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八月の御所グラウンド
八月の御所グラウンド
万城目学/文藝春秋
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総合評価

619件)
3.9
136
273
159
16
1
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    このレビューはネタバレを含みます。

    万城目さんの直木賞受賞作。タイトル作を含む短編集。作中に京都の地名がたくさん出て来て一緒にあちこちした気分になった。 タイトル作品は京都御所にあるグラウンドで野球をするお話。まさか御所にグラウンドがあって野球やサッカーが出来るなんて知らなかったので驚いた。 そして沢村賞という賞があるのは知っていたけれど沢村栄治さんの経歴は全く知らず今回初めて知ってその経歴に驚いた。平和っていいな。したいことが出来ること、楽しい野球が出来ることって幸せだ。

    2
    投稿日: 2024.06.07
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    プリンセストヨトミ以来、久しぶりに万城目さんの小説を読みました。 やはり万城目さん。少し不思議な話で京都の話。 読みやすく1時間ちょっとで読み終わってしまいました。

    1
    投稿日: 2024.06.06
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    感動&感涙の傑作青春小説との帯に惹かれて読みました。どんな感動かワクワクして読み進めましたが、いい意味で予想が外れました。ダラダラ惰性で日々を過ごしていた主人公は爽やかな気持ちでこれから前に進めることでしょう。私は毎日楽しくいつ死んでも悔いはないように生きていますが、それでもこれを読んだあとは、より幸せを噛み締められたし、気持ちの良い感動を味わえました。2つ話が入っていますが、どちらも面白かったです。面白い展開でまたこの作者の作品を読んでみたくなりました。 読んでよかった。

    2
    投稿日: 2024.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    青春×幽霊?の話 京都ならではの雅で不穏な雰囲気がずっとある 関東育ちのわたしには地名がピンとこないところもあったけど、すごいおもろしかった 1話が真冬で2話が真夏で季節感のギャップも楽しめました。 ▼一章目 女子駅伝に急遽代走することになった主人公はめちゃくちゃ方向音痴で本番中も道を間違えそうになる。 そしたらお化け?の新撰組が助けてくれる。 本章は出てくるキャラみんなに味があってページ数の割に満足感がありました。 けど右左忘れるのって方向音痴とはまた違う問題なような気も、、 わたしも方向音痴だけど、右左忘れると言うより曲がるタイミングを間違えがちです。 ▼2章目 本のタイトルにもなっている2章目 こちらは草野球にイヤイヤ参加する主人公。 途中フラっと参加した人が沢村栄治?かもしれない (沢村栄治は野球の第一人者ですごい人) 他にも日本野球を立ち上げた人?が仲間となって夏の野球を楽しむ感じは奇跡体験?恐怖体験?どちらともいえないドキドキ感があっておもしろかったです。 野球偉人たちは実は戦死しており夏の終戦際を思い起こさせる展開も見事でした。 烈女の女性キャラがハキハキ物事いう感じとかも好きです

    1
    投稿日: 2024.06.05
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    直木賞受賞作品という事でハードルがかなり高かったせいか読み終わって肩透かしをくらった感じ。 大衆小説じゃん、これ。

    0
    投稿日: 2024.06.05
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    作者の初めて読んだ作品。自分のこの気持ちを表現できる言葉がでてこなくて教養のなさを実感するんだけど、なんか世にも奇妙な物語的な感じ。   少なくとも夏やお盆くらいは、ご先祖だけじゃなくて、もう少し世界を広めて感謝しないとなあと思った。新撰組コスプレもいい話だったなー

    1
    投稿日: 2024.06.04
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    いまさらながら 初めての万城目さん 映像化されたものは観たことがあったのに 本を手にとる機会が なぜか無く... するすると読めて 不思議な出来事も なぜかふんわり受け止められてしまう 心地好い読書体験 教授たちの青春が 今に繋がっている甘酸っぱさがよい 夏の日差しや 蝉の鳴き声を感じるのに 爽やかな風に当たっているような なんとゆうか 子供の頃の夏休みを思い出すような気分? うん とても 気持ちのよい 時間を過ごしました

    1
    投稿日: 2024.06.04
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    京都を舞台とした物語。女子駅伝の「十二月の都大路上下ル」と草野球の「八月の御所グラウンド」の2作収録。 万城目作品は日常と非日常のバランスが絶妙だ。この作品も例にもれず。京都×青春×奇跡…読み終わった後なんだか心が温かくなった。 表題作はもちろん良かったのだけれど、女子駅伝の物語もかなり好き。青春って今ふり返ると眩しいなぁ…

    1
    投稿日: 2024.06.02
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    ノミネート6回目にしての、直木賞受賞作だけれど・・・ とても読みやすいですが、受賞作にしては物足りなさを感じます 「万城目ワールド」としても、ファンタジー色は薄め 一応、収録されているのは、2作品です どちらも割とさっぱりして、小品に感じます しかし、今までの作品よりファンタジーが介入するバランスが絶妙なのかも 受賞するには、これぐらいでないとダメなのだろうか?

    10
    投稿日: 2024.06.02
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    万城目学さんに描かせると、関西の町はいつもソフトオカルトが潜む不思議な町になってしまう。 京都の短編がふたつ。 12月の京都。 雪が舞う京都。 全国高校駅伝の補欠として京都にやってきた高校1年生のサカトゥー(坂東)。 応援だと呑気に構えていたら、ひょんな事から事もあろうにアンカーを走ることに。 必死に走る彼女の目に映ったものは…。 8月の京都。 うだるような暑さの京都。 彼女にフラれて急に退屈な夏を過ごすことになった大学生の朽木は、友人の多聞から草野球の大会に誘われる。 人数が足りずに困っていると、偶然居合わせた青年たちが助っ人をしてくれることに。 気のいいこの青年たちは何者なのか。 時はお盆。 現世と過去が交差して、朽木たちは生きることの尊さに気付かされる。 スポーツを軸にした2話はどちらも読了後、爽やかな余韻を残す。 京都に御所グラウンドがあるなんて知らなかったし、ベーブ・ルースを三振に打ち取った彼のことも知らなかった。 そして送り火。 京都をいろんな視点から味わえた1冊。

    37
    投稿日: 2024.06.01
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    一気読み。 2作ともスポーツっていいなと思わせてくれる。1作目の、サカトゥーは、本当にいい子だな。 2作目は、面白いし感動した。 こんなに爽やかで気持ちよ良い人々と一緒だったら朝6時から野球やってもいいかなと思わせてくれる。才能があって、前途有望な若者達が軍事工場で働かされて、最期はあっけなく殺されてしまう。本当に戦争って最悪だな。 仕事に子育てに色々面倒くさいと思っているけど、やりたくても自分の思い通りにはできなかった時代を思うと、恵まれている。 私もちゃんと生きなければと思った。 そして多聞は、外資コンサルで出世しそうだな。シャオさんも良いキャラだった。 翌日みんなで野球をやってて欲しい。

    1
    投稿日: 2024.06.01
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    なんか爽やかスボーツ物語なの?私の知ってる万城目学さんの書いたものと違う…と思いきや、やはり私の知ってる万城目学さん。不思議現象をしっかり入れてきていました。新撰組の方々が何しに出てきたかは分かりませんが、沢村さんたちはこれからも毎年野球をしたくて現れるのかな、そうだといいなと思いました。駅伝のも野球のもどちらも面白く一気に読みました。

    7
    投稿日: 2024.05.30
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    第170回直木賞受賞作 これは野球の話で、この作家さんは京都と、この世ならざる物が出てくるという知識位で読み始めた。えっ、高校生女子駅伝?野球じゃないの?…ということで、この本には2つの京都を舞台にしたお話が載ってました。最初の駅伝の方は60ページ位で本当に短編。でも、直木賞は文学的格調高い(サクサクとは読めない)本が多い印象の中、これはあっさり読了できます。 駅伝は主人公の性格がかなり好みで楽しく読めました。彼女は方向音痴じゃなくて、記憶力が悪いのでは?(私も方向音痴で初めてのとこ行くときは行く前に地図を見て、地形を頭に入れていく) 野球の方は、こんなにはっきりと別世界の人達キター、それだけでこの小説ダメな人もいそう。 でも、あの戦争なかったら本当に沢山の優秀な人財が日本に溢れていたでしょうね。優秀なのに一瞬で使い潰された人達の亡くなるときの心中察するに余りある内容でした。 むしろ、小中学生向けに書いてほしかったな~。あ、主人公が無気力なので微妙だけど、小学生に読ませても問題ないです。もちろんルビなし。

