あなたには火がない。 謎な出会いを通して、草野球大会での成績はどうなるのか。

    8
    投稿日: 2023.09.04
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    久しぶりに万城目さんの京都の物語に浸れた。冬と夏の京都を思い描く。沢村さんと同じように母の兄が輸送船で撃沈されて亡くなった。私は、暑い夏が大好きだが、伯父の亡くなった八月は母の悲しみを思い出す。

    2
    投稿日: 2023.09.03
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    みんな、生きたかっただろうなあ 8月を迎えるたびに思い起こさなければならない言葉だろう。大切な一冊になった。

    8
    投稿日: 2023.08.31
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    中編2編を収録。そこまで精通している訳ではないけど、いつもの著者とは違う印象の本作。かといって、SF風味はそれなりに感じられるから、新機軸ってほどのことでもない。ざっくり言っちゃうと、中途半端。純粋に面白いとか、感動する、っていう破壊力もないし、どういう意図でものされた作品なのか、ちょっと考えてしまった。戦争が絡んでくるから(新選組もいわば暗殺集団だし)、ウクライナ侵攻や日本の方向性に対するアンチテーゼかな、と思ったりもするけど、そんな深く考えることなのかな、とも思ったり。何だかしっくりこない一作。

    1
    投稿日: 2023.08.30
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    なんでこの2話?とクエスチョンでしたが、あと5冊・10話分も読めるのなら大々々満足です。 1話しか無かったとしても満足でした。

    2
    投稿日: 2023.08.29