    6
    投稿日: 2024.05.29
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    直木賞受賞作。短編「十二月の都大路上下(かけ)ル」と、「八月の御所グラウンド」の二篇から成る。 1 「十二月の都大路上下(かけ)ル」 坂東(サカトゥー)は高校一年生。女子全国高校駅伝に参加するために京都にやって来た。明日の本番を控えた夕食後、アンカーとして出場するように言い渡されて…。 "致命的なほど方向音痴な主人公が、友人達の応援を糧に全国大会で活躍する…"というような、よくある青春小説に見せかけておいて、一筋縄では行かないヘンテコな出来事が描かれます。清々しい。でもヘン。だが、そこがいい(笑) 2 「八月の御所グラウンド」 彼女にフラれ、八月を無為に過ごすことになった大学生の朽木は、友人の多聞の依頼で草野球のリーグ戦に参加させられる。場所は京都御所の敷地内にある『御所グラウンド』だ。このリーグ戦、開催理由自体が"訳あり"だ。しかも、人数合わせの為に加入するのは中国から留学している女性のシャオさん。それでも足りないメンツはシャオさんが通りすがりの人に声をかけて参加してもらい…。 万城目学版の『フィールド•オブ•ドリームス』ですね。"丁寧に映画化"したら面白いと思います。(極端に"代理店や監督の思想とか注入するな!"…という意味で) 作中に出てくる店舗名が、「十二月の都大路上下(かけ)ル」や「鴨川ホルモー」の"あの店"だったりして、見つけるとついニヤリとしてしまいます。 そして白眉は中国人留学生のシャオさん。いいキャラクターだなぁ。 【引用】 普段の会話は年下の学部生にも必ず「ですます」調を守り、いたって穏やかな物腰なのに、 「そんな話、これ以上、続けても無駄でしょう。議論のための議論になっています。暇ですか」 と言葉の偃月刀(えんげつとう)を容赦なく一閃させる。 烈女だ…。 【引用終わり】 著者の中国古典好きが垣間見える一節。偃月刀って(笑)…あれを振るえる女性って…一丈青扈三娘(いちじょうせいこさんじょう)とかのイメージかな…かっこいいぞ! 物語は京都を舞台にしつつも『八月の日本』を象徴する話に転化して行き、それでいて無味乾燥であったはずの大学生の自分探しへと思いを広げ、収束していきます。この作品が直木賞を受賞したのは本当に良かった。拍手!

    59
    投稿日: 2024.05.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「野球がやりたかったんだ」の言葉にあらわれる登場人物たちへの優しい目線に胸があたたかくなると同時に、彼らの日常や希望を生命ごと奪い去る戦争というものへの怒りが込み上げた。だからこそ、多聞が沢村栄治の話を聞いた時に「最悪だな」と言ってくれて嬉しかった。冷笑的にならないでいてくれて、正しい態度を示してくれてよかった。とてもよかった。

    2
    投稿日: 2024.05.23
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    ご存知直木賞受賞作。デビュー時から万城目作品は読んできたが、やはりこの作品も万城目節で京都ファンタジーワールド物語。まあ万城目ファンであれば安心して読める。そして過去の作品にでてきたお店とか出てきてニヤリとさせられる。でも、どの部分が評価されて直木賞的なのかはわかりません。楽しめるのでいいけど。

    10
    投稿日: 2024.05.22
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    久しぶりの万城目作品でまた、やられてしまいました。優しくサラッと書いているようでじわじわと惹きつけジーンとさせる、、流石は直木賞作家さん。 出来たらこれから夏に向かう今、皆さんにお勧めしたいと感じました。

    1
    投稿日: 2024.05.21
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    久しぶりの万城目さん。 いつもえっ?って思いますが、今回もファンタジーにあふれていました。楽しい! でも、2篇とも、その後どうなったのか気になりました。

    13
    投稿日: 2024.05.19
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    2篇とも青春に不思議が入り良かったです。特に書籍タイトルにもなった、野球お話しの八月の御所グラウンドにはラストウルっとしました。 初めは主人公朽木の友達クラブのボーイの多聞が若いママと付き合ってたり、ママも金持ちの社長もキープしてたり出だしは充実具合と軽さにムカつきましたw ネタバレ無しで、ある不思議から話が一変しどんどん話に引き込まれ、だるかった野球が不思議な出来事になり最後は京都の送り火にウルっとし良かったです。 良いお話し。

    1
    投稿日: 2024.05.18
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    駅伝を走っていると新撰組が、御所グランドでは沢村栄治や戦死した学生が、なんとも不思議が混ざる話だけど、京都ならではだと思いました。 爽やかな気持ちが残る物語で、私は好きです

    0
    投稿日: 2024.05.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    感想 一話目はよく分からなかったが、二話目は万城目ワールドが出ていたと思う。直木賞受賞作というから期待しすぎたのかもしれないが、いつも程ワールド全開という訳ではなかったように思えた。 あらすじ 短編二編。一話目は、全国高校女子駅伝に先輩の代わりに急遽参加することになった坂東が、駅伝を走っている最中に新撰組の幻影を見る話。 二話目は、大学四年生の俺が彼女にフラれてやることもなく、京都の夏を過ごしていたところ、友達の多聞から借金の代わりに、草野球に出場するように依頼された話。多聞の大学卒業要件は、研究室の教授から命ぜられた草野球で優勝することであった。 早朝草野球はなかなか人数が集まらないが、なぜかいつも人数は揃う。急遽助っ人できた3人のことを調べると、沢村栄治を含む戦時中に亡くなった人たちだと分かる。

    12
    投稿日: 2024.05.17
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    短編なので読みやすく、後味もよい。 展開的にはわかりやすいが、スラスラと読み終えられた。今と昔を繋ぐ場所がある、そういうお話。

    1
    投稿日: 2024.05.17
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    ちょっと物足りなさを感じてしまいました。 万城目さん特有の不思議ワールドに連続性や発展性が無かった気がします。短編、中編作品だからなのかもしれませんね。 でも何かふわっとした不思議ワールドがじわっとくる作品でした。

    5
    投稿日: 2024.05.15
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    8月の早朝、そもそもは不本意ながらも草野球に興じる朽木くん 人数が揃わず不戦敗になるところを、たまたま居合わせた先輩や、居合わせた人に助っ人を依頼して、、、 彼らは何者なのか、そんなことがあり得るのか? 謎は謎として残るが、そうであれば良いなぁと思ってしまう 併録された十二月の都大路上下るも、読後感良く好き

    1
    投稿日: 2024.05.14
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     素敵な和食の料理をカラフルなお皿で出される感じ。  身近ながら何処か不思議な世界へ連れ出してくれる。   魅力的です。

    32
    投稿日: 2024.05.13
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    本書に収められている2つの物語。 別々の物語であるけれど、作者は鍵を仕込んでいる。 「心に火が灯る。その時、、」 幻のような人、でも確かに自分はその人と触れ合い、影響を受け、背中を押され、励まされて新しい自分へと辿り着く。 「十二月の都大路上下ル」では、ラストの主人公の後ろ姿に「貴重な経験をして、成長したね、、」と頼もしく感じ、 「八月の御所グランド」では、主人公が失いかけていた心の「炎」に気が付き、生きる事への価値観が変わる瞬間がやってくる。 ミステリーのような謎めいた鍵が仕込まれているけど、これはきっとリアルな話なんだ、自分の心の持ち方で世の中が違って見えるんだ、と作者は伝えてくれているように感じます。 とても軽快で読解しやすく進むストーリー、 ちょっとした休日に本書のほろ苦い物語に嵌ってみるのも素敵な時間だと思います。

    20
    投稿日: 2024.05.12
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    万城目作品は奇想天外な発想と感動の結末で不思議の世界に連れて行ってくれますが本作は何処かで聞いた発想と尻切れトンボの結末で平凡な作品に感じました。

    2
    投稿日: 2024.05.12
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    直木賞受賞作。「十二月の都大路上下ル」と「八月の御所グラウンド」の二作品。両作品とも京都が舞台,「十二月」は女子高生(高校女子駅伝),「八月」は大学生(京都大学)が主人公,それぞれの月に関連する通常は見えない存在らしいものが出てくる。通常は見えない存在が出てくることは万城目作品ではよくあること。読みやすいし引き込まれる物語だった。読んでいて,語り口が原田宗典氏に似ているのではないかと思った。厳密に比較した訳ではもちろんないが両者の作品を好む理由かも。ただ,ハメハメハ大王の歌の話題でそう思っているだけかも。

    1
    投稿日: 2024.05.11
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    第170回直木賞受賞作。 京都を舞台にした、短編と中編が1作ずつ。 「十二月の都大路上下ル」 女子全国高校駅伝で、高校一年生の坂東がタスキリレーのアンカーを試合直前になって託されます。 坂東は酷い方向音痴で曲がる方向がわからなくて困っていると謎の新選組のような集団が現れて…。 「八月の御所グラウンド」 京都の大学四回生の朽木は高校の同級生で五回生の多聞に頼まれて野球チームの一員として、多聞の研究室の教授のチームで教授の行きつけの祇園の芸妓さんの名を冠する「たまひで杯」という試合に出なければならなくなります。 朝、5時半にモーニングコールで起こされ御所グラウンドで試合は始まります。 教授のチームはいつも人数が足りなくても、当日の朝になると必ず助っとが現れてなぜか人数はちゃんと九人になります。 ところが朽木に中国人留学生のシャオさんがおかしなことを言い始めます。 野球の沢村栄治賞のサワさんとメンバーのえーちゃんがそっくりだというのです。 二編とも京都という昔からの歴史のある土地で起こったちょっと不思議な青春ストーリーです。 私も若い頃京都に住んでいたことがありますが、京都に何か霊がいるなんて想像したこともありませんでした。 万城目学さん、初読みでしたが、他の作品もこんな作風なのでしょうか。

    138
    投稿日: 2024.05.11
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    「十二月の都大路上下る」  冬の無慈悲な底冷えの寒さの京都を舞台とした女子全国高校駅伝。都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生の愛しいほどの青春物語。 「八月の御所グラウンド」  夏の殺人的な蒸し暑さの京都でのお盆前後の御所グラウンドで繰りひろげられる俗っぽさ満載の草野球総当たり戦の物語。そのなかで明らかになる大東亜戦争末期の野球学生の青春と現在の京都との幻想的なクロスオーバー。  万城目の作は昔から好きですが、昨年度の直木賞受賞作では間違いなく推し一です。  特に、「八月の御所グラウンド」は真夏の京都で草野球なんぞようやるわ!と思いながらゲラゲラ笑う作品であるはずが、読み進めるほどに胸がギュッとなるほど切なくなる幻想的な作品に仕上がっている。  まさに京都だからこそできる時空間世界に感激した。 (作品紹介)  女子全国高校駅伝――都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。  謎の草野球大会――借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する羽目になった大学生。  死んだはずの名投手とのプレーボール  戦争に断ち切られた青春  京都が生んだ、やさしい奇跡  京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは--  今度のマキメは、じんわり優しく、少し切ない  青春の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る感動作2篇

    0
    投稿日: 2024.05.11
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    第170回直木三十五賞受賞 良かったな 京都の暑 京都の町 グランド 胸がいっぱいになった 良かった

    0
    投稿日: 2024.05.10
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    直木賞受賞作であり、万城目さん作品を初拝読。 京都を舞台にしたちょっと不思議なお話2作を収録。京都らしさ漂うファンタジー要素はあれど、どちらも大きく波風が立たない展開だけに、やや物足りなさも感じてしまった。それで手にとったわけではないが、帯にかかれている「感動&感涙の傑作青春小説」というのも、ちょっと違うかな・・と。結構、好評価の感想も多い中、こんな何も得られるものが無いような感想を残すのも気が引けるが、ここは自分の表現の場。こんな感想もあるということで。。 ★3.2

    204
    投稿日: 2024.05.09
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    御所グラウンドと言われてピンとくるほど、京都になじみがなかったので、読み始めてから、2篇のどちらも、京都が舞台だと知った。 京都の街中の通りを上ル、下ルという独特の言い方も、改めてなるほど、と思った。 1篇は、12月の女子駅伝、もう1篇は8月の草野球、京都ならでは、なのか。特に「八月の御所グラウンド」の方では、季節も夏休み、お盆休みの最中、うだる盆地気候、普通ならありえないけれど…ピンチを救ってくれた救世主的存在のえーちゃんは、実はあの伝説の…! こんな風につながるとは、思いもしなかったが、納得してしまった。

    8
    投稿日: 2024.05.09
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    よみおわりました。 読みやすかったです。京都が舞台は良かったです。テーマも駅伝と素人野球とこれもとっつきやすかったですね。 でも話の奥深さは少し足りなかったなあ。万城目さんなのでもっと高い質を求めたきらいもあったのかなあ。 でもそれだき期待したのです。少し残念かな?

    1
    投稿日: 2024.05.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ゆるい青春話で終わるかと思いきや。 反戦小説ともいえそう。 今しなくても明日またその次やればよい。 お願いされた乗り気で無い 早朝から何故野球をしなくちゃならないんやろ。 あの歴史の勉強やなんとなく知っている戦争の渦中の人の立場になった時は? 今やらなければ明日の命はないかもしれない。 新撰組もまた同じく生きる死ぬの日々だったと想像する。 八月。八月十五日は終戦記念日。 自分の意思に反して生きること死ぬことを二十歳前後で突き付けられていた人たち。 その人たちがいて、今、特別な関係性はなくても野球ができることの凄さ。 感謝とかそういうのでなく 時間が継続してあるということのありがたさ。同じグランドでも違う風景を見てたこと。 戦争や歴史とはなんだろう。 命や続く時間の尊さを感じる終わりだった。 歴史に何を学ぶのか。 この小説から考えさせられた。 ※京都の全国高校駅伝。 とある年は雪がふっており、走っている選手の頭上に白い雪が積もりそして走るという光景を見たことがあった。 なんだか、独特の世界観を見た気になった。 同じ当然タスキを繋ぐのだけれど、京都中心部と山側の気温や天気の移り変わりの激しさは箱根に負けないドラマがある。

    0
    投稿日: 2024.05.08
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    『十二月の都大路上下ル』 女子高の駅伝部。突然メンバーに抜擢されたサカトゥーも、一緒に走った他校の先輩も、自分は選ばれなかったけど納得してると言った咲桜莉も、タスキを繋いで「まっすぐ進んで、一回だけ右!」と言ってくれた美莉センパイも、みんな一生懸命で爽やかだった。 唐突に出てくる新撰組。万城目学の京都は、突然時代を越える。 『八月の御所グラウンド』 特別強くもない大学生が寄せ集めチームで草野球やる話に、沢村栄治、遠藤くん、山下くんが時代を超えて登場。シャオさんが完全な初心者だけど楽しんでプレーしてる感じとか、みんなでワイワイやっているのが、なんかいいなぁ。

    11
    投稿日: 2024.05.08
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    万城目さんらしいストーリー。京都だからこそ、この野球にまつわる壮大な世界が成立しているのだと思う。京都を知り尽くした万城目さんだからこそ、時空を超えた存在も実在すると思わせてくれるから、やめられない。参りました。

    0
    投稿日: 2024.05.07
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    直木賞受賞作ということでよんでみました。 2作とも、とてもじーんとくるものがありました。なんかとてもいい出会いがあり、つぎもがんばろうと言う気持ちがわいてきてとても感動しました。 初めて読む作家さんでしたがいろんな作品読んでみたくなりました。

    17
    投稿日: 2024.05.06
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    第170回直木賞受賞作。 久々に直木賞受賞作を読みました。 そして初の作家さんでした。 何も前情報入れずに読みました。 なるほど、単純なスポーツ青春小説かと思いきや ファンタジーや歴史要素が。 久々にこの類の小説を読みました。 京都は何度か行っているので、御所の周辺とか 暑さとか、碁盤のような道とか イメージはわきやすかった。 どうなっていくだろうのワクワク感はあったものの  やはりリアル×ファンタジーは得意ではない私でした。 でも登場人物は魅力的で、作品自体もあったかい。 京都の人たちにはきっともっと刺さる作品なんだろうなー。

    9
    投稿日: 2024.05.06
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    万城目さんの直木賞受賞は本当に嬉しい。 京都で起こる不思議な出来事と、登場人物たちのウィットに富んだ会話が万城目作品の魅力だ。駅伝を急遽走ることになった女子大生の坂東の不思議な体験『十二月の都大路上下ル』と、真夏の京都で野球大会に参加することになってしまった朽木の謎に満ちた表題作『八月の御所グラウンド』。どちらも読み心地良く、そして温かな気持ちになる。御所グラウンドでの試合結果ははたして…。 毒味のない物語で、滑稽でそれでいて不思議で魅力的な登場人物が多く出る。これぞ万城目さん!という作品を読みたい方にオススメしたいし、はじめて万城目さん読む方にも良い。

    2
    投稿日: 2024.05.05
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    第170回直木三十五賞受賞作品の『8月の御所グラウンド』と、『十二月の都大路上下ル』の2作。 8月の御所グラウンドは、借金のカタで無理やり参加させられた野球の大会でのひとコマ。映画フィールドオブドリームスのように、野球がしたかった戦死した昔の若者たちと、野球をするという話。ストーリーに奇抜性は少ないが、現代の心に光のない若者の気持ちが、ありし日の戦死した若者たちに寄せられていく過程がみずみずしい。 十二月の都大路上下ルは、急遽参加することになった控えの1年生ランナーが、すごく生き生きとして、こちらまで力をいただけるようだ。

    0
    投稿日: 2024.05.04
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    万城目学さんの本は何冊か読んでいるけれど、この作品もちょっぴりファンタジー。タイトルの『八月の御所グラウンド』と『十二月の都大路上下ル』の2作が読める。 『十二月〜』は駅伝に青春をかける女子高生の坂東が、京都での女子全国高校駅伝に出場したときのエピソード。 『八月〜』は彼女に振られ、暑い京都での夏をなんの予定もなく過ごすことになった大学生の朽木が、友達の多聞に誘われて、京都御所内のグラウンドで早朝に野球大会に参加することになったときのエピソード。 主人公はどちらも、ちょっとだけ悩みを抱えていて、でも誰かに相談するようなことでもなくて、何とも言えない気持ちでいたところに、不思議なエピソードを経験する。そのエピソードを、主人公たちはどう受け止め、この先はどうなっていくのか。読者に余韻をもたせて考えさせてくれるような作品。 とても読みやすかったです。

    0
    投稿日: 2024.05.04
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    直木賞受賞作 十二月の都大路上下る 八月の御所グラウンド の2篇からなる 女子全国高校駅伝のお話と草野球大会のお話で、内容は違えど作品の根っこは同じ 学生の青春真っ只中の清々しい感じと不思議な体験、そして人と人との巡り合わせ。 とても優しい気持ち、そして少し切ない気持ちになる素敵な本でした。 「心の中に炎が一個、証の代わりに着火したように感じられた。」 はい、私にも感じられましたよ。

    43
    投稿日: 2024.05.02
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    私にとって1982年以前の出来事は教科書で習ったことであり、古い出来事は自分とはあんまり関係ない事だと無意識のうちに思っていた。 当たり前のことなのだけど、人類はずっと繋がっている。過去があって、今があって、未来があって、今はその一瞬。 最近観ているドラマの影響もあり、100年前の世界や100年後の世界を何となく自分と繋がるものとして感じられるようになった。このタイミングでこの作品に出会い、心が動く体験を積み重ねることができた。

    3
    投稿日: 2024.05.02
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     昨年(2023年)の第170回直木賞受賞作品です。万城目学さんの作品を読むのは初めてでした。  物語の舞台は酷暑の京都のグラウンドで、想像するだけで汗が出てきそうですが、読後感は爽やかな清流の前にいるような涼しさを感じました。  この本のどこが評価されて直木賞を受賞したのか後で選評も読んでみたいと思いますが、とても読みやすかったと感じた一方で、重厚感みたいなものはなく、あっさり物語が終わってしまったというほんの少し物足りなさも感じました。  もう一つの、こちらは冬の京都が舞台の全国女子高校駅伝の短編も面白かったです。この物語は是非続編も書いてほしいですね。

    9
    投稿日: 2024.05.02
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    チームメイトって大人になるとなかなか出会えない。 先輩後輩、脅威のライバル、ややこしい関係が色々ありそうで敬遠したい私ではあるが 「こんな関係、いいなぁ」と胸熱になる2作品だった。 八月の御所グラウンドは 草野球がなければ出会わなかったであろう寄せ集めのチームの面々が個性的。 とくに中国人留学生のシャオさんがいいキャラだった。 金髪スーツのエースや、えいちゃんをはじめとする謎の3人組の爽やかさにほっこりした。  舞台が京都っていうだけで風流な雰囲気に満たされる。 独特な地名も下宿、ボーイといったレトロな単語もしっくりくる。 この歴史が地続きになったような街のせいだろうか。 ゆるいスポーツ青春物だと思っていたら、いつの間にか物憂い奇譚になっていく。 そして日本がこれまで歩んできた道の上に今の平和はあるということを思いがけなく痛感させられた。 切ないけど心はほんわか。爽やかな読後感だった。

    25
    投稿日: 2024.05.02
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    これは八月の「フィールド・オブ・ドリームス」 アイヤーシャオさんも実はえーちゃんと同じゾーンの人で、和歌山に彼氏とというのは嘘で、あちら側に行ってしまった……のかと思った。 深読みしすぎた。 えーちゃん達と野球仲間のお陰で、朽木に火が灯って人生うまくいきそうな感じになって良かった。 ともあれ今日本は平和で、野球も駅伝も楽しんでることを幸せなことなんだと思おう。

    16
    投稿日: 2024.04.29
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    万城目さんの本は、鴨川ホルモー以来です、って、2冊目ってことです。 今回はちょっといつもの万城目さんじゃないような・・・というような予感のようなものがあり読んでみました。 確かに違う・・・ わらわらした小さい、もののけが訳もなく動き回っていただけでストーリーなど思い出せないホルモーしか知らない私が言えることでもないのですが、なんか違うぞ。 確かに今回も、異界の物が出てくるんだけど、訴えるものがあるよね。 特に表題の「御所グラウンド」の話、最初は何のために?誰のために?意味ある?って??だらけだったんだけど、うーんそういうことだったの、うーん。って納得。 そこで万城目さんは、その時代時代の抗えない情勢、世の不条理、数々のいろんな人の無念さを書いている。 うん、ちょっとジーンとしました。 何はともあれノミネート10回め? 直木賞受賞おめでとうございます。

    7
    投稿日: 2024.04.29
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     万城目先生の直木賞受賞作品。今まで何回もノミネートされ、まだ受賞してなかったのかという驚きと、遂に受賞したかという安堵感がありました。  本書は2つの物語があり、一つ目は都大路の高校駅伝の話、2つ目はタイトルにもなってる草野球の話。二つの物語に関連はほぼないんですが、私的には1つ目がとても面白かった!今までの万城目先生にはない作風で、ほっこりと、でも熱い青春を感じられ、続編があるなら読みたいと思える物語でした。  2つ目のメインの話は草野球の話。メンバーを集めるのを苦労しているなか、偶然、試合を見ていた「人」に助っ人を頼むと、まさかの快諾。…その助っ人は実は、という話。  作風は「偉大なるしゅららぼん」に近いと感じました。物語の世界にのめり込み、一気読みしてしまうくらい面白かったですけど、直木賞の期待感からすると、少し物足りなく感じました。万城目先生の代表作としてこれでいいのかと思ってしまいました。

    17
    投稿日: 2024.04.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    直木賞ということで読んだが、個人的には非現実な話はあまり好みではなく… 新選組出てこなくても良く、むしろ蛇足に感じてしまった。 八月御所も同じく… すみません。

    2
    投稿日: 2024.04.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初めは正直読む手が進まなかった。ただ後半にかけて段々とえーちゃん達が故人だったことを戦争の愚かさと共に描かれていて、心に響くものがあり最後は一気見していた。送り火を見ながらなぜこの世に帰って来たのかの問いに野球がしたかったからというシンプルな答えがあまりにも似合いすぎていた。

    2
    投稿日: 2024.04.25
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    この不思議な世界観の京都は、まさしき万城目さんだ。万城目さんの作品はだいたい、悪い人がいなくて、どの人も優しくて、いつも読み終わって良い印象が残る。どちらかと言えば、表題作より「十二月の都大路上下ル」の方が好き。読み終わってから今年の直木賞受賞作だったことに気がついた。

    6
    投稿日: 2024.04.24
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    なんていうか、ペットボトルのお茶飲んだときの様な、飲んでるときは喉を潤してるんだけど、飲み終わって30分経ったら「あれ?さっきお茶飲んだっけ?」ってなるような喉越しの良い本でした。

    11
    投稿日: 2024.04.22
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    良かった! 実際にこういった体験をした事ある人は実は少なくないらしい・・?といった事を聞いたことがある。 何となくストーリーの流れが変わった「!!」の瞬間、嬉しくて、早く知りたくて、手が止まらなかった。 ただ野球がしたい。 もっと生きたかっただろうなぁ。 この物語のほんの少し先を見たかったけど、そこは自分の頭の中で遊んでみようかな。 映像化してほしい作品。

    1
    投稿日: 2024.04.21
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    直木賞作品。万城目学氏の作品は、ほぼ初めて読んだ感じ。読みやすいし、わかりやすいし、面白い。しかし、表題作品より、その前の「十二月の都大路上下る」の方が、個人的には好きです。また、万城目学作品は読んでみたい。

    3
    投稿日: 2024.04.21
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    初めての万城目ワールド。ファンタジーが苦手な私にとって、直木賞を受賞しなかったなら手に取ることはなかっただろう。 今作は万城目ワールドの中ではおとなしめとのことだからか、案外楽しく読めた。 なぜ突如として新撰組が出てくるのかよくわからなかったが、『十二月の都大路上下ル』が好きだった。 いつも、自分好みの同じような作品ばかり読んでいる私には、新しい世界をかいまみれてよかった。

    9
    投稿日: 2024.04.21
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    京都に住んでいたことかあり、御所やその他の地名など懐かしかった。 沢村栄治さんについての番組を数ヶ月ほど前に見て気になっていた方でした。彼について触れている点が良かった。

    2
    投稿日: 2024.04.20
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    万城目学さん著『八月の御所グラウンド』の概要と感想になります。 概要ですが、本作は『十二月の都大路上下ル』の短編と表題作『八月の御所グラウンド』の二編で構成されています。 前半は女子全国高校駅伝、後半は御所グラウンドで繰り広げられる草野球というスポーツを題材とした作品ですが、京都の冬と夏をそれぞれ対比させながらスポーツに挑む人たちの模様を描いた作品になります。 感想ですが、前半の『十二月の都大路上下ル』を是非ともシリーズ化して欲しいです!! 表題作より段違いで面白かったと個人的に感じた本作は第170回直木賞を受賞していますが、『十二月の都大路上下ル』を肉付けした作品一本の長編でも受賞出来たのでは?と思ってしまう味わいでした。(それが叶っていたら星5でしたね。) 万城目学さんは今作が私にとって初読みでしたが、また追いかけたくなる作家さんが増えて嬉しいです^_^

    78
    投稿日: 2024.04.18
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    読み始めは、若者の微笑ましくも本人には深刻な日常を描いた作品だと思ったが、実はホラーのような展開がある。収録されている2作品は独立したものかと思ってしまうが、通して読むと共通するものが見えてくる。瑞々しい物語の内側に過去の亡霊が現代に顕現する。それの意味を考えると、いろんな解釈ができそうで、読んでいて楽しい作品である。

    4
    投稿日: 2024.04.17
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    一つ目の「十二月の都大路カケル」は小気味いいテンポの小説、高校女子駅伝参加チームの物語。 「八月の御所グランウド」は草野球の物語、伝説の沢村栄治投手を絡めた人間模様、野球経験者には懐古の念を覚えそう。 両作とも一気に読めてしまい物足りなさを感じるところもある。

    1
    投稿日: 2024.04.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んだ後、しんみりじんわり、心に沁みるような心地いい感動がありました。 読みやすく、さらさらと一気読みできた。 生徒たちの読者感想文の図書にお勧めしてみよっと。

    4
    投稿日: 2024.04.15
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    ほんのりあたたかい 読後感良い物語 第170回直木賞受賞作品ということで読んだ本 著者の万城目学さんを 「まきめまなぶ」さんと読むのだということと いくつかの著書のタイトルを知っているだけで 万城目さんの本を読んだのは初めてだった 文体が平易で場面状況も分かりやすく非常にサクサク読めたが 京都を舞台に新撰組らしき一団や野球選手の沢村栄治さんらが現代に影をちらつかせたあたりのストーリー構築に 私自身が上手く馴染めない部分もあり星は4つ 結局 新撰組と思しき一団が登場した意味がよく分からないままだった それでも あたたかみのある登場人物らが織りなす心に響く物語性や沢村栄治を登場させたことによリ 歴史的事実が訴える平和が当たり前になっている今日への警鐘がなされる部分は素晴らしいと思った 物語は『十二月の都大路上下ル(かける)』という京都で冬に行われる「全国高校駅伝」の女子部門において 大会前日に補欠からアンカー走者に選抜された1年生のサカトゥーこと坂東(さかとう)が奮闘する話と 表題作である『八月の御所グラウンド』という祇園の芸妓「たまひで」に心を支えられて大学生時代に課せられた研究を終えた者たちが代表者となり結成された幾つかのチームで毎年八月に行われる野球大会の話で構成されている 芸妓名「たまひで」から取った「たまひで杯」で「しょうしゃは、ほっぺに、たまひでのままの、ちゅうがもらえる」と表記し「呪文の如き文字列」と比喩した部分は面白いと思った さてこの2作は冬に始まる京都の寒さを感じながら駅伝大会を読み始め 暑さがクライマックスの盆地の京都でしかも野球するんかい!という後半の物語で 作中の寒暖差に読み手の私もクラクラしてしまった 貧血で高校駅伝辞退を申し出た心弓(ここみ)や暑さで熱中症にならないかと心配する野球プレイヤーにいちいち身体が反応して 読後は体力磨耗  2作は京都が舞台であることが大きい繋がりだ 京都についてこんな記述がある ◯『「カラスは目が黒くて見えないから、『鳥』から目玉の部分を表す横棒が消えて、『烏』って文字になったらしいよ」』 (本文より) サカトゥーが地名の烏丸を「とりまる」って読むから 咲桜莉(さおり)さんが説明してくれるんだけど その咲桜莉さんも「からすまる」って読んじゃうから 顧問の菱先生から「からすま」って読むのだと言われるシーン…面白い! 実は私も去年 人生初の一人旅で京都に行ったのだが 最初は宿泊先の住所はさすがに「とりまる」ではなかったが「からすまる」だと思っていたので… ◯『何でも京都では、碁盤の目状に通りが入り組む特徴を活かし、通りの名のあとに「上ル」や「下ル」をくっつけて、そのまま住所とする慣わしがあるらしい。』 (本文より) これがタイトルの上下ル(かける)に繋がったのか…としみじみする 1作目は駅伝大会でサカトゥーと 彼女の良きライバルになった別の高校の荒垣さんの2人だけにおそらく見えたであろう新撰組の一団 2作目はなぜがメンバーが急に欠員しても誰かが入ってくれて9人野球ができ続けた歴史を持つ「たまひで杯」 その誰かは沢村栄治を始めとする今は亡き人物だったという  現代に過ぎ去りし時代の人物が影をちらつかせるという設定が同じだ 沢村さんは京都の大学を出ているなど京都に思いもあろうという内容の記述があったが 京都という舞台に奥行き持たせる効果を狙って新撰組なども登場したのだろうか… そして何より大事な試合の詳細がリアル中継される部分が少ないのが2作に共通しており そこは面白いと思った 1作目の駅伝大会も 生々しい大会の状況は物語られない 読者の想像にまかせたり 後日談でサカトゥーが荒垣さんや咲桜莉(さおり)さんと会話してる場面や 自分で回想してる部分から情報を読み取ってまあこんなかんじだったんだろうな…ぐらいの幅広い解釈ができるのも楽しい 2作目は「たまひで杯」の最終戦が明日行われるという場面で終わっている 送り火である京都の大文字焼きが行われたところがラストだ 宮崎アニメのトトロを用いて「そういった不思議なことは、誰かに言うと消えてしまう」「そこに部外者を招くと、それまでは通っていた道が突然閉じられる。」と部外者はトトロに会うことはできないとシャオさんが告げている もはや正体の知られた沢村栄治ら3人の野球選手は明日の最終試合には姿を現すまい  送り火も焚かれ「今、まさに向こう側に送っている最中」だという理由も相まって もう来ないだろうと朽木が言うが 死んでようが生きていようがやりたくてくるなら一緒に野球したいという希望を持つ多聞(たもん)の受け止め方は素敵だと思った そんな多聞は ◯『なあ、朽木。俺たち、ちゃんと生きてるか?』 (本文より) と言っている これは この物語を集約するセリフだと思う 新撰組や沢村栄治さんが歴史上の過去の人物で 俺たちが今を生きている人物なら 俺らはちゃんと今、命を感じて生きているかという大きな問いかけだと感じた これは私自身にも響いた 私は「ちゃんと生きているか?」 「ちゃんと生きる」とただの「生きる」の違いはなんなのか… 考えが深まりすぎると 本当に生きているのが自分なのかどうかさえよく分からなくなる 哲学に浸れる時間があるというのは やはり今は平和で あり この平和を維持するためにも平和でなかった時代を学ぶことが重要なのだと感じずにはいられない ◯『十月入学なんてあるのかとその時は思ったが、俺も沢村栄治とともに学徒出陣について調べてみた。十月入学は一九四三年の前後だけ存在した。変則的な入学月だった。当時、戦局の悪化に伴い、少しでも多くの新兵が欲しい政府は法律を変更し、それまで制限がかかっていた大学生からの徴兵を可能にした。さらには九月に学生を卒業させることを法律で定めた。徴兵検査を一日でも早く受けさせるためである。  かくして、九月に執り行われた卒業式に合わせ、新入生の入学式は十月となった。』 (本文より) ◯『沢村栄治が二十歳で一度目の召集を受けたこと。軍の手榴弾投げ大会で、通常は三十メートル投げたら上等のところを九十メートル以上も投げたこと。おそらく戦場でも何度も投げ込み、肩を消耗したこと。二十三歳で満期除隊し、プロ野球に復帰を果たしたが、二年のブランクは大きく、元の投球はできなくなっていたことー。  「手榴弾って、重いよな。」  「硬球の三倍の重さがあったらしい。戦場では人は痩せるから、筋肉も落ちて肩に悪いことずくめだっただろうな。復帰しても、前のように投げられなくて、サイドスローに転向した。』 (本文より) 現代何度も学校の10月入学問題が検証されるが それは海外で10月入学が多く見られるために 日本から海外進学を考える際に足踏みする理由のひとつとなっている(卒業後の就職を日本でと考えた際も)ためと解釈している しかし 戦時中 前例で数年間行われた経緯のある10月入学は あまりにも勝手な政府の目論見が反映されたものであると知り悲しく思う 戦争は想像以上に歪んだものを生み出すのだ 私は野球に詳しくないが「沢村賞」というピッチャーに贈られる賞があるということまではなんとなく知っていた 「沢村賞」がもらえるような投手になりたいと何人かがインタビューで答えているシーンもおぼろげながら記憶にある しかし その沢村さんとは こうも壮絶な人生を送った方だったとは全く知らずにいた さぞ 優秀な投手だったのだろうと思っていたが…その力を発揮できない体にされた上 「三度目の招集により、フィリピンへ向かう輸送船に乗りましたが、一九四四年十二月二日、魚雷を受けて船は沈没。二十七歳でした』(本文より) とある 日本で最初のプロ野球チームに17歳で召集され、活躍したものの3度も軍から召集を受け、3度目の招集に応じた移送中に魚雷を受けて亡くなるだなんて… 酷いと思う 沢村さんに限らず 誰もがそうだ 戦争はおかしい 沢村賞は 日本プロ野球史上初のノーヒット・ノーランの記録をつくった偉大な投手沢村さんの名にちなむ賞であるとともに 戦争が奪った若い命を偲ぶ日だと回想される賞であってほしい 沢村賞受賞にぬか喜びするに収まらず 沢村さんの人生を伝え 引いてはこの平和な時代に競技野球を行うことができる感謝し もう戦争は起こしてはならないのだと心に訴えかける時間を作れる賞のあり方であってほしい 1作目と2作目は 「全国高校駅伝」と記された青いキャップや蘭者堂(らんじゃどう)というお香屋でリンクする部分があって面白いと思った さてさて 八月の御所グラウンド…最終戦はえーちゃんこと沢村さん率いる3人が早朝6時にちゃんと来てくれたのかな? もしメンバーが揃ったら 試合結果はどうだったのかな? 余韻を楽しめる物語だ!

    12
    投稿日: 2024.04.14
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    今度のマキメは... じんわり、沁みた〜 万城目学にこんな気持ちにされるとは! 割と図書館ユーザーなのですが (ほぼ仕事で読んでるため) 衝動的に購入したこの本 正解だったー おうちに置いときたい 子どもたちにもすすめよーっと

    1
    投稿日: 2024.04.13
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    ✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼ 京都が生んだやさしい奇跡。ホルモー·シリーズ以来16年ぶり京都×青春感動作女子全国高校駅伝――都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。謎の草野球大会――借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する羽目になった大学生。京都で起きる幻のような出会いが生んだドラマとは――。 今度のマキメは、じんわり優しく、少し切ない人生の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る傑作2篇。 ✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼ 読みやすくサラッと読み終えてしまった 十二月の都大路上下ルは爽やかな話だったけど 今から何が始まるかと思ったらもう終わり? って物足りなく感じた 八月の御所グラウンドは不思議な優しい話 毎年メンバーが揃ってしまう野球大会 5戦目は出来たんですかね 沢村氏のことは知っていたけれども 詳しい経歴は知らなかったのでなるほどと どちらの話も京都の地理がわかる人は もっとのめりこめそう いつも嫉妬や復讐要素のある作品を 好んでるんで穏やかだなーと感じた これが万城目作品なんですねw

    1
    投稿日: 2024.04.13
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    全国高校駅伝大会に出場する方向音痴の女子高生と新選組。御所グラウンドで行われた謎の草野球大会に参加することになったぐーたら大学生と沢村栄治たち。 どちらも不思議な話だか、京都が舞台だとそういうことが起きても不思議ではないと妙に納得してしまった。 2つ目の話は「八月」と「御所グラウンド」が物語のキーワードだ。毎年メンバー不足が何とかなったのもなるほどと思った。多聞がつぶやいた「みんな生きたかっただろうな」を聞き、とても切なくなり目の奥がツーンとなった。 心の中に火がともったぐーたら大学生にエールをおくりたい。

    5
    投稿日: 2024.04.12
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    12月の都大路上下ルは好きな作品でした。 8月の御所グラウンドはもう少し先まで話を進めて欲しかったです

    2
    投稿日: 2024.04.12
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    直木賞受賞作ということで初読みの作家さん。京都を舞台にしたスポーツもの二篇。 表題作は戦争にも触れるので、切なさが交じる。 世の中戦いはスポーツだけにしてほしいものです。

    11
    投稿日: 2024.04.11
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    独特な世界観が広がるストーリーで、読んでいて不思議な空間に飛び込んだような感覚になる。突拍子もない設定だけど、自然と受け入れられるのはさすがだなとも思う。

    5
    投稿日: 2024.04.10
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    設定にむむむーっ!?ってなりながらも 京都ならあり得そうと思ってしまうのか 万城目ワールドだからそう思うのか(笑) 最初の駅伝の話は物足りないくらいサラッと読了 そのあとの表題作は読後感が良かった! でもいつもの万城目さんを思うとちょっと控えめだったかな? 8月の京都の沸騰しそうな暑さには激しく共感! 星3.5!笑 直木賞受賞作

    13
    投稿日: 2024.04.10
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    心に種火を宿す。大袈裟なことではなく、ずっと受け継がれてきた火をそっと受け渡す。知っている京都の景色と相まって、その瞬間を共に体験する人々と自分が重なりあう。 読み終わったあとに、爽やかな気持ちになる。 私の心に種火をつけるための空気が入ったようだ。

    8
    投稿日: 2024.04.10
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    ぜひとも映像化してほしい作品。 一編目の「十二月の都大路上下ル」がとても良いプロローグ的な導入になっていて、次の表題作も同じように不思議なことが起こるのかな?と自然とフワーッといつの間にかあちらの世界に連れて行かれてしまったような、そんな感覚。 八月に京都に残っている人は“八月の敗者“なのだそうです。八月の京都の暑さに勝てる者などいない。皆、実家に帰ったり旅行をしたりしているのに、彼女にフラれて何も予定がなくなってしまった、そして、就職活動もせず怠惰な生活を送っている朽木。就職は決まったけれど卒業できる見込みがない多聞。 多聞は卒業させる代わりに、草野球大会で優勝しろ!と担当教授から仰せつかる。 寄せ集めのメンバーで草野球をすることになった朽木と多聞。メンバーが足りなくて、その辺を歩いている人にまで声をかける始末。 真夏の早朝、夜の仕事が終わったばかりの派手なスーツの金髪君や、工場の仕事に行く前の作業着君、はたまた、中国人留学生の女子まで。 どうしても卒業したい多聞が一生懸命寄せ集めたメンバー達。 何やってんだよーと読み進めるうちに、メンバー同様、ここまできたらぜひとも優勝してほしい!と思わせられるから不思議。試合の成り行きに夢中になっている私。 でも、ここから不思議な世界になってくるのです。 ここからはぜひとも読んで確かめてほしい。 京都のうだるような暑さ。送り火。お盆。終戦記念日。映像が浮かび上がってきます。 夏休みももうそろそろ終わりだなぁ、と感じ始めるこのくらいの時、やっぱり日本人には感じるものがある気がする。日本人特有の感覚が。 とても良かった!

    109
    投稿日: 2024.04.10
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    表題作に加え短編が1本収録 短編の方が女子駅伝の話で、王道で爽やかな青春小説 表題作はダメ大学生が教授に指示され草野球に勤しむ話でこれがとても良い 大学生ならではの緩さしょうもなさを纏った空気感が面白おかしく 後半扱いようによっては重たいテーマが挟まれるが、それを彼らが等身大のまま受け止め語られる様子がじんわりと心に染み込むような余韻を残す お盆の京都の範囲とのマッチさせ具合も素晴らしく、 少し不思議な事は起こるが、それに物語が引っ張られすぎずにあくまで今を生きる人たちの目線の話なのが好きです

    2
    投稿日: 2024.04.10
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    2部構成、だけど前半と後半に繋がりはない。 マラソン女子が目撃する侍たち。 草野球チームに現れるかつての球児たち。 京都を舞台に時代が交錯する、万城目学らしい不思議ワールド。

    2
    投稿日: 2024.04.10
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    登場人物の一部が実はあの世から来た人でした、というオチは使い古された感があるのですが、それでもなんとなくいい感じの小説に思えてしまうのは、万城目さんの筆力によるものなのでしょうか? 舞台が野球場、ということで、あの名作「Field of Dreams」を連想してしまう人も少なくないのでは、と思います。 京都に土地勘があったり、京都の文化に明るい人が読んだらもっと面白いだろうなあ、と思いながら読みました。 晴れて直木賞受賞というこで、次回作も楽しみなことです。

    8
    投稿日: 2024.04.09
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    #八月の御所グラウンド #万城目学 23/8/3出版 https://amzn.to/3xvShTW ●なぜ気になったか 第170回直木賞受賞作。芥川賞は特にだけど、直木賞も僕には心から面白かったー!、という作品は少ない。でも決めているので、受賞作は手にして読み始めてみることにする ●読了感想 読みやすくわかりやすくごく普通に面白く読めた。でも深みを感じられた面白さではなく浅い面白さ。だからこれが直木賞なのは疑問。ファンタジーも個人的に好みではないのでそう感じてしまった #読書好きな人と繋がりたい #読書 #本好き

    9
    投稿日: 2024.04.09
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    万城目さんの作品は「プリンセストヨトミ」以来。他の方も書いているようにこれは比較的大人しい作品だった。「十二月の都大路上下ル」、駅伝が好きなので読んでみたが、むむ?何故新撰組…?とツッコミを入れたくなってしまった。…まあ、いいか。それが万城目ワールドだから。「八月の御所グラウンド」はほっこり。名作「フィールドオブドリームス」を彷彿させる。

    4
    投稿日: 2024.04.09
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    壮大な作り話、いつもの万城目ワールドからすると大人しい展開。 8月の京都盆地の暑さ、歴史上の人々のさりげない想いの熱さなど、京都を知り尽くした著者ならでの演出は流石。最後は五山の送り火で主人公の心にも火が灯り、スッキリしたエンディングでした。 ただ、個人的にはデビュー作の鴨川ホルモーのバカバカしさの方が好きです。

    16
    投稿日: 2024.04.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なるほど、直木賞受賞作だ~就職活動に失敗した京大4回生は、就職浪人だった高校時代の同級生が卒業を手に入れるために教授から与えられたお盆前の草野球の総当たり戦・たまひで杯に出場することになった。最初はコールド勝ちしたが、2試合目は人数が足らず、見に来た中国からの留学生のシャオさんを仲間に引き入れ、それでも一人足らないところをシャオさんが見物していたエーちゃんを入れて何とか勝利した。3試合目は人数が2人も不足したが、エーちゃんが遠藤と山下という職場の仲間を連れてきて接戦を制し、シャオさんは初ヒット、エーちゃんはサイドスローで相手を翻弄し、最後の一球は剛速球だった。手伝ってくれたシャオさんには翌日に昼をごちそうしていたが、エーちゃんは伝説の名投手・沢村栄治、遠藤と山下も戦没者ではないかという。これを話したので、彼らはもう来ないという予想は外れたが、肩を壊したエーちゃんは投げられず、試合にも敗れた。朝の雨で順延となった送り火は友人と一緒に見たが、彼も野球をやりたい人が何故か現れるんだと考えていた~良いんじゃない。京都物のほうが彼らしいね

    2
    投稿日: 2024.04.08
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    2作ともとても読みやすくじんわり心があたたかくなった。万城目さんの作品を初めて読んだが他の作品も読みたくなった。

    1
    投稿日: 2024.04.07
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    タイトルに惹かれて読んでみた本です。 タイトルはスポーツもの?と思いましたが、万城目さんの作品なので何かしら不思議ワールドもあるのでは…予想通り、短編2作品、駅伝と草野球いずれも京都だからの要素が入っていました。 野球がやりたかったんですね、もっと生きたかっただろうに…。 読みやすく、さわやかな読後感、良い本でした。

    6
    投稿日: 2024.04.07
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    関西三部作が大好きなので、え〜〜スポーツもの〜〜??と思いながら読んだけどめちゃくちゃ万城目ワールドだった、大満足。

    0
    投稿日: 2024.04.04
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    著者初読み。面白かったぁ。人気の作家さんですが、こんな作風なんですね。爽やか。八月のお話は、最後、そう持ってきましたかぁ。ありそうなストーリーだけど、わざとらしくなくて自然。いい気持ちになります。シャオさんの「アイヤー」が最高。十二月の話もなんか凄く気に入りました。これも爽やかで良い

    3
    投稿日: 2024.04.04
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    ある意味時代モノ。 いーお話でしたぁ。 ワールドではない⁉大笑いしないぃ⁉ 十二月の都大路上下ル 物足りないぐらいアッという間に読了ですが。 コノ読後感が、なんともよくって。 新選組より現実の女子駅伝⁉陸上部高校生がこちらは、心に残ります。 ~謝ることより、あなたがやるべきことはひとつだよ~ 京都舞台に意味がある‼の、かなぁ。 そして 八月の御所グラウンド よかったぁ。 だって、野球めっちゃ、好きだからね。アタくシぃ。 野球と聞いたら、そわそわしちゃう。 野球に、何かの気づきもっているのなら。 ボーっと観てる方にも、是非おススメしたい‼ たまひで杯 朽木と多聞くん。 烈女シャオさんと「オリコンダレエ」 送り火の日 ~俺たち、ちゃんと生きてるか?~ 三人組‼ 沢村栄治・遠藤三四二・山下誠一 ~あなたには、火がないから~ この辺りが文学ぅ。

    1
    投稿日: 2024.04.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今と昔、あの世とこの世がない混ぜになった、ふわふわした空気感は、舞台が京都だからこそかな。 一気読みでした。 教授は、ママからのご褒美が欲しいだけで大会を毎年やっているわけでは、きっとない

    1
    投稿日: 2024.04.03
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     みんな〜、 生きたかっただろうな。  俺たち、 ちゃんと生きてるか❓ 毎日、精一杯生きなきゃね。

    0
    投稿日: 2024.04.03
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    全体的にすごく読みやすかった。ページ数も少ないし、2日3日で一気に読める。文章の構成とかすごく上手で、まさに文才って感じ。話に関しても、面白かったけど昔の人達にあまり焦点は当てられていなくて、どちらかというと主人公の成長とか変化がメインに書かれている。 でも最初のマラソンの話が個人的に良すぎて、次の野球は少し期待ハズレに感じたかなーって思った、長かったし。

    4
    投稿日: 2024.04.01
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    とても綺麗な文章で、読みやすい。 ずーっと引き込まれるのは、さすが直木賞受賞作品。 八月の御所グラウンドは、3試合目、社会人チームの人間を揃えたのに勝ってしまうのは、少し??だったが、沢村投手なら仕方ないか。。 もしかしたら、彼女と復縁も??なんて期待したりして、、、 とても爽やかなストーリーだった。 最近ドロドロした作品が多かったので、心が穏やかになった。

    11
    投稿日: 2024.03.31
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    2024年直木賞受賞作 万城目学さんの作品は初めて読みました。 京都が舞台のファンタジー青春モノ。 女子駅伝で急遽最終ランナーに抜擢された一年生のお話(短編)と 酷暑の中、たまひで杯という市民野球に参加せざるをえなくなった大学生の話(中編)の二作品が収録されている。 読みやすく、読後感がほんとーに爽やかで そして京都が舞台だからこそ、すっと受け入れられるファンタジーだった。 野球の話は「フィールドオブドリームス」を思い出したけれど、戦争の話もからんで、切なく とても良かったです。 万城目学さんの他の作品も読んでみようと思います。

    14
    投稿日: 2024.03.31
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    ・直木賞受賞作として認知し、佐久間宣之さんがラジオで面白いといっていたため読んでみた ・青春要素がメインで、京都、SF、少しミステリーのような感じがした ・あるインタビューで、「青春とはその時にはその良さに何一つ気づかないもの」と言っているのを聞いて、その通りだなと思った ・万城目先生の作品を初めて読んだので、もっと他の作品も読んでいたら想像するイメージも鮮明になり、もっと面白くなるかもと思った ・同じく京都舞台の作品の鴨川ホルモーとか、読んでみたい ・森見登美彦作品もそうだが、京都を巡りたくなる

    6
    投稿日: 2024.03.30
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    京都版フィールドオブドリームドリームス。小作だけど、確かにじんわりくるし、切なさもある。シャオさんを主人公にもう一作欲しいところだ。都大路の方がおもしろかったけどね。万城目さん、どうぞまた京都を題材に書いてください。

    2
    投稿日: 2024.03.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    万城目作品は2冊目  第170回直木賞受賞作 本を手に取り読み始めると・・・ (んん?! 女子駅伝?! グラウンドは?)となる。 2作品あることを読み始めてから知った。 八月の酷暑の京都 大学4年生の朽木は彼女に振られ 就活も進まず だらけた生活を送っていた そんな朽木を 友人の多聞が早朝野球のメンバーに誘う 9人ぎりぎり 寄せ集めメンバーは なかなかのキャラ濃いめ 歴史ある京都御所のグラウンド 一味違った熱戦が繰り広げられていく 直木賞にしては・・・少しライト?!な感じではあるが 試合が展開されていく勢いと共に  いっきに読み手を 熱戦繰り広げる京都へといざなう そこは 文章力が確かな万城目作品だからかな ちょっと不思議なまぼろしを見せてくれる青春スポーツ小説でした 難しい本は苦手な方も 楽しく読めるはず。

    1
    投稿日: 2024.03.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久しぶりに万城目学の作品を読んだ。京都は暑そうだ。そして、不思議な時間が流れているのだろう。いつの間にかそこは不思議な空間となっている、お馴染みの始まり。 表題作と短編の「十二月の都大路上下ル(カケル)」も入っている。こちらは高校女子駅伝での話。 こちらが歳をとったせいか、未来のある若い人の話はキラキラと輝いているように感じる。 駅伝大会の前日にアンカーに抜擢された1年生のサカトゥー、コースは下見してあったが、荒天により、ものすごい方向音痴のサカトゥーは最後にどちらに曲がるか分からなくなってしまう。その時コースを指示してくれる声が聞こえ、20位台でゴールするという目標を達成できた。実はこの時、サカトゥーには、不思議なものが見えていたのだ。翌日、それが自分だけではなかった事を知る。 表題作は、京都の大学4年生の朽木が留年した多聞の卒業のため、夏休みに早朝から草野球大会に出る事になる話。帰省したり体調不良で人が集まらず不戦敗を喰らいそうになった時現れたえーちゃんについて、同じく助っ人のシャオさんが、とある事実に気づいてしまい、という展開。 ただ不思議な話、で終わらないところが良かった。朽木が彼女に振られた理由はよくある話だと思うが、それがくつがえりそうな予感で終わるラストは余韻が残った。 個人的には、シャオさんが初めて覚えた日本語の「オリコンダレエッ」を叫ぶところがツボで、一人で大笑いしてしまった。

    22
    投稿日: 2024.03.28
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    「ヒトコブラクダ層ぜっと」ではぶっ飛びまくった内容だったけど、こちらは「プリンセス・トヨトミ」に近い日常的設定で、ほどよく緩やかで京都の暑さが世界観とマッチしていている。基本設定は普通じゃないから、受け入れられないと辛いだろうけど、世界観ができているから、すんなり読むことができた。文章も読みやすいので、中学受験の問題に採用されてるのもよくわかる。家族で読める内容なのも良いですね。

    16
    投稿日: 2024.03.26
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    生きたくても生きられなかった若者たちに、絶妙な湿度で思いを馳せた 京都が背景ってズルい それにしても駅伝大会の脇で全力疾走の新撰組って…万城目せんせい!

    2
    投稿日: 2024.03.26
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    直木賞2023下半期受賞作!万城目さんのホームグラウンド京都を舞台にしたファンタジー青春小説2編です。冬の女子全国高校駅伝と夏の大学草野球ゲーム,それぞれに歴史の時空を超えて奇跡の出会いが生まれます。不思議でやさしい気持ちになれる作品です。

    0
    投稿日: 2024.03.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    冒頭の駅伝の物語を読んで、いやいや、これ一冊持たないでしょうって思ったら、二話収録本だったのね、そして第一話も本編への布石となっていて、ああ、なるほど、このノリは嫌いじゃないなって読み込んだ。 野球の試合で優勝するためにチームに寄せ集められた主人公の下に集まってくるメンバーに、ああ、なるほど、そういうオチねとわかりやすい話で、おそらくこれが京都を舞台にした話じゃなかったら京都の冠のついた賞はとれなかっただろうし、ほかの賞もどうやら怪しいレベルではあるものの、まぁ嫌いじゃない。ネタをばらすなら、そういう展開であれば、当然相手チームにもそういうメンバーが集まってきて然るべきであろうなのに、不戦勝があったりとちょっとつじつまが合わない。ひょっとしておたくのチームも?、え?そっちも?って両リームの選手同士の会話があってもよかったんじゃないかなぁって思う。その辺が惜しい。 京都を舞台にした小説はどうしても通りにまつわる話が多いというか、それしかない。京都の情景はもっともっといろんなモチーフを使って表現をされてもいいのになと切実に思う。

    2
    投稿日: 2024.03.25
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    駅伝の話かと思ったら野球のお話し。野球への思いを残して亡くなった英霊が毎年御所グラウンドで行われる「たまひで杯」に現れる。それを分かっていて毎年続ける人達の想い。 まあ、いつもの万城目さんの京都学生シリーズって感じ。 だけど第一話の駅伝の方が好きだったな。

    0
    投稿日: 2024.03.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    京都の各所が出てくるので地名を知ってると頭に描けて面白さがあがる。 「卒論のデータ」 教授目線の話しも勝手にいろいろと想像してしまう。 若い頃のまっすぐな感情が青春!

    5
    投稿日: 2024.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第170回直木賞受賞作品だったので。 奇しくも幽霊話。 と言っては身も蓋もないが、最近さわやかな青春物を読んだばかりなので、 幽霊は必要?と思ってしまった。 別に幽霊話は嫌いではないし、 幽霊が出たからと言って、呪いや怨霊とセットである必要はない。 しかも、幽霊のひとりと老教授のふんわりとしたつながりも悪くない。 なのになぜか食い足りないのは、 幽霊達の気持ちが描かれてないからかもしれない。 とはいえ、芸妓たまひでをめぐる男たちの戦い、 いや代理戦争である野球大会の存在自体は面白かった。 一話目の滋賀の高校生が言っていたが、 これが京都ブランドというものか?

    0
    投稿日: 2024.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった。 まだ生きたかった。 野球がしたかった。 秘密の出来事、誰かに話したらそれはそこで終わり。 じゃない!!

    1
    投稿日: 2024.03.23